-MS-メタリックストラトス《更新停止》   作:アルシェス

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物凄く遅れましたOTL
仕事が忙しくて寝落ち、後楽しみも結構増えて
手を付けいなかったんですよね。

これじゃあ失踪タグつけられても文句が言えない(汗)

まあ、取り合えず。
今回で数馬のガーディアンクラスが判明します。



三人の会合(前)

三人がこの世界に迷い込み、早一年が経った。

一夏はフォーチュン所属のリンケージ[桜野一樹]、

弾はレムリアの騎士[リクセル・C・フォンブラウン]、

数馬は学生の[二宮数馬]として生活していた。

 

そして場はレムリアの宮殿。

リクセルは養父グレンデルと共に女王の前にいた。

 

「お久しゅうございます、女王陛下」

 

すっかり騎士口調が素になったリクセルが膝を付く。

長かった髪もバッサリと切り揃え、

纏う雰囲気もまさに貴族階級のそれである。

とくもまあ一年でここまで変わったと感心する一方、

手にできた無数のたこと全身の傷跡が

彼の努力を思わせる。

 

「陛下、私を召喚せし目的をお尋ねしたい」

「答えましょう、我が騎士リクセル」

 

サナート女王は静かに立ち上がる。

 

「私はあるも予感を感じました

かの地イズモにて大きな出来事が起きようとしています

それこそ、この世界から飛び越さんばかりの出来事が」

 

イズモのことはリクセルも知っている。

世界一のALTIMA産出量を誇るガーディアン研究開発の聖地。

その特徴故に世界的には小さな島だが自治権が与えられた実質の独立国家。

 

「そして、その出来事において重要な鍵になる人物

それは貴方なのです」

「私が……鍵?」

 

リクセルは戸惑う。

行き成りそんなことを言われたら当然だろうが。

 

「正確には、カギの一つです

これから貴方は運命的な出会いをするでしょう

そしてそれは、これよりおこる大きな出来事の始まりなのです」

 

相変わらずの抽象的な物言いの為、

イマイチ意味を理解できていない。

まあ無理もないだろう。

サナートは狂言回しのような物言いを好むのだから。

 

「では女王として命じます

我が騎士リクセル・C・フォンブラウン!

イズモの地へと赴き、フォーチュンの一員となるのです!」

「御意!」

 

________________________

 

場所は変わってイズモの都市[飛翔(ひしょう)市]。

イズモにおいて二番目にガーディアン研究開発が盛んであり、

地球各地とコロニー群、開拓用宇宙ステーションを結ぶ大型空港を多数

保有する世界の中継地である。

 

そこにあるフォーチュンの支部では一樹と樹が向き合っていた。

 

「なんであんな無茶をした?」

 

静かだが、樹は間違いなく怒っていた。

 

「いや……アレは無理だな、何故やった?」

「あの時最善だと思ったから」

 

テロ組織[ディステニー]との戦いの中、

一樹はいきなり突貫して攻撃を開始。

結果的に戦闘の早期決着ができたが、

そのあまりに無謀な行動に樹が怒ったのだ。

 

「確かに結果は良かった、だがな

それとは話が違うだろ、死んだらどうする?」

「いいだろ、どうせ価値の無い新人…」

 

失った記憶の影響か、一樹は事あるごとに自分を卑下する癖がある。

しかし、それ以上言葉は続かなかった。

樹が殴り飛ばしたからだ。

 

「馬鹿なことを言うな!」

 

殴り飛ばした後、樹はゆっくりと近づく。

そしてしゃがみ、肩にそっと手を置く。

 

「お前を無価値なんて言う奴いねぇよ

少なくとも、俺達は言わねぇ、絶対にな」

 

一樹が顔を上げる。

樹の、どこか困ったような笑顔が、そこにあった。

 

________________________

 

更に場所を変えて、飛翔市のとある一画。

 

「別についてこなくても」

「ダーメ!もっとお姉ちゃんに構いなさい」

 

数馬と歩きながら軽口を叩いているのは二宮蒔絵(にのみやまきえ)

