仕事柄GW本当に忙しかったです。
疲れすぎて来店していたガタイのいいお客さんをみてノンケなのにも関わらず思わずウホッ♂と言いかけるほどに。
息抜きにプレイしたスパロボではウイングゼロと蜃気楼が雑魚を狩りまくり、真ゲッターとグレンラガン、ガンバスターとユニコーンがマキシマムブレイクでボスのライフをガリガリのゴリンゴリンに削ってと大暴れです。もうすぐ1周目が終わりますが、その頃にヒイロの撃墜数がどうなっていることやら。
あとシャア大佐、フロンタルと普通に会話しないでください可笑しくて腹筋が死にそうです。
閑話休題。
さて、お待たせしました第18話です。
今回も難産でした。
プロット通りに書いていたのにどうしてこうなったと頭を抱えそうです。
筆休めに新作も検討していますが、まずは本編第18話をどうぞご覧ください。
追記
いつの間にやらUAが100000突破、お気に入りも1000を突破していました。
皆様には本当に感謝感謝です。
宇宙 プトレマイオス2 MSデッキ
物資の搬入とブースターの取り付けが完了して間も無く、Gステーションを出発した俺たちは地球への最短距離を最速で目指していた。
長かったようで短い期間だが、大きな成果を得ることができたと言えるだろう。
そんな中、俺はグラハムとニールを呼び出しMSデッキに来ていた。
「まず二人に言っておくことは、俺の部隊『オーバーワールド』で階級はあまり大きな意味を持たない。無論、公の場など締めるべき場所ではキッチリやる。だがそれ以外の時は自分の接しやすい態度でいてくれ。俺も二人のことは名前で呼ばせてもらう」
「ありがたいね、そう言うのは」
「ところで中佐、我々をここに呼び出した理由はもしや……」
まあここに呼び出された時点で気づくわな。
「ご明察、と言っておこう。オーバーワールドとして動くに当たり、二人にはMSに乗ってもらう。まずはニール、君にはこのガンダムデュナメスに搭乗してもらう」
やはりこの男にはこの機体しか選択肢がなかったが、彼にロックオン・ストラトスを名乗らせたりはしない。ソレスタルビーイングにいた兄貴とここにいるニールは別人なのだからな。
「ガンダムデュナメス……。これが、俺の機体か」
「ライフルを見ての通り狙撃に特化した機体で、GNフルシールドを展開することにより防御力の向上も図られている。そしてこの機体最大の特徴はGNドライブという特殊な動力機関にある。詳しくは資料を渡すから、そっちで確認してくれ。――最後に、デュナメスを操縦するに当たって必要不可欠なパートナーがこいつだ」
指をパチンと鳴らすと、デュナメスのコクピットからオレンジのハロが飛んでくる。無論、原作でロックオンのサポートをしていたハロと同型機だ。
「そのハロが狙撃中の機体制御や環境データの補正をやってくれる。仲良くしてやってくれ」
「了解だ。 よろしくな、ハロ」
「リョウカイ! リョウカイ!」
嬉しそうにカバーを開閉するハロに和み、もう一人の方へ向き直る。
「そしてグラハム。君には俺の予備機だったデルタプラスに乗ってもらう。ウェイブライダーと言う飛行形態に変形する以外はこれと言って特筆すべきことはないが、基本スペックはデュナメスより上だ。カートリッジタイプのビームライフルを標準装備しているが、火力が心配ならデルタカイの予備のロング・メガ・バスターを持って行くといい」
「十分です。それよりも、自分にこの機体を預けていただき感謝します」
個人的にはマスラオに乗せてもよかったが、あれは後々使うから渡せない。トールギスとAGE2もイメージが少し違うし、バスターガンダムなど違和感丸出しだ。
そういう経緯でデルタプラスになったわけだが、ここまで嬉しそうにされると安心するな。
二人にマニュアルを手渡し、大気圏突入までシミュレーターをするように指示を出して一先ずブリッジへ向かう。
「あら、ようやくお戻り?」
ブリッジに足を踏み入れるなり、誰もいなかったはずの艦長席で香月博士がチューブパックを片手に座っていた。
「そのラベル……もしかしてGステーションから持ち込んだ酒ですか?」
「別にいいじゃない。放置し過ぎたら腐るわよ」
「たかが数年で腐るワインなんて聞いたことないですがね。――で、どう言った御用で?」
「大した話じゃないわ。宇宙に上がる前に基地の一角に特別機密区画を作らせたから、物資の搬入はそこからやりなさい。どうせMSも下ろすんでしょ? 本来なら90番格納庫に置きたいけど、あの二人は計画とは無関係だから招き入れる訳にはいかないわ」
