EDF日本支部召喚   作:クローサー

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今回は解説してないんですけど後書き長いです。ちょっと書かずにいられなくて…


旧第33話 第7艦隊vsマザーシップ・アルファ

神聖ミリシアル帝国領土南部より、西250kmの海域。

その海上に浮かぶ要塞戦艦ヤマトは、主発を左舷上空に向け、砲口を睨ませていた。周辺には、ヤマトの援護の為に合流した第7艦隊が布陣を組んでいる。

 

「艦長、フォーリナーの戦力詳細の解析が終了しました」

「どうだ?」

「現時点ではマザーシップ1、飛行ドローン26000、レッドカラー(精鋭ドローン)4000です。現在もマザーシップより新たに発進されています」

「…大気圏突入時にキャリアー10機を撃墜して正解だったな」

 

フォーリナー船団が対宙迎撃最終ラインを突破し、2つに分離して大気圏突入した後、要塞戦艦ヤマトと第7艦隊はテンペストミサイルをマザーシップ・アルファに追従するキャリアー10機に向けて発射。大気圏突入によってマザーシップの迎撃能力が大幅に低下していた為、全機撃墜に成功する。

しかし、ここで問題が発生した。マザーシップ・アルファの予測降下地点に、ミリシアル帝国の第零魔導艦隊が存在していたのだ。彼等はアグレッサーの急襲が本国より伝わり、急遽本国救援の為、要塞戦艦ヤマトの監視を取りやめて本国へと進路を取って航海している最中だった。速力差を考えて、フォーリナーの降下前に予測降下地点の回避は不可能であると判断し、すぐに第零魔導艦隊へ警告の通信を送信したのだが…此処で、技術の違いによる問題(・・・・・・・・・・)が完璧に露呈した。

この世界の通信技術は、殆どがこの世界特有の「魔力」を利用して専用の通信機器を稼働させる魔力通信である。対してEDFが使用する通信技術は、フォーリナーテクノロジーを取り入れて完成された「量子ネットワーク」による科学通信。この違いの最大の問題点は、双方の通信方法に互換性が一切存在していない(・・・・・・・・・・・・・)事だ。そもそもとして双方の稼働方法は一切異なる上に、EDFは魔力に関する技術は、日本人には魔力が一切宿っていない事も相まって全く確立する目処も立っていなかった。

つまり結論を言えば、ミリシアル第零魔導艦隊は、直接的支援を何もしなければ殲滅される事が目に見えていた。

 

それに対して一番近い要塞戦艦ヤマトは、助けるわけでもなく、守るわけでもなく、ただ「傍観」した。

 

理由は主に2つ。

一つは戦力不足。要塞戦艦ヤマトは、確かにマザーシップと真正面から戦い得る性能を保有しているとは言え、単艦で戦うのは「最終手段」の他になく、今回は第7艦隊10隻がヤマトの援護に全速力で向かってきている。ならばこの合流を待ち、今持てる全戦力でマザーシップと相対するのが最善策だ。

もう一つは、EDFは人類(・・)を守護する軍隊であり、決して人間(・・)を守護する軍隊という訳ではない。たかが第零魔導艦隊(数千人の命)を救う為に、世界に二つとない最強の戦艦(要塞戦艦ヤマト)を危険を冒して投入するなど、まるで割りに合わないじゃないか。

この世界の人口は、 一体何億人(・・・・・)が生きている?それに対し、第零魔導艦隊は 僅かに数千人(・・・・・・)。最早天秤で測る事さえ痴がましい。たかが数千人の命を救う為に、この世界の存亡を賭ける程にEDFはお人好しではない。

もう心情で、命の天秤を歪めるのは散々にやってきた。その為に支払った代償はどうしようもない程に重かった。もう、懲り懲りだ。例えそれがどれ程に冷酷な決断であったとしても、人類を護る為ならば、それを選ぶ事に、最早躊躇は無かった。

 

「…防衛戦略上仕方ないとはいえ、デスピナが第5艦隊旗艦に異動している事が此処で響くとはな」

「とはいえ、この規模を単艦で戦うよりはよっぽどマシな状況ではあります。何せ、戦力評価ではレッドカラーは最低でもヘクトル1機分に相当する(・・・・・・・・・・・・・・・・)と言われていますからね」

「アイオワ級フリゲート艦でもヘクトルを一撃破壊出来る能力はあるが…レッドカラーの場合は最大マッハ2の機動力とマザーシップの小型砲台に匹敵する超高出力レーザーがある。ヤマトとセントエルモイージス戦艦6隻、アイオワ級フリゲート艦4隻でぶつかるには戦力差がまだ多い」

「しかし、これ以上の増援を待つ時間もありません。物理的な距離もありますが、それ以上に ミリシエント大陸(第一文明圏大陸)に降下したフォーリナーとアグレッサーの侵攻があります。現在はライカの漸減攻撃と双方の戦闘によって、未だに巣の建設は確認されていません。が、このままでは巣が形成されなくともミリシエント大陸から人類は存在しなくなります。そうなっては、ミリシエント大陸は一時放棄もやむを得なくなるでしょう」

