鬼滅世界に喰種を突っ込んだお話(一発ネタ) 作:こしあんあんこ
あれからエトを捜し歩いて何日か経った。その間に森を歩き、ある程度自分の状況を把握できるようになった。まず、此処は東京じゃない。何区にも当たらないもっと別の場所だ。あまりに未開の地が多すぎて今いる時代すら疑わしい。歩けども森ばかりで拓けた場所に出ても古めかしい民家ばかりの集落を見るばかり。集落に住む人間は着物を着ていて、俺の着る服は逆に目立っていた。……正直、目立つのはあまり好きじゃない、人間社会に擬態していた俺は目立つということがとことん苦手だ。目立った分狩られる確率が高まってしまうからなのかもしれない、喰種独特の性分に違いなかった。作家として活動していたエトはさほど気にしてはいなかったが、エトの付き人として連れまわされていた俺にとっては結構な苦労だった。
服が目立つ以上、俺は早々に考えを改めた。着替えを見繕うことにした。集落に入るや否や俺は行動に移す。住民に一時の労働を交換条件に、余ったいらない服を貰うことに決めた。金銭というモノがない現状、俺自身が働くしかなかった。何件か聞きまわって承諾してもらった女性の家から薪を割る作業をお願いされる。何をするための薪だと聞いてみれば、風呂を沸かすためだという回答を得る。思わず首を傾げた。蛇口を回せばお湯なんて出るだろうに、……いよいよ今いる時代に疑問が湧いてくる。
亡くなった弟のモノだという着物を貰い、身に着けていた服を焼却した。自分のモノが残るというのは経験上あまり碌なことはなかった。痕跡は消すのが常だ。勿論着物を貰った女性にはいい服なのに勿体無いと言われたが、手頃な言い訳が思いつかない。しばらく考え込んで変な間が出来た。ふと思い出すのは何日か前に食べた喰種だった。泥にまみれて気付かれなかったが、返り血で汚れているのも話す上で真実味が増すのかもしれない。嘘をつくならある程度真実を混じらせた方が話す上でも話しやすかった。
間が開かないように化け物に襲われて汚れてしまったからと答える。おや、と目を丸くさせて肩を叩かれる。「人食い鬼に襲われたのかい、大変だったね」……妙な反応をされた。人食い鬼とはなんだ、詳しく話を聞くため初めて見たような話を混じらせれば、相手は噂話でよければと口を開いた。曰く、文字通り人を喰らう化け物で、日が暮れるとうろつきだすから、夜は家にいた方が安全なのだということらしい。聞き出せる情報はこれ以上ないようだ、話を切り上げて家を出ることにした。泊まっていけばいいのにと言われたが根無し草の方が俺らしいと回答して草鞋を履いた。ああ、そういえば。俺は肝心の質問をし忘れたから女性に問いかけた。
「喰種って知っているかい?」
「喰……種?……なんだいそりゃ?」
本当に知らないらしい、聞くことは無くなった。知らないなら忘れて構わない、と答えて家を後にした。エト、もしかしたら俺は結構遠いところに居るのかもしれない。……君はあれから生きているのか、そんな問いに答える相手は居なかった。
それからは長い旅になった。長居しすぎると正体がバレてしまうから旅人を装って各地を転々とする。そうしている内に、俺が今居る場所がまるで違うことを自覚せざるを得なかった。……時代がタイムスリップしている。信じられないかもしれないが、俺の生きていた時代の文明も文化もこの場所ではまるで違うんだ、もう信じるしかなかった。喰種だって俺以外いなかった。それでも俺はエトを捜すことは諦めていない。もしかしたら俺と同じようにタイムスリップしているのかもしれない、そんな淡い希望を抱きながら旅は続いた。エトのような風貌の女性の話を訊いて回り、見たことがあるかもしれないという集落には必ず赴いた。いなければ次の村へ、まるで終わりのない旅だったが諦めず歩き回った。
寝る場所は昔から苦労していたから、それ程苦痛にも思わなかった。だからお堂でも寝たし木の根元でも眠った。何か月もすれば旅の生活も悪くはなかった。幸運なことに食糧には困りはしなかった。人食い鬼は至るところに点在していたしさほど強くもなく、狩るには容易かった。味はやはり同族とは違うようで食べやすくはあった。美味くもないが、それでも生きるためならそれで十分だった。人食い鬼の生態も調べたりもしたが、俺とはまるで違うようで日の出には朽ちて死に絶えてしまう。どうやら喰種とはまるで違う生き物のようだった。他に弱点はないものかと考えて、試行錯誤して実験をしたが結論は出なかった。
道中、刀を持っている人間を見た。人食い鬼と同じように夜にしか見かけないが彼らは
鬼滅の刃の原作が欲しい。アニメで大人しく待つ方がいいか、悩ましい。