【完結】プロシュート兄貴「オレ達チームは仲良しクラブじゃないと言ったな。あれは嘘だ」   作:飛沫

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二年前のソルベとジェラートの件があってもボスに逆らうと決めた時、暗殺チームのメンバーが全員ついてきたのを考えると人格者というのはおかしいかもしれませんが、リーダーはメンバー全員に慕われるくらいいい人だったんだろうなぁと思います。

まぁ、そんな訳でリーダーの声優さんの藤真秀さんも凄く合っていると思いますが、これが私が好きで好きで(省略)好きで好きで(中略)好きで好きで(以下略)の船長と同じ中田譲治さんだったらと思うと

危なかったぜ、オレは死んでいた!


ペッシ君とリゾットリーダー

(まさか、こんな事になるとはな)

 

 短い息を吐いて、リゾットは向かいのソファに座っている少年を見据えた。

 困惑と好奇心が入り混じった顔で辺りを窺っていた少年だったが、此方の視線に気がつくと不躾に見回している事を咎められていると勘違いしたのか「す、すいやせん」と短く謝罪して顔を下に向ける。

 完全に萎縮する少年の姿に、リゾットはもう一度短く息を吐く。

 

*  *  *

 

『楽しみにしておけ、リゾット。ひょっとしたらいい土産を持って帰れるかもしれねぇぞ』

 

 上機嫌で電話を寄越してきたプロシュートの声に、リゾットは直ぐ彼が言っている「土産」が人を指していることに気がついていた。だが、それはあくまで「有能な情報屋」か「金さえ払えば都合よく処理をしてくれる警官」の事で「連中の住所」が土産だと思っていた。

 だというのに奴が土産と称して連れてきたのは、背丈は成人と大差はないがおどおどした態度や困惑した表情を見せる、十代半ばの子供だ。なんだその子供はと視線だけで訴えれば、待っていたと言わんばかりにプロシュートが説明する。

 

『生まれつきのスタンド使い。能力はまだ完全に把握してはいねーが、オレが見た感じではかなり使えそうな部類だ。オレの能力も見せて、説き伏せて連れてきた』

 

 不意に「この後のコイツの生活を考えると、なんか不憫に思えちまって」と、ターゲットが猫を飼っていると必ず酒のボトルに詰めて持ち帰ってくる猫好きの仲間を思い出す。今回プロシュートが連れてきたのは、猫よりもずっと扱いが厄介な存在だが。

 猫ならば「そうか」の一言ですませられる。そもそもあの男は構いすぎて嫌われるタイプで、連れてきた猫は一ヶ月もすれば逃げ出すものの、持ち前の人懐こさで他の人間に飼われていることが大半だ。

 口もきけない猫は飼い主に何処から来たのか訊ねられても答えることはないし、犬と違って情や恩義にも厚くないから、寂しがってアジト周辺を彷徨くこともない。

 たが、人となればそうもいかなくなる。生憎とチームのメンバーには記憶をどうこうできるスタンド使いはいない為、連れてきた以上は殺すか引き込むかのどちらかを選択するしか手段はない。

 

(さて、どうするか……)

 

 リゾットは盗み見るようにしながら、少年を観察しだす。ふとした時に見せる目つきや表情を見る限り、家族に愛され幸せな生活を送っていたわけではないことは容易に想像できた。

だが、こんな掃き溜めにやってくるほど擦れている訳でもなさそうだ。やった悪事などせいぜい盗みや恫喝くらいで、人を殺すことはおろか大怪我させるような事すら、やったことはないのだろう。

 つくづく、プロシュートに能力を見られてしまったのが憐れに思えた。元々子供には甘いという自覚はあるが(今回のような、身の丈に合わない不幸を背負わされた子供は特に)、何とかしてやれないかと考えてしまう。

 

(他のチームに回してやれないだろうか)

 

 知られてしまった以上返すことはできないが、せめてもう少しマシなチームに配属させてやれれば。

 尤も、そんなことをすればプロシュートが激怒するのは火を見るよりあきらかだし、他のチームからも蔑まされている自分の口添えを聞いてくれる人間がいるとも思えないのだが。

 

「……おまえ」

 

「へ、へい!」

 

「オレたちのチームが、どんな仕事をしているのか聞いているか?」

 

「あ、その……人を殺す、暗殺者チームって聞いて……ます」

 

 少年の言葉を聞いてリゾットは表情に出さなかったものの、驚いた。

 てっきり、何も知らせずに騙すような形で連れてきたのだろうと予想していたら、本人も承知してきてとは。

 

「殺したい奴でもいるのか?」

 

「い、いや! そんな事はねぇっす!」

 

「では何故、プロシュートについてきた。おまえの態度を見る限り、人を殺した経験はないだろう。殺したこともない、殺すつもりもない。どんな理由で、ここまでついてきた」

 

 少年は下を向いて黙り込む。少しして、ぽつりぽつりと語りだす。

 

「ええとあの人……プロシュートの兄貴は、マフィアに目をつけられて殺されそうになっていたオレを助けてくれたんです。その、オレやこのチームの皆が持っているスタンド? の力を使って」

 

「プロシュートに恩を感じて、一緒にきたのか」

 

「いや、確かにそれも少しはあるんすけど……オレがあの人に対して、最初に思った感情は『怖い』でした」

 

「だってあの人は、オレの方に価値があるからって、まるで電気のスイッチを押すかのような簡単さで引き金を引いて三人殺したんです。あんまりにも考え方が違いすぎるから、どうしようもなく怖かった」

 

「でも、同時に『強くて羨ましい』とも思って。オレにはあんな真似、とうていできないから。そうしたらあの人が言ったんだ『変わりたいんだったら、手を取れ。代償として地獄に落ちるだろうが、栄光と誇りを与えてやる』って」

 

「その言葉を聞いて、凄く安心できたんです。こんなに強い意志をもった人が、オレの前を歩いてくれる。オレが落ちる先でも、きっと待っていてくれるって!」

 

(……余計な心配だったようだな)

 

 興奮したのかいつの間にか顔を上げ、必死に言い募る少年を見て、リゾットは苦笑した。

 同時に思い出す。いとこの子供が飲酒運転の犠牲になった時、もう二度と表の世界を歩けなくなっても必ず復讐してやると誓ったのは、十四の時だったと。

 まだ子供に見えたとしても自分で未来を考えて、選択することができるのなら。

 

(その意志を尊重してやるべきだろう)

 

「確か……ペッシと言ったな」

 

「え? へ、へい! プロシュートの兄貴に、名付けてもらいやした!」

 

「プロシュートにどこまで聞いたかは知らんが、このチームはあまり待遇がよくない。嫌な仕事ばかり押し付けてくる割には入ってくる金は少ないし、他の連中は殺しを請け負っているということで見下したり蔑んでくる」

 

「……」

 

「だが、まぁチームの空気は悪くないと思う。メンバーは少々癖のある連中ばかりだが、殺人狂というわけではない。おまえならきっと上手くやれるだろう」

 

「……!」

 

「歓迎するぞ、ペッシ。この場所が、おまえにとって居心地のよいものになればいいのだかな」




兄貴はリーダーに「とりあえず詳しい話は本人に聞くから先に報告書書いてこい」と別室で報告書書かされてるんだと思います。多分
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