そういうことか。確かに俺はMSの技術を使って戦力の強化を担当しているが、第4計画は参考資料を提供しただけでほとんどノータッチだ。
他の衛士に漏らすわけにはいかないから当然の処置だな。
「了解しました。自分の拠点が出来るまでは有効活用させてもらいますよ」
「そう――あたしからは以上よ。あんたからは何かある?」
「そうですね……別に基地に戻ってからでもいいんですけど、今ならいいか」
他に誰もいないことを確認して手近な端末からデータを飛ばし艦長席のミニモニターに表示させる。
「SKMS-02GGL……これは何?」
そのデータは開発中の『GL』の仕様書だ。
尋ねる博士へ不敵に笑い、俺は答える。
「天翔る織姫の翼、とでも言いましょうか」
国連軍 横浜基地 特別区画
地球に帰還し殿下たちと別れた翌日。俺と武、グラハムとニールは目の前にそびえ立つ機体を見上げていた。
「徹夜で1機だけ組んでもらったが、なんとか形にはなったな」
「いや、十分すぎるだろ。後は実践データを集めるだけだな」
武の言葉にグラハムたちが同意とばかりに頷き、機体を見上げる。
今までシミュレーターでしか動かなかった不知火・旋風。その記念すべき第1号機がようやく稼動可能状態にまで持ってこれた。
現在装備している武装はシミュレーターで武が使った物とほぼ同じで、頭部にバルカンポッドを装着し右手にはGステーションで試作した新しいビームライフル、左腕にはビームサーベルを内蔵したグレネード装備の複合シールド。担架には74式近接戦闘長刀と87式突撃砲を装備。
そして両サイドアーマーにはアーマーシュナイダーが一本ずつ格納されている。
無論XM3搭載で各関節はMF技術の頑丈な物に交換済みだ。
「で、中佐。肝心の実機データは何処で集めるんだ? まさかBETAの出現ポイントまで移動するってわけじゃ無いだろ」
「問題ない。ちょうどオモチャをもらって有頂天になってる連中がいるから、一度シミュレーターで喝を入れてから実機データを取る。ただし、取るのはまだ機体性能だけだ。武装の実戦データは別の機会――それこそ戦場で取る」
「……零、その相手ってまさか」
「だいたい武の予想通りだな。あれもそれなりに使いこなしているだろうし、シミュレーターにこれのデータも登録済みだ。それにさっきも言ったが、いずれ彼女たちも使う機体なんだ。なら先にその力を我が身で味わってもらおうじゃないか」
クックックッ、シミュレーターとはいえビーム兵器に度肝を抜かれて唖然とする顔が目に浮かぶな。
そこへMSもぶっ込んだらどれほど狼狽えることか――おっと、先に言っておくがこれは想定外の敵が出現した場合の対処能力を高めるための大事な訓練だ。間違っても未知の敵に遭遇した彼女たちの反応を見たいためでは無い!
「……なんか、ロクでもないことを考えてそうな顔してるぞ」
「零、お前って奴は……」
頭の中でそんなことを思っている零の顔は、傍から見ているとまるで小悪党の笑顔だったと後に武たちは語った。
国連軍横浜基地 A-01部隊専用シミュレータールーム
XM3という新たな力を得た伊隅ヴァルキリーズはわずか数日で目覚ましい成長を遂げていた。
戦闘中の選択肢の増加。それは彼女たちの内に眠る未知の実力を呼び覚ますには十分な素材であった。
「ヒャッハー! 見てくださいよ大尉! あんちくしょうの動きをようやくモノにしてやりましたよ!」
「ハッ! 甘いわね結城! その程度ならあたしはとっくに出来るわよ!」
「こらこら、お前たち。あまりはしゃぐと関節がやられてみっともない姿を晒すことになるぞ」
シミュレーターで形成された見慣れた廃墟を縦横無尽に駆け回る突撃前衛二人をそう咎めるみちるだが、内心ではOSに驚かされてばかりだった。
既存の戦い方を根底から覆し、ヴォールクデータでの生存率を飛躍的に向上させたこのOSさえあれば本当になんでも出来そうな気がしていた。
と、思わずにやけそうになったところでヴァルキリーズ全員へ通信が入る。通信の主は彼女たちの上官である夕呼からだ。
『あんたたち、XM3の具合はどう?』
「はっ、我々としてもこれは素晴らしいの一言につきます。先日もヴォールクデータの部隊記録を立て続けに更新しました」
「今ならどんな奴が来たって負ける気がしません! あの白銀って奴にだって遅れを取りませんよ!」
水月のその一言に夕呼が不敵に笑うと、更に通信が割り込んでくる。
『――なら、試してみますか?』
男の声とともに点灯するアンノウンのマーカー。ヴァルキリーズの全員がそちらを見ると、一機の戦術機が演習場に現れた。
――不知火……いや、違う。不知火をベースにした改造機か?
