EDF日本支部召喚   作:クローサー

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さぁ、パーパルディア戦は如何なる変化を見せるのか。


第4章 オペレーション・パルヴァライゼーション
第15話 反応と出撃(改)


EDF日本支部が世界のニュースにて、全世界に向けて発表したその声明文。それは世界各国の殆どに多大な驚愕と不憫で受け入れられた。

EDF日本支部の詳細を知らぬ国々にとって、それは「国際常識も知らない、余りにも幼稚な文明圏外国が文明列強国に宣戦布告を宣言してしまった」と。そう捉えたのだ。故に世界各国は、この戦いはパーパルディア皇国の勝利に終わると考えた。

まぁ、彼等が持つ常識と認識ではこの判断自体に無理はなかった。宣戦布告を宣言されたパーパルディア皇国は、第三文明圏列強国であり、その国力は世界的に見ても4番目に高い。対してEDF日本支部は、自らを「第三文明圏国であり、自ら世界に関わりを持とうとしてこなかった」と断言した。つまりは国力もそれ相応しか持っておらず、更には宣戦布告の宣言によって国際常識さえも知らぬ国という認識を持ったのだ。そんな国が列強国と戦っては、すぐに降伏するに決まっている。そう思ったのだ。

 

その予想が全くの間違いだったことは、後に気付く事となる。

 

 

 

 

 

 

第一文明圏列強国 神聖ミリシアル帝国。

第一文明圏、通称中央世界と呼ばれる地域に存在する誰もが認める世界最強の国家であり、帝国南端に存在する港町 カルトアルパスは世界最大の交易拠点として存在していた。

そこにある、とある酒場では酔っ払い達が話をしていた。

 

「見たか?こないだの世界のニュース」

「ああ、まさかパーパルディア皇国が文明圏外国から宣戦布告を受けるなんてな。同じ文明圏外国ならともかく、よりにもよって列強国だぞ?その国のトップは馬鹿なのか?」

「噂じゃ今まで閉鎖的だったせいで、国際常識を全く知らなかったらしい。だからパーパルディア皇国との国力差も知らずに、あんな事をしでかしたんだろうな」

「また1つの国が滅び、パーパルディア皇国の版図が広がるだろうな…しかし今回は例外だが、最近のパーパルディア皇国は無茶苦茶してるな。戦争、戦争、また戦争だぜ。第三文明圏の統一でもするつもりか?」

「その意図もなくは無いだろうな。パーパルディア皇国は中位列強国。ムーや神聖ミリシアル帝国に比べると劣る、それに対してコンプレックスになってるのかもな」

 

その酔っ払い達も、今現在はパーパルディア皇国の圧勝、完勝という意見で占めており、誰もEDF日本支部の勝利など信じていなかった。

 

 

 

 

 

 

第二文明圏列強国 ムー。

世界的に見ても希少な「科学技術」を起点とした文明や技術を中心としており、その国力は神聖ミリシアル帝国に次ぐ。その国力に比例して、戦力もそれ相応に保有しており、科学技術で作られた戦闘機のみならず、30.5cm連装砲を搭載した戦艦までも保有しているのだ。

そんなムーの政治部会は、パーパルディア皇国とEDF日本支部の戦争に関する会議を開催していた。

 

「では…観戦武官はこれまで通り、パーパルディア皇国へ派遣致します。よろしいですか?」

 

その提案に、誰一人として反対の声をあげる者は居なかった。というよりも、彼等にはそれ以外の選択肢は無かったのだ。

何故なら、ムーは未だにEDF日本支部との国交開設どころか、一切の接触を行なっていないのだ。故にムーもEDF日本支部の認識は他の国家や人々と同じく、第三文明圏外国と認識していた。故に今回の戦争も、パーパルディア皇国が勝利すると考えていたのだ。

 

 

 

 

 

 