数馬の義理の姉である。

アイドルでも十分すぎるほど可愛らしい顔立ちと程よいスタイルを持ち、

オレンジに近い赤毛をサイドテールにした一歳上の少女である。

歌が得意で、将来は歌手になるのが夢の彼女。

普段ならこの時間帯はその練習としてカラオケや発声練習をしている

彼女が何故数馬の行く先についていってるのか?。

 

今日は数馬のイズモ防衛軍ガーディアン部隊の入隊試験があるのだ。

数馬はまだ未成年なので、勿論そのまま所属にはならない。

しかし将来の入隊はほぼ確実であり、何時でも訓練に参加することができる。

言うならば、リンケージの登竜門だ。

本日行われる試験で、数馬がリンケージになれるかどうか決まる。

蒔絵はその応援に付いて来たわけだ。

 

「やっぱり……やめない?」

「当然、俺は姉ちゃん達を守れるようになりたい

その為の力が欲しい、今更止められない」

「危ないことしてほしくないんだけどな」

 

それ以上の問答は無しで、二人は手をつないで歩きだした。

 

__________________________

 

さて、時間を進めてみよう。

場所はフォーチュン支部の格納庫。

そこで樹と一樹はガーディアンの整備をしていた。

 

腕が二倍三倍に見えるほどの速さで。

元々顔立ちが似ており、最近雰囲気もそっくりになってきている。

二人を親子か疑う者は、もういないだろう。

 

「父さん、シャフト取って」

「そらよ」

 

投げられた1mはある金属の工具を、

キャッチボールをするかのような気楽さで受け取る。

はたから見れば危なっかしいが、この二人には関係ないのだろう。

味醂干しなどという渋いおやつを齧りながら見もせずにキャッチしたのだから。

 

「……もう1年になるんだな、お前を拾ってから」

「どうしたのさ?そんな藪から棒に」

「色々考えさせられるってことだ」

 

自分が親になるなど、樹は思ってもいなかった。

 

「俺達の両親な、ガキの頃に揃ってくたばっちまったんだよ」

「え?」

「別に血生臭さやドロドロした物は無いさ

単なるコロニー建設中の事故、よくある話だ」

 

今まで祖父母を見たことがなかった一樹は、手を止めて

静かに話を聞く。

 

「でもな、俺の記憶にいる二人は……いつも笑ってる

自分達が造った物(コロニー)が、そこに住む人々の生活を

ひいては未来を創っていく、それはきっと……素晴らしいことなんだ

親父がよく言ってたことさ」

 

一樹は、なぜ樹が物作りに拘るのか理解した気がした。

 

「だからな、俺もそうゆう事に関わりたくてロボット工学を学んだ

作業用のシビリアンミーレスの原型を作ろうとしてたんだ

まあ、結局第二次世界大戦が起きてこうなっちまったんだがな」

 

樹は銜えていた味醂干しを飲み込み、一樹を見る。

 

「今更血塗れの自分が親になるなんて、思わなかったんだよ」

「俺にとっては掛け替えの無い父親だから」

「照れるね」

 

その時、緊急警報のブザーが鳴り響く。

二人は大急ぎで整備を終わらせ、パイロットスーツに着替える。

 

「行くぜ」

「了解!」

 

__________________________

 

「リクセル様、間もなく飛翔市に付きます」

「そうか、ここまでご苦労だった」

 

レムリアの貴族の一般的な移動手段、飛空艇。

その甲板で、リクセルに初老の男性が話しかけた。

顔の下半分を灰色の髭が覆い、後退しかけた頭髪を丁寧に整え、

燕尾服を纏うその体は鍛えられて一部の隙も無い。

彼の名はロン・マックナス、フォンブラウン伯爵家に

長年使える執事の一人であり、リクセルにとっては

もう一人の親と言える存在である。

 

「しかしよろしいのですか?世話係の従者をお連れせずに」

「構わんさ、元々私は貧民の子倅にすぎん

かの地までに従者を連れていては堅苦しくてかなわん」

「とは言え貴方は高貴なる伯爵家の人間です

従者が一人もいないとなれば問題がありますよ」

「そうは言われてもな」

 

たわいのない会話をしていると、突如爆音が響き

振り向くと煙が上がっている。

 

