リクセルのMGヒロインが登場します。
詳しい説明はしませんが。
時間は少し遡り、四組のHRの五分ほど前。
リクセルは金属加工のアクセサリーを作っていた。
フォンブラウン家は、レムリア貴族の中でも[変わり者]一族、
速い話何かしろの[オタク]ばかりだという特徴がある。
前当主グレンデルは錠前作成が趣味だったのをはじめ
現当主長男ライデンは生け花、次男ガリューは模型作りが趣味である。
そんな一族の(養子だが)三男のリクセルがオタクになるのは当然の流れである。
金属の塊を万力で固定して、彫金用のピックを当て
ハンマーで慎重に叩きながら形を作っていく。
本人は趣味で作っているので、商売を始める気は皆無なのだが、
それでも出来上がっていく作品は素人目で見ても見事なものである。
「これぐらいにしておくか」
油が滲むウェスで金属粉を拭い、道具等を片付けて手を洗い
筆記用具を机に出して席に着く。
一樹同様この辺りはしっかりしたものである。
「はい皆居るか?HR始めるぞ」
セルフレームの眼鏡をかけ、ワインレッドのスーツを着た
色っぽい巨乳の教師が、煙草を銜えながら男口調で教壇の前に立つ。
霧島冴、この四組の担任であり、元日本代表候補生。
ついでに年がら年中煙草を銜えているスモーカーである。
しかし最低限の常識は弁えているらしく、現在煙草に火はついていない。
リクセル自身も、[男を見下さない豪快な性格の人物]と敬意を払っている。
「早速やけど、このクラスに編入生が来ることになった」
クラスメイト達はざわめく。
前にもセシリアが説明したが、入学式を終えてからの一般生徒転入は
余程の例外が無い限り原則不可能なのだ。
つまり、普通の学校よりも珍しい出来事なのだ。
「じゃあ紹介するぞ、入ってくれ」
扉があき、その生徒が入ってくる。
かなり小柄だ、外見は精々中学生にしか見えない。
腰まで届くポニーテールに結った銀髪と紅い瞳が神秘的で
人形のように儚げに整った顔立ちと相まって
物語に出てくる妖精の様な印象を受ける。
「リリェーツ・アイルホーンです、リリーとお呼びください」
若干固い笑みを浮かべ、ぺこりとお辞儀をする。
その笑みも、浮世離れした雰囲気に拍車をかけていた。
「じゃあー……空いてるからフォンブラウンの隣に座れ」
「はい先生」
きびきびとした動作で、リリェーツは
驚愕の表情を浮かべるリクセルの隣に座り、微笑みかける。
「会いたかったです、リクセル様」
「本当に…お前なのか?……リリ」
「はい、貴方から名前を頂いた、リリェーツ本人です」
そっと、リクセルの手に自分の手を重ね
嬉し涙を流して呟いた。
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時間を戻して第二グラウンド。
先ほど鈴音とセシリアはコンビで麻耶と模擬戦をすることになった。
前半は互角以上に戦えていたが、後半は段々劣勢になってきた。
ここは経験の差である。
麻耶は長年の戦いの経験から、一樹ほどではないが
鋭い[洞察力]とそれを下地にした[読み]がある。
なので長引けばそれだけ動きの癖を分析されてしまう。
鈴音とセシリアが勝利するためには速攻で決着をつけねばならなかったのだが
まだそこまでの技量には届いていなかったらしい。
「負けてしまいましたわ」
「まだまだね」
「そんなことありませんよ、本当に危なかったんですから」
実際麻耶のシールドエネルギーは三分の一にまで減っていたのだ。
以前の二人なら一撃も当てられなかっただろう。
二人とも着実に成長しているということだ。
「…これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう、以後は
敬意をもって接するように」
予想と違ったからだろう、若干間を開けて千冬が言う。
「専用機持ちは織斑、桜野、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰だな
では九人グループになって実習を行う
各グループリーダーは専用機持ちがやること、いいな?では分かれろ」
言葉が終わると同時に一樹、シャルル、秋斗に皆集まってくる。
「織斑君、一緒に頑張ろう!」
「桜野君、わかんないところ教えて~」
「デュノア君の操縦技術見たいなぁ」
予想通り尚且つそれ以上の繁盛ぶりに一樹は溜息をつき、
威嚇射撃で黙らせようと、ハンドランチャーを展開しようとし
「この馬鹿どもが、出席順に一人づつグループに入れ!
