迫り来る弾、しかしそれは10の真剣によって尽く弾かれていく
その弾幕の向こう、チラチラと見える村紗は焦っている表情
しかも、刻一刻と険しいものへ変わっていく
無理もないだろう、何てったって全部弾いてるんだぜ?
当たらないなら弾幕も意味が無い。
それはスペルカードを扱うものの共通認識
また、それをどう頭を使って避ける当てるか、それがこのゲームの攻略法である
しかし、やはり弾幕は質より量。
村紗の量じゃ、俺の剣たちは掻き消せないぜ?
「くっ!なんで当たらないのよ!!」
「全部弾いてるからだな」
「見れば分かるわよ!!」
そういって弾幕を放ってくるが……開始4分ちょいか、そろそろ飽きたな
俺は腰の「決闘!」っていいながら手をあてそうなカードホルダーから
適当に一枚引っ張り出した……なるほど、初めて使うカードか
「機構『スクラップドールズ』」
小さく響いた声は、カードを光らせた
ぼこっ……ぼこっと、4体のズタボロ人形が現れる
カシャンなんて言う軋むような音を鳴らしながら、奴らは村紗を見据えた
フォー・オブ・ア・カインドを参考にしたこのスペル
カラクリ人形達が一斉に弾幕を散らせた
的確に村紗を狙って、時に追いかけ時に先読み。
左右に擦らせてつかれさせた所を……
ばふっ!と村紗を両腕で抱き締める、先読みが簡単すぎるよ
「チェックメイト」
カラクリ人形が一斉に直線放火、俺は村紗を盾にする
だって痛いもんww
3秒ほどの集中砲火の後、村紗はバタンと気絶した
「アンタが強いのは良く分かったわ、次はリベンジしてやるから」
「何時でもこいよ、待ってっから」
「いやいや……勝てる気がしないね」
「ナズー、それ酷すぎない?」
「いや、失敬。頑張ればいけるんじゃないかな?」
ナズー、それフォローか正直微妙だよ
ん、そういやナズって
「なぁ、ナズ」
「ん、なんだい?」
「ナズってダウザー……用は物探しのプロなんだろ?」
「まぁ、そうだな。探して欲しいものとかあるのかい?」
「幻想に紛れ込んだ機械とかって、探せる?」
「無理ではないと思うけど、何故だい?」
「友達に河童が居てね、その子達に機械や兵器を見せたり上げたりするんだけど
この土地に無かった物を探すのは、能力があるといえども難しいのさ」
「つまり、河童の技術向上の手伝いといったところか」
ナズさん、察しが早くて助かります
「しかし、河童とはまだ面が割れてないからな……
紹介してくれるというのであれば、協力するよ
情報は、入ってきやすい方がいいからね」
「んじゃあ、村紗は寝てろよ」
俺はナズの手を引いて、寺の外に出た
妖怪移動中……
「着いたよ」
「少し距離はあるが、まぁ遠いというほどでは無いのかな」
山の中の川辺、水の流れる音や風邪の根が気持ちいい
「ふきのとうか……春初めならではだな」
「外は少し寒いし、家に上げてもらおうかな」
やっほーーー!と、俺は水面に向かって叫ぶ
すると、ちゃぷーんと波紋が広がり、水の中から河童が出てきた
「あ、蒼真さんでしたか!
向こうに小屋がありますのでどうぞ!」
そういって指差される方向には一軒の小屋がある
中を覗くと、誰かの家のようにも見えるが、死角となる机の下
そこに、河童宅に繋がる階段があるのだ
其処を通じて下に下りると、其処には車や携帯ゲーム機等からチェーンソーまで多種多彩の機械がある
「おおお、見たこと無いものが沢山ある!」
「ナズは元々そう言うのが好きなんだっけ?」
そういいながらナズを見ていると、向こうからにとりが近づいてきた
「久しぶりだな、蒼真」
「おう。にとり、また可愛くなったか?」
「そっ、そうか?……って、私は子供か!?」
「こどもも、にとりも似たようなモンだって」
「いやいやいや、三文字って所しか合ってないよ」
コントっぽく軽く冗談を言ってから、ナズを紹介する
完結にダウザーネズミ。ですむっちゃ済むんだけど
毘沙門天がなんたら~とか、色々ややこしいし
ネズミをなめて死にたくないですから、ペスト菌で殺されそうだし
ナズを舐めるんなら全然いいんですけどね
「おい、蒼真。一人の世界から出て来い」
「ん、ああスマン」
「今、完全に変な事考えてる顔だったぞ?」
「そんな事無いって……」
「「ホントかぁ?」」
やめて、そんなにジト目で見られたら抱き締めたくなるから
……なんて冗談は置いといて
「ごっ、ゴホン。にとり、この子がナズーリンだ」
「どうも、ナズーリンだ。命蓮寺に住まわせてもらっている」
「ナズ、この子がさっき話したにとりだ」
「はじめまして、よろしく頼むぞ」
「ああ、……ところで、アレはなんなんだい?」
そういってナズは指をさす
其処にあるのは洗濯機や、掃除機等々……
「あーアレは服や部屋を綺麗にする機械だよ」
「ほう……興味深いね
動かしてもらってもいいかい?」
「いいよ!」
そういって、二人はそっちの方に歩いていく
仲良くなってくれそうで、少しホッとした
あの二人よりも「嬉しい」気持ちで、俺は後を追いかけた