売国戦記   作:焼き肉定食

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約1年ぶりの投稿になりますね!
こんな作品あったけ?って思われてそうw
単純に時間が無かった事、上手いこと書きたいことが書けなかったのが遅延の理由ですね〜
※しばらくヴァイオレット・エヴァーガーデンはでないです!
またちびちび書いてますので宜しくお願い致します
m(_ _)m

                  
✨✨❗祝❗幼女戦記アニメ2期❗祝❗✨✨
❗❗帝国万歳❗❗帝国万歳❗❗帝国万歳❗❗


演目開演 "売国機関"

    

 

▲  帝国 帝都ベルン 帝国議事堂

 

 

グラーズブルッグ市からの特使団の列車移動は妨害を受ける事なく恙無く行われ、数時間を経て帝国ベルンへと到着。用意された車両に乗り換え、数十分を掛け議事堂へと移動し漸くの到着を果たした

 

特使団は帝国側の議員や厳密な身元検査を受けた帝国と調印式関係国の少数のメディアが出迎えと撮影を行い

 

特使団は調印式の会場へと案内され、コンラート参次官を含めた帝国政府関係者や共和国政府の関係者と挨拶を交わす

 

帝国政府関係者と共和国政府関係者は、元交戦国同士それも幾万の死体を積み上げた間柄、当然の如く互いに険悪な雰囲気を漂わせながら握手を交わし席へと着く

 

こうして遂に帝国・共和国間の調印式が行われようとしていた

 

…………………………

…………………

 

 

「漸くこの時を迎えられたのか」

 

沁々とその胸の内を溢したのはレルゲン中佐だ

コンラート参次官や特使団と別れ、ヴァイオレット准尉と会場の二階にあるバルコニーで、その式典の進行を見守っていた

 

(ギルベルト、君とこの時を迎えたかった……)

 

レルゲンは内心で昏睡状態にある友の事を思い、目を閉じる。今医療施設で治療を受けているであろう彼の回復を祈って……

 

目を開け、側に居るヴァイオレットに目を向ける

ヴァイオレットはレルゲンの呟きに反応する事なく下で行われている調印式に目を向けていた

 

ヴァイオレットはギルベルトと離れ、喜怒哀楽の感情を見せなくなり、彼女に嘘をついたしまった事も相まってレルゲンは彼女を気にする事が多くなっていた

 

「レルゲン中佐、隣よろしいかな?」

 

「これは大佐殿。えぇ、構いません」

 

そんな彼等の所に声を掛けて来たのはカランドロ大佐殿であった。失礼する、と言ってゆったりとした仕草でレルゲンの隣に腰掛ける

 

「無事、調印式を行えた事、友好国として心からお祝い申し上げる。道中不幸な事故もあったが……。貴方方は乗り越えられた」

 

「ギルベルト少佐の事は残念ですが……。列車でのご協力、改めて感謝申し上げます。貴国の協力無くして成功はありませんでした。イルドア・帝国間の協力関係強化の話は調印式終了後必ずお伝えします」

 

事実、イルドアの役割は大きい

イルドアなりの思惑があったにせよ

合州国と連携し帝国・共和国に講話の働き掛けを行い。双方を講和の席に着かせたのだから

 

「仲介を申し出たのは我々です。協力は惜しみませんとも。その件は宜しく頼みます」

 

「必ず。ガスマン大将閣下にはどうぞよしなに」

 

粛々と行われる調印式を眺めながら交わす会話はとても落ち着いたものであった。カランドロ大佐()も国家に忠実な軍人だが、彼とはこの先も良好な関係で居たいと何故だか思ってしまう

 

(国家の敵は少ないに越した事はないのだ……。連邦との関係は今は良好だが、この先どうなるか……。願わくは、祖国の友が一国でも多く増えん事を)

 

それは、祈りだ。悲しむべきことに帝国には神という物が居なくなって久しく、成就が疑わしいが。

 

分かりきった話だろう。敵は倒さねばならない。倒すべき敵は、少ない方がよいに決まっているのだ。自ら敵を求める石器時代の蛮勇など、今世紀において望むべくもなし。

 

(軍同士が話し合い友好を結べるのであれば、それに越した事はないのではないだろうか……。カランドロ大佐殿の様に……。いや、軍人が政治に積極的に関わるなど)

 

今や、驚くべきことに、レルゲンという帝国軍中佐は『政治』への関心が心中で僅かだが胎動しはじめていた

 

『抑え込むべきだ』と、帝国軍人は最初の最初から教えられている。もはや、己の価値観として内面化されるほどに反復して叩き込まれたそれ。だからこそ己の中の感情的な声は、断じて自制を求めて叫ぶ

 

(祖国の為であれば軍人は動くべきなのか?)

