-MS-メタリックストラトス《更新停止》   作:アルシェス

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長らくお待たせしました。
また寝落ちが続き、追加でやってることもあるので、
これからも同じようなことになるでしょうが、
どうかご容赦ください。


赤き騎士の目覚め

割り当てられた部屋、そこで一樹は

布団に座り込み、月を見ていた。

初めての戦闘によるものと、

今後についての不安によって生まれた緊張が解け、

自分がやったことを再認識した。

自分は……人を殺したのだ。

 

少女を守るためとはいえ、自分の意志で命を奪った。

それが、覆しようのない事実だ。

布団と作業ディスクだけの部屋を見渡すと、

自分を指差し非難する人々の幻影が見える。

それに押しつぶされそうになり、一樹は蹲った。

 

「どうかしたか?」

 

息子となった一樹が心配だったらしく、樹が様子を見に来た。

 

「樹さん」

「親父でいい、もう家族なんだからさ」

 

優しげな笑みを浮かべ、樹は一樹の隣に座る。

言っては失礼だがその様子は樹の容姿のせいで、

父子と言うより姉弟か母子に見えた。

一樹は、自身の胸の内を言った。

一通り聞いた後、樹は口を開く。

 

「そればっかりはお前自身が解決しないといけない問題だからな

俺がどうこう言える物じゃない」

 

一樹は再び俯く。

 

「偶然うまくやれたただけなんです、無我夢中で

俺は褒められも感謝されるようなこともやってないのに」

「……確かにな、そこにガーディアンがあったのは偶然だろう

だが、ガーディアンに乗ったのは偶然じゃないはずだ」

 

顔を上げた一樹は、樹と目が合う。

 

「お前は何故ガーディアンに乗った?」

「……ただ、助けたかったから……」

 

そっと、樹が一樹の頭に手を添える。

 

「それでいいんだ」

「え?」

「確かに人を殺したことに変わりはない、例え相手がテロリストだとしてもな

だから殺した責務から逃げるな、奪った命の重さを絶対に忘れるな、

そして、その殺しの罪悪感を絶対に忘れるな

それを忘れた瞬間、言葉通りの本当の人殺しになる」

 

フォーチュンに長く所属し、今の一樹よりも沢山の人間を殺してきた樹のその言葉には

言い様の無い[重み]が感じられた。

 

「それと……これだ、渡しそびれてたな」

 

樹は、ポケットから翼を模したペンダントを一樹に手渡す。

 

「お前が助けた嬢ちゃんから渡してくれって頼まれた物だ

あの子、感謝してたぜ…「ありがとう」ってな」

 

一樹はペンダントを手に持ち、茫然と眺める。

 

「お前が守った命も、忘れるな」

 

一樹は両手で握りしめ、涙を流した。

自分は許されないことをした、それでも少女は自分に感謝してくれた。

一樹は一つの決意をする。

 

「父さん……俺……リンケージとしてフォーチュンに入るよ」

「どうなるかわかってるな?」

「わかってる」

 

これからも沢山の人を殺すことになるだろう、守り切れずに涙することもあるだろう。

助けた人達から石を投げられることだってあるだろう。

それでも、自分が守った[命]は、こんなにも暖かいのだから。

 

「やっぱり、反対?」

「本音を言えば大反対だ」

 

さも当然と、樹は言う。

 

「お前は俺の息子だ、汚れ仕事も危難なこともやってほしくない

だがな、お前自身が決めたことだ、止はしないさ

親ってのはな、子供が選んだ道の邪魔をしちゃならねえのさ」

 

そっと、樹が立ち上がる。

 

「どんなに取り繕っても、これからやることは人殺しだ

違いなんて、サツに捕まらなってことだけだからな

でもな、だからこそ次の社会を健やかにする責任がある

勝利するからこそ、世界に責任を負わなきゃならない

俺はそう思った、だから今もフォーチュンに居る」

 

もう一度一樹を見た樹は、そう言ってほほ笑んだ。

 

「今はまだわからないかもしれない

でも恋人とかが出来た時、十年二十年経って家族が出来た時

その時には分かる時が来るだろう」

 

そう言い残し、樹は部屋を出ていった。

 

________________________

 

場所を移し、時間を巻き戻してみよう。

ここは太平洋に浮かぶ大陸[レムリア]。

嘗て地球連邦政府と宇宙移民者達の集合国家[ヴォルフ共和国]との

間に起きた[第二次世界大戦]の最中に突如出現した新大陸である。

科学技術で栄える他国と違い、レムリアは[魔法]によって栄える

中立国家で、三角貿易で利益を上げる黒い一面も存在する。

 

そんな場所のとある遺跡。

幾千の月日を雨風に曝されていたのだろう。

最早朽ち果て、唯の洞窟と変わらないありさまになっている。

その最深部に赤毛の少年、桜野一樹となった織斑一夏の親友の一人、

五反田弾が目覚め、唖然とした表情を浮かべた。

 

