この後、あの人物を登場させてさらに酢豚を……
いっそハーレムタグを消そうか…
正直な話、一樹は勝敗などどうでもよかった。
でも何故だろう、秋斗には負けたくなかった。
理由は解らない、でも一樹はそう思った。
[白騎士]と[白式]、ほぼ同じカラーリングの2機が対峙する。
「ふん、逃げなかったんだね
その全身装甲は負け顔を見られたくないからかな?」
早くも勝利を確信していたらしい。
何故確信しているのか、一樹には分からないし、分かりたくもなかった。
アビスゲート級の禍々しいオーラを纏ってる人間だ。
絶対ロクな理由ではあるまい。
「さあ、僕の勝戦に……花を添えてもらうよ!」
暴力に酔った者が浮かべる、狂気的な笑を浮かべ、
秋斗は試合開始と同時に突っ込んでくる。
スピードは中々の物だ、それは認める、しかし
「遅い(ボソ)」
「な?!」
歴戦の一樹からすれば、大したことではなかった。
いや、軍の一般的なミーレスパイロットでも反応・対処できる速さだ。
横薙ぎの斬撃を余裕で回避して、一瞬で後ろに回った一樹は
近接戦闘用パック[
バックパックから引き抜き、横薙ぎに斬り裂く。
百式の翼を模した
更に秋斗を蹴り飛ばして地面に衝突させ、腕のビーム砲[CALハンドランチャー]を発射、
確実にシールドエネルギーを削り、距離を取る。
その場で止まることは的になること、初心者のやる愚行だ。
「貴様ァァァァ!」
血走った目で秋斗は再び突進するが、一樹は慌てずカウンターの回し蹴りで
再度地面に衝突させる。
秋斗は最初に攻撃をいなされた時点で、相手が[見下してきた自分より劣る兄]ではなく
[自分よりも強い強敵]と認識すれば、勝てはしなくても善戦はできただろう。
考えを切り替えることは命のやり取りをする殺し合いから
健全なスポーツ、さらには交渉とどの[戦い]においても重要だ、何故なら相手が違う戦法や
新技術を使ってきた時に対処ができなくなるからだ。
しかし秋斗はそうしない、いや、出来ないと言うべきか。
秋斗は確かに才能があったが、それ以上に周りに[自分より優秀な人間]
つまりテストの点数であれ運動であれ、秋斗に勝てる人間が姉以外にいなかった。
そして、その姉と競う事もその必要も、一度たりともなかった。
その為誰しもが経験する[失敗]や[挫折]、そして[敗北]を経験せず、
結果歪に歪み、以上に膨れ上がったプライドが、[相手が自分より強い]という
事実を認めることを拒否していたのだ。
しかしどれだけ認めようとしなくても事実は変わらない。
一樹は[機甲世界]で三年間、父である樹を含めたエースへの憧れ、
[戦場の現実]を突きつけられても捨てなかった[守りぬく]という信念を胸に、
文字どおり何度も血を吐いて厳しい訓練を積んだ。
そして守った人達から石を投げられようとも、信念を貫く[覚悟]を持って
命懸けの戦いに自ら飛び込んでいった。
そんな[信念と覚悟を持って命懸けで戦ってきた戦士]と、
[平和な世界で才能に胡座をかき欲に従う人間]、
どちらが強いかなど、分かりきったことだろう。
「屑のくせに!屑のくせに!屑のくせにィィィィィィ!!」
いっそ鬼のと言うべき形相を浮かべ、秋斗は白式の[
白式の唯一の武装、日本刀型近接ブレード[雪片弐型]の刀身が光に包まれた。
これは相手のシールドバリアを無効化し、強制的に[絶対防御]を作動させる。
ありとあらゆる攻撃を防ぐシールドバリアだが、それでも貫かれることがあり、
その時搭乗者を守る最後の盾が[絶対防御]だ、しかしこれは作動するとエネルギーを急速に消耗させる。
現在のISでの試合では、先に相手のエネルギーを0にした方が勝つ。
つまりこの攻撃は当たれば一撃必殺となる、そう、
「じゃあその屑に負けるお前は」
一樹はビームサーベルを戻し、バックパックにマウントされていた[
大剣型遠近両用武装[ムラマサブラスター]を引き抜き、ビーム刃を展開、横に薙ぐ。
そのまま鍔迫り合いをすれば、ムラマサブラスターごと斬られるだろう。
しかしそれはあくまで[刃の部分]に当たった時の話、一樹が当てたのは雪片の刃と柄の間、[鍔]の部分だ。
「何なんだ?」
「ば……バカな……」
見事真っ二つに割れてしまった、もう秋斗に残された攻撃手段は純粋な格闘だけ。
しかし秋斗は素手の戦いは喧嘩さえやったことがない。
対して一樹はフォーチュンで格闘術を
骨の髄まで文字どうり叩き込まれている。
そう、もはや秋斗に勝機は一切存在しないのだ。
一樹は殴りつけるようにムラマサブラスターを振るって秋斗を壁に衝突させ、
ムラマサブラスターのビーム刃を消し、ハンドガードのグリップ部分を握り
遠距離モードを作動、引き金を引いてビームを放つ。
命中率6割だが、流石に訓練している分止まった的には当てられる。
三発放った緑色のビームは全て命中し、この戦いは終わった。
