書きたかったから書いた偉大なる短編集たちの居住区 作:フラグ建築したい男
異端審問会テスト
【第呪問】キリストの生誕を祝う日とされている祝日はどのような名前で、我々が成すべき事を述べよ。
幹部 吉井の答え
『名称 クリスマス
成すべき事 リア充の撲滅』
会長のコメント
その通りだ。だがその書き方だと『彼女がいないリアルの生活が充実状態』と言う、撲滅を忘れた同士までもが撲滅されてしまう。その様な同士が居ることも忘れないでくれ。
幹部 土屋の答え
『名称 クリ(大量の鼻血で見えない)
成すべき事 彼女持ちのリア充撲滅と勇香の撮影会』
会長のコメント
何万出せばその撮影会に参加出来るだろうか。
お手本
『名称 女神がクズに言いなりにさせられているクリスマス
成すべき事 同士の勧誘と我々の敵、彼女持ちのリア充の撲滅。また、女神の救出 』
偶然通りがかった御鏡ちゃんのコメント
キモい 腐れ 地面に還れ
『『『ありがとうございます!』』』
「・・・すまん」
☆
カリカリカリカリ
さっきからこの部屋に響く音は、ノートにペン走らせるこんな音しかない。時折答案を捲ったりするときにしか、他の音はほぼ聞こえない。
こんなに音がしないのも不思議だが、まあクラスメイト達がほぼ全員が戦争に駆り出されているのが原因とも言える。少々気になっているのはあの心友が役立っているのかどうかだが、アイツは保健体育に関しては誰にも負けないと明久くんが言っていたから大丈夫だろう。そう信じよう。信じたい。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
俺たちが無言だからか、俺たちが今受けている補充試験の担当の教師も無言でいる。
非常に集中しやすい、試験を受けるには最適な空間。
だがそこに突然静寂を破る男が現れた!
「坂本である」
「何がどうして俺の名字を言ったのかは知らんが、御鏡。そろそろ働いてもらう時が来た。出れるか?」
「なんだ、そんなことか。当たり前だ。出来ているに決まってる」
俺のその答えに坂本も安心したようで「じゃあ早めに採点してもらってくれ」とだけ伝えてきた。
なので俺も早めに
☆
「島田さん、中堅部隊全員に通達」
「ん、なに?作戦?何て伝えんの?」
敗走者が鉄人に無慈悲に連れていかれたところを目撃してしまった僕がすべきことはある指示を出すこと。
大丈夫。仮にも部隊長だ。皆この指示を聞いてくれるさ!勿論、雄二もわかってくれるはず!
「総員退避、て伝え―――」「この意気地無し!」ブスリッ
殴られた。しかもチョキで。
「ぐぁぁぁぁぁ!目が、目がぁ!」
「目を覚ましなさい、吉井!アンタは部隊長でしょう!臆病風に吹かれてどうすんのよ!」
その覚ますべき目に激痛が走っている!そういった台詞はせめてグーかパーで殴った後に言ってほしい!
「いい、吉井?ウチらの役割は木下の前線部隊の援護でしょう?アイツらが戦闘で消耗した点数を補給する間、ウチらが前線を維持する。その重要な役目を担っているウチらが逃げちゃ、アイツらは補給ができないじゃない」
確かに島田さんの言う通りだ。僕らの役割は決して軽いものじゃない。働き次第ではこの戦いを大きく左右してしまうだろう。だというのに、僕は戦死ペナルティの補修が怖くて逃げ出そうとしていたなんて・・・!
島田さん、君はなんて男らしいんだ!なぜか涙が止まらないよ(あと激痛も)!
「ごめん。僕が間違っていたよ。補修室を恐れず、この戦闘に勝つことだけを考えよう!」
「分かればいいのよ。それに、そこまで心配することでもないわ。個別では弱いかもしれないけれど、これは戦争なんだから集団でやってしまえばいいのよ」
確かにそうだ。昔から、戦争では数が多い方が勝っていることが殆どだ。点数だけじゃ負けるけど、それだけで戦争の勝敗が決まる訳じゃない。やり方次第では勝てる可能性もあるはずだ。
「そうだね。よし、やるぞ!」
「その意気よ!吉―――」「報告!前線部隊が後退を開始!」
「総員退避よ」
さっきまでと言ってることが180°回転したように変わった。
「吉井。総員退避で問題ないわよね?」
大いに問題ありな気もするけどきっと気のせいだと信じよう。
「よし、逃げよう。僕らには荷が重すぎた」
「そうね。ウチらは精一杯努力したわ」
くるり、とFクラスに向かって方向転換。
すると、振り返った先には本陣(Fクラス)に配置されているはずのクラスメイト、横田君がいた。
「ん?横田じゃない。どうしたの?」
「伝令があります」
横田君がメモを見ながらハキハキとした声で告げる。
「『逃げたらコロス』」
「全員突撃しろぉーっ!」
やっぱり敵前逃亡は良くないよね!
