足無少女
「相談?」
「そうなんだ……」
団子屋の中、餡子団子と白玉汁、抹茶を飲みながら慧音と話していた
元々慧音の寺子屋に遊びに行ったときに慧音不在、本日休みと書いてあり
事情を聞こうと村を探し回った所、此処でため息をつく慧音を発見
そして今に至る、というわけなのだが……
「相談って、やっぱり生徒の事か?」
「う~ん、実はな里の子の中で「一人だけ」寺子屋に来てない子が居るんだ」
ふむ、つまり引きこもりなのか?
重大な物を抱えていたり、仮定の事情なのだろうか?
「なんで、その子が来ないのかは分かるのか?」
そう聞くと慧音は手に持ったお茶を降ろした
いつに無く真面目(何時も真面目だが)な顔でこちらを見てくる
その表情一つで、深刻な内容であることは容易に察する事が出来た
「それがな……結構いいにくいんだが……」
「それなりに覚悟はしたつもりだ……」
ぐっ、と紡いでた口が開く
「彼女は……足先が無いんだ」
足が無い、稀に見られる奇形の一種。
障害などの精神、脳の発育とは別で体の一部が欠損する症状
俺は言葉を紡ぐしかなかった
慧音はぐっと声を塞いで、握り締めた手を机に打ち付ける
その目は明らかに潤んでいて、今にも泣き出しそうだった
「なぁ、慧音」
俺は少しの閃きと直感で声を掛けた
「なんだ?」
生半可な覚悟じゃない、怒鳴られる覚悟もある
「一つ、思いついたんだ」
でも、これが少しでも慧音やその子の為になるのなら
「ほっ、本当か?なんでも言ってくれ!」
しかし、まずは……
「とりあえず、その子に会いたい」
そう言うと、慧音はぐっと生唾を飲み込んで言った
「---、わかった。行こう」
俺と慧音は代金を置いて、彼女の家へと向かった
それなりの大きさがある家、大きさは村BEST15位には入るだろうか
部屋もそれなりにありそうだった
「あ、慧音先生……」
年老いたおばあさんがお辞儀をして玄関を開けてくれた
そのまま手馴れた感じで奥に案内してくれる
「ところで、そちらのお兄さんは?」
「蒼真だ、少し相談相手をしてもらっていてな……」
「そうですか、少しでも孫に希望が行くように……お願いします」
綺麗な礼、孫とは話題の女の子の事だろう
純粋に人を思う気持ち、それが態度から滲み出ていた
それを見て言葉が出なくなった俺は、間違っては居ないだろう
「さぁ、この扉の奥だ」
慧音と俺が立つ襖、俺は自分の胸を落ち着かせて、ゆっくりとそのドアを開いた
その奥に佇むのは一人の少女
可憐という言葉が嫌というほど似合う秀麗さ
キチンと整えられた和服
真っ直ぐに伸びたその髪は、流れる水のようで
此方を見据えるその目には雲ひとつ無く
その態度には、一遍の驚きや恐怖は感じなかった
「慧音先生、そちらの方は?」
「彼は蒼真、最近やらかしまくってる退治屋だよ」
「慧音、その説明はないんじゃないかな?」
「あ、この前新聞に載ってた人か」
「まぁ、そうだな。じゃあ、蒼真」
「うん、後は任せろ」
そう言うと慧音は席を外した
彼女と二人きり……いや、まずは名前を聞かなくては
「君、名前は?」
「私?私は「錦織 未華」。決して最後まで開かない悲しい花……」
「未華ちゃんね。とりあえず、足を見せてもらっていいかな?」
そういうと、躊躇ったような表情を少しした後「好きなだけどうぞ」と、足を差し出してきた
確かに本来見るくるぶしはなく、先は丸まっている
靴に入れてしまえば、違和感は無いだろう
綺麗に伸びた足は、足先が無いため真っ直ぐのラインを保ちより綺麗に見える
俺は失礼ながら、その足先を細かく見た
そして自分の足と見比べると、「足先に似た金属の義足」を作り出した
「それは?」
「義足、今即興で作ったんだ」
はめてみる、すると設計通り綺麗にはまった
色さえ違わなければ、遠くから見れば普通の足だろう
とりあえず、足自体を作り上げる事には成功したといえるだろう
しかし、動けなければ仕方が無い。
それまではただの自己満足に過ぎない
すると、不意に声がかかった
「貴方は、何者なのでしょうか?」
「金属を操れたからかい?」
未華はコクリと頷いた
まだ、日は明るい。午前11時過ぎ
俺は怒られる事を覚悟で窓を開けて
「うひゃああ!!?」
未華ちゃんをお姫様抱っこした
「蒼真!?って、足が……」
「慧音、この子には少し知らない世界が多すぎる
直す意欲を上げるためにも、散歩にいってくるよ」
俺はそういって、窓から天を駆けた
みっ、短い……
長く書いたつもりなのに、一文一文が短すぎるんだぁ