「…結論があるのに、こうして話しているのも時間の無駄か」

 

無線のマイクを手に取り、スイッチを入れる。

 

「第7艦隊全艦に告げる。これより我々は、マザーシップ・アルファに向けて攻撃を開始する。解析の結果、マザーシップの防御スクリーンの展開速度は、およそ3秒程であると結果が出た。つまり我々は、マザーシップ・アルファを7km以内の近距離戦闘によって撃墜する事になる。当然の事だが、我々は飛行ドローン群やマザーシップからの猛攻撃を受ける。一体何隻が生き残れるのか全く分からない。しかし、この戦いで戦局は大きく変わる。これは間違いない事だ」

 

「全艦、突撃を開始せよ」

 

勝負は、目視圏内となる距離約40kmからだ。

 

 

 

 

先手は、テンペストミサイルと各艦の主砲対空砲撃(ヤマトは前部38cmレールガン連装砲6基12門)から始まった。

距離にして40km先に存在していた飛行ドローン群に対し、擬似核兵器と対空砲弾(かんしゃく玉砲弾)による苛烈な攻撃を開始。最初の着弾によっておよそ4000の飛行ドローン、40のレッドカラーの撃破に成功。しかしこの攻撃をきっかけに、残りの約14000の飛行ドローン群は第7艦隊へと突撃を開始した。マザーシップは巨大主砲を除いた全ての大型砲台、小型砲台を各所に展開しているが、それでも動きは飛行ドローンを分間240機のペースで排出している以外には見られない。

第7艦隊はそのまま、テンペストミサイルと対空砲撃を継続。更にセントエルモイージス戦艦による総数572基から放たれる通常型対空ミサイルによる迎撃も開始され、マザーシップの補充速度を上回る速度で飛行ドローンを撃墜していくが、それでも距離は近付いていく。特にレッドカラーの性能は段違いであり、ヘクトル並みの耐久力とマッハ2の機動力によって、約1400機のレッドカラーは、素早く第7艦隊直上へと辿り着いた。

 

『撃ち込めェ!!』

 

刹那、第7艦隊が振るえる全近接火力が解放された。

38cmレールガン連装砲52基104門、28cmレールガン3連装砲18基57門、12.7cm連装砲48基96門、10cmレールガン3連装砲300基900門、連装型連装型35mmCIWS96基192門、20mm連装機関砲480基960門。

これら全ての砲台から、恐るべき物量の弾幕が空中に放たれ、空が砲弾で埋め尽くされた。レッドカラー1400機が弾幕に飲み込まれ、一部はその圧力の前に爆散。大半以上はその衝撃によって飛行バランスを大きく崩しつつも攻撃を強行。弾幕の中、赤色のレーザーが幾重にも放たれ、その殆どは見当違いな方向に飛んでいくが、それでもいくつかはEDF艦の装甲や武装に命中。船体や主砲などは表面を僅かに赤熱化させるだけで終わるが、機関砲などの軽装甲な武装は当たりどころが悪ければ使用不可や爆発が発生した。しかし、僅かな火力が削れたとしても、その総数は膨大そのもの。ヤマトの主砲を除く全ての砲台と砲身が忙しなく上下左右に稼働し、労わりつつもその範囲内で最大限の発射速度で飛行ドローン群を迎撃。

 

全ての艦が「幾千の飛行ドローンと単艦で対抗出来得る戦艦」というコンセプトを十二分に発揮し、11vs16000という膨大な数的不利を、質で押し潰しに掛かる(・・・・・・・・・・)

 

その火力の前に、通常の飛行ドローンはまともに近づく事さえ叶わない。レッドカラーさえもまともな飛行バランスを保つのは困難で、遂にはその弾幕のプレッシャーに爆散する機体が続出し始める。

 

「飛行ドローン群の迎撃率、予想以上です!」

「これが、我が海軍の真髄か…!」

 

艦長の脳裏に、12年前の海戦の記憶が蘇る。あの時の人類の主力艦は、イージス艦。最新鋭の武装と技術の結晶の一つは、フォーリナーの前では的も当然だった。幾千幾万の飛行ドローンの前では、幾ら射程が長くても主武装が弾数の限られるミサイル、極端な装甲の薄さ、致命的な近接迎撃能力の不足によって、次から次へと沈んでいった。その中から彼が生き残れたのは、単なる奇跡に過ぎない。しかしその奇跡が今、彼を世界最強の艦隊を率いる人材として育て上げた。

 

「マザーシップまでの距離は!」

「およそ35km!艦隊の武装破損率は1%!」

「マザーシップにエネルギー反応確認!小型砲台と大型砲台にエネルギーが収束しつつあります!」

「チッ…全艦、マザーシップからの攻撃に注意!必要ならば各艦の判断で回避行動を取れ!」

 

