書きたかったから書いた偉大なる短編集たちの居住区   作:フラグ建築したい男

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下男亡者かわいい


4.籠の中の詩人が詠うは『狂気の積み場』

 謎の騎士に殺されて意識(?)を失っていた俺だが、意識を取り戻したときにいたのは不死街入ってすぐの篝火のそばだった。つまりは、あの赤い人に倒されたとしてもそれで死ぬというわけではないようだ。

 

 だからといって「じゃあ、安心して殺されにいけるね!」とかそういうバカみたいなことは言わない。だって痛いし。痛いの嫌だし。元の世界に帰るためにこんな旅をしてるんだし。

 

 

 

 一先ずは、死んだことで落としていたソウルを回収し、先ほど悪寒を感じた場所まで行くことにする。とりあえず降りてきた小人はさっさと殺しておく。

 

 ベランダは先ほど行ったので下に行く階段を下りる。少し周りを確認するが、暗くてあまり見えない。なので、敵がいたとしても明かりがある場所で戦ったほうが個人的には楽ということから、左側―――外の光が見えてることからすぐに外に出れると思う―――から出る。

 

にしても、ここに来たらさっきの嫌な感じがするのかと思ったらしないのか。いったいどういう条件の時にやってくるのやら・・・。

 

 

 

 ・・・タッ

 

 

 

「んぃ!?」

 

 

 

 さっさと外に行こうとするが、突然、後方から足音が聞こえた。突然のことで少し驚き、変な声が出たが聞いてるやつはいない。唯一いるとしたら足音の主だがそれも殺せば―――

 

 

 

 ・・・スタッ

 

 ガシャンガチャン!!

 

「!?」

 

 

 

 連続して二つの音。しかも聞こえた方向はそれぞれ別の方向。つまり最低三人いるということになる。唯一ではなかった―――

 

 

 

「ってふざけてる場合か!!」

 

 

 

 さっさと外に出て誰かというのを確認しなくては。

 

 後ろを確認せず、全速力で走り出す。運がいいのか、出口は左に曲がってすぐそこにあった。出口から出て少ししてすぐに振り返る。―――小人が三人。・・・驚かせやがって。

 

 乱れていた心が、音の主が小人ということが分かった瞬間に落ち着きを取り戻す。こいつら、まともに喋ることも無いだろうし、オマケにここで死ぬしな。冷静に戻ったので、これまた冷静にお亡くなりになってもらった。

 

 

 

 進路に戻ろう。振り返り、正面を見据えるとそこには―――

 

 

 

 

 

  ・・・パチッ・・・バチッ・・・

 

 という音とともに燃え盛る何か良く分からんモノが燃えており、そしてそれを中心にキャンプファイヤー会場が設置されていた。・・・冗談です。こんな殺伐としたところにいると自分で言う冗談が娯楽になるんだよ。分かれくださいお願いします。

 

 

 

 とりあえず集まって突っ立っているやつらにはご退場願おう。スッと両手に取り出したのは火炎壺。これをやつらに向けて投げつける。そして当たった瞬間弾けるほの―――バァンッ!!

 

 ・・・あれ?なんであんなに爆発し・・・って今の音で全員気づいたじゃねえか俺の馬鹿!!

 

 こちらに向かってきたやつら。その数なんと10人近くはいるだろう。もしかしたらそれ以上かもしれないが。

 

 さすがにこんな数だと、どんなやつでも敵うはずがないので後退させていただく。横に広がって一気に来ることが出来る屋外よりも、一度に通れる人数が制限される屋内の方が戦いやすいと判断したからだ。

 

 それもこれも、あのるろうにの剣さんの漫画を見てたお陰だな。

 

 

 

 さて、それじゃあ落ち着いたところで・・・

 

 

 

「大逆転劇と行こうか!」

 

 

 

  ☆

 

 

 

 人数差を覆す戦法『狭い路地(この場では階段)に逃げ込む』を発動した俺は多数の亡者を蹴散らし、そして進むことに成功した。道はこれまた三つほどに分かれていた。

 

 直進して、扉を開けるルート。

 