みちるが初めて見る機体を観察していると、香奈多が嬉しそうに声を上げる。
「その不知火、もしかしてお前が白銀って奴か!?」
『どうも皆さん。あれからひたすらにOSの慣熟訓練をされていたと思いますが、どれほどのものか俺が評価してあげましょう』
「フン! 余裕を見せられるのも今の内! どんな改造をして来たかはすっごく気になるけど、OSの差がなくなったいま、数で勝るあたしたちに分があるわよ!」
『なら、数の差が意味をなさない情報を提供しましょう』
余裕のこもった声で右手に持ったライフルを掲げ、それは告げられる。
『――こちらには光線級のレーザー並の火器があります。それも威力によっては掠っただけで撃墜判定が下るようなほど強力な代物が』
『ちなみにこれ、製作者立会いの元に実施されたシミュレーターであった本当の話だから。前みたいに舐めてかかればあっという間に落とされるわよ』
夕呼の補足を聞き、ヴァルキリーズの全員が目を張った。
あの副司令がこんな場面で嘘をつくことはまずあり得ないことを彼女たちは十分理解している。つまり、あの不知火の手にあるライフルには本当に光線級のレーザーに匹敵する武装が備わっているということになる。
――OSといい武装といい、あの白銀という男は何者なのだ。それに製作者立会いの元と言うことは、あの改造機は博士が考案したのではない可能性がある。謎は増える一方だが、確実に言えるのはこのシミュレーターは全力で挑まねば以前の二の舞になると言うことだ。
みちるが前回の轍を踏まぬよう決意を固め、部隊に模擬戦の準備をするよう指示を出している一方でヴァルキリーズの前に現れた不知火・旋風の管制ユニット内では武が零から二度目のライフルについての説明を受けていた。
『乗り込む前にも説明したように、いま旋風が装備している試作のマルチビームライフルにはカートリッジとモード切り替えの機能が存在している。ノーマル、マシンガン、ショットガン、バーストショットに切り替えることが出来るから状況に応じて上手く使え。ただし、カートリッジの予備は3つしかないと言うことを忘れるなよ』
現在零がA-01向けに開発中のカートリッジ式マルチビームライフル。
これは彼が言ったように4つのモードを切り替えることで様々な戦況に対応させることを目的としたものだ。
燃費、威力、射程、連射のバランスが最も安定したノーマル。
連射と燃費を重視し、威力を落としたマシンガン。
至近距離での威力を重視したショットガン。
そしてノーマルの数倍の火力を持った代わりにカートリッジの約20%分のエネルギーを消費する切り札のバーストショット。
またカートリッジ式ではあるが、零は一部の機体のみ両手のコネクターを介してジェネレーターから直接チャージ出来るようにしようと考えていた。
「了解。アーマーシュナイダーとビームサーベルはどうする?」
『今回はライフルだけのつもりだが、お前の判断で使って構わない。まあ、そんな状況はまず無いと思うがな』
機体性能とビームライフルだけでも負ける要素が見当たらないのだ。もしサーベルを抜くようならば、それは彼女たちの実力が予想以上だったと言うだけだ。
やがて双方の準備が整い、以前のように武とA-01が相対した。
『ではこれより、制限時間10分の模擬戦を――あ、博士』
CPの遙が状況開始を宣言しようとしたところで夕呼が割り込み、意地悪な顔で実に楽しそうに告げる。
『始める前に言っとくけど、A-01は3分以内に一人でもやられたら連帯責任で一週間訓練兵用の強化装備で訓練してもらうわよ。逆に白銀は時間内に全員仕留められなかったら同じ目に遭ってもらうわ』
夕呼の一言が火付けとなり、全員が冷や汗を流しながらも同じ思いを抱いた。
――アレだけは、アレだけはもう絶対に着たくない!!
『……で、では、状況を開始してください』
合図とともに全ての機体が一斉に動き出す。
かくして、羞恥心をかけた全力のシミュレーター戦が幕を開けた。
「あ、当然だけど連帯責任だから涼宮と神林も例外なく着用してもらうわよ」
「『ファッ!?』」
第18話、いかがでしたでしょうか?
ニールとハムにMSが与えられました。
デュナメスとハロをニールに、デルタプラスをハムに提供となりました。
デルタプラスが乙女座色に染められるかは今のところ決まっていませんが、勢いとノリで有りえるかもしれません。
なお、今回の模擬戦は次回の冒頭で既に終わったことになると思います。
さて次回のテーマは、「乙女座の盟友」「ヒロイン候補登場」「南の島へ」の三本です。
それではまた次回にお会いしましょう。
あ、別にジャンケンはありませんので。