EDF日本支部召喚   作:クローサー

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閃いてしまって書かずにいられなかった。何処まで書けるかな…頑張ります。


第1章 転移
第1話 転移


その日、人類は勝利した。

2017年4月1日、地球上に降下した地球外生命体「フォーリナー」は地球の侵略を開始。2013年の観測を切っ掛けに結成された地球連合軍「EDF」を筆頭に人類は抵抗戦争を開始。しかしその戦争は、余りにも絶望的だった。

僅か15日で全地球規模で制空権を喪失。残った陸軍海軍も奮戦するも、暴力的な物量の巨大生物、圧倒的なテクノロジーを駆使するフォーリナーの兵器の前に人類は一人、また一人と倒れていった。

そして遂に、人類の有力な戦力はほぼ全てが壊滅。それは2017年4月1日より、僅か半年の事だった。誰もが人類の敗北だと悟っていた時、誰もが思いもしない出来事が起こった。

 

フォーリナーの母船、マザーシップの撃墜。

 

その奇跡。一人の兵士が放った一撃、それはマザーシップの吸気口に致命的な一撃となり、フォーリナーが誇る母艦(ははぶね)は地に墜ちた。

直後、フォーリナーの残存船団は地球より撤退。空を覆い尽くした絶望の権化は、たった一つの出来事で姿を消した。しかし、そのたった一つの出来事が、人類の勝利へと導いたのだ。

そして、人類の復興が始まった。EDFは生き残っていた戦士達や市民達を救出しつつ、地球上に残されていた巨大生物の掃討を開始。一年後、アリゾナで最後の一匹が銃弾に倒れ、地球上から巨大生物が消え去った。

 

EDFは、人類は勝ったのだ。

 

その後の復興はフォーリナーが遺していったテクノロジーを取り入れ、かつての姿を取り戻しつつ、しかし再び彼等への襲来に備え、力を増強させていった。

 

そんな最中の、2028年6月28日。

 

全ては、そこから始まった。

 

 

 

 

 

 

EDF。

それは人類の護りの象徴であり、人類の希望。

特に日本支部はフォーリナーの母船、マザーシップを撃墜した余りにも大きい功績もあり、その名声は全地球的に見ても、EDF総司令部と劣らずといっても過言ではない。

最後まで絶望と戦い、勝利した彼等にとって、最早ちょっとやそっとした出来事は驚愕に値しない。が、今回の出来事はそんなチャチなものでは済まされなかった。

 

「…すまない、もう一回言ってくれ。何がどう起こったんだ?」

 

EDF日本支部、第一会議室。

其処に集まっているのは、日本支部司令長官を筆頭に参謀長や戦術士官等、日本支部を動かす重要人物が集っていた。全員の表情は驚愕や困惑に染まり、報告を伝えている情報局長自身も内心信じられない事ではあると思っている。

 

「…では、もう一度申し上げます。日本列島は、「転移」したと考えられます」

 

その出来事は、2028年6月28日午前0時0分0秒に起こった。

日本列島全域に発生した、空を覆い尽くした謎の白い光。その光は1cm先も見えぬ程の光量を数秒間維持し、何事も無かったかのように掻き消えた。直後、全衛星及び日本列島外の全通信がロストし、全EDF日本軍は即時出動態勢に移行。白い光の原因、及び全通信の復旧を試みつつ、フォーリナー襲来に備えられ、市民はシェルターへの避難命令が呼びかけられた。

しかし何時間待とうが、フォーリナーの影もなく、巨大生物が再び現れる訳でも無い。12時間後、EDF日本支部は出動態勢から第1種警戒態勢に移行し、市民は依然シェルターの避難を継続した。

そして更に1時間後。EDF情報局より驚愕の報告が挙げられたのだ。

 

それが、「日本列島の転移」。

 

星の座標変化等、十分な根拠を持って発表されても普通、それを聞いたら万人は「あり得ない」と言うだろう。しかし彼等(EDF)は、あの地獄を生き延びた人類は違った。

 

「…フォーリナーの仕業か?」

「それはまだ不明です。しかしその可能性も捨て切れません」

「しかしもし奴等の仕業だとしたら、一体何の為に?」

「10年前の復讐も十分に考えられる」

「だったら転移と同時に攻撃している筈。半日も待つのは考えられないだろ」

「いや、転移そのものがフォーリナーの新兵器というのも考えられる。邪魔な奴を容易に排除出来るなら…」

「そもそも転移前はフォーリナーはまだ観測されていなかった。奴等の仕業なら果てしない距離から我々に攻撃を…」

 

憶測が憶測を呼び、ザワザワと騒めく第一会議室。

が、日本支部司令長官が静かにテーブルを叩き、数秒の間を置いて沈黙が再び訪れる。

 