そして第三文明圏列強国 パーパルディア皇国、皇都エストシラント。

そこには第三文明圏の富が集まり、その国力の象徴とも言える皇宮に住まう、皇帝ルディアス。彼の私室には、彼と1人の女性がいた。

2人が行なっていた雑談が途切れ、その沈黙を破るようにルディアスが女性に質問した。

 

「レミール。この世界のあり方について、そしてパーパルディア皇国についてどう思う?」

「はい、陛下。多くの国々がひしめく中、皇国は第三文明圏の頂点に立っています。多数の国を束ねる為に「恐怖」を与えていますが、この方法は非常に有効であると思います」

「そう。恐怖による支配こそ、国力増大の為には必要だ。神聖ミリシアル帝国やムーは、近接国に対して融和政策を行なっている。そんな軟弱な国より、我が国が下に見られている事は我慢ならない。我が国は第三文明圏を統一し、大国…いや、超大国として君臨する。そしていずれは第一文明圏、第二文明圏をも我が国の配下に置き、パーパルディア皇国による世界統一を果たす。そうなれば、世界から永遠に戦争が無くなり、真の平和が訪れるのだ。それこそが、世界の国々の人の為…そうは思わぬか?」

 

ルディアスは独裁的ではあるが、しかし非常に合理的だ。パーパルディア皇国という大国を支える精神性、政治手腕は第三文明圏の中でも群を抜くが…民族の多様性、言論の自由を許容するなどの考えには至ってはいなかった。

勿論彼の側にある、皇族のレミールも同じ考え…というよりはルディアスに心酔しきっている為、「なんて器の大きな人なのだろうか」と考えるだけである。

現に、ルディアスの言葉を聞いたレミールは感動のあまりに感涙している。

 

「陛下が…それ程までに世界の民の事をお考えだとは…レミール、感激でございます」

 

そして、ルディアスは不敵な笑みを浮かべながら話を続ける。

 

「世界統一の為には多くの血が流れるだろうが、それは大事を成し遂げる為の小事…やむを得ない犠牲だ。そして、皇国の障害となる者達は排除していかねばならない」

「はい!」

 

ルディアスとレミールは知らない。その行いが、72ヶ国の属国の人々は今もなお臣民統治機構によって、決して少なくない血を今も流している事を。

パーパルディア皇国は知らない。その行いが、別世界で全世界が連合し、星間戦争を戦い抜いた者達を怒らせていた事を。

 

彼等は、パーパルディア皇国は、そして全世界は知る事となる。

 

真なる人類の守護者達と「彼等」の、その怒りを。

 

 

 

 

 

 

最後に、EDF日本支部。

本部の会議室にて、つい先日正式に勃発したパーパルディア戦争に関する作戦「オペレーション・パルヴァライゼーション」の最終確認を行なっていた。

テーブル中央にある空間ディスプレイに、第三文明圏の地図が映し出されており、様々なマークや矢印が表示されている。

 

「…以上が、オペレーション・パルヴァライゼーションの内容です。全部隊の出撃準備は順調であり、第7艦隊はつい先程出撃しました。作戦内容は殆ど変更がありませんが…先程、一つ問題が発生しました」

「どうした?」

「自律衛星ライカの最終偵察にて、アルタラス王国に向けて侵攻する艦隊を確認しました」

 

パーパルディア皇国とアルタラス王国の間の部分に、パーパルディア皇国所属を表す赤い艦隊のマークが新たに出現し、矢印にてアルタラス王国への進行方向を指す。そしてその矢印の先に、アルタラス王国所属を示す黄色の艦隊マークが出現した。

 

「隻数は324、編成は戦列艦211、揚陸艦101、そして…ワイバーンを海上運用する為の空母に類する艦…「竜母」が12です。規模から見るに、恐らくはパーパルディア皇国の主力艦隊の一つだと思われます」

「アルタラス王国の戦力のみで撃退可能か?」

「無理ですね。質自体は悪くありませんが、数と技術力にどうしようもない差があります」

「アルタラス王国の救援が必要、か…だが…」

 

