EDF日本支部召喚   作:クローサー

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見ろ、平均評価が減っている。このままじゃ評価バーが赤色から橙色になるぞ。

それがどうした?これが彼等の物語だ。


第25話 技術の優劣:EDF日本支部編

EDF日本支部とグラ・バルカス帝国間での国交開設及び軍事同盟の締結が完了すると、早速両国はお互いの「敵」に関する情報提供と、武器技術提供の準備を開始する。

此処で問題となったのは、両国間の膨大な距離だ。直線上でもおよそ2万キロもの膨大な距離を船舶で行き来しようとするならば、往復で約4ヶ月もの月日を費やしてしまう。それでは余りにも非効率すぎた為、両国は保有する大型航空機の性能を見比べる事とした。その結果、大型攻撃機ホエール数機を貨物型に特別改造し、その半分をグラ・バルカス帝国に譲渡する事が決定された。その結果、約4ヶ月もの往復期間が僅か26時間で往復可能となり、迅速な技術交換及び資材交換などが可能となった。…余談だが、この往復時間は第一文明圏(神聖ミリシアル帝国)第二文明圏(ムー)の領空を無断で横断した時間である。当然だがこれがバレれば国際問題不可避な物であり、さてどうするかと両国の上層部は話し合った。が、その際に話を聞いたグラ・バルカス帝国皇帝直属の親衛隊隊長の言葉により、その問題提議が吹っ飛んだ。

 

曰く、「バレなければ何の問題も無い」と。

 

…まぁ、そういう事である。

この世界の国際社会に真正面から喧嘩を売るような発言だが、星間戦争準備>国際問題の図式で固定されている両国はそんな事を気にする事無く、第一文明圏内及び第二文明圏内は高度12000m以上の超高空で通過する事が決定された。

こうして、まずは特別改造仕様のホエールを製造したEDF日本支部がグラ・バルカスに提供する武器や弾薬、技術機器と書類の山、そして技術者数名をグラ・バルカス帝国に譲渡する特別改造仕様ホエール4機に乗せ、EDF日本支部が保有するホエール4機を含めた8機が離陸。約13時間のフライトでグラ・バルカス帝国本国の空港に着陸し、荷下ろしと帰還するホエール4機への貨物積載が同時に始まった。グラ・バルカスがEDF日本支部に送る貨物も殆ど似たような物であり、これも離陸後13時間でEDF日本支部の羽田空港に着陸。グラ・バルカス帝国の武器弾薬や技術、情報がEDF日本支部に提供された。

 

 

 

 

 

 

まずはEDF日本支部から見ていこう。

グラ・バルカス帝国製の武器を受け取った兵器開発部は、別世界の技術を存分に吸収するべく総員でリバースエンジニアリングを開始した。

まず一番に調べたのは、グラ・バルカス帝国の全兵士が必ず装備している戦闘用強化外骨格 PAギア。技術者と書類によると、PAギアはアグレッサーの体内にある、膨大なエネルギーを生み出す未知の鉱物「エナジージェム」を加工して生産される「エナジーコア」を動力源とした強化外骨格であり、そのパワーはたった1人で片手300kgまでの重量物を持ち上げるが可能。これによって並の人間にはとても扱えない重量と反動を持つ対アグレッサー兵器を軽々と扱う事が可能となったのだ。PAギアには3つの小型圧縮空間と2つの中型圧縮空間を備えており、兵士達は2つの武器と多量の弾薬、そして大量のグレネードなどを持ち運ぶ事が可能であり、防御面はPAギアから生成されるナノマシンにより、一定のダメージまではPAギアとその装着者までも瞬間的な修復(再生)が可能。そして超小型レーダーを搭載するなど、その性能から別名「人間戦車」と言わしめている。PAギア無くして、アグレッサー戦争の勝利は不可能だったとグラ・バルカス帝国の技術者は語った。

PAギアにも4つの種類が存在しており、原初にして標準である「トルーパー」、空中機動を可能とした「ジェットリフター」、重装甲で最前線に立つ「ヘビーストライカー」、ワイヤーを射出して某漫画の調査兵団の様な高機動戦闘を前提とした「プロールライダー」。