「此処で憶測を話し合っても何も始まらん。情報局長、他に何か情報はないか?」

「日本列島が転移したという情報以外、何も…これ以上の近辺調査となると、海軍空軍の出動が必要となります。衛星の通信は未だにロストしており、宇宙からの調査は不可能です」

「調査に最適かつすぐに動かせるのは?」

「第1、第3、第7、第9飛行中隊、第7艦隊です」

「第7艦隊?要塞空母デスピナの艦隊か?」

「はい。前日補給を終えて東京湾より出航後、日本領海内を航行中に転移に巻き込まれたようです。彼等ならより長距離の調査も可能でしょう」

「決戦要塞X5も巻き込まれたのは幸運と言うべきか、不運と言うべきか…兎に角状況は分かった」

 

司令が立ち上がると同時に、会議室に座っていた全士官も立ち上がる。

 

「今回の転移事象はとても隠しきれるものではないだろう。市民達には嘘偽り無く公表する。全EDF陸軍部隊は起こり得る混乱に備え、治安維持に努めよ。空軍海軍はフォーリナーの襲来に備え、いつでも出動出来るように。第1、第3、第7、第9飛行中隊、及び第7艦隊に出動を要請。日本列島周辺を調査しろ。どんな細かい事でも良い、何かあったらすぐに報告させるのだ。

皆も分かっているだろうが、此処が正念場だ。我々には物資が限られている。弾薬、燃料、食料。全てが万全とは言い難い。日本列島外の補給が停止した今、我々は戦わずして斃れる恐れすらある。これを乗り越え、生き残らねばならない!諸君らの健闘を期待する!」

『了解!!』

 

こうして、EDF日本支部の生き残る為の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

本来ならば、「日本国」と呼ばれる国家が転移させられる筈だった世界。

しかし何処かが狂い、「EDF日本支部」が転移させられる事となった世界。

彼等が何を起こすか。何を狂わせるか。それはこれから分かるお話。




用語解説

EDF
連合地球軍。2015年2月1日に結成された超法規軍。かつては150万人とアメリカと同等の戦力を持っていたが、フォーリナー襲来によって壊滅。2028年現在は30万人と大幅に縮小したが、フォーリナーのテクノロジーを吸収した事により、襲来前にも劣らない戦力となった。
フォーリナー大戦後、世界政府としての機能も併せ持っている。

フォーリナー
地球外生命体。2017年4月1日に地球に降下し、侵略を開始(フォーリナー大戦)。マザーシップの撃墜によって地球外へ撤退した。
EDF日本支部は、今回の転移事象にフォーリナーが関わっている可能性があるとして調査している。

巨大生物
フォーリナーが投下した生物兵器。殆どが地球上の生物に模しており、主に蟻型や蜘蛛型が確認されていた。
フォーリナー撤退後の2018年10月30日、アリゾナにて最後の巨大生物が撃滅され、地球上から掃討された。

フォーリナー大戦
原作(地球防衛軍3)で起こった抵抗戦争。僅か7ヶ月の戦争でありながら、大戦後の人類の人口は3割に減少。世界各国は崩壊し、EDFが崩壊した世界各国に代わって世界各地の統治に努める事となった。

EDF日本支部
日本に駐屯するEDF部隊の司令塔であり、日本統治機構。フォーリナー大戦に於いて、最後まで部隊の指揮を取っていた唯一の本部。マザーシップ撃墜の功績により、転移前はEDF総司令部にも劣らぬ発言力があった。

日本支部司令
全ストーム1が知る本部のあの人。原作(地球防衛軍3)だとプレイヤーに「本部の罠」とまで言わしめる迷指揮を取っていた事もある。大戦後、司令自身もそれは深く反省しており、まともな指揮が取れるように日々精進している。

第7艦隊
要塞空母デスピナを旗艦としたEDF海軍艦隊。要塞空母デスピナを筆頭に、イージス戦艦4隻、フリゲート艦12隻で構成された大規模艦隊。

要塞空母デスピナ
決戦要塞X5として建造された、全長1400mの超巨大空母。
要塞空母と言われるだけの事はあり、マザーシップの攻撃にも耐え得る強靭な装甲、4基8門の51cmレールガン連装砲、360基の巡航ミサイルVLS、4基の超大型巡航ミサイルVLSを搭載。機関は核融合炉であり、デスピナ内部に簡易的な兵器製造機構、食料生産機構を備える等、無補給でも暫くは継続戦闘が可能な設計となっている。
(第七艦隊、決戦要塞X5、デスピナ搭載機能等の設定は本作オリジナル)

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