いやはや、まさしく土下座物です、皆様ありがとうございます。
やはり真面目に勉強して書いたものであるためか、一番の人気作品になっています。
出し物が決まれば、後は準備だ。
その為の買い出しに向かい、一樹と鈴音は偶々合流した。
「何買いに行くわけ?」
「執事用の燕尾服だ、クラス面々に任せるとどうなるかわからん」
懲りない1-1面々に溜息をつく一樹。
ストレスを発散できる環境だとはいえ、堪ったものではない。
「何?執事喫茶でもやるわけ?」
「メイド喫茶だ」
「奇遇ね、ウチは中華喫茶よ」
らしいと言えばらしいチョイスに、クスリと笑って見せる。
「本場の人間だけあって、さぞ似あうだろうな」
スレンダーな体系と、スリットから覗く太ももが相まって
生唾を飲むような色っぽさを醸し出す。
鈴音のそんな光景を想像した一樹は思わず舌なめずりをする。
「変なこと考えないでよ(泣)」
気の強い鈴音も、流石に一樹相手はご勘弁な用だ。
反論に力が一切こもっていない。
(前の[一夏]に比べれば鈍感じゃないだけましだけど)
悩みが増える鈴音であった。
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「どうした?」
「一樹さ、テレパシーみたいなのが使えるのよね?」
買い出しの帰り道、鈴音は突然立ち止まって明後日の方を見た。
「ああ、相手の感情がなんとなくわかる」
「じゃあ、あたしに誰かが感情を向けてるか分かる?」
一樹は目を閉じ、静かに意識を傾ける。
するとどうだろう、確かに何かを感じる。
鈴音に向かって放たれている感情、というよりは呼び声か。
「確かに感じるな、お前を呼んでいる」
「気のせいじゃなかったのね、今朝から聞こえるというか、
感じたの、ねえ、安全かどうかわかる?」
「悪意や敵意は感じない」
一樹には、その呼び声に覚えがあった。
コロニーで、エクエスの元にたどり着いた時に感じた呼び声とよく似てる。
「なら案内してくれない?あたしだけじゃたどり着けそうにないから」
「わかった、こっちだ」
一樹は躊躇したが、放っておくのは問題があると判断して案内した。
もしもその[呼び声]の主が自力で移動できるガーデァン系統なら、
いきなり市街地に飛び込まれでもしたら大パニックだ、ISと戦闘もなるだろう。
データを調べる限り、ISは確かに強力だが、ミーレスやガーディアンの
一個小隊よりも戦力面では劣る、なぜなら機動性云々はともかく、
攻撃力という点では圧倒的に劣っている上に、防御力も同様だ。
それにたった一機で多を圧倒する[スーパー級]を始めとした
ISを玩具扱いできる超兵器は多数存在する上に、大半のISパイロットは
ISが最強だという事実によって自惚れている、[最強]と[無敵]は違うのに、だ。
(一旦引き合わせた方がリスクは少ない、いざとなれば[アレ]を)
そしてもし呼び声の主がガーディアンなら、この世界ではIS級のオーバーテクノロジーだ。
それを自分達以外の誰かが発見したら、そしてコピー・量産に成功したら。
確実に戦争が起こるだろう、無益な血が大量に流れるだろう、男尊女卑に変わることも有り得る。
未来を守るために戦う者として、それを許すことはできない。
いざとなれば相手を倒す、一樹はそう決意した。
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2人がたどり着いたのは、IS学園からそう離れていない山だった。
山菜が取れるわけでも、珍しい動植物が生息しているわけでもなく、
温泉や鉱脈があるわけでもないただの森しか広がっていないのが
理由であるため、滅多に人がやってくることはない。
「ここなの?」
「ああ、確かにこの近くから感じる」
滅多に人が立ち入らない森、何かを隠すには絶好だ。
その時、巨大な物が軽快に走って来る音が聞こえた。
「何?!」
「来たか」
すぐさまエクエスを展開、鈴音を守るように立つ。
そして、呼び声と足音の主が姿を現した。
「ちょ!何これ!!」
「マシンザウルスか」
一言でいえば、それはライオン型の巨大ロボットだった。
全高10mほど、全長は24mほどだろう。
カラーリングは燃えるような赤をベースに、甲龍の色。
背中には二本一対の大型ブレードが、まるで折りたたまれた翼の様に収まっている。
それが静かに二人を、正確には鈴音を見ていた。
「ね、ねえ……ホントに大丈夫なわけ?食べられたりしない?」
「その手の感情は一切感じない」
鈴音を餌や敵だとは一切思ってない、そう確信できるほど