気がついたら僕らは戦場に向かって一直線。それもこれもクラスの勝利を思ってのこと。
と、前方からこちらに向かってくる美少女を発見。
「明久!援護に来てくれたんじゃな!」
ああ、なんだ。秀吉じゃないか。いつ見ても可愛い・・・。
「秀吉、大丈夫?」
「うむ。戦死は免れておる。じゃが点数が厳しいところまで削られてしまったわい」
「そうなの?召喚獣の様子は?」
「もうかなりヘロヘロじゃな。これ以上の戦闘は無理じゃ」
「そっか。それなら早く戻ってテストを受け直さないと」
「そうじゃな。全教科は時間的に無理じゃろうが、一、二教科でも受けてくるとしよう」
言うや否や、秀吉は教室に向かって走っていった。その後ろに前線部隊のクラスメイトが続く。出陣したときよりも数が少ないのは補習室に連行されたからだろう。・・・南無。
「吉井、試召戦争のルールは覚えてる?その科目の教師がいないと召喚はできないからね!」
「わかってる!」
島田さんの忠告のとおり、テストの点数で勝負する試召戦争には色々なルールや制約がある。
例えば、相手が召喚獣を喚び出したにも関わらず召喚を行わなかったら、それは戦闘放棄とみなされて補習室送りにされる。とか色々。
「吉井、見て!」
隣を走る島田さんが叫ぶ。何だろう?
「五十嵐先生と布施先生よ!Dクラスの奴ら、化学教師を引っ張ってきたわね!」
見ると二年生化学担当の五十嵐教諭と布施教諭が渡り廊下にいた。なるほど。学年主任だけだと時間がかかるから、立会人を増やして一気に片をつけにきたのか。
道理で秀吉たちが予定よりも早く引き返してきたわけだ。
「島田さん、化学に自信は?」
「全くなし。60点台常連よ」
うーん。流石はFクラス。お世辞にも良い点数だなんて言えないな。
「そうなのか?俺はてっきり島田さんは理系か何かだと思ってたんだが」
「惜しいわね。私は数系よ」
「僕は選ぶなら歴史・・・って誰ぇ!?」
いつの間にか僕らの会話に入ってきていた謎の人物。それは!
「いや、誰って言ってもクラスメイトの御鏡だが」
御鏡君だった。
「なんだ、御鏡君か。びっくりしたなぁ・・・。補充はもういいの?」
「ああ。得意教科だけ補充してきたが・・・。坂本からは『これだけで過剰戦力だ』だってよ。」
「何それ怖い」
得意教科だけ受けて、それだけで過剰戦力って・・・。点数はどれだけ高いのだろうか。
「ま、とりあえず、だ。」
「この場は任せてやることやってこい」
御鏡君は、確かにそう言った。
目の前には何人ものDクラスの生徒がいるのに。
御鏡君はFクラス。だから点数も低い。つまり、特攻でもして道を開くとかそんな馬鹿げたことをやろうとしているのかと思った。
この時は。
☆
「・・・吉井くんと島田さん。見せてくれ。君たちにその力があるなら」
と、ちょっとふざけてみて・・・と。
ここの守備をしてる間に、アイツらが他の所を守ってくると信じて・・・。
「Fクラス!?たった一人とか舐めてるんじゃないのか!?」
「さっさと倒して進むぞ!」
「「「おお!!」」」
「五十嵐先生!Dクラス藤田が―――」
俺は目の前の奴らに集中しますかね。
「あー、お前ら。そうやってチマチマ来るんじゃねえよ」
「・・・あ?」
「・・・何だと?」
「聞こえなかったか、それとの理解できなかったか・・・。もう一度だけ言うぞー。お前ら全員同時にかかってこい、って意味だ」
「「「殺す!!」」」
おーおー血気盛んだこと。けどな。立会人の先生が化学とかならな・・・。
「お前らじゃ役不足だよ。
Fクラス 御鏡 勇香 VS Dクラス 藤田 その他計9名
化学 737点 VS 平均 87.3
「「「・・・は?」」」
「聞こえてたかー?役不足だって言ったろー。・・・せいっ」
呆けていたのでとりあえず感覚で動かしてみる。坂本曰く、集中して考えていれば動く、てことだし。
おお、動いた。とりあえず近くの敵を切ってみるか。・・・あれ、消えたな。どういうことだ。
「・・・あ、あれ!?俺の召喚獣が!」
「戦死者は補習!」
「うわあああああああ!?理不尽だぁぁぁぁぁぁ!!」
・・・ふむ、なるほど。
・・・・・・これは死ねん!!