試しにEDFの開発部員がトルーパーを着てみると、歩きならまだしも、走りとなるとPAギアが叩き出す力の強さに地面にいくつかの穴を作り出してしまった。グラ・バルカスの技術者も「この問題ばっかりは根本的な解決策は無く、兵士達が訓練でPAギアに慣れていく他無い」と言った。

戦力評価に関しては、グラ・バルカス帝国が用意した模擬訓練とアグレッサーとの戦闘の映像から大まかな評価を裁定した所、PAギアを装着した兵士はEDF兵士2人以上の戦力に値する可能性があるという結果が出た。

余談だが…エナジージェムやエナジーコアに関する技術や情報などは、グラ・バルカスの軍事以外にも民間に密接した技術であるとして、一切の技術及び情報提供が不可能であるとされた。

 

 

次に手に取ったのは、標準装備の一つであるアサルトライフル AE-2040GD-III。

AE-2040GD-IIIはガブス・ダイナミクス社が開発したジェネリック・アントイーターシリーズの最新作であり、「銃を「密閉空間で燃焼反応を起こし、その体積膨張力で金属球を押し出す」と定義するならば、それこそが我が国最強の歩兵銃である」と技術者は豪語した。

発射機構には「1S-2B(1Shot-by-2Bullets)方式」と呼ばれる特殊機構を採用しており、2発の弾丸を同時に着火し、2発分の運動エネルギーで1発の弾丸を加速させるという、言わゆる「多薬室砲」に近い機構を歩兵銃にまで落とし込んだのだ。その代償として装填数は僅かに40発であり、グラ・バルカス製アサルトライフルの中では最も少ない装填数となってしまったが、その威力は20mm機関砲に値する威力を誇った。

試射の際、用意された的を10発で破壊した際にはグラ・バルカス技術者達はその威力に鼻を高くしていたが…EDF兵器開発部員達は非っ常に微妙な表情とならざるを得なかった。

 

それは一重に、「性能不足」なのだ。

 

用意された的の強度はフォーリナーの蟻型巨大生物の耐久力を再現したものであり、EDF一般兵士の標準装備の一つであるAF20ならば8発で破壊可能であり、ストームチームのみに支給されているAF100に関しては僅か4発で粉砕出来る。しかも装弾数もAF20は140発、AF100は180発を1マガジンに装填出来る為、結果としてAE-2040GD-IIIはEDFアサルトライフルに大きく劣る性能であると言わざるを得ないのだ。

 

他の実弾兵器も似たような物だった。

スナイパーライフルは射程は少し勝るものの、それを相殺して差し引かれる程の威力不足。ショットガンは射程がおよそ半分程度、ロケットランチャーに関しては絶対的な弾速不足に加え、射程がEDF製ロケットランチャーの4分の1である500mしかないという惨事だ。参考になる所はあるにはあるのだが…これほどの差ともなると、EDF日本支部からグラ・バルカス帝国に実弾兵器の技術啓蒙を行うのが殆どとなるだろう。

EDF日本支部が採用しているアサルトライフルなどの実弾兵器のスペックを知ったグラ・バルカスの技術者達は揃って「実弾兵器でそんな威力が出せるのか…」と顔を引きつらせた。

 

 

だが光学兵器の説明や実射の様子を見て、今度はEDF兵器開発部員達の顔が引きつる番となった。

グラ・バルカスより特別に提供された光学兵器の数々…レーザーライフル、レーザーカノン、レーザーミサイルランチャー、レーザースナイパーライフルは、EDFが持つフォーリナーテクノロジーでは、今までは絶対に開発する事が出来ない代物だったのだ。

 

光学兵器全体のスペック自体はEDF製兵器と比べるとやや見劣りする部分もあるのだが、問題はそこではない。PAギアさえあれば、誰でも光学兵器を取り扱えるという恐ろしい点だ。EDFの歩兵用光学兵器は、殆どが専用のジェネレーターを使わねば有効な威力やリチャージ速度の確保が不可能であり、必然的に大出力ジェネレーターを搭載する事を前提としたウィングダイバーしか光学兵器を取り扱う事が不可能であった。例外的にオメガチームが装備するフュージョンブラスターZD改が存在するが、これを一丁製造するだけでも50億ドルもの費用を必要とする上、メンテナンスの費用も恐ろしい額が要求される。その上再装填用のカートリッジにエネルギーを充電するのに大規模な発電施設を専門に必要とし、その発電量もカートリッジ1つに街半分の1日消費電力量に匹敵する発電が必要などという、歩兵用装備としては余りにも法外過ぎる要求を必要としている。こんな代物をEDFは量産出来るわけが無く、予備を含めて僅かに12丁の生産に留められている。

