書きたかったから書いた偉大なる短編集たちの居住区   作:フラグ建築したい男

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穢れたツヴァイヘンダー

『様々なもので穢れたツヴァイヘンダー
 手入れをしようにも出来なかった故か錆びており
 本来の鋭さは失われている

 追放者である彼は
 各地で悪人を殺しては、様々な武器を奪うなり貰うなりしていたが
 このツヴァイヘンダーは、彼が元々愛用していた武器であった

 それは、自分が尊敬する叔父の愛用していた武器でもあり
 故に彼は、叔父のことを追っていた』


3.呪われた転生者と、忌むべき来訪者

 一度、祭祀場に戻った俺は、火防女さんのところにいって不死街に行けるようになった事を教えたり、何かが満たされる感覚について聞いたりしていた。

 

 不死街については「前の灰の方よりも速い」とのこと。何かが満たされる感覚については「主を失った、行き場無きソウル」と教えてくれた。そして緑色の何かについては、死んだときに落としてしまった、その時所持していたソウルだとも。そして、どうやらそのソウルで、俺たち灰の魂を鍛えるらしい。とりあえず、ボルドを倒した時とかのソウルで鍛えることにした。

 

 

 

 鍛えれるものは、生命力―――俺なりに理解しやすい言い方をするならHPだ。

 

         集中力―――これはMPの方がしっくりくる。

 

         持久力―――スタミナだろうな。

 

         体力―――どれだけ重い装備に耐えることが出来るか、って感じか。

 

         筋力―――重い武器を振り回すのに必要らしい。重い武器・・・ハンマーとか?

 

         技量―――扱いが難しい武器を扱うのに必要らしい。扱いが難しい・・・鞭か?

 

         理力―――ドラ○エで言うと精神力、つまり魔法の威力を上げるのか。

 

         信仰―――話を聞くに奇跡、要は回復魔法を使うのに必要らしい。

 

         運―――人の本質的な力。詳しいことは火防女さんでも分からないとのこと。

 

 

 

 そもそも攻撃を受け流すのがそれなりに出来るのでHPを上げるのは今はいい。

 

 MPは・・・いらんか。魔法とか使う予定は無いし。

 

 持久力はあっていいな。体力は・・・おいおいってことで。

 

 筋力や技量は当たり前か。攻撃力がないと敵も倒せないだろうし。

 

 理力は即答でいらん。信仰は少しあってもいいかもしれない。回復は大事。これ世の摂理。

 

 運は・・・これもおいおいでいいか。

 

 

 

 さて、上げるものは決まったから上げていこう。持久力よりも攻撃力の方が今はいいと思う。だから持久力を少し上げて、筋力と技量を上げようと思う。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 それら能力値を上げた(魂を鍛えるよりこっちのほうがしっくりくる)俺は、道中拾った塊のソウルをおばちゃんに売った。祭祀場の侍女っていうらしい。けどおばちゃんって言わせてもらう。

 

 ソウルを売った(そういえばこの世界のお金はソウルなんだってよ。貨幣はないらしい。ソウルを売ってソウルを手に入れるってなんかおかしく感じる)後、おばちゃんにオススメされた「干からびた指」と「白いサイン蝋石」を購入。そして俺はある人と再会した。

 

 

 

「久しぶりだな、火の無い灰さんや」

 

「よ。元気してた?おっさん」

 

 

 

 グレイラットのおっさんだ。

 

 高壁で出会ったときは焦った。なにせ、俺にお願い事を伝えたらいきなりどこかへ消えたからな。

 

 

 

「その時はすまなかったよ。ワシも少々浮かれてたんだ」

 

「ハハ・・・。ま、これからよろしく頼むぜ。それと、この前みたいにイキナリ消えるのはやめてくれよ」

 

「分かってるさ」

 

 

 

 その後、おっさんが残り火というものを売っていたのでどんなものなのか教えてもらった。どうやら火の無い灰がこの残り火を使うと、薪の王のように力強く(というより打たれ強く?)なるらしい。

 

 

 

 さて、改めて不死街に行くか。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 門の奥は崩れており、進めない感じになっていた。だがエンマの話の通りなら、ここであの旗を掲げると運び手がくるはずだ。

 

 俺は旗を出し、そして掲げた。・・・が、いつまでたっても運び手が来ない。どうしたのか・・・。そう思ったら、足元から音がした。ゆっくりと下を見ると・・・

 

 

 

 キシャー・・・

 

 

 

「・・・バケモンじゃねーか!」

 

 

 

 白い体の、悪魔のようなヤツが数匹やってきた。・・・正直に言おう。今すぐ帰りたかった。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 無事、白い悪魔は俺を不死街(と思しき場所)に到着。てか思しきじゃなくてそうだと思う。エンマさん言ってたし。運び手は不死街に送ってくれるって言ってたし。

 

 とりあえず近くにある篝火に火をつける。そして今いる場所はどこかの門の上のようだ。下を見ると、少し遠くに鉄の門とその前に居る亡者たちがいた。亡者って言うのは心が折れ、人間性が無くなった不死のことを言うとのこと。ホークウッドさん情報な。

