最近仕事がとても忙しくて
仕事から帰宅→一眠りしよう→次の日の出勤時間少し前
なんてことが頻繁だったため、かなり遅れてしまいました。
一人暮らしで親の援助は一切受けておらず、
一日当たりの稼ぎも低い仕事なので
月のシフトをかなり入れているのです。
なので今後も遅くなるでしょうが、そこはご容赦ください。
「さあさあお待ちかね!いよいよ謎が解けるのだ!」
某束のアジト、そこで束は武骨な機械の前で踊っていた。
機械には一本の髪の毛が試験管らしいケースに入っており、
満たされている液体をセンサーが検査し、データを画面に表示していく。
髪の毛は一樹の物であり、臨海学校で一樹が使っていた布団から拝借したものだ。
そして、髪の毛から採取したDNAは、画面に表示されている
もう一つのDNAと完全に一致した。
「やっぱりだ!いっ君は織斑一夏本人だったんだね!」
大事な人が生きていてくれた事の嬉しさに、束は
より激しいダンスで部屋の中を飛び回る。
「うーん、でもなんで記憶喪失になっちゃったのかな?
それとお父さんは未だに見つからないし……
そういえばいっ君のお父さんって、名前何?」
名前を知らないのでは探す難易度は跳ね上がる。
そんな簡単なことに引っかかるあたり、呆れてものが言えない。
[バカと天才は紙一重]とは、よく言ったものだ。
「いっ君に会いに行けば……酷い目に合いそう(汗)」
チェーンソーが自分に振り下ろされる光景を想像し、
束は思わず身震いをする。
というか、一樹相手だとIS対生身でも勝てる気がしない。
「今はどうしようも無いかな」
次に束は一樹の愛機、エクエスを模したISの作成に取り掛かる。
映像データを基に作成したのだが………いかんせんうまくいかない。
正直な話、束はエクエスがあらゆる面でリミッターが
掛かっていることは分かっているし、あの性能が最低限だと知っている。
しかし束の技術をもってしても、その最低ラインにも届かない。
「この技術全部お父さんが作ったのかな?
だとしたら凄いよ、私より上じゃん」
装甲及び骨格素材であるALTIMAや
人型ロボット、ガーディアンの作成技術、
脳量子波でコントロールする遠隔攻撃端末イグニスも
[機甲世界]では当たり前に存在する代物だ。
しかし、エクエスは骨格フレームの設計から
CPUまで樹一人で設計し、他を圧倒する性能を誇っているため
束と同等の技術を持っているし、
操縦技術もエース級なのだから上かもしれない。
「案外、ISコアも作れるのかな?」
その答えは、後で知ることになるのだが、今は関係ないことである。
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「オノレェ………オノレェ!」
処変わってIS学園学生寮の箒の部屋。
もはや鬼の形相ではなく、鬼其の物といった姿の箒。
臨海学校の一件の後、反省の色が一切見られなかった箒は
紅蕾を取り上げられ、一か月の謹慎処分を受けた。
それでも反省の色は一切無い。
その後もトイレから出てきた後に見つけた一樹に斬りかかったりと
殺す気満々の攻撃を繰り返しては返り討ちにされ、
さらに謹慎期間を延ばすという事を繰り返し、
いつの間にか夏休みの間全てを謹慎期間に変えてしまった。
それでも反省せず一樹を、ひいてはフォーチュン面々を恨み続ける。
そして秋斗は何をしているかと言うと。
「僕は天才なんだ……僕は強いんだ……僕は負けないんだ……」
これまた同じく部屋に閉じこまり、ベットの上で
縮みこまってブツブツと自分を褒め称える言葉をつぶやき続けた。
続けざまの敗北によってボロボロになったプライドが、
件の一件により初めて経験した挫折で折れかかっていた。
それでも、それを認めない…いや、認めたくない。
認めてしまえば、自分が砂の城の玉座でふんぞり返っていた裸の王、
無様な道化だと認めることだ。
異常に膨れ上がったプライドを持つ秋斗に認められることじゃなかった。
この二人がこれ以上問題を起こせば、間違いなく退学処分だ。
しかし二人は悔い改めることはしないだろう。
この二人にとって世界は[現実]ではなく[自分達]でしかない。
自分達の思い道理にならないなら認めない。
どんな手段を使ってでも変えてやる、それが彼らの行動原理なのである。
だから化けの皮がはがれ、学園中から白い目で見られても気にしない
頭の中にあるのは、一樹達に勝つ、それだけだった。
それが、更に自分達を貶めることになるとも知らずに。
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「このバイパスを繋ぎ直した方がいいかもしれない」
「でも効率が落ちるんじゃ?」
「こっちのCPUバイパスをこの部分に繋げば問題無い」
