東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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被害者の憂鬱

リリーとレティが喧嘩するような今日この頃

庭の一角、池の畔で束の間の読書時間を楽しんでいた

 

ミステリに恋愛、推理小説等々、机に詰まれた本の種類は数知れない

なぜなら、わざわざ大図書館様が我が家に来てくださったからだ

……二人の金髪をなぜか連れて

ざぶぅんと、青龍が滝を流れて池に飛び込む

水しぶきは飛ばないようにしているらしく、いつもは頭上に虹がかかるのに

今日は頭上に水自体が来ない、あのバケツをひっくり返したかのように強烈な水が

 

「なぁ、蒼真。それ面白いか?」

「ああ、この田中って奴が犯人っぽくてさ」

「ふ~ん、ねぇ推理小説って解くところが面白いの?」

「なんでアリスが返答するのかわかんねぇけど……

そうだな、小説でも何でもその本にあった楽しみ方があると思うんだ」

例えばーーと、俺が実例を挙げようといくつか題名を頭に思い浮かべると

「マクベスやリア王みたいなシェイクスピアの本は悲劇、まさに人々の葛藤や悲嘆を

ホームズなんかはそれこそ謎を考えた方が面白いかもしれないわ

恋愛は……よ、よくわからないけどきっとそう言うところに惹かれるものがあるのよ」

「パチュリー、俺のセリフ盗るのやめようぜ……

お前らはアレだな、俺のナナメ上を三角飛びしてくよな」

「貴方の例え方が良く分からないわ」

「言葉も最後はパワーだぜ」

「魔理沙やパチュリーと付き合っている時点で、常識で考えちゃいけないのよ」

 

……3人12色ってくらい個性的過ぎるぞ、魔法使い……

「アリス、弾幕ゴッコになりそうだからそういう発言は控える様に」

「なら、どうやって教えればよかったの?」

「おいおいアリス、わたしが常識ハズレ見たいな口ぶりなんだが」

「あら、違ったかしら?」

「私は少なくとも人間出身なんだけどなぁ……」

「死ぬまで借りてくなんて、それこそ8艘飛びするぐらい奇想天外な本の借り文句作ってるんだし

十二分常識ハズレよ」

「パチュリーまで……酷くないか、蒼真?」

「三対一で魔理沙は常識ハズレって事で」

「あれ、無視!?」

そういった魔理沙が「おいおいあんまりだぜ」なんて言ってる間に

アリスの上海が俺の家から紅茶を持ってきた

シャンハーイ!なんて可愛く言われると、思わず一家に一台とかほざいてしまいそうなのだが

俺が上海見てると時だけ、アリスが異様に睨んで来るんだよなぁ

一体何なんだか……はい、この前撫で繰り回したのが原因です

 

カチャッと、可愛くカップの音がして真ん中に砂糖のビンが置かれた

少しだけ入れて飲む、いや俺は甘党だったりするんだが

なんか、この場だと恥ずかしくてそんな入れられない

ていうか、むしろ俺はカフェオレとかカプチーノとかコーヒー派なんだよな

ん、そうだ

「アリス、キッチンの戸棚にビスケットがあったの忘れてた」

「分かったわ、上海、蓬莱行ってらっしゃい」

そう言うと、二体がふ~と飛んでいく

池の畔は少し家から遠いのだが(それでも3分ちょい)

まぁ、直に帰ってくるだろ

「にしても、人形って便利だなぁ」

「アンタ、機構人形大量生産できる癖して何言ってんのよ」

「いやぁ、そりゃそうなんだけどさ」

俺はそういいながら指をパチンと鳴らせて、人形を10体程作った

 

「でもさぁ、可愛くないだろ?」

「「「むしろ怖い」」」

「だよなぁ……」

昔からファンタジー、幻想の世界に夢を見続けた俺の脳には

ナイトゴーント、ロイガー等からフェンリル、トールなどあらゆる物に干渉を受け

その結果、人形に独特の気持ち悪さや奇妙さが滲み出ているのだ

一体とって見たってそうだ

間接が逆になったような感じ、触手やスライムのような場所もあれば

岩のようにゴツゴツしてみたり、舐めとられたようにつるんとした所もある

「まさに、奇奇怪怪って所かな」

「奇妙珍妙の雨霰って感じがするわ」

「それ、自動化とかはできないの?」

「うーん。出来るけどやらないが正しいかな

多いほど単純な命令しか出せず、少ないほど精密に動かせる

様は、使いどころなんだけど、本気の一体なら中妖怪ぐらいと渡り合えるよ?」

「結局、使う鉱物のパワーって感じだぜ」

「「魔理沙、パワーって言いたいだけでしょ?」」

「うん……」

魔理沙の顔がショボーンみたいな顔になった、可愛い

思わず撫でてやりたくなるわ

 

「しっかし、お前ら魔理沙の事だと考える事近いのな」

「多分私たち+霊夢あたりが、一番の被害者だと思うわ」

「そうね、私たちが仲良くなったのも、最初は魔理沙の愚痴だったわ」

「俺が言ってて悪いんだけど、魔理沙の居場所が無くなってくからやめろ」

「ああ、いいんだ蒼真……おっ、ビスケット来た!」

「「「子供か!!!」」」

「悪いかああああああ!!」

今までの会話で積もりに積もった鬱憤は、この青い青い空に響き

……ビスケットのヤケ食いで収まった

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