 

 

 

 よし、下りて進んでいくか。

 

 下に繋がっている階段を下りていくと、不死街の中に続くであろう少し遠くに見えていた門が開いた。そして中からは犬が出てきて、

 

 

 

「んな!?」

 

 

 

 門の前の亡者たちを貪りはじめた。

 

 にしてもこの光景を見ても吐きそうにならない俺ってスゴ・・・あ、やっぱダメだ。すません、吐きま―――オロロロ。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 吐瀉物の臭いに引き寄せられた犬たちを屠り、そして門の前についた。向こう側には鉈を持った住民がおり、まあ敵対してるんだろうなあ、と思った。

 

 んで、門の横にこれみよがしにレバーがあったんで遠慮なくレバーを作動させていただきました。

 

 

 

 門が開いたんで住民は容赦なく殲滅。もう俺は騙されん。何にだろう。知らない。

 

 

 

 さて、確かグレイラットのおっさんの話によると・・・門を潜って突き当たりの家・・・家が壊れて篝火刺さってるんですがそれは。

 

 え、何これ?まさかこのゴッチャゴチャしてる家の群れから探さなきゃいけない系ですか?右手に銀色の腕輪をしていて、親指が短い女性を探さなきゃいけない系ですか?めんどくさそうですね!やりたくねえ!!

 

 とりあえず火をつけて、さっさと進むなりして探そう。

 

 

 

 行ける道は、門から見て左側にしか道が無いのでそっちにしか進めない。

 

 突き当たりに家があるのでそこでも探させていただこう。とりあえず住民は死になさい。

 

 至る所に死体が吊るされているのは無視させていただく。特に右側にある、変に膨らんでるその死体(何かで包まれている)。君なんて論外だ。その包みをはずした瞬間、虫とかがブゥワァー!って出てくるかもしれないので。

 

 左側に下行きの階段がある。下りさせていただく。そして外っていうよりベランダに出るところとまた下に下りるルートがあるので先にベランダに行かせていただく。さて、何かいいものは・・・また死体が吊るされてやがる。何なの、ブームなの?それともそういう風習なの?

 

 死体から手が出ていたので何か持ってないかな、と思って少し目を細めて見ると、出ていた手に銀色の腕輪があるのに気づいた。

 

 

 

 銀色の腕輪だ。それも右手。

 

 

 

「・・・まじかよ・・・」

 

 

 

 とりあえず死体を降ろそうとしたら、奥から変なフォークみたいなのを持った住民が。そして後ろから、グレイラットのおっさんみたいな格好のやつが発する声も聞こえた。

 

 

 

「まずはお前からだよ、住民!」

 

 

 

 こちらに向かって突進してくる住民を避け、後ろに回って心臓を刺す。追って入ってきた小さいやつはブンブン手斧を振り回すだけだったのでとりあえず弾いてブスリと。

 

 

 

 敵はいなくなったと思うので死体を降ろすことに。

 

 出ていた手はやはり右手で銀色の腕輪をしており、そして親指が短かった。これはもう確定だ。ロレッタさんは、死んでいたのだ。

 

 

 

「・・・おっさんに話しに行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 それは突然だった。戻ろうとしたときに、突然、背筋が凍るような感覚がしたんだ。

 

 嫌な感じだったので、俺は即効で篝火まで戻って祭祀場まで戻ろうとした。だが篝火の火が小さくなっていて、それゆえか近くにいても安心できず、エスト瓶(祭祀場にいたアンドレイという鍛冶屋曰く、不死人の宝だとか。ちなみに中身は篝火の炎)が補充できない状態に陥った。

 

 

 

 こいつは困った。今すぐこんな背筋が凍るような場所からはさっさと抜け出したかったのだが、何故か抜け出せない。困る。

 

 そうして困っていると、背後から音がした。

 

 

 

 鎧同士が、動くときにぶつかるときの音だ。

 

 

 

「誰だ!」

 

 

 

 急いで振り向き、音の原因を探った。するとどうだ。現実離れした、少し暗く透明っぽい赤色の誰かが。俺と同じようで違う、騎士の鎧を隠すように外衣をまとっているではないか。

 

 

 

 そいつは、突起(根元まで刺さったら抜き辛くさせるためだと思う)が特徴のとても大きな剣と、これまた突起のような何かが特徴だったのだろう(なにせ、突起のような何かがあったと思われる、何かが欠けた跡があったからな)独特の筋みたいなのがある盾を装備していた。

 

 

 

「・・・」

 

「・・・あー・・・どちら様で?」

 

 

 

 一応、平和的解決法があるかもしれないので声をかけるが、反応は無い。それどころか―――

 

 

 

「・・・」

 

「うぉわ!?」

 

 

 

 ブオンッ、とでも擬音がつきそうな―――ていうか普通についてきた。そんな速さでとても重そうな剣を振ってきた。

 

 間一髪、何とか避けることが出来た俺は一先ず距離をとることにした。

 

 

 

「・・・」

 

「話し合・・・う気は無さそうだな」

 

「・・・」

 

 

 

 距離をとった瞬間には、向こうも既に体勢を立て直していた。

 

