とりあえずこのお話は、投稿が遅くなるかもです。リアルがかなり忙しくなってきたので…
最初は伏線をバンバン出していきます
あの日は、いつもに増して風が強く、今にも雨が降ってきそうな…外には行きたくないような天気でした。いや、行って欲しくなかったのでしょう…
「本当に行かれるのですか?」
「あぁ、ついに復活したんだ。あの化け物が…」
「わたくしでも分かります、この禍々しい妖気…」
「全国各地から名のある者達が集まっている。きっとあいつらも来るだろう…」
そう言うと男は自分の愛刀を持ち、靴を履き始める。この靴を履き終われば、男は寒く禍々しい妖気が漂う世界へと解き放たれることになる
「帰って来ますよね…?」
「…………」
男は黙ったまま靴を履き終わる。自分でも分かる。この人の顔を見るのはこれが最後なのだろうと
「あなたがいなくなったら、わたくしやこの子達、内浦は誰が守っていくのですか?」
女性は子どもを1人抱きかかえ、もう1人、お腹の中で大切に守りながら、男の元へと近づく。その目には今まで1度も見せてこなかった涙があった
「嫌です…貴方が帰ってこない夕方など、ただ悲しくて切なくなるだけです…貴方がいない夕ご飯など、カラのお茶碗を見て泣きたくなるだけです…」
男の服を掴み、今まで過ごしてきた平凡な日々が今になって惜しく、失いたくないと必死に訴える。その願いが届くはずないとわかっていながら…
「安心しろ。必ず帰ってくる」ポン
男が女性の頭に手を乗せて、優しく、ゆっくりと撫でる
「子と妻を残して死ぬやつは旦那失格だしな」
「ホントですよ…」グスッ
「予定ではいつ産まれるんだ?この子は」
「9月だと、お医者様から」
男は女性の頭を撫でたように優しく、お腹を撫でる
「もう少しで会えるからな…」
そう言うと男は目の色を変え、玄関の扉を開ける。開けると同時に強風が家の中に流れ込んでくる
「うぅ、なんて風…」
「見送りはそこまででいい!危ないぞ」
男は振り返り、笑顔を見せながら腕を組む。これは昔からの男のクセ。赤い髪を揺らしながら、男は言う
「帰ってきたら、おやつが食べたいな。抹茶プリンだ!」
「…ええ、冷蔵庫に入ってますわ」
そう伝えると、男は空へと飛び立ち禍々しい妖気が流れてくる方へと飛んでいく。あぁ、行ってしまう、あの人は嘘つきだ。帰ってくると言った。おやつが欲しいと言った。なら、なぜ…
「何故…泣いているのですか…貴方は…」ポタポタ
女性は泣き崩れ、その場に座り込んでしまった。あの人が泣いているところを見るのはこれで2回目だと、思えば思うほど涙が溢れる
「どうか…あの人を守ってください…」
「最後まで妻を泣かせるとはな…」グスッ
俺は飛びながら涙を拭う。こんな泣き顔をあいつらに見られたら…考えるだけで寒気がする
「しかし…なかなかの顔ぶれだな」
周りを見ると、名を出せば知らぬものはいないような大妖怪
強者、そして神々しさが溢れだす神
それぞれの術を極めた霊能力者
全員がある地点へと向かっていた
「む…あれは…」
「お、黒澤か!!」
「…久しぶりだな。園田」
男の前方に電気が走ったと思いきや、そこから人間が現れる。昔からのよく剣を交えた、良き友、良きライバルであった
園田「黒澤が来るとはな…少し驚いた」
黒澤「来るだろう…これでも、ここら一帯を統べているんだぞ?俺は」
園田「まあ、そうなんだけどよ…」
園田は言いずらそうに頭を搔く。だいたい、言いたいことは分かるが
園田「2人目、まだ産まれてないんだろ?」
黒澤「…あぁ、」
園田「可哀想じゃないか、父親の顔を1度も見れないなんて」
黒澤「まだ、死ぬとは決まってないだろ…」
園田「本当にそう思っているのか?」
園田の目が鋭くなる。死ぬとは決まってない?今はもう、そんなことを気にしている状態ではない
黒澤「正直、ここにいる全員が命を捨てたとしてもあいつを倒せるか…」
園田「倒すんだよ。絶対に、そうでなければこの国は終わりだぞ?」
だろうな。園田にも子や妻がいる。半端な覚悟では来ていないだろう…とそんな話をしていると…ついに…見えてきた
黒澤「…あれか」
園田「なんて禍々しい妖気なんだ…」
辺り一帯に森が広がるこの地に、そいつはいた。近づけば近づくほど、冷や汗が出てくる
黒澤「おい園田。汗が出てるぞ、怖気ずいたか」
園田「人のこと言えるかお前?顔、真っ青だぞ?」
やはり、怖いか…死ぬことが怖いのか、もう二度と家族に会えないのが怖いのか、理由は分からないが
黒澤「ふん、早く終わらせて抹茶プリンを食べるんだよ。俺は」
園田「抹茶プリン?おいおい、おやつと言ったらほむまんだろ?」
黒澤「ほむまん?あの饅頭か?抹茶プリンの方が絶対に美味いのに…」
園田「ほむまんだろ」
黒澤「なら、この戦いが終わったあとに、どちらが美味いか食べ比べだな」
園田「お互いの家族を連れてな」
黒澤「……………」
園田「…………………」
黒澤「いくぞ」
園田「瞬殺されるなよ」
黒澤「するかアホ」
俺たちは一斉に戦いを開始する。この戦いの先にはどのような未来が待っているのか、俺には分からないが、これだけは思う
ダイヤ、そしてルビィ。
元気でな
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ー 16年後 ー
桜の花びらが庭を舞う。少女はピンクに染まった道を歩きながら、門へと向かう
「忘れ物はありませんか?」
「うん!大丈夫!」
「入学式ですから、わたくしはあとから行きます。気をつけていくのですよ?」
「はい!行ってきまーす!」
少女は勢いよく外の世界へと飛び出した。赤い髪が風に吹かれて揺れている
「今日から高校生ですか…早いですね。16年は…」
「貴方…見てますか。あの子の後ろ姿、貴方にそっくり…」
花粉症だろうか、涙が出る。そう思いながら少女の母親は、支度をしに家の中に戻るのであった
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「今日はあったかいや」
皆さんおはようございます!
私は今日から高校生になる
黒澤ルビィです!!!
ということで始まりました。え??空飛んでない??と思ったかも知れません。それは後に語られると思います