そういって、司令は日本列島付近を見る。其処には複数の艦隊や部隊のマークが示されていた。

 

「第7艦隊と第1、第2師団はオペレーション・パルヴァライゼーションの為に出撃または出撃準備中。第4、第5艦隊は日本列島の防衛に配置中で、距離的にも間に合いません。ファイターならアルタラス王国へ迅速な派遣も可能ですが、パイロットの負荷を考えるとあまり推奨は出来ません」

「だろうな…オペレーション・パルヴァライゼーションの内容を修正し、一部戦力をアルタラス王国防衛、もしくは奪還に向けるべきか?」

「それは駄目です、オペレーション・パルヴァライゼーションは電撃戦を前提としていますが、パーパルディア皇国の戦力に万が一機動兵器や大量破壊兵器に相当する魔法があった場合…」

 

「提案があります」

 

参謀士官の1人が、手を挙げた。

 

「部隊の展開状況を再確認した所、日本海にて第7艦隊に合流予定の最新鋭艦、決戦要塞X7「ヤマト」のみは既に出撃準備を完了し、現在瀬戸内海を航海中です。慣熟航海で発覚したあの艦の特異な機動力ならば、今から出撃させればアルタラス艦隊がパーパルディア艦隊と交戦を開始する直前に接敵し、殲滅させる事が可能でしょう。そしてオペレーション・パルヴァライゼーション発動前に、武装と機能の最終確認の代わりにもなります」

「…よし、ヤマトにオペレーション・パルヴァライゼーション発動までのアルタラス王国防衛を命令する。直ちに伝えてくれ」

 

 

 

 

 

 

日本列島、瀬戸内海。

静かな海上に、巨大な…余りにも巨大な戦艦が航海していた。

 

その戦艦の名は「ヤマト」。

 

EDF日本支部が独自に設計、呉の建造ドックにて建造した最新鋭艦である。その全長は怒涛の1800m。要塞空母デスピナよりも400mも大きいその巨体を持つ。

だがヤマトの何よりの特徴は、前後に持つ余りにも巨大な主砲だ。砲身長が500mにも及ぶその巨大主砲の名は、100cm磁気火薬複合加速方式艦砲。EDFが開発した決戦要塞X6「ストーンヘンジ」を小型化し、艦砲として強引に搭載した。対宙兵器のそれを僅か(・・)1800mの船体に載せるなどとは狂気の沙汰であり、シミュレーションでは一斉射どころか1門の発射の反動で転覆は必然という試算が出た。

そもそも何故対宙兵器なんて代物を艦砲にして搭載しようと考えたのか。それはEDF日本支部…日本列島の地理的問題があった為だ。

決戦要塞X6 ストーンヘンジ、正式名称 120cm対地対空宙両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲。この兵器が開発される事となった経緯も、地理的問題だった。それまで対宙兵器として最も期待を寄せられていた対宙迎撃砲 リニアキャノン。口径200cmの巨大な砲身から放たれる対フォーリナー装甲用特殊貫通弾 グラインドバスターによる対宙砲撃は、マザーシップでさえも地球降下前に破壊可能という超火力を持つと言われ、絶大な期待が寄せられていた。しかしいざ設計してみるとなると、様々な問題が噴出した。まず200cmもの巨弾を確実に、その超火力を保ったまま宇宙空間のマザーシップに撃ち込むには赤道上で大仰角で射撃する必要があり、リニアキャノンの配置場所は必然的に赤道上に限定された。更にリニアキャノンそのものが対宙特化にせざるを得ず、万が一宇宙空間での迎撃に失敗して地球上に降下してしまったら、その後の戦いにおいてリニアキャノンは全くの戦力外となってしまう。その為EDFはリニアキャノンの建造を始めると同時に、対宙能力をある程度妥協して対空対地支援に転用可能な対宙砲の開発を開始した。その結果生まれたのがストーンヘンジである。砲口径を120cmに大幅ダウンさせる事により、宇宙空間に砲弾を飛翔させる最低限度の砲弾速度や射角を大幅に落とすと同時に、発射方式を火薬方式と電磁方式の両方を採用する事により、発射に必要な施設関連を核融合炉1基と数百の大型コンデンサー程度に収める事に成功した。その結果、ストーンヘンジは赤道上以外の地域にも比較的容易に建造する事が可能となり、前線の重要施設となる以上必然的な要塞化を行う事になる為、例外的に「決戦兵器X6」としてのナンバリングが施される事となった。