『白式シールドエネルギーエンプティー、勝者桜野一樹』
一樹は一旦地面に降り、エクエスを解除して秋斗の前に立つ。
「違う誰かが乗っている」などとイチャモンを付けられたくなかったからだ。
「屑なんかに!屑なんかに!」
「お前が弱いだけだ」
用はないと、一樹は再びエクエスを展開、ピットに戻っていった。
________________________________________
次は残り、セシリアとの試合だ。
一撃も喰らわなかった為、エネルギー補給だけの一樹と違い
セシリアは装備の積み直しがあり、時間がかかった。
一樹は変わらず[クラディアートル]パックのまま、セシリアと対峙する。
しかし先の戦いを見たからだろう、セシリアは青い顔をしている。
「ブ、ブルーティアーズ!」
先手必勝と、セシリアはブルーティアーズを展開して嗾ける。
しかし、精度も数も遥かに上のイグニスを使う相手と戦った経験があり、
予知能力レベルの洞察力を持つ一樹にとって、大した驚異ではない。
四方八方から飛んでくるレーザーを上昇下降、前後左右移動
果てには一回転と無駄が全く無い動きで躱していく。
躱されるたびに、セシリアに焦りが募っていく。
代表候補生まで上り詰めたセシリアだが、焦りやすいのと油断しやすいのが
何よりの欠点だ、代表になれるのかどうか正直怪しい。
再度ブルーティアーズの一斉射撃を行おうとした、その瞬間
「もらい」
「な?!」
一瞬、ほんの一瞬で4機全てがビームサーベルで切捨てられた。
ならばと、セシリアは隙を狙ってライフルを放つ、
銃口から飛び出した青いレーザーを、一樹はあろうことか
ビームサーベルで弾いた、偶然ではなく、狙ってだ。
つまり、セシリアが何処を狙って撃ったのかが分かっていたということだ。
「あ、貴方、本当に人間ですか?!」
「これぐらい俺の居たところじゃ普通だぞ」
事実父と叔母は鼻歌交じりでやってみせたし、リクセルだって
これぐらいの芸当はできる、実際には銃弾で銃弾を弾いたり軌道を変えてみせる
神業の狙撃テクニックで、だが。
「終わりにするぞ」
一樹はビームサーベルをもう一本引き抜き、セシリアに向かっていく。
「もらいましたわ!」
隙ありと、セシリアは弾頭タイプを発射する。
しかし手の内を最初の試合で知っている一樹に、通用などするはずもない。
こめかみ部分にある武装、CALバルカンが火を噴き、ミサイルを潰す。
「そ、そんな」
まさかそんな武装があるとは思いもしなかったセシリアは思わず呆然としてしまう。
そして、それを見逃す一樹では無い。
先ほどとは比べ物にならないスピードで自身の間合いに踏み込み、
ビームサーベルを振り下ろした。
『ブルーティアーズ、シールドエネルギーエンプティー、勝者桜野一樹』
________________________________________
「お疲れ様」
「そうでなくては困るな」
ピットに戻った一樹はそのまま簪とリクセルに迎えられた。
よく見れば、簪の表情が仄かに朱に染まっている。
間違い無く、それは恋する乙女の表情である。
(告白は早めにするといい、狙っている者が多いし、無意識に堕とすからな)
「!」
リクセルに耳打ちされ、簪はさらに紅くなった。
これなら大半の人間は気付くだろう。
その思いを向けられている当の本人は
(風邪でもひいたのか?)
鈍いと言わざるを得なかった。
勿論一樹だって健全な男子、恋人願望も性欲もある。
それに、真正面から告白されればいやでも気付く。
「?」
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
_______________________________________
「びっくり、まさか気付かれるなんて」
物陰から様子を見ていた女子生徒が、そっと扇子を広げた。
ガッハッハ、圧倒的!
……誤解の無いように言っておきますが、セシリアの実力は
原作と同じで、秋斗は代表候補生の中でも上位に入ります。
流石に代表には届きませんが。
後で楯無と鈴を登場させるのですが、ヒロインにするかどうか
未だに考え中です。
「鈴はリクセルのヒロイン」という意見が来ているのですが、
その流れがイマイチ思いつかないんですよね……
むしろ一樹がフラグ立てたほうが何かと自然だし。
あともう一つ
秋斗:突撃型ライトニング級
千冬:剣豪型スーパー級
箒:剣豪型クラッシャー級
セシリア:狙撃型カエリバ級
シャルロット:カエリバ級ミーレス
ラウラ:近接型ディザスター級
簪:機動射撃型カエリバ級
楯無:軽量型クラッシャー級
布仏姉妹:合体型ユニオン級
麻耶:カエリバorディザスター級ミーレス
もしガーディアンに乗せる場合の機種を考えた時、
鈴の機種が思いつかないんですよね。