 そして、彼(彼女?)は剣を地面に突き刺すと、盾を持った左手でこちらに向かって手招きした。・・・これはあれか。さっさと向かってこいや的なあれか。

 

 なら、お言葉に甘えて・・・。

 

 

 

 俺は手に持ったロングソードで相手に上段から斬りかかる。だが向こうも歴戦の戦士なのだろう。そんな攻撃は見切ったと言わんばかりに横方向にローリングした。そしてこちらに振り向き、その勢いのまま大剣を横薙ぎに振るう。

 

 足を斬られては堪らないので、当然ジャンプ。そのまま落ちる勢いで袈裟切り。盾で防がれる。

 

 そして二人同時に距離をとる。

 

 

 

「・・・」

 

(強い・・・。ボスみたいに圧倒的な膂力の差ってやつじゃなくて、経験の差がありすぎる)

 

 

 

 どうも、向こうは俺なんかよりも圧倒的に、実力も、潜ってきた修羅場の数も上のようだ。これは油断とかをした場合、情けも容赦も無く殺されるだろう。殺されてもすぐに生き返ることが出来るのである意味では安心・・・いや、待て。今までこんな、赤色の敵を見たことはあっただろうか?当然、無い。となればこの見慣れぬ敵に殺された場合、そのまま生き返ることが出来るかどうかは不明だ。もしかしたら、魂を刈り取るナニカかもしれない。

 

 となると・・・これは死ねない。

 

 

 

 そんな考えなどいざ知らず。向こうは、その剣の重さ故なのか横薙ぎに剣を振ってきた。一度距離をとり、地面に足が着いたと同時に前に向かって駆ける。こちらを追いかけようとしていた向こうも驚いたのか、一瞬だが動きを止めてしまった。そして、その一瞬が命取り!

 

 

 

 左肩から斜めに一回。続けて右脇腹から一文字に二回目。その勢いで一回転しながら、下から捲り上げるように縦に三回目!

 

 ・・・惜しい。三回目は入らなかったか。当たる寸前でバックステップされ、避けられた。

 

 今の三回目が入っていたら、ダメージを稼ぐことが出来て良かったが・・・そう上手くはいかないか。

 

 向こうは、今の俺が行った連撃を警戒したのか、盾を構えながら距離を保つように俺を中心として円状に歩きながら様子見をしている。

 

 さすがに俺も深追いはしない。ボルドみたいに、パターンが分かるならば行くのかもしれないが、相手はそんなパターンなぞ、あるかどうかも分からない。これは大人しくチャンスを窺うしかないな。

 

 

 

 少しの膠着状態。先に痺れを切らしたのは・・・

 

                      俺です。

 

 

 

「・・・ぉら!」

 

「・・・ッ」

 

 

 

 盾を構えながら突撃し、射程距離に入った瞬間に突きを放つ。体を少しずらすだけで避けられる。今度は向こうの番だ。右腕を狙った横薙ぎ一回、次はおそらく胸あたりだろう。同じく横薙ぎ一回。そして、今度もまた横薙ぎ、もしくは突きかと思ったら、少しの力を溜めて一気に振り下ろしてきた。

 

 タイミングが外れ、動きに乱れが生じてしまい、避けることも出来ずにそれをくらってしまう。

 

 

 

「ぐ・・・ぁっ!!?」

 

 

 

 地面に叩きつけられた俺は追撃を食らわないうちに距離をとり、エスト瓶を飲もうとする。だが相手はそれを許しはしなかった。

 

 距離を詰めて素早い突きを繰り出そうとしてきたのだ。危うく当たりそうになったが右に転がることでそれを回避。一息にエスト瓶を飲む。

 

 

 

「隙を突こうとしても、無駄だぁ!」

 

 

 

 エスト瓶を飲んでる隙を突こうとしたのか、こちらに突っ込んでくる彼(彼女?)。だが、俺もやられてばかりではない。その攻撃を防いだ上で、大ダメージを与える方法を知っている。

 

 

 

 左手の盾で受け流そうとする。

 

 

 

 

 

        だが、

 

 

 

「・・・重い・・・っ!」

 

 

 

         無情にも、

 

 

 

   ギャリィッ!!

 

            ―――ザシュゥッ

 

 

 

「・・・え?」

 

 

 

           受け流すことは出来なかった。

 

 

 

「・・・なん・・・で・・・」

 

 

 

 薄れ行く意識の中、最後に見えたのは、

 

 

 

             こちらに軽い会釈をする騎士と、

 

                    両手で持たれた大きな剣だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・御主、何者じゃ?

 

 ・・・ほう、人探しついでに、友になれるやつを探しとる、か。

 

 生憎じゃが、ワシは狂っとる。そんなやつと友になれるとすれば、共に狂うしか無かろうて。

 

 御主はまだ若い。ワシのように狂うもんじゃないぞ?

 

 それで、人探しじゃったか?

 

 

 

 

 

 

 

    ・・・玉葱のような鎧の男、じゃと?」




 両手持ち特大剣はパリィ出来ない。出来るなら俺らがとっくにやってるわ。
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