各支部がストーンヘンジを建造していく中、当然日本支部もストーンヘンジの建造を検討したのだが…此処で日本列島の地理的な問題が発生した。日本列島は殆どが山間部であり、平野となる部分はかなり少ない。平野に建造すれば山々がストーンヘンジの射角の邪魔となり、山間部に建造するとなると、フォーリナー降下後にストーンヘンジが孤立し、集中的な攻撃を受けて破壊される可能性が否定出来なかった。結果、EDF日本支部に対するストーンヘンジの建造計画は頓挫してしまう事になったのだが…此処で日本支部は、発想を転換する事にした(狂気染みた発想を閃いた)

「地理的問題が無い海上にストーンヘンジを浮かべれば良いんだ」と。

そんな訳で日本支部は海軍と兵器局、兵器開発部に「ストーンヘンジを搭載した超大型艦船」の開発及び建造を指示し、指示を受けた全員が、天災の巣窟でもある兵器開発部でさえ頭を抱え込む事態となった。ストーンヘンジの口径は120cm、1400mの船体を持つ要塞空母デスピナの主砲でさえ51cmに抑えているというのに(そもそも空母である為、より小型な51cmが限界だったというのもあるが)、約2倍に相当する120cmの巨砲、それも対他対空宙両用迎撃砲を艦船に載せられるわけが無いだろう、と。…建造費や資源の問題が真っ先に挙げられない辺りに、日本支部の発言力(権力)の高さが伺えるが。

兎にも角にも、ひとまずはやれるだけやってみてダメだったら素直に言えばいい、というスタイルでストーンヘンジ搭載艦の設計を開始した。その結果、初回に出来上がったのは全長4000m、全幅1200mもの艦の様なナニカだった。当然建造不可能であると判断されて破棄されたのだが…これ以上の小型化はストーンヘンジの反動を抑えきれない為、必然的に要塞島の様なサイズに成らざるを得ない。幾らフォーリナーテクノロジーが優れていても、無理なものは無理

 

「こうすればワンチャン出来るんじゃないかな?」

 

…だったのだと思われたのだが、此処で兵器開発部(天災の巣窟)より送られていたある者(天災)が、一つの提案を行った。

それは、人工重力による主砲発射反動の強制相殺。

超高出力の人工重力発生装置を2基搭載。主砲発射の瞬間、ヤマトの船体に対して反動とは正反対の方向に向けて極大な人工重力を瞬間的に発生させ、反動そのものを無かった事にしようというゴリ押しにも程がある方法だ。飛行ドローンの飛行方法を応用したとはいえ、主砲発射に合わせて瞬間的な超重力を発生させて反動を打ち消そうと考えるなど、まず思い付かないだろう。シミュレーションでは充分に受け止めきれる可能性が高いのもタチが悪い。

こうして本格的な設計図を引くことが決定。可能な限りに小型化し、尚且つ出来る限りストーンヘンジの砲口径を落とさず、しかし主砲斉射に耐え得る船体強度の獲得を目指された。

結果。全長1800mの船体に主砲として口径100cmのストーンヘンジを2基、副砲として38cmレールガン連装砲を24基48門、両用砲として12cmレールガン3連装砲を300基900門、支援兵器としてテンペストミサイルVLSを1基装備した超大型戦艦…否、決戦要塞X7 要塞戦艦ヤマトの建造が決定されたのだ。