 同じく直進して、こちらは軽く落下するルート。

 

 そして、右側にある橋を渡るルートだ。

 

 

 

 俺はその中から右側を選択。進んだ―――のだが、その先にある建物から現地住民が二名出てきた。

 

 勿論、即座に切らせていただいた。

 

 屋内では、死んだフリをしていた現地住民が同じく二名と、例の小人が波打った刃をした大剣をもって襲ってきた。

 

 丁寧にお還りいただいた。

 

 

 

 ・・・いやいや、だってさ?弾いてくださいと言わんばかりにゆっくりと攻撃してくるんだぜ?もう弾いてぶっ刺して首チョンパコース確tなにやら不適切な言葉を使っていたようだ。危ない危ない。俺も危うく亡者になりかけていたのか。

 

 さて、亡者になりかけてた思考を振り払い、どういった意図があるのか閉じられていた扉を開け、さあ進もうとしたとき、どこからか詩が聴こえてきた。

 

 

 

―――誰か籠にお入りよ・・・

 

 

 

 ・・・右上からだ。同時に、詩に混じって鎖のぶつかる音がする。敵がいるのか、それともこの声の主か・・・。

 

 まあ、今は声の主かどうかを判断するよりも、声の主の下まで行くことが重要だろう。

 

 

 

 見た感じ、俺が今いる台地(?)は小さいもので、俺が今通った建物くらいしかなさそうだ。軽く戻ってみて、声の主の下にいけるかどうか確認してみることにする。

 

 

 

 一度道を戻り、建物の外も確認してみた。するとどうだ。道の端に樽が積んであって、微妙に気づきにくいように細工されていたが、細い道があるではないか。

 

 

 

「わっかりづれぇなぁ・・・。せめて、こう、もうちょっと・・・さ?」

 

 

 

 ブツブツと文句を言いながら、樽によって隠されていた道を通る。

 

道の先には道中にもあった壊れかけと言ってもいいようなボロ家があり、その上には小人がさらっと吹き矢を持ってスタンバイしていた。

 

 ・・・丁度岩場があるからそこで吹き矢を避ければよくね?

 

 

 

  ☆

 

 

 

 増援、イクナイ。

 

 

 

 無謀にも突撃した俺を待っていたのは、吹き矢係の小人三名と突撃係の小人二名による集中砲火だったわけで、無論俺は屋外での1対多数の戦法なんぞ持ち合わせておらず、無残に頭カチ割られました。

 

 しょうがないよね。吹き矢で足止めされて、両手を抑えられて、そして残った三名で集中攻撃。反撃できませんて。

 

 

 

 こうなったら、あれの出番だな。

 

 

 

 ロレッタさんが吊るされていた場所に着いた俺は、ロスリックの高壁で拾った弓を念じて取り出し、そして狙いを定める。

 

 

 

(狙うは脳天。・・・弓触ったこと無い俺がうまく当てれるのか、スゴイ疑問だけど・・・。

 

 ま、なるようになれ、てことで)

 

 

 

 矢をつがえ、引き絞り、そして集中する。

 

 

 

(当たる。当たれ。当たって。当たってくださいお願いします)

 

 

 

 いや違う、当たらないと困るから『当たれ』だけでいいだろう。

 

 やったことがない弓を、震える手で引き絞り、

 

 

 

     そして射出。

 

 

 

 結果は命中してくれた。吹き矢を懐(見るからに収納スペースなどなさそうな腰巻だが)から取り出し、こちらを向いた瞬間、丁度よく脳天を貫通してくれた。

 

 ・・・物理法則的に無理がありそうだが、まあ、なんとかなったんだろうな。

 

 残り四名。弓の練習台になってもらおうか。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 いや、隠れてるやつが出てこなかったんで近づいて倒してきた。ほんと、近づかないと出てこないとか・・・。近距離専用暗殺者かなんかか?

