この作品前作よりも好評みたいですね、多少は文章力が上がってるからかな?
一樹が手助けをしたおかげで、打鉄二式のマルチロックオンシステムは99%まで完成した。
何故99%か、それは残りの1%がキーを叩いているだけでは出来ないから、
早い話[実際に使ったデータ]が必要だからだ。
設計図上は問題無しでも、いざ完成させると問題があるのは良くある話。
なので一樹と簪はデータ収集と対IS戦訓練を兼ねて、アリーナに来ていた。
「おいで、打鉄二式」
展開された打鉄二式は、元なった打鉄よりもスリムに見えた。
聞けば近接戦を重視した一式(一樹命名)に対し、二式は
凡庸性を重視した設計の第三世代型だそうだ。
「来い、エクエス」
一樹は首から下げているドッグタグに手を当て、エクエスを展開する。
姿は間違い無く一樹と長年共に戦ってきた相棒そのものだった。
「それが貴方の?」
「そうだ、アルプスエクエス、父さんが設計した機体で
意味は[白騎士]だったかな」
「カッコイイ(ボソ)」
一樹は砲撃戦用重装甲パック[
バックパックの一部が前面に倒れ、鎧のような形状になる。
両手足の装甲も盾の様な形状になり、左手にはビームを撃つガトリングガン、
ガトリングビームランチャーが装着される。
本来は武装がもう一つ、ビームマグナムという射撃兵装が装備されるのだが、
掠っただけで[絶対防御]を貫く火力を持つ為、使用できるわけがない。
なので今回右手には初期装備のCALダガーを持つ。
「さあ、実際に撃ってみろ」
「大丈夫?」
「俺もコイツもそこまでヤワじゃない」
少々心配しつつも、簪は空中投影ディスプレイを展開、
ロックオンカーソルをエクエスに合わせ、最大数である48発の高性能爆薬弾頭ミサイルを
全てエクエスに向かって発射する。
「!桜野君!」
一樹は微動だにせずつっ立ったまま、ミサイルが全て直撃した、しかし
「よし、第一次のデータを送信する」
「な?!」
かなりの威力を誇るミサイルを48発喰らったにも関わらず、
エクエスの白い装甲には傷一つ、焦げ目さえ付いていなかった。
実際は直撃する前に半分以上撃ち落とされているのだが。
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授業を終えたリクセルは、そのまま一樹達が待つアリーナに向かっていた。
一樹は背中を預け合う相棒であり、競い合うライバルでもあるゆえ、
一樹との模擬戦は何時でも心躍る。
故に、リクセルは大急ぎでアリーナに向かって走っていた。
「待て五反田」
何か聞こえた気がするが、リクセルは構わず進む。
「待てと言っている」
肩を捕まれ、仕方無しにリクセルは止まり、呼び止めた人物を見る。
「………確か、織斑教員殿でしたね、どんなご要件で?」
「単刀直入に聞く、一夏に何があった?」
千冬は弟が行方不明になっている間何があったのか知りたいし、
一緒に行方不明になった親友ならば何か知っていると踏んだのだろう。
しかし今回も前提が間違っている。
リクセルも元の記憶を失っている、なので目の前の人物にも、口にした名前も
一切心当たりがない、だから対応は一樹と変わらなかった。
「失礼ですが、その名前の人物に私は心当たりがありません
初対面に一体何故そのような質問を?