呉海軍基地に新たな超巨大ドックを建設し、ヤマト建造開始から3年。EDF日本支部に突如襲った転移現象によって一時は計画が中断される危機があったが、クイラ王国より超安価で購入可能となった大量の地下資源により、寧ろ建造計画は前倒しに進んでいき。3ヶ月前、遂にヤマトは進水したのだ。

 

 

出撃準備を終えて第7艦隊へ合流する為に瀬戸内海を航海中、ヤマトは本部よりアルタラス王国防衛の命令が通達された。

 

「アルタラス王国への防衛派遣、か…予定は速まったが、いよいよこの艦の実戦の時が来たな。ヤマトの力を存分に見せる時だ。準備は?」

「既に準備は完了しております、艦長」

「よろしい…では、発進準備を開始せよ!」

 

船長の号令と同時に、ヤマトの発進準備が開始される。

 

「了解!人工重力発生装置起動開始!」

「全武装安全確認!機関出力停止、システムオールグリーン!全艦問題無し!」

「人工重力発生装置、起動!人工重力発生開始!重力方向上方90度、出力0.05G!」

 

作動したヤマトの人工重力発生装置2基が、ヤマトの船体と内部空間に対して人工重力を展開。全長1800mの船体が、ゆっくりと垂直に上昇を開始し、海面より離れた。

 

「離水完了!続いて出力方向及び出力調整準備開始!」

「重力方向前方0度、出力20G!」

「ヤマト、「落下」開始します!!」

 

ヤマトの船体に対して発生していた人工重力が一気に上方向90度から前方へ、20Gもの超重力へと変更される。ヤマト内部の重力はもう1基の人工重力発生装置が上書きし、船員達や備品などには一切の影響を与えない。

そうしている間にも、ヤマトは海面ギリギリの高度で急速に水平落下(・・・・)を開始。段々とその速度を上げ、とても艦が…いや、1800mの物体が出せる速度では無い、400ノット航行(落下)を始めた。

 

「進路をアルタラス王国へ取れ!侵攻するパーパルディア皇国海軍を、撃滅する!!」




ヤマトに関しては正直ブッ飛び過ぎたとも思ったけど…寧ろこの位の兵器作れなきゃ、真正面からフォーリナーは倒せないと思う。

用語解説&状況説明
神聖ミリシアル帝国
第一文明圏列強国。現在は世界最強の国家として認識されている。

ムー
第二文明圏列強国。科学技術を基礎として発展している。パーパルディア皇国に多数の市民が住んでいるが、パーパルディア皇国が勝利するだろうと考えており、特に触れていない。