 

軍の上に政治がある以上

軍は政治方針に従う他ない

 

「ギルベルトであればなんと言っただろうか……?」

 

思わず、そしてか細く呟かれた

その言葉に返答はなく、周りの音に消されていくのであった

 

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

▲ 同日 同時刻 帝国 帝都ベルン 宰相官邸前

 

 

この日の官邸前は普段の閑散とした風景とは代わり、多くの民衆が集まり、一つの集合体となり怒号を轟かせていた

 

「諸君!!今日(こんにち)の帝国の没落と貧困は腰抜けの軍人共と腑抜けきった政治家共が招いた結果である‼」

 

荒れた海の様に蠢く人々の中でひときわ大きな怒号を放つ男がいた。男は壇上に立ち、民衆に向かい大きくその身を、腕を動かし叫ぶ

 

「君たちの父親が!夫が!息子が!戦争で死んだのだ!!にも拘らず!!政府は、その憎き敵である共和国と講和を結び!あまつさえ友好を唱えている!!そのような事が許されるのか!!否!!!断じて許されるものではない!!」

 

放たれた、その言葉は民衆を感情的にさせるには十分なものであった。民衆は次々に怒号を挙げる

 

「「許される訳がない‼」」「「条約反対‼」」

「「裏切り者を吊るせ‼」」「「家族を返せ‼」」

「「腰抜けの売国奴共に鉄槌を‼」」

「「共和国に死を‼帝国(ライヒ)万歳‼」」

「「条約反対!!」」「「裏切り者を追放しろ‼」」

「「講和など糞喰らえ‼」」

「「豚共を吊し上げろ‼」」

「「不名誉な平和など糞喰らえ‼」」

 

扇動者は更に言葉を、声を挙げ、官邸前は異常な程の熱気に包まれ、その怒号の波は更に荒くなり、激しい荒波と化す

 

……………………………………

………………………

 

▲ 同日 同時刻 帝国 帝都ベルン 宰相官邸内

 

宰相官邸の数ある部屋の1つから荒れ狂う民衆を見つめる男がいた

 

「少佐殿、お客さんです」

 

デイブは凄い熱気ですな、と僅かに微笑みを浮かべながらロフスキ少佐に外の様子を伝える

 

「満員御礼……ね。まったく実に不思議だわ。調印式は公式発表通り議事堂でやるのよ?」

 

ヨランダ少佐は煙草を咥え、火を灯し、ゆっくりと肺に煙を充満させ、ゆっくりと煙を吹く。少し間を開けて直立姿勢で控えるターニャは呼出煙に僅かに眉を顰めかけ、すぐに繕い直す

 

(軍隊である以上仕方ないとはいえ……はぁ……)

 

まだ時代が前世でいう所の戦間期だ

娯楽も少ない、軍隊ともなればなおのこと

 

代表的な所が女、酒、煙草、カード、甘味

特にタバコや酒は病的に求められて久しい

非喫煙者の方が稀な程に軍隊においては煙草は愛されている

ターニャとしては分煙を強く推進したい

 

そんな事を考えるターニャの思考は外にいる怒号の衆によって現実へと戻される。ヨランダは窓ガラス越しに外の民衆を冷たく見つめる

 

「あのお客さんはどうして宰相官邸(ここ)に押しかけて来たのかしら」

 

「ここで行うと言う欺瞞情報を渡したのは軍の一部なのだけれど」

 

「戦中を思い出しますな。間抜けに限って自分だけはヘマをしないで’真実’を掘り当てると自惚れるもので」

 

クククと笑うデイブを尻目にハイネマン局長は

外の現状に目を伏せ、吐き捨てる様にいい放つ

 

「まったく帝国(ライヒ)の文化水準も堕ちたものだ。こんな下らん筋書きで札止めか」

 

「私の脚本、それほど単純でしたか?」

 

今回の作戦の立案者足るヨランダはハイネマンに単純過ぎでしたか?と訪ねる

 

「手垢まみれのヘボ脚本も良いところだろう」

 

はっきりとした口調でヨランダにそう言うと、ハイネマンは外に居る民衆(愚民)を冷たく睨み付ける

 

