Re:ゼロから始める一方通行(いっぽうつうこう) 作:因幡inaba
土日に出すとか言っておきながら余裕で間に合いませんでした申し訳ございません。
次回投稿は未定で。一週間、遅くとも二週間以内には必ず……
「ァ?」
目覚めは一瞬。
窓から差し込む光に目を細め、おぼつかない動きでカーテンを閉める。
──おぼつかない……?
「チッ……」
自分が動いたという事実の理解が遅れ、頭が重くぼーっとなるこの感覚。
貧血、だ。
やがてはっきりとしていく意識。
流れ込んでくるのは辛苦の記憶。
徐々に迫ってくるように濃くなっていく気配。足から頭にかけて無くなっていく身体。足から上半身にかけ、次々と外部と内部の感覚が消えていき、それを自覚する頃には時すでに遅すぎる──
それは確かな『
だがそれ以上に彼をイラつかせるモノがあった。
それは前世での失態……いや、失態より後悔に近い。ではその正体はなにか?
レムに敗北したこと──否
己の能力と魔法が打ち破られたこと──否
──
そもそも相手が人外だろうがなんだろうが、一方通行自ら手を下すことの妨害はありえない。あくまで物理法則は同じであり、マナや魔法といった、いってしまえば『一方通行にとっての異物』と呼べるものが介入しなければ彼の能力に穴はない。
直接触れれさえすれば、手刀で首を切断。足でも腕でもいい、体の部位を破壊することもできる。
それをしなかった。いや、できなかった。
幾度となく交じり合う視線。交わされる拳。その距離がお互いを触れれるまでに近づいたとしても、その手は彼女を傷つけることができなかった。
(やっぱり何かが変わったンだよな……)
彼は探した。いくつ存在するかも分からない引き出しを片っ端から明け続け、その最奥に隠された何かを。
そして、ふと思い出される──
──お前って何でもできるのな
──なんでもできるのね、あくせられーた
何でもできる──
(……ヤメだヤメ)
彼の心を締め付けて離さない、『幻想』は未だ色褪せることなく生き続けていた。
「悪ィ。一人にしてくれ」
一方通行は視線を動かさず、言う。
傍らに人がいることを分かっている上での言葉だ。
正直、顔を見たくないのだ。バツが悪い、悪すぎる。一方通行の不安定な精神状況ではレムの顔を見た瞬間激情しないとも限らない。
それを自覚できているだけまともな方ではあるのだろうが。
「承知しました、お客様」
と声を合わせて言うラムとレム。
ドクッと心臓が跳ねる。分かってはいた。だが『お客様』と呼ばれることのダメージは、分かっていたくらいでは減らせなかった。
いそいそと部屋から出ていく二人のメイド。
一瞬その背中を見送ろうと視線を回す。扉が開き、閉まるまで見た後、
「ハッ?」
と、間抜けな声が飛び出る。
これは本人も予期しておらず、本当につい出てしまった声だ。
一瞬見えたレムの後ろ姿。そこに大きな違和感を感じたのだ。
(……何だ? 何かを見落としている?)
だが考える間もなく、次の客が訪れる。
「元気そうで残念かしら」
「ベアトリス……オマエ……やりやがったな」
深く思考に沈もうとしていた瞬間の来客。
一方通行を現実に引き戻すには充分だった。
「やりやがったな、はこっちの台詞かしら」
「あァ、そォだったな……」
このイベントの中身を思い出した一方通行。自分に非があったことにげんなりしつつ、ちょうどいいと思い、抱えていた疑問をベアトリスに投げる。
「なァ、あの姉妹使用人は何なンだ?」
「何、というのはなにかしら? するならちゃんとした質問をするのよ。それとも脳の容量が足りないのかしら」
「……………………あいつら人間じゃねェだろ? 種族的な話だ」
どうにか沸き上がる怒りを鎮める。
ここでいの一番に怒鳴らない当たり、不安定だった彼の精神も大分緩やかになっていた。
「ベティの記憶が正しければ、アレらは鬼の生き残りなのよ。鬼族が滅びた際、ロズワールが拾ってきたかしら」
「ヘェ。アイツらっていくつ離れてンだ?」
「あの二人は双子なのよ。ま、その割には随分差がついたものかしら」
「あァ、たしかにラムの方はちょっと抜けてンな」
「何言ってるのかしら。未熟なのは青髪の方なのよ」
「……ハ?」
「長居しすぎたかしら。お前も病み上がりなら、しばらく動くんじゃないのよ」
「あ? あァ、そォだな」
それきり言葉なく部屋から出ていくベアトリス。その背中を見送った後、
「……何なンだ一体」
と呟くのだった。
お疲れ様です。
やっぱり何かが違うんですよね。僕の言葉選びかな……
とあるIFやってるかた、フレンド機能きたらフレンドなりましょう。楽しくて仕方ない。あと白猫五周年も……やりたいことが多すぎます
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