それまで飛行ドローンの放出に専念していたマザーシップ・アルファの下部に存在する「呼吸口」が開き、膨大な空気を使用した呼吸(・・)を開始。同時にマザーシップ内部からエネルギーが生成され、約160の小型砲台と8つの大型砲台にエネルギーを供給。

 

「来ます!」

 

刹那、マザーシップからレーザーやプラズマ弾による膨大な弾幕が放たれ、第7艦隊を包み込んだ。

 

「主砲目標、大型プラズマ弾!無理はするな、直撃弾のみの迎撃に専念しろ!」

 

各艦のレールガン砲台が僅かな隙をつき、比較的低速で接近してくる大型プラズマ弾に向けて砲弾が放たれる。

一部は防御スクリーンによって阻まれたが、その範囲外にある大型プラズマ弾の一部は砲弾の直撃によって爆発。それに反応して更に幾らかの大型プラズマ弾も誘爆した。

 

「く、迎撃間に合いません!」

 

殆どは外れるも、2発の大型プラズマ弾が陣形外側のアイオワ級フリゲート艦に直撃。その爆発の威力に第1主砲の砲身が耐え切れず、破損。更に運悪く、被害を被った第1主砲は正に発射の瞬間であり、電力が砲身を辿り、砲身も放たれ始めていた。

結果、その発射は暴発。電気爆発を起こし、巨大な火災が発生すると共に船体を大きく揺らした。

 

「F-10706、第1主砲爆発しました!」

「直ちにカバーしろ!被害状況及びダメージコントロールの詳細を確認!」

「………確認、取れました!第1主砲使用不能、ダメージコントロールは許容範囲内との事です!」

「ならまだ行けるな…!陣形は維持、このまま全速で接近する!」

 

F-10706(アイオワ級フリゲート艦)の船内から、甲板に数十人の船員…応急修理班が飛び出して火災の消火と応急修理に掛かる。飛行ドローンも当然の如く彼等を狙うが、護衛の戦闘部隊と他の艦艇から放たれる対空砲火で追い払う。マザーシップからの弾幕は、ガードポスト(シールド発生装置)を設置し、発生した青色の指向性エネルギーシールドで凌ぐ。

 

「急げ急げ急げ!1秒でも早く終わらせるぞ!」

「砲身はもう駄目だ、放っておいて砲台の穴を塞ぐ!」

「消火まだか!?こっちはウズウズしてて堪らないぞ!」

『もう10秒だ、待ってろ!……………よし行け!!』

 

その合図で、船外の応急修理班が第1主砲にしがみ付いた。

 

「よし、これなら行ける…!装甲板此処に貼っ付けろ!」

 

隊長の指示により、船内の倉庫から引っ張り出してきた1mの四方の薄い装甲板を使い、主砲に出来た破口を塞ぎに掛かる。しっかり密着されているのを確認すると、隊員の何人かがナノマシン発射機を手に取り、密着部分にナノマシンを散布。散布されたナノマシンはプログラミングに従い、瞬間で透明硬化。完全固定を確認すると、薄い装甲板にもナノマシン散布を行い、応急修理を完璧なものとする。

 

「完了!」

「良いぞ、訓練以上の速さじゃないか!……他も良いな!総員、直ちに船内に退避ー!!弾幕で穴だらけになるぞ!!」

 

バタバタと、揺れる船体やマザーシップの弾幕の被弾で足を取られかけつつも応急修理班と戦闘部隊は船内への退避に成功する。

船体にダメージを負ったとしても、命を顧みない覚悟で挑む応急修理班の奮戦によって応急修理は出来る。しかし所詮それは応急修理(その場騙し)に過ぎず、被害が拡大すれば、沈没は免れない。

 

正念場は、此処からだ。




今日、即位礼正殿の儀が行われましたね。生放送で見ましたが、気が付いたら姿勢をピシッと正してました。
その後、ツイッターで今日の間に発生した出来事を纏めたツイート発見したんですが…はっきり言って良いですか?

ファンタジーよりも「ファンタジー」な出来事が起こるってどういう事なんです?

1.台風が温帯低気圧変化&進路が逸れた
2.雨風が天叢雲の剣を使用するタイミングや即位礼正殿の儀が始まるタイミングで降ったり止んだりした
3.皇居周辺で太い虹が掛かる
4.富士山が雲から顔出しして初冠雪
5. 即位礼正殿の儀の前後にカラスの鳴き声(八咫烏=3本足のカラス
6. 静岡浅間神社で桜が咲く

これが、たった1日(・・・・・)の間に起こった出来事ですよ?しかも数日前に空母赤城と加賀も発見されてますし、こんなのが「連続」で「偶然」起こったんですか…?

神話レベルの出来事が実際に起こっちゃいましたよ(・・・・・・・・・・・・・)、今日。皆んなが、その目撃者ですよ。
…ファンタジーがリアリティに「殺される」って、この事を言うんだろうなぁ…

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