-MS-メタリックストラトス《更新停止》   作:アルシェス

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大変……大変お待たせしました。
もう言い訳ができないほどの期間を開けてしまい、申し訳ございません。

IS×アリアン作品はすいすい進んでいたのにこちらは難産。
その為についついほったらかしにしてしまいました。

執筆がもっと早くできるようにならないといけませんね。


三人の会合(下)

緊急警報を聞いた一樹はすぐさま授業を受けていた

教室の窓(ここは三階)から飛び出し、屋根の上を走って支部へと向かう。

父と叔母に鍛えられてきた手前、さながら忍者のような身軽さだ。

時速30キロ近い速度で走りながらリンケージ用の対重圧及び対真空用服、

通称[ノーマルスーツ]に着替えるということも同時にやっている。

何とも器用なことだ。

 

そして支部へとたどり着いた一樹は滑るような動きで自身の愛機。

オーバーロード級汎用型ガーディアン[アルプス・エクエス]に乗り込む。

そして慣れた手つきで機体を起動させ、チェックを済ませる。

その後、格納庫からカタパルトデッキで移動する。

 

「アルプス・エクエス、行きます!」

 

この機体は一樹がコロニーでの初陣の際、実際に乗っていたものだ。

しかし各所に改修が行われ、姿が異なっている。

脚部には外側の脹脛部分に大型のスラスターが増設され、

肩もバーニアが内蔵された物に変更されている。

そして背中のバックパックには、大型の飛行翼とブースターが取り付けられており、

さらに日本刀らしき近接用ブレードが二本付属している。

 

一樹は近距離を得意としているため、このように剣で戦いやすいように

調整されているのだ。

 

射出されたアルプス・エクエスは姿と色合いが相まって、天使のように見えた。

 

 

________________________

 

(クソ、やっぱ思いどうりにはいかないか)

 

その頃、数馬は必死に機体を操っていた。

しかし、状況はかなり悪い。

数馬が乗っている機体[ハヤブサ]は先ほど直撃を受けたものだ。

そのために操縦系統に異常があり、動きが全体的に鈍い。

武装面もウォーバード級の主兵装と言えるミサイルがほぼ残っていない。

おまけに[ハヤブサ]は一人乗り、なので蒔絵を手に乗せた状態のままの状態。

一番スピードが速い戦闘機(ファイター)形態で逃げることができない。

 

そんな状態でありながら、数馬は人型(バトロイド)形態と半人型(ガウォーク)形態の二つの姿を

駆使し、攻撃を躱しながら滑るように移動していく。

そのことから、数馬の操縦技術の高さがうかがえるだろう。

もちろん、これだけの技量がありながら素人なのだ。

経験を積めば指折りの実力者になるだろう……生き残れれば、だが。

 

「ッ!」

 

その時、回避したミサイルがすぐ後ろのビルに当たり爆発、

その爆風の衝撃で姿勢を崩してしまう。

とっさの判断で蒔絵を両手で包んで守るが、数馬はコックピット内の

計器に頭をぶつけてしまう。

そしてそれが致命的な隙となり、とうとう包囲されてしまった。

 

(ま、まずい)

 

この状態では変形など不可能、している間に攻撃されるのがオチだ。

手持ち武器も無く、固定武装の機銃は威力不足

爆風の問題もあるのでミサイルを使うこともできない。

 

(南無三)

 

せめて蒔絵だけでも守ろうと包み込むように庇う。

だが…彼等が銃弾の雨に晒されることはなかった。

 

突如ビーム砲と実弾砲の発射音が一発ずつ響き、

取り囲んでいたヴィラクマの内四機が爆散する。

数馬が左側を見ると、ビルの頂上で片膝立ちでライフルを構えたドラグオン、

反対側には空中でビームライフルを構えたエクエスがいたのだ。

 

『こちらはフォーチュン飛翔市支部第七独立遊撃部隊所属

桜野一樹准尉だ、そちらの神霊機(グランマナリス)、支援に感謝する』

『礼は不要だ、私自身がしたいようにしただけだからな

それよりも、貴殿は兵士ではないな』

 

ドラグオンの竜を思わせる顔に一瞬震えるも、

数馬は通信機のスイッチを入れ、返答する。

 

「あ…ああ、これのパイロットは死んじまった

悪いとはわかっているが使わせてもらってる」

 

元のリンケージは数馬が隼に乗るのと同時に息を引き取った。

生憎死体を運んでいる余裕はなかったので、そのままの状態になっている。

 

『理解した、情報を送る』

 