しかしグラ・バルカス製の光学兵器は、武器に小型のエナジーコアを埋め込んで使用するだけで、充分な威力と実用性に耐え得るリチャージ速度を両立しているのだ。EDF製光学兵器も超小型ジェネレーターを搭載した武器もあるのだが、リチャージ速度が30〜60秒と恐ろしく長い上、リチャージ中は一切の攻撃が出来ない等、余りの欠点の多さに正式採用出来たのは極々僅かだった。

この事実は全く無視出来る物ではなく、兵器開発部は光学兵器に関する技術を最優先で吸収する事を決定した。

 

レーザーライフル、レーザースナイパーライフルに関しては既にウィングダイバーが使用する武器の前例がある為、グラ・バルカス製光学兵器の技術を吸収さえ出来れば開発はそれほど難航しないと思われているが、レーザーカノンとレーザーミサイルランチャーに関してはそうは行かなかった。

 

レーザーミサイルランチャーは、誘導機構が一体全体どうなってるのかがよく分からない。ウィングダイバーが使用できる光学誘導兵器は、サイオニック適性という特殊な才能が無い限り、それらを使用する事は禁じられている。何故なら適性無き者が無理に使用すれば、脳が負担に耐え切れずに破壊されてしまうからだ。

しかしレーザーミサイルランチャーはその適性関係無しに扱う事が出来、その誘導性能も決して低くはない。寧ろ扱いやすいレベルだ。この誘導機構の謎さえ解ければ、ウィングダイバーの誘導光学兵器の性能は大幅に上がる事が予想された。

 

レーザーカノンに関しては…最早これらは狂気の産物という他にない。

動力源はエナジーコアではなく超小型核融合炉を搭載し、常識を逸する超弩級のレーザーを発射する。即応性に欠ける為に最大出力に達するには10秒の連続照射が必要となるが、最大出力時に放たれる極太のレーザーは射線上のあらゆる対象を貫き、呑み込んだ全てに壊滅的なダメージを与える。その反動はすさまじく、発射に際しては使用者の安全を確保するためPAギアの下半身をスティブル・モード(固定状態)にする必要があるが、このような超火力をたかが歩兵が放つ事が出来るというのは、とても信じられない事だ。

特に大火力(狂気的)な代物になると、超高濃度に圧縮されたエネルギーの塊を発射し、着弾地点に小規模な核融合反応を発生させ、直径100mのあらゆる万物を焼き尽くす。

 

アグレッサー戦争の際、レーザーカノンを装備した歩兵大隊が街一個の殲滅と引き換えに、5万にも届く巨大生物の大群を殲滅した映像を見たEDF兵器開発部員の1人が思わず「こんな代物を作り出すなんて…」と呟くのも無理は無かった。

 

他にも細かい所や説明は山ほどにあるのだが、余りにも長過ぎる事になる為に割愛させて頂く。

結論として、EDF日本支部はグラ・バルカスより光学兵器やPAギアに関する技術を優先的に研究する事が決定された。




ハーメルン以外にも面白い日本国召喚の二次創作あるのかなー、と日本国召喚のwikiを初めて覗いて見たら、一覧の中にこの作品があって思わず少し驚き。

用語説明&状況説明
特別改造仕様ホエール
大型攻撃機ホエールを輸送機に改造した。非武装になった為ペイロードが大幅に増加し、最高速度と巡航速度も向上した。

EDF日本支部
グラ・バルカス製の光学兵器の技術にドン引き。

グラ・バルカス帝国
EDF日本支部より提供された物資を受け取った。

第一文明圏、第二文明圏
今後、特別改造仕様ホエールに領空侵犯を頻繁にされる事が決定された不憫な国々。
だけどバレなきゃ問題ないんですよ。

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