助けてください
暗記パン下さい、3rdeyeでテストの答案作ってください
「なぁ、未華。お前は何を見てみたい?」
「何って言われても、わかんないよ
見れるものなら未来や人の心、新しい世界を見つめていたいかな」
「それは、小説の登場人物に憧れたからかい?」
「うん、皆私に知らない世界を教えてくれるの。
とても生き生きとした素晴らしい世界……」
少し俯く彼女の瞳には、銀色の足が映っていた
それは、先ほど俺が作り出した虚像。彼女の本当の身体ではないモノ
同情、その気持ちしか浮かばないのは気のせいじゃない
でも、彼女が欲しいのはそんな上っ面の気遣いや、哀れみじゃない
無い足、そしてその足が刻んでいく未来
それを小説の中に描く事は悪い事じゃない
夢というのは力をくれるし、知識に自愛に……全てに繋がる
一人の人の文章を何十人、何百人の読者とそれを支える人達
そのつながりは大切で曖昧で儚く愉しいもの
でも……
「よし、未華ちゃんにはこの世界の不思議を、他の皆が見られない幻想を見せてあげよう」
「そんなの無理よ、絶対に出来ないわ
行けるのならに地獄でも、天界にでも……いっそ冥界を見てみたいわ」
「わかった、冥界だね」
俺は上空にそびえる此処からでは見えない白玉楼へと、翼を広げた
その鈍いグレーに光る金属質の羽根は、風を切る音を響かせながらフィンを羽ばたかせた
俺の鎧は未華ちゃんを包み込むと、新幹線のような飛行機のような抵抗の少ない形へと変貌を遂げる
太陽の光りを受けキラリと輝くこの身は、きっと一筋の光
それが未華ちゃんの希望の光になる事を信じて、一層強く早く俺は飛んだ
ばふっと雲を抜け、その先に広がった大きな門
その向こうに見えた大きなお屋敷とたくさんの幽霊……
「此処が冥界「白玉楼」だ」
「……う、そ……」
俺は絶句する未華ちゃんを抱えて屋敷に向かって歩いていく
「侵入者!!……って、なんだ蒼真さんですか」
「うん、久しぶりだね妖夢」
「ええ、そうですね
あの闇と戦ったそうじゃないですか、ご無事で何よりです」
「ありがと、心配かけたかな?」
「ねぇねぇ、この人は?」
未華の言葉で、俺と妖夢の話は遮られた
まぁ、未華ちゃんにはわからないから、むしろ良かったんだけどさ
「私は魂魄 妖夢、此処白玉楼の庭師を務めています」
「妖夢さんね、私は錦織未華よ」
「人里の子でさ、ちょっと探検に来てるんだ」
「探検と申しますと?」
「不思議なものを見せて回りたいんだ」
そう言うと、そう言うことでしたら。と半霊を見せてくれた
妖夢にそっくり変身した事には驚きと好奇心が隠せなかったようで、俺の上で暴れまわってくれたよ
一通り妖夢の隠し芸が済んだ後、屋敷に案内された
「この部屋に幽々子様が居ます、お茶入れてきますね」
そういって妖夢はとてててと廊下を早足で進んでいった
俺はその姿を未華と見送ると、目の前の障子を開けた
「美味しいわぁ~~♪」
中にはもちろん「食事中」の幽々子が座っていた
ほっぺに手を当てて、とても美味しそうに口を動かしている
後ろに詰まれた大量の串の残骸から察するに、今回は団子中心らしい
それにしても、部屋に入ってきた人に気づかないってのはどうなんだ?
俺は少し考えた後、ちょっと脅かしてみようと思った
「だーーーれだっ!!」
古典的な話、後ろから目隠しである
「うひゃっ!!えっ、えっと~~あ、蒼真ね」
「ピンポーン、正解」
「久しぶりね、蒼真。そっちの子は?」
「私は錦織未華です」
「ご丁寧にどうも~、私は西行寺 幽々子って言うの。よろしくね」
そういって幽々子が手を伸ばす
あ、はい……といって躊躇い混じりに未華が手を出して
「冷たいっ!!」
ばっと手を離した
無理も無い、相手は幽霊だもの。そもそも温度の概念が無い
「貴女の手は温かかったわよ、私はお化けだからね」
「おばっ!!此処が冥界って……」
「妖夢の半霊も見ただろ、此処は本物だよ」
「お茶入れてきました~~」
「妖夢さんがログインしました~」
「意味が分かりませんよ!?」
いいツッコミが帰ってきた
うん、懐かしい感じがしてならない
ああ、エンタの神様とか爆笑レッドカーペットがとても恋しい
「それで、今日はこの子とお話しするのが目的なのかしら?」
「さすが幽々子、話が早いな。そう言うことだ」
「そうね、じゃあまず私の話から始めましょうか?」
そういって幽々子は話を始めた
とてもおぼろげな生前の記憶、妖夢との出会い始めや春雪異変の話
妖夢の恥ずかしい話というのは、とても美味しいものだった
二本の刀の刃が俺の首を映して輝いていたけど
正直怖かったよ……
「……って言うわけなのよ~」
「とても面白かったです!!」
キラキラした目で未華は言った
お菓子を貰い、いい話を聞いて嬉しそうだ
「蒼真、私が話せる奇想天外なお話は出来るだけ多く話したつもりよ」
「ああ、ありがとう。じゃあ次の場所いこうかな?」
「それなら紅魔館がいいと思うわよ、パチュリーなんかと気が合うんじゃないかしら?」
「そうだな、最後まで悪いな」
「いえいえ、今度お菓子ね」
「言うと思ったよ……」
俺は滑らかな鎧で未華を包んで、二人に手を振ってから
紅魔館のほうへ、大きくジャンプした