 

 ま、これで詩の正体が掴めるわけか。

 

 

 

 今も擦れ擦れだが、それでも詩は聞こえてくる。

 

 

 

 そこは、どうやらボロ家の裏らしい。

 

 なんか死体が木の板もって転がってたけど、何したかったんだか。

 

 

 

 詩を詠っている者は・・・籠・・・?いや、けど中に人詰め込まれていらっしゃるし・・・。

 

 ナニコレ、奇抜なオブジェ?

 

 

 

「消えた婆がまたひとり、だから、孫はずっと籠を背負ったまま。消えた婆は消えたまま。誰か籠にお入りよ婆の代わりにお入りよ」

 

 

 

 ・・・えーと?婆さんがいなくなって?お孫さんは籠を背負ったまま・・・婆さんが入ってたのかな?んで?婆さん消えっぱ?だから婆さんの変わりに籠に入れ?

 

 ・・・なんで?

 

 え、俺嫌だよ?どうせなら入りたくないよ?理由をお話してくださいませぬか?

 

 

 

 理由を聞いても、ただただ詠うだけだったのでスルーして梯子が設置してあった家の上に行く。

 

 周りを見てみると、梯子を昇って右側のほうに道が続いていたのでそっちに進んでみる。

 

 

 

 ・・・えー・・・。何あの赤頭巾。なんか、非常に危なそうな・・・包丁?ノコギリ?を持っていらっしゃる。

 

 いや、一応背中には籠を背負っていらっしゃるけども・・・。

 

 え、あの中に入るの?・・・嫌だわ・・・。・・・けど何かあるかもしれないし、もしかしたら元の世界に帰る方法が分かるかもしれない。

 

 

 

 ・・・入ってみるか。

 

 

 

  ☆

 

 

 

 え、ちょ、こんな場所下るん!?いや、ちょ、待て、そこから下りるのか!?いや落とすのか!?待てやごるぁ、いや、ちょ、ホント、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 

  ☆

 

 

 

 ・・・酷い目にあった。あんな高所から放り投げられるとは。さらっと骨折れてないかこれ?

 

・・・エスト飲も。

 

 

 

 さて、ここは一体どこなんだ?道中から察するに遠くに見えてた巨大な聖堂の下なんだろうが・・・。

 

 ん?誰だ、あの人。そんな場所に突っ立って・・・。

 

 

 

「おーい。そこの人ー」

 

「・・・うん?」

 

 

 

 どうやら現地住民みたいに襲ってこないらしい。しかも話せるときた。まともに話せるやつは祭祀場以外では久しぶりだな。

 

 

 

「ははっ、久しぶりにまともそうなやつを見つけれた。なあアンタ。ここはどこか分かるか?」

 

「ふむ、若いの。その質問に答える前に一つ聞かせてもらおうか。・・・お前は狂人か?」

 

「・・・は?きょう・・・じん?よくわかんないんだが、狂ってるかどうかってことなら違うぜ」

 

「はっはっは!そうじゃろうそうじゃろう。狂人は皆そう言うもんじゃ。さて・・・御主の質問に答えるとしよう。ここは『亡者の穴倉』。狂人たちが狂ったその証を積みに来る場所じゃ」

 

「・・・亡者の・・・穴倉?なんか嫌な感じの名前だな」

 

「御主はまだ若い。それに狂うにはまだ早かろうて。ワシみたいになるのは、の」

 

 

 

 ・・・なんかおかしな爺さんだな。けど、いい人そうだな。

 

 

 

「そっか。じゃあ俺はそろそろ帰るかな」

 

「おお、そうか。ならこれを使うと良い」

 

 

 

 爺さんがそういって取り出したのは、篝火にすぐ戻れる骨の欠片だった。

 

 それと・・・骨の首飾り?

 

 

 

「爺さん、こっちの骨の欠片はわかるが・・・首飾りはなんなんだ?」

 

「ああ、それか?・・・御主が狂いたくなったら、それを身に着けておけ。そうすればワシらの仲間じゃ・・・」

 

「・・・?まあ、いいや。爺さん、ありがとよ!」

 

 

 

 最後に、爺さんに大きく手を振りながら欠片を使用した。




下男亡者のかわいさに目覚めるのだ・・・
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