Re:ゼロから始める一方通行(いっぽうつうこう)   作:因幡inaba

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こんばんは~。ちょっと憧れてた番外編的な何かを書きました。よろしくお願いしますm(_ _)m


番外編まとめ
番外編 『一方通行』の独白


 ──これは、一人の男が抱える『闇』。その一部である。

 

 

 『成功例』

 

 この言葉は果たして賛辞だろうか。

 

 あるいは作品。

 

 「今日はこれを作ります」となったとき、「こちらが成功例です」と紹介される。これは賛辞だろう。

 

 

 あるいは動作。

 

 演奏、ダンス、スポーツ等、『正解』がある動作が、『成功例』と言われるのは賛辞だろう。

 

 

 では人間ではどうか。

 『動作』でも『作品』でもなく『人間』そのもの。お前は成功例だ、と言われて喜べるか?

 

 答えは否。

 

 『一方通行(アクセラレータ)』という能力が発現した当時、俺は数々の研究所を転々と回り、その度に

 

「コイツは超能力開発の成功例だ」

 

 と、紹介されてきた。まだまだガキだった俺は、それを最高の賛辞の言葉だと思い込んでいた。

 だがそれはちっぽけな幻想に過ぎなかった。日々を消化していく内に、育ち続ける自我。俺は悟った。

 

 『成功例』と呼ばれることの意味を。

 

 始めに例にあげたが、『動作』や『作品』に対して『成功例』という言葉が使われるのは適切だ。『正解』の判を押されたものが『成功例』なのだから。『動作』や『作品』を作るものが『正解』を目指すのは当然。つまりこの場における『成功例』というのは、最高の賛辞の言葉なのだ。

 

 だが俺は何だ?『動作』や『作品』か?

 違う、俺は一人の『人間』だ。

 

 俺はあの研究者供に、「お前は俺たちが作った作品だ」と言われているに等しい。

 

 ふざけている。全くふざけている。

 

 だが一番ふざけているのは、それを許容しなければならないことだった。

 

置き去り(チャイルドエラー)

 

 親が自らの子供を学園都市に押し付け、行方を眩ますこと。その当事者。要は捨て子だ。

 

 つまり『置き去り』に身寄りはない。

 その内の一人である俺は、学園都市の研究に協力することを半ば強制される。当然、そうしなければ生きていくことができないのだから。

 

 事実を知った『置き去り』は絶望し、自らを生んだ存在を憎む。例に漏れず俺もその一人。

 

 だから俺は誓ったのだ。

 

 ──俺は自分を生んだ存在、そして自分を作った存在をいつか必ず、ぶっ殺す。

 

 そして俺は 『      』 という名を捨て、『一方通行』を名乗るようになった。

 

 『      』という『人間』は、生んだ存在に殺され、『一方通行』という『作品』が、研究者によって作られた。

 

 ならば俺は、『作品』として生きることを選ぼう。そして復讐を果たした時、俺は『      』という『人間』としてやり直すのだ。

 

 

 このどうしようもない負の感情を心の奥に背負いながら、日々彼は街を練り歩いた。

 

 そして17歳を迎えた年、運命の日が訪れるのだった。

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

「ったく、残った仕事は全部俺もちかよ。ふざけやがって」

 

 ブツブツと悪態をつきながら、自らの能力で清掃をこなしていく一方通行。使っている労力などたかが知れてるが、時間が潰れていることに変わりはない。

 

 彼の同僚であるナツキスバルが、館の同居人でありルグニカ王国の次期王候補である少女エミリアとデートするらしく、終わらなかった仕事を押し付けてきたのだ。

 

「ここで最後か……」

 

 全ての箇所の清掃を終え、使用人先輩であるラムに報告し、自室に戻った。

 

「ハァ……何やってンだオマエェ」

 

 自室に待っていたのはベアトリス。一方通行とは犬猿の仲といえる存在であり、館の書庫の司書だ。

 

「こっちが聞きたいのよ。何でベティーが伝言係なんて務めなきゃいけないのかしら」

 

「俺にか?」

 

「お前にじゃなかったら、こんなとこにはいないのよ」

 

 おそらくエミリアかスバルだろう。嫌そうにしてるが、それでも断らずにしっかりこなす辺り、この幼女の性格も知れるというもの。

 

「ンで、何だって?」

 

「『終わったら屋敷の門の前』」

 

「ハ?」

 

「わざわざこのベティーが伝えてやったんだから、早くいくかしら!」

 

 一方通行はふと、体が軽くなるのを感じた。

 

 いや、感じたのではなく、実際軽くなったのだ。一方通行は即座に解析。すると重力が軽減されていくことに気付く。

 

「このクソガキッ」

 

「フン」

 

 そして完全に浮いた一方通行の体は抵抗するまもなく、開いている窓から投げ出された。

 

「チッ!」

 

 即座に竜巻を自分の背に接続し、地面と平行に滑空し、そのまま門の前へと飛んでいった。

 

「……あンの怪人ロールクリームが」

 

「あ、あくせられーた?」

 

「アン?」

 

 声がした方を見ると、エミリアとスバルがいた。

 

「なンだァ?まァだこンな所にいやがったのか」

 

「ううん、そうじゃなくて……」

 

 今一はっきりしないエミリアに痺れを切らし、スバルを見て眼で訪ねる。

 

「エミリアたんが一方通行も誘おうってよ」

 

 ややふてくされている様に答えるスバル。

 

「ハァ?」

 

 一方通行はその意味がすぐには分からなかった。

 

「ち、違うの!あくせられーただって頑張ってるでしょ?……むしろスバルより。そしたらあくせられーたも誘った方がいいかなって」

 

 慌てたように言うエミリア。隣でスバルが死んだかのような顔になってるが気にしない。

 

「あァ、そォかい……」 

 

 一方通行は複雑な感情になる。この感情に付けるべき名前を、彼は知らなかった。

 

「ほら、行こ、あくせられーた」

 

「しゃあなし……早く行こうぜ、一方通行!」

 

 そうやって背中を見せるエミリアとスバル。

 

 一方通行はハァ、とため息を着きつつも彼らと同じ道を行くのだった。

 

 ──今、彼は『一方通行』という『人間』として生きている。

 

 だが、気づいていながらも、目を背けた。彼の心はそれを認めるほど、素直ではなかったのかもしれない。

 

 

 




お疲れ様です。
凡人天才問わず、誰もが持ってるもの、それは『人間である』という自覚ではないでしょうか?
稚拙で何が言いたいか伝わったかは微妙ですが、目を瞑っていただけると有難い……ちなみに本編との関係は、ありますがあくまで番外編です……本当にすみません

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  • エミリア
  • レム
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