「観客に合わせましたから、教養も知識もあまつさえ知性もない。そのくせ我こそは真の愛国者と自称する」

 

そんなハイネマン()の言葉に続き、ヨランダも冷徹な眼差しを外へと向け、タバコを燻らしながら言葉を続ける

 

流された情報を信じ国の為と集まり、我等こそ愛国者と疑わず、今まさに売国奴を討ち取らんと意気軒昂する愚民共

 

「国益を損なう底抜けの間抜け共です。筋書きは分かりやすいぐらいが丁度いいのです」

 

「愛国無罪と叫ぶアホが多すぎる訳だな」

 

ハイネマンはそっと眼を閉じ、溜め息混じりに静かに呟くと、デイブが場を和ませる様に軽口を口にする

 

「最近、アホ共(それ)を治療する特効薬が発見されたらしいですが」

              

「本当に?バカにつける薬があるなんて!銀の弾丸でも見つかったのかしら!?」             

 

デイブの軽口にヨランダは手を頬にあて、これ以上無い程に目を煌かせ、*1キャピキャピと少女の様な声でデイブに問い掛ける

 

「いえ、もっと安上がりです。何でも鉛玉で十分だとか。軍医曰く死体は戯言を言わないと」

 

「あら素敵!」

    

ニヤケ顔でヨランダに説明するとヨランダもキャピキャピと応える

そんな二人をよそにハイネマンは溜め息まじりに呟く

 

「オペラ座と言うにはお粗末な演目になりそうだな……。デグレチャフ少佐もすまないな。銀翼突撃章持ちを素人相手の戦争もどきに使うか……」

 

「ハイネマン大佐殿。どうかお気になさらず。小官は参謀本部の命令にて此処に居りますれば、何なりと御命令頂ければ」

 

何か思う所があったのかハイネマンが気遣いの言葉を紡ぐが、ターニャはあくまで建前、命令であることの再提示

 

「可哀想に素人相手に……これでは虐殺だな」

 

「……本当に、本当に残念で仕方ありません。しかして我らは軍人、祖国の為ならば護るべき臣民とて撃たねばなりますまい」

 

「ええ、無粋極まりますが下郎共が下手なり踊るのであれば……塹壕貴族として戦争の手ほどきをしてやらねばなりますまい」

 

これからおきるであろう事を想像し、目を伏せるハイネマンに、ターニャは残念がりつつもその決意と意志を表明し、ヨランダもサーベルの柄に触れながらせせら笑う

 

「次長連の方々が後で宰相閣下に何と言われることやら苦労は図りしれんよ」

 

「オペラ座の狂人一味の元締めでいらっしゃるのになんと言うお言葉。パトロンに劇場を求めるのが私の仕事ではありませんか。脚本兼監督なのですよ?」

 

「劇場を建てさせておいてよく言う。平和になったはずがなぜこうなる……」

 

「先生は相変わらずでいらっしゃる。頭と心は別と言う事でしょう。一生愛と平和でも訴えます?舞台に向けて夜会服でオリーブと花束でも用意すればよかったですか?」

 

何とも苦心めいた面持ちのハイネマンにヨランダは諭すように、しかして冗談めかしたように伝える

 

ドゴオォォンン!!!

 

その時外の騒ぎが一層大きくなり、大きな衝撃音が響き、目を向けると暴徒化した臣民が官邸入口の門を車両で突破していた

銃を持った民兵が突破口に殺到し官邸敷地内に突入くる様が見える

 

「銃弾を撃ち尽くした後で試してみたまえ。……捕虜を取るのを忘れるなよ」

 

ばっ「祖国の必要とあらば」ばっ「御命令とあれば」

 

頃合いとなった劇場を確認したハイネマンは演目の始まりか、とヨランダ・ターニャに向かい命令を下す

それに両名が綺麗な敬礼を返し返答する

 

「それでは開演の時間となりました。オペラ座の小さな悲喜劇どうぞご堪能あれ」

 

踵を180°返し、マントを大きく翻しながら軍帽のツバを持ち、軍帽を整える。守衛が扉を開けヨランダ・ターニャは命令を待つ部下達の元へと向かう。デイブもそれに続いて退出していき部屋にはハイネマン一人となった

 

「それにしても……」

 

ハイネマンは窓の外に向き直り、葉巻を一本取り出し適当にカットして火をつけ、口に含みひと吹きする 

 

