私は彼女達の橋   作:ロイ1世

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戦闘描写を考えなくていいって、凄い楽(ここでいうなって・・・)
この物語を考えた時から絶対やると決めた話です。

それではお楽しみ下さい。


静かな電話と熱い二人

横須賀第7鎮守府 執務室

 

この部屋にいる男、ロイは今、とても不機嫌だった。

 

ロイ「はい、横七提督、ロイでございます」

女「すみません。私、あなたのことを尊敬していて、お会いできませんかね」

ロイ「さようなら」

女「待っt」プツ

ロイ「・・・」

電話に出れば八割見合いの話。

そして一割はテレビ出演のオファー。

冗談ではない。ここは軍事施設。そして話し相手は提督。アイドルではないのだ。

そもそもこうなったのは大本営が

広報係に私を使って戦意高揚を狙えることをしろといったのが始まりだ。

刷られたポスターは鎮守府のみならず学校や市役所に貼られて、

今やポスターを売る者までいる。

別にそれはいい。ポスターを売ることは認めてるし、

貼ることも認めている。しかし何で電話番号を教えるかねぇ?。

おかげで電話越しのプロポーズやパーティーへの招待が、掛かってくるんだよぉぉ。

加古を始め色んな娘から白い眼で見られるのは、辛いんだよ・・・。

研修で来たとある重雷装巡洋艦には

「そんなに女の人に声掛けられて、恥を知りなさい」

とかまで言われた。酷くない?。貴方の親友工作艦に改造するよ?。

でもホントに何とかしなきゃ色々と支障がでるからなあ・・・。

勇気を出すか。取り敢えず落ち着くために、正午の紅茶を飲もう。

電話「プルルルルン」

 

加古「はぁいロイ。貴方の嫁、只今参上」

ロイ「今から加古に大切な話をする」

加古「いいけど、その電話。すごい凹んでるよ」

ロイ「ダイジョブダイジョブ」

加古「それで、話って?」

ロイ「・・・スペードの上で告られたのにまだ返事してなかったからな」

加古「つつつまりり、へ、へんじががが・・・」

ロイ「そう。私、ロイ・ヴィッフェ・ヒドルフは古鷹型二番艦加古の告白に対し」

加古「あばばばばばば」

ロイ「YES、の返答をします。よろしくね」

加古「えっ、いいの・・・」

ロイ「ああ。これを受け取ってくれ」

加古「指輪?」

ロイ「ケッコンカッコカリというものらしい。だが、これを受け取る前に言わなければいけないことがある」

加古「・・・」ゴクッ

ロイは加古に問う。

ロイ「君にはこれから、私が成し遂げようとしている事を手伝わなければならない」

加古「・・・」

その声は、低く。

ロイ「それは私では君を守り切れないかもしれない」

加古「・・・」

その声は強く。

ロイ「下手したらそれは、地獄への道かもしれない」

加古「・・・」

そして最後に一言。

ロイ「それでもいいのなら、受け取ってくれ」

加古「わ、わたしは!!」

加古はその問いに、強く一言。

   「どんな苦難の道でも、ロイと一緒なら大丈夫」

そういって指輪を受け取った。

 

ロイ「加古、ケッコンカッコカリしたなら、式も開くか」

加古「ホント!!、いやぁ、なんか悪いね」

ロイ「そうしたらあのうるさい電話も静かになるはずだしな」

加古「少なくともそれは・・・新品を買うか、直したらだね」

 

中庭

 

ロイ「すいませんね、元帥。忙しいのに立会人やらせちゃって」

山吹「いいのさ。君を提督にさせたのは私なんだから」

ロイ「そうでしたね。それでは」

山吹「うむ。君たち二人は今、固い絆で結ばれた。その絆が解けぬよう、私も祈ろう」

 

加古「結婚式、やっちゃったね」

ロイ「ケッコン式だ。いずれやるけどな」

加古「嬉しいね。で、これからどうするの?」

ロイ「記者会見だ」

加古「へっ?」

ロイ「広報係が早速ケッコンのことを報じたからな」

加古「ど、どうするのさ?」

ロイ「一言言って質問答えるだけ」

加古「そんなんでいいのかな」

 

大本営 記者会見場

 

この場所は普段、作戦成功や年間戦果を報告する場だか、今回は二人の新婚がいた。

 

ロイ「私は艦娘と結婚した」

この一言から始まった記者会見は、色々と波紋を呼んだ。

記者「なぜ艦娘と結婚したのですか」

ロイ「彼女が世界の中で、一番私を安心させてくれるからです」

記者「なぜ貴族や海外の王族を始め、すべての見合いを断ったのですか」

矢継ぎ早に繰り出される質問に。

ロイ「見合いの話が出たのは彼女に結婚を申し込まれた後だからです」

少し盛った内容で返す。

記者「今後鎮守府に来るであろう、あなたを好きな方は、どう対応されるのですか」

ロイ「鎮守府は政府施設ですので、まず面会はできません」

そしてキッパリという。

ものの5分の記者会見は直ぐに終了した。

 

記者会見の内容はその日の内に号外で新聞は配られ、

ニュースで流され、

ネットニュースは色々な話が出た。

ロイは艦娘愛好家なのか。

ロイは実は不能でそれを知られるのが嫌だから鎮守府に引き籠っているのか。

はたまたロイは艦娘にマインドコントロールを受けているのか。

兎に角、色々な考察も出た。

翌日には鎮守府の外に人の群れが出来上がっていた。

しかし普通に警報装置を反応させたため鳴った警報音にビビり退散していった。

 

ロイ「こちらブリッジ、・・・会議の予定が、はい。

先日話した新しき親衛隊員候補、その時に。

はい。分かりました。彼女達との真の理解の為に、ブリッジアウト」




結婚式に行ったのが小学生の幼い頃なので、全然記憶にない。
あの新婚さん、どんな気分だったのかな。
非リアの私には分からん。

次回は毎度ラストのセリフの相手とロイの繋がりです。
お楽しみ待っててね。

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