Re:ゼロから始める一方通行(いっぽうつうこう)   作:因幡inaba

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こんばんはー。
体調悪いです。
短めすみませんm(_ _)m


19話 魔法修練

 一方通行とスバルが屋敷に来て四日目の深夜。

 

 明日は五日目。いよいよロズワール邸で何かが起きる日だ。彼らはそれを止めるため、死という代償とともに時空を越えてきた。

 

 ロズワール邸から数十分進んだ先にある平原。草木も静まる深夜に風の音だけが通りすぎる辺りは、所々地面が抉れ、大地がひび割れている。

 

 そして今日もその場に一人の男が舞い降りた。

 

 一方通行。ここ四日間、この時間にここで演算の確認や魔法の鍛練を行っている。辺りがボロボロなのは全て彼の仕業だ。

 

 比較的荒らしていない場所を選び、着地するとその場で静かに目を閉じ、集中力を高めていく。良い感じに深く入り込み、風の音が心地よくなってきたころ、一度深呼吸して演算を開始する。

 

 自らの右手を掲げ、それを指標としてマナを集める。足元から徐々に描かれていく紫色に光る魔法陣は、完成した時点で一方通行を中心に半径三メートル程になった。

 

「『ゴーア』」

 

 マナを集めた右手に意識を集中させつつ、炎弾をイメージして詠唱した。

 

 すると足元の魔法陣が詠唱に呼応するように一瞬その光を強くし、集めていたマナが火の玉に変わると、そのまま天へと昇っていった。

 

「ハッ──」

 

 不意に笑みがもれる。この段階まで来るのに実に四日かかった。

 

 魔法に必要なのはマナと詠唱、そしてなによりイメージだ。より鮮明なイメージはより良い魔法を生み出す。生まれ持った才能、魔法への理解、そして強い思い込み。これらが使用する魔法へと影響し、その強弱や性能に反映される。

 

 思い込みという観点において、一方通行はロズワールをも凌駕する。元々彼の能力は『自分だけの現実(パーソナルリアリティー)』という大まかに言えば思い込みによるものだ。その分野では学園都市でもこの世界でも、他者の追随を許さなかった。

 

 

 

 

 魔法陣を展開して数十分。適当に簡単な魔法を流していた一方通行は、いつの間に自分の息が荒くなっているのに気付く。

 

「ッ……」

 

 それを自覚してからはあっという間だった。演算が乱れ、マナを操れなくなると魔法陣は雲散霧消し、その場で膝をついた。

 

 原因は過度な疲労だった。身体的、そして精神的に疲労が蓄積されていた。

 

「ハァァーーッ!」

 

 不安定な思考に鞭を打って、マナを手元に手繰り寄せる。再び現れる魔法陣。だが次の瞬間には消え去り、更なる疲労、最早苦痛と呼べる程のものが襲いかかり、その場に倒れこむことになる。

 

「そォいう、ことか、……」

 

 紋章術(魔法陣)『精霊の加護』について書かれたあの本には、使う上での副作用、リスクと呼べるものが何一つ書かれていなかった。だがなにせ400年前の物だ。長い年月は本を蝕み、所々に虫食いやページの欠損を生んでいた。

 

 そして今判明した新事実。この魔法陣は展開している間、一方通行の体力と精神を蝕む。無論それは少し休憩すれば回復するが、元々体力の少ない一方通行にとっては致命的だった。敢えて例えるなら、常に走っている状態といったところだろう。

 

 その晩は最早立ち上がることも叶わず、結局ロズワール邸の自分の部屋に戻ったのは朝日が顔を見せる時間だった。

 

 

 

 




お疲れ様です。 
がち寝込みなんで書きためもないです。次回の更新遅れます。申し訳ありません

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