「やはりモグラが参謀本部にいるか……情報部門も動物共(・・・)に汚染されるとなれば深刻極まりない」

 

肩を僅かに落とし、忌々しくも心底に思うのだ

 

「愚か者共め……強制された平和でも平和は平和なのだぞ」

 

 

 

ーーー▲同日 同時刻 帝国 帝都ベルン 宰相官邸内ーーー

 

トコトコ トコトコ

ハイネマンと別れたヨランダ・ターニャは配下の数人の部下と共に防御陣地が築かれて居るという場所に向かっていた

ちなみにデイブとも既に別れている

しばらく歩くと幾人かの兵が部下達に怒号飛ばしていた

 

「ここの土嚢はもう少し高く積み上げろ!」

「機関銃の弾をもっと置いておけ!」

「そこの机も引っくり返して防御陣地に組み込むんだ!」

「障害物はどけろ!火線を確実にあけるんだ!」

 

敵が迫りつつある為急ピッチで防御陣地の仕上げを行っていた

モグラ共が軍内に潜んでいる為、防御陣地の構築の期間もここ2日程しか無かったが彼等は良い仕事をしてくれていた

敵を迎え撃つ(歓迎会)には完璧な防御陣地があってこそ

 

そんな彼等を尻目に進んでいくと、立派な重防御陣地化された官邸中央広場に到着し、そこに集まっていた士官連を発見する

あちらも気づいたのかヒゲが特徴的なベルナルディーノとセレブリャコーフ(ヴィーシャ)がターニャのM1914(ライフル)*2*3を持ち駆け寄ってくる

 

「ありがとうヴィーシャ」

 

「いえ!こちらもどうぞ!」

 

ヴィーシャから武器と弾薬を受け取り装備を確認していると……

 

「……高価なバリケードだこと」

 

「えぇ。どうせ政治屋の道具です。我々が活用すべきでしょうな」

 

ヨランダは緻密に組まれた防御陣地に近づき、コンクリート造りのバリケードを撫でつつ、政治家への嫌味を込めボヤく

 

「全くもって同感ね。政治家(連中)には過ぎた物だもの」

 

このバリケードは国家憲兵隊*4が宰相官邸敷地内に設置されていた物をオペラ座が接収して来たものである

 

ちなみに現在、調印式が行われている帝国議事堂に大多数が出動している為、宰相官邸には5人程の国家憲兵が警備するのみである

敷地内は既に暴徒()に制圧されている為、早々に邸内に撤退している

 

「さて、戦友諸君仕事の時間ですよ」

 

その一言でその場に居た者達(士官連・下士官達)がヨランダに注目する

そこでしたり顔のジェイコブ中尉が早々に軽口を叩く

 

「豚共のリサイクルは必要ですか?」

 

「ジェイコブ中尉、医療任務ですよ?弾丸を適切に頭に撃ち込んで足りない知性を補ってあげるの」

 

軽口にヨランダは仰々しくも注意する様な口調で指摘し、携帯しているルガーP09(自動拳銃)*5を抜き、確認しながらこれから行う仕事を説明して見せる

 

「了解しました。優しく、丁寧に笑顔で頑張りましょう」

 

医療任務なのですね?とジェイコブ中尉が応え、いやはや失敬と軍帽を整える

そんなやり取りに一部からワハハハと笑い声が漏れる

 

「それにしても宰相閣下がお留守で本当に良かったわ」

 

「意外です。少佐殿は宰相閣下の支持者だったんですか?」

 

ヨランダの言葉に心底意外そうな表情を浮かべたリーナが聞き返していた。そんなリーナにヨランダは意外そうね?当たり前ですよ、と返し続けて

 

「何しろ私は愛国者ですよ?少なくとも売国的愛国者です。"祖国の宰相官邸"を守る方が宰相閣下(クソ野郎)を守るより気が進むでしょ?」

 

「ク……」

 

と返すと周りの士官連(ヴィーシャ含む)・下士官が一斉に大爆笑し始める ワハハハ ゲラゲラ フハハハ ガッハハハ クハハハ

 

ターニャも僅かに笑いが込み上げて来て微笑みを浮かべてしまう。それとは同時に内心ではヨランダ(彼女)のコミュニケーション能力の高さに関心していた

(売国的愛国者とは中々上手いこと言ったものだな。士気高揚に繋がっている)

 

ダァン パーン ダンッ ダンッ オオォォォオォォ!!!

  ダァーン   パンッ パンッ オォオォォォォ!!!!