目の前のマシンザウルスからは穏やかなオーラが伝わってきた。
するとマシンザウルスはゆっくりと伏せ、額にあたる部分が、前に倒れるように開く。
「乗れ、だそうだ」
その言葉を合図に、鈴音はゆっくりと、おっかなびっくりに近づき、
こけるようにコックピットへダイブする。
「いたた~」
どうやら本当に転んだようだ。
「でもアンタ、乗れって言ってもあたしは……」
操縦法を知らない、操縦桿を握りながらそう言おうとしたところ、
突然操縦法が頭に浮かんでくる。
「え?な、なんで……」
戸惑いつつも、鈴音はシートベルトを締め、操縦桿とペダルを最初はゆっくり
そしてどんどん巧みに動かしていき、ライオン型マシンザウルスと森林を疾走する。
「あはは!速い速い!」
もはや鈴音に戸惑いや恐怖は無い。
新しい玩具を買ってもらった子供同前の表情で叫ぶ。
速いのは当然だ、このライオン型マシンザウルスの疾走速度は時速310km
飛行型ガーディアンにさえ引けを取らない速度を叩き出せるのだ。
満足するまで堪能した鈴音は、再び一樹の元に戻ってくる。
「こいつは、乗り手を探していたのか」
「何かは知らないけど、いい子ね」
大変気にったらしく、鈴音はコンソールを優しく撫でる。
しかし、重大な問題に気付いた。
「こんなに大きいんじゃ連れていけない!」
「確かにな……」
ここまで巨大なマシンザウルスを高々二人で隠しながら運ぶなど無理な話だ。
当然、ここに置いていくしかない。
「捨てられたペットを拾ってきた後に返して来いと言われた気分ね」
よほど気に入ったらしく、名残惜しそうにシートベルトを外して地面に降りる鈴音。
どう足掻いても無理なのだから仕方がないと溜息をついたその時。
「グウォォォォォォォン!!」
ライオン型が突然雄叫びを上げ、光の玉となって
鈴音の待機状態ISに吸い込まれる。
「え?何々?!」
更にその後、ISから光の玉がもう一度現れ、
一般的な猫サイズになったライオン型が現れる。
「ほう、考えたな」
「なんで納得できるのよ!」
一樹がしゃがむと、ライオン型も大人しく近づいてくる。
どうやら肉食獣型マシンザウルスとしては珍しく、人懐っこい性格のようだ。
一樹はライオン型をゆっくりと抱きかかえ、鈴音に差し出す。
「こいつは俺が作ったロボだとごまかしておけ」
「あの三体みたいに?」
ラウラの足が生えたアタッシュケース、シャルロットの浮いている球
簪の手乗りサイズの空飛ぶ海亀を思い出した鈴音。
どれも彼女達のISと合体し、それ以外にも様々なサポートができる。
言うまでもなく、すべて一樹が作ったものだ。
「とりあえず名前つけないとね……」
抱きかかえたライオン型を見ながら、鈴音は暫し考え込む。
「ライオンみたいだからシーズー…は安直すぎるし
そうだ、赤いからホンシー」
気に入ったらしく、返事をするように鳴く。
(まさかマシンザウルスがここにいるとは)
何やら冷たい予感がする一樹だった。
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黒一色、そんな表現がふさわしい恰好の男がコックピットらしき場所に居た。
「隊長、各準備は万全です、いつでも作戦を実行できます」
部下の一人がそんなそんな報告を上げると、男は静かにほほ笑む。
「そうか、では[種]が目覚め次第、すぐに出撃できるように伝えろ」
「は!しかし、本当に目覚めるのでしょうか?」
「心配ないさ、あそこまで闇を抱え込んでいる人間が追いつめられてるのだ
少しでも優しく囁けばすぐに飛びつくさ、それよりも邪魔虫共は?」
「それでしたら、指示された三名以外はすべて殺しました」
「ご苦労、実行に備えて休め、他の者達にもそう伝えろ」
「了解しました」
部下はそのまま立ち去っていく。
「もうすぐだ、もうすぐ私の計画が、帝国に栄光あれ!
ふははははははははははははははははははははは!」
紫色のデュアルゴーグルアイが、不気味に光っていた。
MZ-145 ブレードレオ
全高10,8m 全長24m
重量132t
最高時速310km
武装
ストライククロー 多くのマシンザウルスに装備されている爪
ザウルスブレード すれ違いざまに斬ることに適したブレード
破壊光線 ブレードに装着されている砲門から放たれるビーム
ハイパーボレアで次期主力機として開発されたライオン型マシンザウルス。
しかし完成直後に脱走、以後は行方不明になっていたが
何故かIS世界の日本に流れ着き、鈴音に懐く。
アンケートでのご意見、ありがとうございました。
でも……いろいろな意味で換装は却下します。
理由は後々説明いたします。