八月、学園の整備室で一樹と簪が打鉄二式の改造を行っていた。
各性能は向上し、そろそろ紅蕾の地位が怪しくなってきている。
簪自身も、性能が上がっていく打鉄二式の性能について行けるよう
訓練に励み、その結果本人の技量も向上している。
それでもフォーチュン面々にはまだ届かないが。
勿論フォーチュン面々も遊んでいるわけではない。
自分達も腕が鈍らない様訓練に励んでおり、
その傍ら、仲の良い面々との時間を楽しんでいる。
一樹は昴の武装等の設計もやっているが。
とまあ、それは置いといて
2人は工具片手に機械油と煤で顔を汚してるわけだが、
簪の頭の中は別のことで占められている。
(どうやって誘おう……)
簪の作業着のポケットには映画のチケットが二枚入っている。
普通なら「チケットを偶然手に入れたから一緒にどうか?」とでも言えばいい。
一樹は優しいし、簪にも好意的だから二つ返事で受けるだろう。
しかし、今まで恋という物を経験してこなかった簪に
それを実行するのはかなり度胸の必要がある行為だ。
故になかなか切り出せずにいた。
そうやって簪が迷っているその時
「言いたいことがあるんだろう?」
「ひきゃ!」
スターゲイザーである一樹相手に隠し事は難しい。
勿論思考を読むことはできないが、
心理は読めるので何を考えるかは読めるのだ。
当然簪が一樹に言いたいことがあるのはわかる。
「そ、その……」
観念した簪は、ポケットのチケットを取り出して
一樹に見せる。
「福引で当たったんだ、今度の水曜日に、一緒にどうかな?」
「いいぞ、予定が無いからな」
この時点で簪が好意を抱いてるの知っている一樹。
いい加減誰かと付き合ったらどうだと言わざるを得ない。
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薄いスカイブルーのワンピースに白いカーディガン
そして青いリボンが付いた帽子と
まるでどこかのお嬢様のような服装を纏った簪は
おっかなびっくりと言った状態で待ち合わせの場所に向かっていた。
(一樹とデート……えっと、その)
頭の中はそのことでいっぱいであり、
夏特有の現象、強い日差しと相まって
体が湯気が立ち上りそうなほど熱くなっていた。
そして待ち合わせの場所に到着し、
暇つぶしにレンチをクルクル回している一樹が目につく。
ライムグリーンのポロシャツに青いジーンズと
休日のお父さんのような格好だ。
「ま、まった?」
「無問題、良く似合ってるじゃないか」
平然と口説き文句を言う一樹に、
ますます顔を赤くする簪。
「肩組むか?それとも手ぇ繋ぐか?」
「………手で」
手を繋ぎ、一緒に映画館に歩いていく二人、
そしてそんな二人の背中を
「かんちゃん頑張れ~」
「お嬢様頑張って~」
「応援しております」
影ながら見守る三人が居た。
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映画を見終え、再び日差しの下に出てきた二人だが、
「(涙目)」
「よしよし、落ち着け」
一樹の腕にしがみ付いたままガタガタと震える。
デートに誘う事と、成功した嬉しさに
簪は映画の内容を確認していなかったのだ。
映画の内容はホラー、それも
視聴者評論家共にかなり怖いと評判の作品だった。
一樹は
どちらかと言えば苦手な簪は悲鳴も出ないほどの
恐怖で、一樹に抱き付いたまま上映終了まで固まってしまったのだ。
終わってもこの状態である。
「ちょうどいい時間だし、昼飯によって行こう」
一樹はこの日の為に多めに資金を持っている。
なのでオシャレで少し高いレストランで
二人分の代金を払うことぐらい問題無かった。
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そして帰りのモノレール。
「やれやれ」
緊張の糸がほどけたらしい。
もたれ掛かって眠ってしまった簪に苦笑しつつ、
一樹は父親の表情で頭をなでる。
「ついでに出てきたらどうです?三人とも」
ビクリと、物陰から楯無と本音、
そして本音に似た顔立ちの
三つ編みと眼鏡が印象的な女性が居た。
「お姉ちゃんの
道理で似ているわけである。
「妹が心配なのは分かりますけど、ストーキングはどうかと思いますよ」
「じゃあ今度は私が「その頭をかち割っていいなら」御免なさい」
身の丈ほどもある大型レンチ、一体どこから取り出したのだろうか?
ふと、思ったのですが
「鈴音のガーディアンはマシンザウルス」なんて設定を考えてみました。
たぶんライオン型かティラノサウルス型になるでしょうね。
ついでに機甲世界のメンバーを登場させるのは、
色々と都合がいいので、学園祭の後にしたいと思います。