「「売国奴共恥を知れェ!!!」」「「売国奴を吊せ!!!」」

「「外国に股を開く娼婦を吊るしてやれ!!!」」

     「「「「共和国に死を!!!!」」」」

 

すると愈々外が騒がしくなってきた

外では銃を乱射する暴徒共が愈々突入だとばかりに騒ぎ立てている

そんな者共に先程の愉悦感のターニャは嫌気と嫌悪、何よりも目眩がしてきた

 

(全く!!知性の欠片すら感じ得ない奴等だ!!奴らに災いあれ!!これも全て存在Xのせいだ!!)

 

そんな無知蒙昧な者共とあの忌々しい存在Xを思うと自然と握るライフルにも力が入る。その騒ぎを合図のようヨランダが作戦計画書通り、各々に命令を発する

 

「全く、無粋な奴等ね。とまれ、私とリーナは正面入口の敵を。ジェイコブ中尉、裏門の国家憲兵隊の救援に向かって支援を。ゴミを2.3匹は取ってきて頂戴な」

 

「ハハ、お喋りオウムをお土産にいたしましょう!」

 

バッ! バッ 全員と敬礼を交わすとジェイコブ中尉は配下の隊を率いて裏門へと向かう

 

「ジェイコブ中尉!気をつけて下さいね!」

 

「ありがとうございます!セレブリャコーフ中尉!一段落したらカードでもやりましょう!では!」

 

セレブリャコーフ(ヴィーシャ)中尉がジェイコブ中尉に向かって声を掛け、他愛ない約束を取り付けていた。ヴィーシャもオペラ座の面々と交友を広げられているらしい。それを上司として嬉しく思うが……、ジェイコブ中尉……ヴィーシャとカードとはな……

 

「ロベルト、ベルナルディーノは東通用門方面に。捕虜を何人か捕まえて頂戴。通用門侵入部隊殲滅後は官邸外縁部に残存する敵を殲滅、以上よ」

 

「了解です。少佐殿」「殲滅ですな。お任せあれ」

 

ヨランダの命令に簡潔に応える

このベテラン二人にはとても好感が持てる

彼等なら筒がなく命令を進めるだろう

敬礼を交わし隊を率いて東通用門へと駆けていく

さて次は我々か

 

「デグレチャフ少佐。セレブリャコーフ中尉、西通用門方面をお願いします。私の隊を分派し、預けます。捕虜を数人お願いします」

 

「拝命致します。戦果にご期待を。ヴィーシャ!隊を纏めろ!」

 

「了解です!お任せを!」

 

分隊規模とはいえ、ただの分隊ではない

精鋭部隊の分隊だ。今時の帝国でこの質の部隊は稀だ

元々損害など出す気もないが、一層気を引き締めなくては

 

「ロフスキ少佐もお気を付けを」

 

「ご心配痛み入ります。デグレチャフ少佐もお気をつけを」

 

「感謝致します」

 

互いに健闘を願いつつ、短く敬礼を交わす

ヴィーシャが隊を纏め、整列している分隊に檄を飛ばす

 

「諸君等の活躍に期待する!以上だ!総員続け!」

 

その言葉を最後にターニャは隊を率いて通用門へと向かう

それを見届けたロフスキはリーナに隊に武装の確認を行わせる

 

(愛国を吐き違えた豚共が、戦争が何かを教えてやる)

 

「では、開始。開演です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
屈託なくはしゃいでいるさまを表す表現

*2
オース・フィヨルド攻防戦時に敵から鹵獲した品(例の眼帯大佐の…)

*3
元ネタM1907

*4
政府主要施設を警護する政府所管の組織

*5
元ネタ.ルガーP08




御覧になって頂き、ありがとうございます!
どうだったでしょうか?もっと表現力があればよかったんですが…まぁ好きな事書いていきます(プラスチックの意志)
いよいよ始まりますね
戦争モドキの鎮圧作戦(という名の虐殺) 
まぁ生身の人間(民兵)が魔導師相手に勝てる訳…

ちなみに売国機関は早5巻…売国戦記はまだ1巻序盤も最序盤…やべーな

でもまぁ今後も頑張りますのでよろしくです!!
またご評価、ご指摘、誤字脱字、ご感想よろしくおねがいします!批評は優しめに……

感想は必ず返信致します!




今後のオリジナル展開について

  • 構わん、やれ。
  • は、早まるな!
  • 全て心の中だ。今はそれでいい。

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