今回は日本列島が消滅した直後の、地球の様子をチラッと。
太陽系第三惑星 地球。西暦にして、2028年6月28日。
全世界が、その日起こった出来事に戦慄いた。
「日本列島が、跡形も無く消失している」
時にして、6月28日の日本時間0時0分きっかり。突如日本列島から発せられている全通信、及び日本列島上空にあった一部衛星の通信が途絶。一切の連絡が途切れた事を受け、EDF総司令部は極東支部に日本列島の観測任務を発令。更に観測衛星の軌道をズラし、日本列島の衛星観測を試みた。
そして届けられた写真や画像には、日本列島の影一つ無く、唯々海を映すのみだった。
各EDF上層部の衝撃は、壮絶の一言に尽きる。
数字や書面だけを見るなら、日本列島とそこに居る十数万の陸軍、数百の航空機、数十の戦艦、3600万人の民間人が消滅してしまったという事になる。しかし、EDFの総合的に見れば、割合にして1割にも満たない数である為、打撃であるが致命傷という程でもないように見える。
しかし此処に、別の要素を入れると全く話は別となる。
一つ。EDF日本支部は世界最強の練度と質を持った、名実共に「最強のEDF」であるという事実。
一つ。消失した戦力の中に、決戦要塞X5デスピナを含んだ第7艦隊があった事。
一つ。そしてマザーシップを撃墜した「
一つ。更にEDF、否、人類史上最高の頭脳を持つ
この要素を含めると、人類が負った打撃は想像を絶する。
まず戦力的に見ても、一個の戦線を担う軍隊と陸地が消えた事により、EDFは対宙迎撃能力、対空迎撃能力、抵抗能力に大きく打撃を負った。更に、決戦要塞X5デスピナが消失してしまった。不幸中の幸いと言うべきなのか、デスピナは
精神的に見ると、ある意味戦力的損失よりも上回る物となる。
何せ日本支部は、フォーリナー大戦にて最後まで機能していたEDF司令部であり、唯一「戦線」として構築し続けた実績を持つだけでなく、マザーシップを撃墜し、
人類が持つ、最強の
彼等は最後の最期まで決して戦う事を諦めず、そして負けを認めない。それを彼等は、フォーリナー大戦で実証して見せた。フォーリナー大戦前は、練度こそ自衛隊にも劣らないものであれど、その権限と保有戦力、そして士気はEDFの中でも下位にあった。が、フォーリナー大戦によって、その評価は180度覆る。
しかし、それは当然といえば、当然だったのかもしれない。日本は、日本人は、歴史的に見ても強大な敵と何度も戦ってきた。
1274年〜1281年の
1904年の日露戦争。
1941年〜1945年の
そのいずれも、強大な国力差があった。特に太平洋戦争は、アメリカ合衆国だけでも日本の数十倍もの国力差があった。そして最終的に、
第二次世界大戦が終結し、日本が平和国家として生まれ変わり、世界が平和を求めるようになっても。その血は薄れる事なく眠り続けた。
そして2017年のフォーリナー大戦によって、再びその血は、その諦めの悪さは、およそ70年の時を経て目覚め、覚醒した。
彼等は最後まで諦めを知らなかった。どれだけの巨大生物の波が押し寄せようとも、どれだけのヘクトルが隊列を成しても、どれだけの巣穴が形成されようとも、どれだけの飛行ドローンが空を覆っても、どれだけの都市が廃墟になろうとも、どれだけの軍隊が消えていっても、どれだけの命が散っていっても。
暴力的な戦力差があっても、隔絶的な技術差があっても、絶望的な戦局であっても。
果てには、
その血の運命に従って、戦い続けた。そして彼等は、遂にマザーシップを倒し、そして地球全土を再び人類の手に取り戻す原動力となった。
故に彼等は、人類最強の
そんな彼等が、一瞬で消えて居なくなった事の衝撃は半端なものではない。
幸い、まだフォーリナーの再襲来こと観測されていないが、しかし日本列島消失という状況説明が全くつかない。このタイミングでフォーリナーが観測出来ていたら、最悪ではあれど説明は付くのだから。
証拠となるものは何一つとして存在しない。しかし、調べない訳には行かない。
EDFは、雲を掴むような難易度の調査を決行する事となる。
それが果たして身を結ぶのか、日本列島はどうなったのかが分かるのか。それさえも分からぬままに。