パーパルディア皇国
EDF日本支部の攻撃に備えつつ、アルタラス王国に主力艦隊の1つを派遣。

アルタラス王国
パーパルディア皇国の攻撃に備え、海軍を出撃させた。

EDF日本支部
オペレーション・パルヴァライゼーションの発動準備の為、攻撃部隊を出撃。アルタラス王国の防衛の為、最新鋭艦ヤマトを派遣する。

要塞戦艦ヤマト
EDF日本支部が発案、3年もの歳月を掛けて建造した決戦要塞X7。
第二次世界大戦時に建造された世界最大の戦艦大和の設計をベースに、超拡大発展させた対フォーリナー決戦兵器。
全長は1800mにも及ぶ超巨大戦艦であり、単艦でマザーシップを撃破可能とする能力を保有する。対マザーシップ戦闘に特化する為、搭載兵器はテンペストミサイルを除き、全てが艦砲となっている。
主砲は決戦要塞X6から転用された100cm磁気火薬複合加速方式艦砲2基、副砲として38cmレールガン連装砲を24基48門、両用砲として12cmレールガン3連装砲を300基900門装備。そして煙突型装甲に守られたテンペスト発射機を1基搭載。
主砲発射の反動は、例え1基のみの発射でも1800mの巨体でも吸収しきれず、何の対策もなく行えば転覆等の船体バランスの崩壊は必至。その対策として「対反動装置」として超高出力の人工重力発生装置を2基搭載。発射時にはヤマトに対して発射の反動を打ち消す程の超重力を一瞬のみ発生させ、同時にヤマト内部にその超重力に押し潰されないよう、船外重力とは異なる重力を展開して上書きする事により、強引ではあるが、事実上の低反動で主砲の発射を可能とした。尚、対反動装置の使用方法を応用すれば、空中を「落下」することによって超高速で航行する事も不可能ではない。
機関として核融合炉2基を使用しているが、主砲と人工重力発生装置の必要電力量は極めて多く、核融合炉から生み出される電力を以ってしても全武装の同時使用は不可能。主砲と副砲、副砲と両用砲の同時使用が限界である。
対空戦闘時には、副砲と両用砲全門の交互撃ち方によって速射性能を限界まで高め、合計秒間948発の弾幕によって飛行ドローンの物量に対抗する。全弾がマッハ7で飛来する対空弾幕の前に、幾千幾万の飛行ドローンは悉く撃墜されていくであろう事は、言うまでもない。さらにその火力は対地…幾万の巨大生物に対しても圧倒的な殲滅力となるだろう。
防御面は四つ足歩行要塞に搭載されていたフォースシールドを流用して搭載。ヤマト全域を覆うフォースシールドは、マザーシップの巨大主砲の火力さえも完全防御可能であるが、使用のためにはコンデンサー内の電力を大量に放出する必要がある為、此処ぞという場面でしか使用する事が出来ない。
余談だが…ヤマト建造を決定した事を総司令部や各支部に発表した際、総員から「変態の所業とか言うレベルじゃないの分かってる?」とやんわりとした形で正気を疑われた。

120cm対地対空両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲 ストーンヘンジ(登場作品:エースコンバット)
EDFが開発した決戦要塞X6。
対宙迎撃砲リニアキャノンはマザーシップを破壊するには十分な威力を持っていたが、赤道上にしか設置できないという欠点があり、万が一迎撃に失敗した際には、リニアキャノンは地球上の支援砲撃には一切使用出来ないという欠点があった。その為、能力を落としてでも対空用に転用可能かつ、赤道上以外の箇所も配備できるような対宙砲が求められた。
火薬による発砲と電磁加速を併用したハイブリッド式地対空宙レールガンであり、大気圏内の射程は1200kmにも及ぶ。使用砲弾は榴弾、対フォーリナー装甲用特殊貫通弾 グラインドバスター。その威力は対マザーシップ以外では余りにも強力な為、対地対空支援として使用するには、着弾地点が廃墟となる事は必然である。その為通常の作戦で使用される事はまず無いと言ってよく、使用される作戦は大規模作戦…つまりは数万以上の巨大生物や四つ足歩行要塞などと言った場合にのみ使用される。
欠点として、ストーンヘンジの超射程を達成する為には専用の核融合炉と1基につき数百の超大型コンデンサーを必要とする為、ストーンヘンジの建造は実質的な要塞化を強制される。その為、ストーンヘンジは例外的に決戦要塞X6としてのナンバリングを持つ。
ストーンヘンジは試作型を含めて9基製造されており、其々がタイプXとしてナンバリングされる。日本支部も建造を検討したが、立地的問題により頓挫する。そこで日本支部は立地的問題を解決する為、決戦要塞X7…全長1800mの船体に、砲口径を100cmにスケールダウンしたストーンヘンジを2基も搭載するなどと言う、狂気の沙汰としか思えない()兵器を独自に発案、建造する事になる。

グラインドバスター
原作(地球防衛軍)でも実際に登場する兵器。残念ながらプレイヤーが使用する事は出来ないが、輸送船を一撃で、四つ足歩行要塞さえも僅か数発で破壊するなど、フォーリナーの機甲戦力に対する確実な火力を誇る。

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