どなたかガーディアンの挿絵を送ってきてください、
お願いします←土下座
『コロニー内よりアビス反応多数、ゲートが開いた模様!』
「中の部隊は?!」
『戦力の二割を損失、劣勢です!』
ルプスに乗ったまま、コロニー入港口の扉を開けた樹に、
聞きたくない報告が入ってきた。
嘗てガーディアンと共に世界を滅ぼした存在、
この[機甲世界]に平行して存在する、純粋なエネルギー世界と言うべき
十一次元空間[アビス]との間にAL粒子を干渉させて[ゲート]を開き、
膨大で強力なエネルギーを取り出し利用するのが、[アビステクノロジー]だ。
しかしゲートを開けば、[奈落獣]と呼ばれる、破壊活動を行う怪獣が出現し、
ゲートが安定して完全に開けば、流れ込むエネルギーにより
半径数百キロ四方にある、アビスエネルギーを使用しない物を粉砕し焦土にする。
そしてアビスエネルギーに触れた人間は攻撃衝動・残虐衝動が高まり、
さらに他者との共感性が極度に下がって、まるで怪物の様になってしまう。
これだけで酷いが最悪の場合、この地球を含めた太陽系をも破壊してしまう、
まさに開けてはならない[パンドラの箱]なのだ。
早く奈落獣を倒してゲートを閉じなければ、このコロニーは人が住めなくなってしまう。
それに避難は完了していない、どれだけの民間人が犠牲になるか。
樹が焦る理由はもう一つある。
通常負傷者の救助・搬送、バックでの治療等の労力からの計算により
古来より戦力の三割を失うと壊滅になる。
それは大規模な軍だろうと少数の一部隊だろうと変わらない。
現在コロニー内の部隊は戦力の二割を失っている、
つまり壊滅の一歩手前まで追い詰められているのだ。
「間に合えよ」
中に到着するまでまだ時間が掛かる、祈るような気持ちで呟いた。
自分と姉が戦力に加われば、かなり有利になる自信がある、
お互い、屈指の実力を誇るエースだからだ・・・
しかし、エースは何時でも生まれてくる者らしい。
『!アビス反応が次々と消失しています!』
「何?!」
劣勢だった友軍が一気に持ち直した、それは尋常では無いことだ。
それが出来る要素といえば、自分が設計したガーディアンだが
あれにはパイロットが居らず、テストもしていないので
まともに動くかどうかも怪しく、武装も最低限の物しか搭載されていない。
そんな機体一機で戦況を覆すなど、相当の実力が無ければ不可能だ。
「誰が動かしてるんだ?」
確かめるべく、樹はペダルを踏み込み、スラスターを噴かせた。
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ダガーを投げつけ、手首分にあるビーム砲を連射する。
ダガーは寸分狂いも無く、一体のコックピットブロックに突き刺さった。
しかしビームは直撃せず、他のロボットの肩や腕を破壊するだけだ。
「射撃は苦手か・・・」
冷や汗を流しながら、一夏は呟く。
自分が確実に仕留めるには、近接戦しかない様だ。
不意に、先ほどの少女が脳裏に浮かぶ、
今自分が戦わなければ、あの子を含めた多くの人達が犠牲になる。
それだけは出来ない、そして・・・今自分はそれを防げる物を持っている!。
「力を貸してくれ!エクエス!」
再びダガーを構え、スラスターを噴射し前進する。
敵のロボット一団がマシンガンやバズーカを乱射してくるが、
一夏はそれを最低限の動きでかわしていく、
とても昨日今日の素人では出来るはずがない動きだ。
爪を生やした怪物の集団も襲ってくるが、一夏は慌てず
頭部に搭載されたバルカン砲で残らず潰していく。
自分から当たってくれている様な物なので、対処は容易かった。
攻撃は更に激しくなる、それでも一夏は止まらない、
雨霰の攻撃を掠らせもせずに前進し、またしても一体のロボットを
横に分断し、投げつけたダガーを倒れていたロボットから引き抜き、更に加速する。
そして一直線に進んだ時、全ての怪物と目前に居たロボットを全て倒していた。
「後・・・一つ!」
残った敵は指揮官らしい一機のみ、終わらせようとペダルを踏み込むが・・・
「!オーバーヒート?!こんな時に!」
彼方此方から煙を噴き、エクエスが膝を突いて止まってしまった。
元々碌なテストもしていない状態で、激しい戦闘を行ったのだから
当然と言えば当然、むしろ良く持ったと言うべきか。
止まってしまったのいいことに、指揮官機は剣を引き抜いて向かってくる。
(やられる!)
