EDF日本支部召喚   作:クローサー

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第6章メインテーマ曲
EDF:IRより「Drinks On Me〜 絶対防衛線」


第6章 第二次フォーリナー大戦
第30話 対宙迎撃戦用意


サイレンが絶えず鳴り響く。

廊下を何人もの局員が走り回り、サイレンに負けぬ音量で怒号が響く。

 

「急げ急げ急げ!情報を少しでも早く、少しでも多く掻き集めろ!」

「くそ、冷却システムに異常!?なんだってこのタイミングで!!工作隊聞こえるか!?D-15の冷却システムを点検してくれ!」

「避難はどうなってる!」

「現在92%!間も無く完了します!」

「札幌より対宙迎撃戦用意完了との報告です!」

「分かった、別途指示あるまで現状待機しろと伝えておけ!」

 

「大石司令長官、入ります!」

 

刹那。ドアを破りかねない勢いでドアが開き、第1オペレーティングルームに大石が入室する。

 

「状況報告!」

「フォーリナー船団、現在も接近中!マザーシップ2、輸送船400!大気圏突入までの推定時間、24〜18時間!」

「クソッ短過ぎる…!対宙迎撃戦用意と避難はどうなっている!?」

「避難進行度95%!札幌、東京、九州基地、第7艦隊は対宙迎撃戦用意完了!第3、第4、第5艦隊は日本列島周辺に展開中!要塞戦艦ヤマトは現在カルトアルパスより緊急出航準備中!間も無く緊急出航するとの事です!」

「急がせろ!!この世界の列強など気にするな!国際問題なんて物を気にしてる時間は無い!!」

「了解!」

「…堀田戦術士官、単刀直入に聞く。大気圏突入前に船団を殲滅する事はできるか?」

 

大石に問いかけられた堀田戦術士官は、少し考えた後に口を開く。

 

「…どれだけ最善を尽くしても極めて困難です。殲滅は不可能(・・・・・・)だという前提で動く他に無いかと」

「………クソッ、やはりか」

「我々は転移によって戦力の殆どと寸断されました。24基のリニアキャノン、9基のストーンヘンジ、2491基のテンペストSA1専用VLS、数千万の陸海空軍を失ったのです。あらゆる戦力が不足している中、この規模の船団を早期発見出来なかったのは痛恨の極み以外の何物でもありません。更なる問題は、対宙砲や対宙ミサイルが果たしてマザーシップに有効打になるのかも不透明…最悪の場合、一切の無傷で大気圏突入される可能性もあります。次に現有の対宙戦力に対する船団の規模です。マザーシップ2、輸送船400ともなると、最大射程圏内からの迎撃でも突破される可能性があります。マザーシップ2機ともなると、テンペストミサイルの迎撃確率も単純計算でも二倍となります…」

「…大気圏突入後、何処に降りるか分かるか?」

「現在の軌道を保ったままであれば、第一文明圏上空に降下します」

「射程内に船団が到達する時間は?」

「23〜17時間後です。惑星自転による迎撃射角外にならなかった事は幸運でした」

「………」

 

トン、と机を指で叩き、通信機を手に取る。

 

「全員に通達する」

 

一声。ただそれだけで全員の作業が止まり、大石の言葉を待つ。

 

「既に全員が把握しているだろうが、つい先程、自立衛星ライカが接近するフォーリナー船団を捕捉。緊急権限によるコードFを発令した。更なる解析の結果、フォーリナー船団はマザーシップ2、輸送船400だという事が判明している。大気圏突入推測時間は24〜18時間後、予測地点は第一文明圏と呼ばれる大陸上空。そして迎撃範囲内にて迎撃出来る時間は、僅か1時間だ。残念ながら、我々が現有している対宙戦力では大気圏突入までに船団を殲滅する事は極めて困難であるという結論に至った」

 

「つまり、我々は再び、この世界で奴等と戦う時が来たという事だ」

 

「フォーリナーは12年前より強大な戦力で我々の前に現れた。しかし我々も12年の時を経て成長している!我々の力を、奴等に存分に見せ付けてやれ!我々はお前達の「餌」では無いと、我々はお前達の「敵」だという事を教えてやれ!」

「我々が、我々こそが人類を守護する者(EDF)だと、世界に教えてやれ!各員の奮闘を期待する!」

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、カルトアルパス国際会議場。

 

「…分かった。直ぐに行く」

 

近藤は耳に付けていた小型ワイヤレスイヤホンから届いた通信を切り、机に出していた資料を片付け始める。

 