第一、私はリクセル・C・フォンブラウン、フォンブラウン家の三男です
その五反田という人物は、そんなに私に似ているのですか?」
「初対面だと?!」
「事実でしょう、私は大事な約束があるので行かなければなりません、失礼します」
用はないと、リクセルは黍を返してアリーナに向かっていく。
「どうしてだ……やっと会えたのに……どうして……」
膝をつき、千冬は虚ろな目で呆然と呟いた。
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その後、誘導精度のチェックなどもやり、模擬戦闘までしてデータを収集した結果、
マルチロックオンシステムは完成した。
完成したのだが……
「甘い」
「また?!」
模擬戦闘で一樹と簪は戦っているのだが、どれだけミサイルを撃とうと、
どれだけ対複合装甲用超振動薙刀[
「近接戦は間合い勝負だ、長物だからといって距離を取りすぎだ」
「そんなに?」
「後一歩踏み込まないとな」
どうやら完全に最初の目的を忘れて熱中しているようだ。
会話の話題も、[システムの完成具合]から[簪の短所補強]にシフトしている。
まあ、システム自体は完成し、実用レベルになったのだから構わないのかもしれないが。
ついでにミサイルが全て撃ち落とされるのは単に一樹とエクエスが化物スペックなだけで
簪やシステム、ミサイルそのものにも非は無い。
極端な話、性能の評価を表にして、最高をS、最低をFとした場合、打鉄二式がBに対し、
エクエスはS、下手するとオーバーしてSSぐらいはある。
操縦者の技量も経験を積み、[スターゲイザー]の未来予知レベルの洞察力を持つ
一樹が上なのは当然、[上には上がいる]の良い例というわけだ。
「どうして?」
「?」
「どうしてそんなに強いの?」
「目的があって訓練と経験を重ねた、としか言えないのだが」
「結果が出ないかもしれないのに?」
そう呟く簪の顔には、どこか諦めの色が浮かんでいた。
「[努力すれば報われる]、そんなの挫折を知らない奴の戯言だ」
「やっぱり……」
その一言に、簪はさらに表情を暗くする。
「だが、それを否定するのは、だた努力を諦めた奴だ」
「努力を…諦める…」
心当たりがあるのだろう、反復するように簪は言う。
「だから聞かれるたびにこう言う…[努力の結果に限界は存在しない]
今出てる結果が努力の結果なのか?
そんなものは自分が諦めない限りいくらでも変化する、
今やっている努力で結果が出ないなら別の努力をしてみせろ、
考えることと努力を止めない限り変化は止まらない
人間にはゲームの様にステータスゲージなんて存在しないんだから」
「それが貴方の信念?」
「まあそうだな、殆ど父さんの受け売りだが」
苦笑し、一樹は簪の頭を撫でる。
「俺だって落ち込んだし、挫折したことだってある
でも[諦めきれない目標]があった、だから諦めなかった
大事なのは、[立ち向かう意思]だ」
簪に衝撃が走った。
かつて[目標]があり、努力を重ねていた。
しかし、あまりの遠さに、いつしか[努力]を諦めて逃げ始めていた。
でもそれは間違いだ。
[遠回り]でもいい、人より遅くてもいい、少しづつでも歩いていけば
例え届かなくても近い所に行ける、新しい道も見つかる。
[立ち向かう意思]を無くさない限り。
(ああ、そうか……)
何故一樹が輝いて見えたのか、それは簪が無くしてしまった
[立ち向かう意思]をハッキリと感じさせる存在だからだ。
「惹かれてるんだね、私」
「どうかしたか?」
「……何でもない」
その後リクセルもアリーナに来て一樹と模擬戦を開始。
その目にも止まらないハイスピードバトルに、簪は開いた口が塞がらなかった。
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そして迎えた試合当日、順番はクジで決められ、最初は秋斗VSセシリア
勝った方が一樹と戦う事になった。
「箒、行ってくるよ」
「必ず勝て」
専用IS[百式]を纏った秋斗はアリーナに向かい、同じく専用IS[ブルーティアーズ]を
纏ったセシリアと対峙する。
その様子はピットのモニターに映されていた。
「セシリアの武装はライフルと腰の計7つ、後は隠し玉か近接武装が一つかな」
「腰周りの武装はお前のと同じか?」
「恐らくな、どれだけの性能かは知らないが」
外見を見ればどうゆう機体かは大凡の見当が付く、勿論見た目どうりの
性能を持たない期待はかなり存在するので一概には言えないが。
しかし今回は予想が当たった。
実際セシリアの武装はライフル一丁と六つのビット兵器、そしてナイフ一本だ。
二人は今度は秋斗に視線を向ける。
「出し惜しみ、では無さそうだな」
「剣一本か、恐らく[特殊兵装]を積んでいるな」
現在秋斗はブレード一本で戦っている、しかし出し惜しみではなく
武装がそれだけだからだ。
相性で言えば、明らかに秋斗が不利だが、今回は違うようだ。
セシリアはビットを動かしている間、他の動作ができない。
補助演算ユニットが本体に取り付けられている[イグニス]と違い、
完全に搭乗者に操作を任せているブルーティアーズはかなりの集中力を要求するからだ。
完全に隙を突かれ、隠し玉のミサイルタイプもあっさり回避された結果、
試合は秋斗の勝利に終わった。
「行ってくる」
「必ず勝て」
「頑張って」
リクセルと簪に声援を受け、一樹はエクエスを展開し、カタパルトに乗る。
「桜野一樹、アルプスエクエス、出る!」
しっかりと簪が一樹に惚れた理由を書いたつもり、なんですが……
大丈夫かこれ?
XPのサービスももう直ぐ終わるし、OS買いに行かないと