「ドラグオンの準備を頼む」

「いかれるのですか?」

「ああ、あの光景を見過ごすのは騎士の恥

否、人として恥だからな」

「は!ご武運を」

 

_____________________

 

「姉ちゃん!急いで!」

 

数馬は蒔絵の手を引き、必死に走っていた。

試験に合格し、卒業後は入隊が決まったその帰りに

テロ組織[ディステニー]の襲撃があったのだ。

そして不運にも試験を受けた防衛隊基地からも、

この事態に備えて作られた避難用シェルターも近くにない。

 

(クッソ、結局オレは無力じゃねぇか)

 

試験合格の証を握りしめながら、数馬は呻いた。

ガーディアンもミーレスも無い以上、この証は無意味だ。

自分がやってきたこと全てを否定されたようだった。

その時、一機がこちらに気づく。

丸みのある左肩と上下に割れてるような

デュアルゴーグルアイが特徴の機体。

ディステニーでよく使用されている[ヴィラクマ]である。

 

「姉ちゃん!」

 

数馬が蒔絵を突き飛ばす。

同時に、ヴィラクマのマシンガンが火を噴いた。

 

(クソ!)

 

数馬が目をつぶる。

戦車砲以上の威力を誇る弾丸が連射されれば、

人間など元がわからないほどの挽肉になるだろう。

当たれば…だが。

 

『させるかーーーー‼』

 

スピーカー越し特有のエコーがかかった声が響き、

一機の戦闘機が躍り出る。

そして、二人を守るように盾となった。

同時に、戦闘機から[足]が生えて着地する。

そして戦闘機が放ったミサイルが直撃したのだろう。

ヴィラクマは爆発を起こして倒れた。

 

「おい!大丈夫か!?」

 

慌てて数馬が駆け寄る。

乗っていたパイロットは血塗れでコックピットから

少し離れた場所で倒れていた。

 

「……ゴフゥ!……な、なんとかな」

 

そのパイロットは、数馬の顔を見た。

そしてあることに気づく。

 

「お前……今日の試験で最優秀賞…取った奴か」

「あの時の教官役!」

 

そう、今日の試験で教官となってくれた人だった。

その時の数馬は、ある種類のガーディアン試験で

試験生は勿論、現役軍人でさえ舌を巻くほどの結果を叩き出したのだ。

 

「なら………こいつを…お前に………貸してやる」

 

数馬は傍の戦闘機を見る。

キャノピーは完全に割れてしまったが、内部は奇跡的に無事だ。

外見も、見た感じ損傷は無い。

 

「男なら……命を懸けて……大事な人を……守ってみせろ……」

 

途切れ途切れで言われた言葉に、

数馬は意を決してコックピットに飛び込もうとする。

 

「ダメ!」

 

それを見た蒔絵が、恐怖に歪んだ顔で数馬の手を掴む。

 

「ダメだよ……ホントに死んじゃう!」

 

これは実戦、敗北は即ち死。

弟が居なくなるかもしれないという恐怖に、

蒔絵は必至で縋り付く。

 

「それでも……俺は行くよ」

 

そっと、数馬はその手を放し、包み込んだ。

 

「言ったじゃん、俺は姉ちゃんを守りたいって

今ここで逃げて、口だけの男にはなりたくない

だから俺は行く、行かなきゃならないだ」

 

愛用のゴーグルを掛け、数馬はコックピットに飛び込み

再始動を掛けた。

同時に戦闘機から[腕]が生えた。

全部が折れて[胴部]になった。

[頭]が生えて完全な人型になった。

 

それは空軍の為に開発された、戦闘機の長所を持つガーディアン。

三つの形態を駆使して縦横無尽に戦場を駆ける[ウォーバード]。

イズモ防衛軍で使用される最新鋭機[飛燕]である。

 

「乗って!」

 

その[手]に蒔絵を乗せ、数馬は安全地帯を探して走り出した。




というわけで、数馬はウォーバードでした。
スーパー級でもクラッシャー級でもよかったんですが、
原作で初登場した際、弾とバンドやってましたから、
バンド→音楽→それに関係ある奴ってことでこうなりました。
今思えばメタトロンでも良かったと思ってます(後の祭り)

後蒔絵は、単なるヒロインではありません。
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