死の恐怖に、一夏は目を瞑る。
しかし、攻撃は来なかった、恐る恐る目を開けると・・・
自分を切裂こうとしていた指揮官機を
漆黒の機体が切裂いていた。
エクエスと同じように細いが力強さを感じさせるシルエット、
紅いデュアルアイV字アンテナと、多数の共通点があり、
まるで翼の様なスラスターが背中から生えている。
『コックピットから降りて来い』
ハスキーな声が、通信機越しに聞こえた、黒い機体のパイロットかららしい。
素直に従い、ハッチを空けて外に出る。
同時に、黒い機体からもパイロットが出てきて、宇宙服のヘルメットらしき物を取る。
腰まで届く黒髪を持った、凛としていながらも優しげな美貌を持つ人物だった。
「誰が操縦しているかと思えば、これは驚きだな」
これが一夏の新たなる家族となる人物との出会いだった。
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あの後エクエスは船に回収され、メンテナンスと改めてテストを受けることになった。
一夏は応接室らしい場所に案内され、三人の人物と対面していた。
赤に近い茶髪をショートボブにした自分より幼い少女、先ほどの黒髪のパイロット、
そして黒髪のパイロットに良く似た少女。
最初に幼い少女が口を開く。
「まずはお礼を申し上げます、貴方が居なければ被害はより大きくなっていたでしょう
民間人が軍用機を動かすことは褒められた行為ではありませんが、感謝します」
どうやら罰せられはしないらしい。
そのことに、一夏は安堵する。
「まずは自己紹介をしましょう、私はこの船、デルフィングの艦長、柿崎夕日です」
自分よりも幼いであろう少女が艦長だという事実に、一夏は思わず目を見開く。
「俺は桜野樹、あの黒い機体、ニゲルルプスのリンゲージだ、ついでに男だからかな」
この容姿と声で男だと言う事実に、これまた驚く。
「私は桜野香、樹の姉よ」
自分よりも幼く見える容姿で年上、その事に一夏は咳き込む。
「では、貴方の名前を教えてください」
一夏は答えようとして、答えることが出来なかった、何故なら・・・・・
「分かりません」
「分からない?」
「俺、記憶が無いんです」
そう、一夏は記憶を失っているのだ。
その事実に、三人は困惑の表情を浮かべる、一夏も自分のポケットを
探ったりして自分の手掛りを探すが、何一つ見つからない。
どうしたものかと悩んでいる時、不意に樹が口を開いた。
「艦長、この子を俺に預けて貰いたい」
「それは養子にするという意味ですか?」
「ほっといたら良い様に利用されます」
一夏はまだ知らないことだが、ガーディアンはリンゲージと呼ばれる、
ALTIMAと特殊な親和性を持つ人間にしか動かせない。
リンゲージには生まれなが親和性を持つ[生来型]と
訓練によって親和性を獲得した[訓練型]の二種類存在し、
[訓練型]は頭数を揃え易いが、能力面は比較的低い者が多い。
なので生まれつきALTIMAを駆動させられ、能力も高い[生来型]は貴重なのだ。
裏で非合法に生来型リンゲージを集めて売捌く人売組織も存在するという。
そんなことに子供を巻き込むのを、樹は我慢できなかったのだ。
「分かりました、書類は早めにお願いします」
「ありがとうございます」
夕日は変わらず無表情で、部屋を出て行った。
「いいんですか?」
「何がだ?」
「俺みたいな得体の知れない奴を、養子にするなんて」
樹が一夏の頭に手を置く。
「ガキなんだから、大人に甘えたって罰は当たらないさ」
「それじゃ、名前決めないとね」
かなり子供っぽい表情で、香が提案する。
「そうだな、名前が無きゃ不便だしな」
「じゃあ、たっつきちゃんの始めての子供だから[
「却下、安直過ぎるだろう」
「じゃあたっつきちゃんが考えて、ちゃんと[樹]の字は入れてよね」
頬を膨らませて拗ねる香を見て、樹と一夏は苦笑する。
「・・・・・・じゃあ、自分の力で伸びていく一本の木、[
こうして、織斑一夏は、桜野一樹となったのである。
面白そうなので、一夏を記憶喪失にしてみました。
勿論異議を唱えられても否定はしませんが、
これは私が面白いと信じてやったこと、後悔は無しです。