「ここは……いったい?」

 

更に呟く。

 

「俺は……誰だ?」

 

一樹同様、彼も記憶を失っていた。

彼は別に自殺を試みたわけではない。

唯家で寝ていただけだ。

それが突然こんな場所に居るのだから、

例え記憶があっても驚く。

 

そして……

 

「!誰だ!?」

 

更に奥の方から、弾を呼ぶ声がする。

勿論[音]の声ではなく、テレパシーの類だが。

弾はここで座っていても仕方がないと、その方へ歩いて行った。

 

__________________

 

「これは……」

 

弾を呼んだ存在、それもまたロボットだった。

高長は主君に礼を取る騎士の様に膝をついているのでわかりずらいが、

おおよそ18mほどだろう。

騎士甲冑の様な優美なデザインで、色は燃えるような赤。

顔はまるで竜そっくりにできており、蝙蝠の様な翼と肉食恐竜の様な

太く長い尻尾、まるで物語に出てくる竜人の様だ。

腰には柄が西洋風の日本刀らしき物が差され、

手にはライフル銃とボウガンを足して割ったような銃を持っている。

ファンタジー物にロボットを出すとしたらこんな感じだろうと弾は思った。

 

「乗れってゆうのか?……俺に」

 

弾が目の前に立つのと同時に、この機体は

まるで「待っていた」と言わんばかりにコックピットらしき

場所のハッチを開く。

少々戸惑ったが、弾はコックピットの中に乗り込んだ。

そしてシートの手すり部分にある水晶らしき物に手を置くと、

この機体、ミスティック級遠近両用型ガーディアン[ドラグオン]の[目]

をとおして、外の様子が見える。

そして「歩けと」念じれば、そのイメージそのままに動いた。

 

「イメージで動かすのか」

 

邪魔な土砂を手作業でどかしつつ、弾は外を目指す。

土砂が比較的軟らかいのと、ドラグオンのパワーが建設車両よりも強いのと

あいまった結果、物の10分ほどで外に出ることが出来た。

 

「眩しいな」

 

先ほどまで光が届かない場所に居たのだ、当然の反応である。

辺りは木々がまばらに生え、出てきた遺跡以外には人工物が無い。

どうやら林の中らしい。

 

「さて、どうするか………」

 

弾が呟いた、その直後。

突如として爆音が響く。

 

「なんだ!?」

 

弾は迷ったが、その方向に飛んだ。

 

_______________

 

「まさかこれほどの数とは」

 

レムリア王国でも伝統ある貴族フォンブラウン伯爵家当主、

[グレンデル・A・フォンブラウン]は剛毅な顔を歪めた。

王都から少し離れた集落からレムリア他陸に住まう邪悪な

亜人[オーク]の襲撃を受けているとの救援要請があり、

その地を領地に持つフォンブラウン家が事態の収拾にあたることになった。

オークは猪や豚の様な頭を持ち、怪力だが虐殺を喜びとする

友好関係など到底結べない存在だ。

それが見渡す限り300、何処に隠れていたのだろうか?。

最初はほんの10体ほどしかいなかったが、気が付けば増えていた。

明らかに戦術だ、粗野で知能が低いオークとは思えない。

初代から受け継がれてきた8mほどの赤いファンタズム級ガーディアン

(レムリアでの名称は神霊機(マナリス))エインセルに乗る

グレンデルが唸るのも無理はない。

 

「ガリュ-、お前は伝令として援軍を呼ぶのだ」

「しかし!」

 

赤と青に彩られ、四本足と突撃槍(ランス)を持つファンタズム級、

ケイローンに乗るフォンブラウン家次男、

[ガリュー・C・フォンブラウン]が異を唱えようとする。

 

「父上の仰るとうりだ、このままではここだけでない

領地に暮す全ての民達に被害が及ぶ、そうならないためにも

誰かが援軍を呼ばなくてはならない、それまで持ちこたえるならば

私と父上の方が適任だ、食い止める役が必要だからな」

 

蒼を基調とし、大ぶりな斧を持つファンタズム級

ウォーライクに乗る長男ライデンが諭す。

この状況に置いて最も適しているのだ、反論など出来まい。

 

「……わかりました、どうかご無事で」

 

家族を置いていくことにガリューは迷いを見せたが、

黍を返し、王都に走って行った。




追加でやってること、それはこの作品で主人公勢が乗る
ガーディアンを、プラモで再現することです。

とは言っても、私はそれに関して素人なので、
あまり出来は良くありませんし、
やり方も試行錯誤しているので遅いです。
完成したら、挿絵としてのせてみます。

一樹のアルプスエクエス 8割方完成

他は現在保留。
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