もたつくようなら今日はISを背負ってグラウンドを百周させるからな!」
鶴の一声で皆整列を始める。
一樹は呆れた表情を装甲の下で浮かべ、ラウラを視界の端で捉えた。
時折こちらに敵意むき出しの視線をぶつけてくるのだが、
一樹にはさっぱり身に覚えがない。
(俺が何をしたってんだよ……)
再び、一樹は溜息をつくのだった。
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昼休みに入り、一樹はトイレを済ませて
仲間達が待つ屋上に走っていた。
元々IS学園は女性だけの場所、男性用のトイレは急増されたので
数が少なく、こういった時男子達は走り回る必要があるのだ。
「何故こんな場所で教師など!」
ふと、聞き覚えがある声がしたので、一樹は立ち止まる。
見ればラウラが千冬に詰め寄っていた。
(ほう……)
ラウラが千冬に依存しているとは思っていたが、
まさか行動に移すとは思っていなかった。
「何度も言わせるな、私には私の役目がある、それだけだ」
「このような極東の地で何の役目があるというのですか!」
日本は一樹の故郷イズモにそっくりなのだ。
バカにするような物言いに、一樹は目を吊り上げる。
「お願いです、教官、我がドイツで再びご指導を
ここでは貴女の能力は半分も生かされません」
「ほう」
「大体、この学園のなど教官が教えるにたる人間ではありません」
「なぜだ?」
「意識が甘く、危機感に疎く、ISをファッションか何かと勘違いしている
そのような程度の低い者達に教官が時間を割くなど」
その考えには一樹も賛成する、代表決定戦の後に一樹本人が口に出した考えなのだから。
しかし、だからこそ千冬の様な厳しい教師が教鞭を振るい、
その点を例え暴力的になろうとも理解させねばならないのではないだろうか?
少なくとも、一樹はラウラの様にホイホイと切り捨てることは無い。
一度新人教育をした時も、[分からないから教える]を旨としてやっていた。
ラウラのは[分からないなら消えろ]という暴行である。
「そこまでにしておけよ小娘」
その後も何かやり取りがあったが、興味が失せた一樹はそのまま立ち去ろうとする。
「異常性癖は感心せんな」
「だから?」
凝視しなければ気づかないが、千冬が
傷付いた様な表情を浮かべる。
マシになったとはいえ、やはり一樹の態度が素っ気無いのが悲しいのだ。
そんな千冬のオーラが変わったことを尻目に、
一樹は更に冷たい態度で口を開く。
「まさか俺にボーデヴィッヒをどうにかしろと?」
「……頼まれてくれないのか?」
ラウラの目を覚まさせるには、一度敗北させて冷静さを持たせ
その後信用できる人物が説得する必要がある。
千冬は一樹にその役を頼もうと思っていたのだが。
「ほざけ、何でアンタの頼みを聞かなきゃいけないんだ」
グサァ!っと言う音が聞こえそうなぐらい、千冬の表情が歪む。
「どうせドイツに居る時に精神面の教育をしなかったんでしょう?
なら貴方が撒いた種じゃないですか、ご自分でどうにかしてください
俺に芝刈りを押し付けるな」
どうやら一樹はかなり御立腹なようだ。
「な…なんで」
「聞こえませんでしたか?ならハッキリ言いましょう
[自分の尻は自分で拭きな]」
今度は赤面し、千冬は自分の尻を抑える。
「……姉さんは悲しいぞ」
去っていく一樹の背中に、潤んだ目で呟いた。
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「何だこのありさまは」
鈴音に遅れてきたことへの文句を聞きながら目を向けると、
リクセルの右腕にセシリアが抱き付き、左側には
自分が見知った少女が抱き付いて火花を散らしていた。
「リクセル…なぜリリーが居るんだ?」
「それは私が聞きたい、しかし我等の例がある以上不思議では」
「リクセルさん!いい加減その方の説明をしてください!」
それが同意らしく鈴音、簪、シャルル、本音も頷く。
「初めまして、リリェーツ・アイルホーンと申します」
抱き付いたまま、リリーは器用にお辞儀をする。
「私の実家は裕福でな、彼女はメイドとして
私の身の回りの世話をしてもらっていたのだ」
「ついでに、玉の輿云々は関係無くリクセルにゾッコンなんだよな」
勿論すべて本当のことだ。
リリーがメイドになった経緯は何かと説明するのが面倒なので省くが。
彼女が何故メイドになったのかは、別の機会で説明するとしよう
現在IS×アリアン(僕の冒険記の続き)を予定しているんですが
活動報告に全然ご意見が集まらないので進みません。
やはり自分で決めたほうがいいのかねぇ
まあ………
[リリなの×NW][ゼロ使×アルシャード]のストックまで作ってる
自分も自分ですが