Re:ゼロから始める一方通行(いっぽうつうこう) 作:因幡inaba
今回も今回で短いですが週一にしたいので出します。ためてから一気にの方がいいのかな……
「あった、これだ」
恒例の朝食会も終わり、時間ができた一方通行とスバルは書庫に訪れていた。
こうして知りたいことを充分に調べるために、今回も「食客」として過ごすことにしたのだ。もう慣れたもので、話し合いは滞ることなくスムーズに済んだ。
ただし今回は『五日』ではなく『六日』だ。仮に『一回目』で死んだ原因もレムだとした場合、真相を確かめるためには五日目の夜は館に居て徹夜する必要がある。
残された時間は六日目を除いて五日。時間を有効活用するべく、調べたい単語の文字をスバルに教え、莫大な蔵書数の書庫から目的の本を二人がかりで探していた。
探すワードは『魔女教』と『鬼族』である。
前者に関しては言うまでもないが、一方通行はどうしても『鬼族』についても調べておきたかった。
『鬼』の特徴と滅びの詳細。そこに鍵があると直感が告げていた。
「魔女教か。鬼の方も見つけたら積ンどいてくれ」
「了解!」
資料を見つけたら当然それを読み解くのは一方通行の役目だ。スバルは引き続き教わった文字を見ながら別の資料を探し、一方通行の隣に積んでいく。
「? 何をしているのかしら」
そこに訳あって退室していたベアトリスが戻る。ベアトリスは一方通行の横にある数札の本から一冊を手に取ると、
「魔女教。ははーん、ようやく自分の体質に自覚を持ったかしら」
その言葉に一方通行が反応する。
「体質? 何の話だ」
「お前じゃないのよ。稀有な体質を持つのはあっちにいる……げ、更に匂いが濃くなってるのよ」
「だから何の話だ?」
「魔女の臭い。鼻につんとくる、嫌な臭いかしら」
そう鼻をつまみながら言うベアトリス。一方通行はそれに習い、スンスンと鼻をすませるが、特になにも感じなかった。
「俺には分からねェ、が、それをアイツから感じるのは何故だ?」
のあぁぁ! と叫びながら数札の本の下敷きにされているスバルを見ながら問う。
「さぁ? 魔女に見初められたか、あるいは目の敵にされたか。どちらにしろ魔女に特別扱いされるアレは厄介者なのよ」
「濃くなったと言ったな? そンな簡単に濃度が変わるモンか? 臭いってのは」
「少なくとも昨晩から今朝にかけてよりは格段に臭くなってるのよ。今朝から今までで何があったかしら?」
「知るかンなこと。魔女、魔女ねェ……」
この世界で魔女といえば、『嫉妬の魔女』に他ならない。400年前に世界を震撼させ、天災と定められる程に世界中の人々に嫌悪される存在。
「で、それを崇める狂信者集団が『魔女教』。ったく分かりやすいこった」
「お前が何を調べるも自由。にーちゃに頼まれた以上それだけは保証しても、この館に面倒を持ち込まれるのはごめんなのよ」
「……そォだな」
そこで会話は終わり、それぞれ定位置で本を読み始める。
彼らの距離は一日目とはいえ既にフラットだった。
程なくして、『魔女教』に関する資料を読み終えた一方通行は、スバルが見つけてきた『鬼』に関する資料に手をつける。
「世界中で即時抹殺の掟をかけられるほどの狂信者……要はとんでもないテロリスト集団か」
「オマエにしちゃァいい例だな。本で語られる内容が本当なら、テロリストってなァ可愛いすぎるかもしれねェが」
あらかた資料を集め終え、情報を共有した二人がそんなことを言い合っていると、
「……これか」
「? どうしたんだ?」
突然一方通行が、あるページに書かれてある事実に驚愕を表す。
「ここだ、分かるか?」
一方通行がその部分を指で差し、スバルに見せる。
「分からん」
「………………いいかスバル、簡潔に言うぞ」
そこで一方通行は一呼吸入れると、
「鬼は自然に滅ンだンじゃねェ。滅ぼされたンだ。魔女教の手によってな」
その恐ろしい事実を口にした。
お疲れ様です。
今日はやることがあるため出掛けます。
次回も来週か再来週か……明確にはしておかないでおきます
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