通信用モニターに地図情報が映し出される。

画面に亀裂が走っているが、問題なく読むことができた。

 

『ここから7時方向に別の部隊が待機している

そこで二人とも保護してもらえるだろう、俺が援護するから行け』

『ならば私も援護しよう、それぐらいならお安い御用だ』

 

数馬と蒔絵を守ることで同意し、二機が再び武器を構える。

 

『私はリクセル・C・フォンブラウン、本日より

貴殿らの傘下に加わることになった者だ』

『了解した、実力を見せてもらおう』

 

それを尻目に、数馬は体勢を立て直し、操縦桿を前に倒した。

 

「後を頼みます」

 

______________________

 

先にリクセルが動いた。

手にしたボウガン型遠距離魔導兵装[アポロニアン]を放つ。

銃口から飛び出したのは紅い弾丸、これは魔力が形を持ったものであり、

鉄すら容易く溶かしてしまうほどの高温の炎だ。

それが吸い込まれるようにヴィラクマのコックピット部分に命中する。

一度ではなく、二度三度と繰り返される。

 

その隙に一樹は右手にビームライフル、左手に日本刀型の近接兵装[安綱]を

構え、ヴィラクマの一団に向かってスラスターを吹かして突貫する。

当然集中砲火を受けるが、一樹はそれを上下左右にワンステップ分

必要最小限の動きだけで躱していく。

恐ろしいまでの回避能力と操縦の正確さだ。

そして牽制としてビームライフルを乱射、大部分が手や足に当たる等

リクセルと比べれば見劣りするが、確実に命中させていく。

そして間合いに入った途端、安綱を振り下ろす。

 

ヴィラクマ等ミーレスの装甲に使用されている金属は

当然強固なものだが、それが豆腐のように易々と切断されていく。

この刀は樹が息子の為に丹精込めて作り上げた一品だ、その切れ味も

頑丈さもこの世界屈指の高みにある、当然と言えば当然だ。

今度は横薙ぎに振るい、数機纏めて切り裂く。

そこに後ろから大ぶりな斧を持ったヴィラクマが斬りかかるが

ドラグオンが狙撃でそれを阻止する。

コックピットに正確に当たっている、素晴らしい狙撃技術だ。

 

更にドラグオンを狙い撃とうとした二機のヴィラクマが、

突如真横からのビームを受け爆散する。

見るとビームが飛んできた方向に、浮遊する砲台があった。

[イグニス]、スターゲイザーの脳波でコントロールされる、

自立機動型の移動攻撃端末だ。

 

この様に広範囲殲滅型のイグニスと一点狙撃型のドラグオン。

お互いが弱点を完璧にカバーしている。

長年共に戦ってきたかの様な素晴らしい連携である。

 

そんなこんなで残り一機、一樹はライフルを腰にマウントし、

リクセルもボウガンを折りたたんで背中にマウントし、腰の刀を引き抜く。

そして一気に接近、互いに最初の一太刀を浴びせてヴィラクマの

両腕を斬り落とし、二太刀目で胴体を十字に切り裂いた。

 

________________________________________________

 

戦闘が終わった後、数馬は母艦だという船の艦長室に案内された。

だが、エンドルフィンが切れて冷静になった数馬は

状況がかなり不味いことに気が付いた。

 

(軍用兵器の無断使用……マズイマズマズイひじょーにマズイ!)

 

緊急時だったとはいえ、民間人が軍用機を無断で使用し

挙句の果て戦闘に介入した、最悪極刑物だ。

顔は真っ青になり、冷や汗が滝のように流れる。

既に座っている椅子が汗でぐっしょりと湿るほどだった。

 

「紅茶はいかがですか?それとも緑茶がお好みで?

コーヒーも各種ジュースもありますが」

「こ、コーヒーで……」

「ミルクと砂糖は?」

「ブラックで……」

 

絞り出すように小さな声で呟く数馬とは対照的に

アーセルはどこか楽しげな表情でコーヒーを淹れる。

生活空間にもなっているデルフィナスの艦長室には

サイフォンなどの本格的な用具があり、いい香りが充満した。

 

「さあどうぞ」

「い、いただきます」

 

冷や汗の掻きすぎで喉が渇いていた数馬は、

行儀が悪いとわかりつつもコーヒーを一気飲みにした。

 

(……美味い!)

