Re:ゼロから始める一方通行(いっぽうつうこう) 作:因幡inaba
1話
陽日七時。
「知らない天井だ……なんつって」
ナツキスバルは目を覚ました。まだ頭がぼーっとしている。窓から射す光が目を刺激する。
「朝日を拝むのなんていつぶりだろ……っと」
すかさず腹をさする。
「お?おぉ……傷なし!傷痕もない!流石異世界!流石エミリア!」
そこまできて初めて部屋を見渡す。
寝ていたベッドは安物のそれではない、天井も明らかに一般とは言い難いデザインをしており、何といっても一部屋の広さが尋常じゃない。
「エミリアの屋敷ってとこかな」
ラインハルトってやつの方かも、とややへこむ事実を思い出しつつ新たな冒険の予感にドキドキが止まらなかった。
「さて、とりあえず人を探すか」
立ってもなんともないことを確認して、ドアを開ける。
「予想通りというか、逆にここまで広いと不安になってくるな。俺はこの部屋に戻ってこれるのだろうか。お、良いところに綺麗な花瓶じゃねーか!」
ドアの横に細めの花模様の入った花瓶が置いてあるのを覚え、歩みを進める。
が、しかし
「そこそこ歩いたが……あ、花瓶だ」
……
「お、花瓶」
……
「花瓶……」
3周程して廊下がループしているということが分かった。
異世界的な意味では、確かにありがちといえばありがちだが、こうして実際体験すると、何とも言えない気持ちになる。
「あーあ。結局最初の部屋で待機かよ」
若干へこんだ心を抑え、元いたはずの部屋の扉を開ける。
「お早い帰宅で──ヘブッ!?」
瞬間、顔めがけて飛んできた何かに吹き飛ばされた。
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明け方、スバルが目覚めたのと同時刻。
館内禁書庫には、
「イ文字、それからロ文字にハ文字、平仮名片仮名アルファベットor漢字ってとこか」
「……本くらい静かに読めないのかしら」
「すみませンネェ。読み自体分からンからある程度予測しないと解読できないンですわ」
ぶつぶつと呟きながら文字の解読に没頭する白髪の少年と、独特な口調を持つ少女がいた。
少年の名はアクセラレータ。先日の一件からお礼ということで書庫を使わせてもらい、世界の知識を集めている。
少女の名はベアトリス。アクセラレータが使っている書庫の司書である。見た目は11~12歳。フリルの多いドレスに身を包み、その美しさに相応しい可愛らしさとひねくれた性格を持ち合わせ、クルリと巻いたクリーム色の髪がよく似合う美少女だ。
「文字も読めないくせに、よく書庫を使わせろなんて言えたものなのよ」
「読めないから学ンでンだろ。まァ幼女に頭を使えっつゥ方が酷ってモンだが」
「……幼女とは言ってくれるのよ。あまり調子に乗らない方がいいのよ。忠告しといてやるかしら」
「ほォ? 何か飛ンでくるンですかァ? 魔法に興味持っちゃった五歳児の発言たァ思えねーよなァ」
「ほんっっとにムカつくやつなのよ!にーちゃのお願いじゃなかったらとっくに追い出してるかしら」
「何? 何ですかァ? そのいつでも追い出せるみたいな言い方はァ。遊ンでほしいンならそう言えよ、ベアロリスちゃん?」
「……お前みたいなもやし、痛め付けても旨味も出ないのよ」
「……ハッ」
お互いの沸点は軽く突き抜け、
「一度思い知るがいいのよ、ニンゲン」
「ハッ、ニンゲン舐めてンじゃねェぞ三下がァ」
館を震わせる戦争が勃発した。
お疲れ様です。2章はじめです
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