「…何がありました?」

「コードFが発令された」

「…っ!!!?」

「ヤマトも緊急出航準備に掛かっている。時間がない、直ぐに行くぞ」

 

チラリとグラ・バルカスの席を見ると、向こう側も事態を把握したのだろうか。少し慌ただしい様子が見える。

最後の資料をカバンにしまい、席を立つ。

 

「議長。突然で申し訳無いが、我々は途中退席させて頂く」

 

近藤の突然の発言に、会議場は騒めく。特にミリシアル帝国の代表と議長は、主催国としての面子を潰すような行為に最早不快感を隠そうとしていない。

それに加え、先程エモール王国の空間の占いにより「ラティストア大陸が復活する」という事が判明し、世界各国が対ラヴァーナル帝国戦争に向けて纏まろうとしていた矢先に、これだ。ミリシアル帝国のみならず、グラ・バルカス帝国を除いた他の国家も怪訝な表情をしている。

 

「…理由を聞かせて貰いたい」

「時間がありませんので、一度だけの説明となります。事実しか発表しませんが、これを信じるかは各人にお任せします」

 

「つい先程、大気圏外…上空から接近する惑星外侵略的存在、通称フォーリナーの船団を発見しました。我々は現時刻を持って、防衛戦争に向けた総力戦体制へと移行します。現在判明している時点で、既に我々の迎撃能力では船団の殲滅は困難であると判明し、そして、24〜18時間後には此処、第一文明圏上空に降下する可能性が高いです。故に、神聖ミリシアル帝国以下、第一文明圏各国に強く警告します。遅くとも24時間以内に、全軍の緊急配備及び全国民の緊急避難の準備を行ってください。フォーリナーの戦力は、我々が把握している限りでは、先程までに議題として上がっていたラヴァーナル帝国以上の脅威です。当然、唐突にこのような事を言われても信じきれないのは当然の事かと思います。しかし、どうか我々の警告を真摯に受け止めてくれる事を願っています」

「…それでは、失礼致します」

 

議長や各国代表の声を一切無視し、退室。早足でブルートの着陸地点へ向かい始める。

 

「動きますかね?」

無いな。そもこの世界に於ける我々の立場では発言権などまともに無いし、あったとしてもただの戯言として受け流されるのが関の山だ。12年前までの地球でさえも、せいぜい我々(EDF)を立ち上げるだけで限界だったのだからな」

「…しかし、我々の迎撃能力はかなり際どい。万が一輸送船1隻でも大気圏を突入し、第一文明圏に降り立てば…」

間違いなく、この大陸は地獄になる。しかもフォーリナー大戦の時と違って、この大陸の半分を支配するこの世界で最強のミリシアル帝国でさえも、基準はせいぜい第二次世界大戦程度(・・・・・・・・・)。そんな技術力と国力で奴等に敵うと思うか?」

「………」

「だからこそ、一分一秒が惜しい。我々に出来ることは一瞬でも早く配置に付き、一瞬でも長く準備を整え、一発でも多く対宙戦力を発射する事が今の我々の役目だ」

 

この世界を、少しでも地獄から煉獄に近付ける(・・・・・・・・・・・)そうすれば助かる命も一つくらいは増えるだろう(・・・)さ」




-緊急状況報告レポート 自動更新-
状況:
即時出動態勢
陸軍:
全部隊スクランブル完了
空軍:
全部隊スクランブル展開準備完了、即時出動可能
海軍:
第3艦隊、第4艦隊、第5艦隊は緊急出航完了、日本列島周辺海域に展開中
第7艦隊は対宙迎撃戦用意
第7艦隊旗艦 要塞戦艦ヤマトは現在緊急出航準備中
基地:
東京基地、札幌基地、九州基地は現在、対宙ミサイル テンペストSA1タイプO発射準備完了。大阪基地は冷却システムに問題発生、現在対応中
避難状況:
98%、まもなく完了
通知状況:
グラ・バルカス帝国へ緊急通信完了
フィルアデス連邦へ緊急通達完了

敵戦力:
現在判明している時点ではマザーシップ2、輸送船400
予測到達時間:
解析により、24〜18時間以内に第一文明圏上空にて大気圏に突入する事が判明

最優先目標:
大気圏突入前にフォーリナー船団を殲滅せよ
最低限目標:
大気圏突入前にマザーシップ2機を撃墜、輸送船団を可能な限り撃墜せよ

第3艦隊、第4艦隊、第5艦隊、第7艦隊、東京基地、大阪基地、札幌基地、九州基地へ通達:
対宙迎撃戦用意、テンペストSA1タイプO、テンペストミサイルA0、100cm磁気火薬複合加速方式艦砲、発射準備

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