 

いい豆を使っているのだろう、それだけでなくブレンドしているらしい。

程よい苦みと酸味、そして普段口にしているのとは比べ物にならないほどの

良い香りが口の中に広がってから鼻腔を突き抜ける。

恐ろしく美味だ、一流店でもない限り味わうことは不可能だと思える。

 

「まあ落ち着きなさいな、私達は正規軍ではありませんからね

別段貴方を罰しようってわけではないんですよ」

 

数馬は大きく息を吐いた。

死にたくはないし、自分を家族として受け入れてくれた

二宮家に迷惑はかけたくない。

頭に血が上っていたので、冷静な判断ができなくなっていたのだ。

いや、あの言葉のせいかもしれない。

 

「あなたの無断使用はこちらで処理しておきましょう

ですが、貴方を呼び出したのは違う理由です」

 

突然、表情も雰囲気も真剣になり、アーセルが告げる。

 

「今回の件で貴方のリンケージとしての技量は窺い知れました

防衛軍の上層部も、そしてテロ組織も貴方を放ってはおかないでしょう

なにせ優秀なリンケージは引っ張りダコ、喉から手が出るほど欲しがられますからね」

 

また冷や汗が流れる。

けしてあり得ない話ではない、現在の戦力の主力はガーディアン及びミーレス。

強力な力を持つガーディアンを動かせるリンケージは希少、

その価値はかつての油田よりも上だといわれている。

だからこそ、人身売買などで高額取引されることがあるのだ、

優秀ならば……なおのこと。

 

「貴方のご家族は一般人です、守り切ることなどできないでしょう

ですが、貴方がフォーチュン所属になれば私達の力で守れます

幸い、私はこの市の防衛軍司令とは親しいため融通が利きますからね」

 

アーセルの言ってることを要約すれば、「融通してやるから戦え」

この一言に尽きるのである、残酷としか言いようがなかった。

アーセル自身もそれは理解している、だから強制する気は一切無い。

断るならできる限り保護下に置くつもりだった。

組織の上である以上、所謂[人間の屑]であることがある程度求められるのだから

立場上アーセルはこう言うしかないのだ。

 

対して、数馬は目を閉じて静かに考えていた。

あの時自分は無力だった。

自分を受け入れてくれた家族を守りたくて防衛軍を目指した。

だがそれでは遅い、毎週のように様々な敵が攻めてくる現状では

一刻も早く力を手に入れる必要がある。

そして、あの言葉が心中に響ていた。

 

(男なら……命を懸けて……大事な人を……守ってみせろ……)

 

目を開き、数馬はしっかりとアーセルを見据えた。

 

「俺を……フォーチュンに入れてください」

 

覚悟を決めた真剣な表情で、静かに告げる。

 

「ご両親にはすでに話は通してありますのでご心配なく

歓迎しますよ、二宮数馬君」

 

 

_________________________

 

 

その後、数馬はデルフィナスの甲板に訪れていた。

時刻はすっかり夕暮れ、いい加減帰らなければならないが

もう少しだけここで空を眺めていたかった。

 

「お前か、ハヤブサを操縦していたのは」

 

後ろに一人の少年がいた。

艶のある黒髪にモデルでもやっていけそうな端正な顔立ち。

 

「一夏!?」

「?」

「あ、悪い」

 

姿が元の世界での親友織斑一夏にそっくりだったが、

いくらなんでもここに居るはずがないと首を振る。

 

「先客がいたか」

「弾!?……いや、そんなわけないか」

 

赤毛を長髪にして束ねた少年もやってくる。

 

「改めて、私がリクセル・C・フォンブラウンだ

今日より貴殿らの仲間になった、よろしく頼む」

「桜野一樹だ」

「二宮数馬だ……しかし」

 

数馬は二人の顔を見回す。

 

「なんか、初めてって感じがしないな」

「偶然だな、俺もそう感じた」

「なんと、貴殿らもか」

 

自然な流れのように、数馬はコーラ

一樹はレモネード、リクセルはレモンティーを取り出す。

 

「艦長から指示があった、暫くは俺達三人で組ませるらしい」

 

この三人が後に、大きな事件の中心に飛び込むことになるのだが

まだ知る由もないことだった。

 

 




結局駄作です(汗

うかうかしている間に、メタガでは大量の新サプリが出て、
挙句の果てに第三次世界大戦が勃発しました。
もちろん全て購入済みなので、できるだけ活かせるよう努力します。

それから

今回ようやく三人が出合いましたが
主要人物はまだまだ出てきます。
そしてIS原作に入るのは当分先になるので
それが受け入れられないとおっしゃるならば、
遠慮なくお気に入り解除を押してください。

また、活動報告でアンケートを募集しますので
よろしければどうぞ。
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