あなたは幽霊や妖怪を信じますか?
平成も終わり、時代は令和へ。技術はどんどん進歩し、今や科学と情報の入り交じった世界と言っても過言ではありません。古きものは次々と否定され、迷信は忘れ去られる…幽霊や妖怪も例外ではありません
認知はあってもそれは架空。幽霊や妖怪は、架空の存在として今の世の中の、時代の波に飲み込まれていくのです…』
だって。花丸ちゃん」
花丸「随分と狭い視界ずらね…」
ここは内浦を走るバスの中。その一番後ろの席に座る2人の少女、黒澤ルビィと国木田花丸。2人は中学の頃からの友達で、この春から同じ高校に通うことになっていた
花丸「科学技術が進歩したからこそ、見落としているところが増えたと思うずら」
ルビィ「む、難しいね…花丸ちゃん」
ルビィが読み上げていたのはとある雑誌の一部分。遠回しに幽霊や妖怪を否定する内容で書かれていた。そのせいか、花丸は少し不機嫌である
花丸「でもルビィちゃん、なんでそんな雑誌を…」
ルビィなら尚更、この内容は良くは思わないはず…しかし、ルビィ曰く、この雑誌は絶対に買わなければいけないらしく…
ルビィ「…ルビィ、待ってるの」
花丸「待ってる?」
ルビィの表情が少しだけ暗くなった
ルビィ「いつかこの雑誌に乗るんじゃないかって。いつか、いや、もう近いうちに…」
ルビィ「園田海未さん」
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2人はバスから降りると、すぐ近くにある坂道を登っていた。今日から毎日、この坂を登ることになる
花丸「結構きついずらね…」
ルビィ「もうちょっとだよ。頑張って」
花丸は体力に自信はないが、休んではいられない。入学初日から遅刻は洒落にならないし、それに…
ルビィ「校門で果南さんが待ってると思うよ」
花丸「そうずらね。待たせるのは申し訳ないずら」
2人は再び歩き始める。すると前方から、2人よりも背の高い少女が歩いてきた
「やっほ♪おふたりさん」
花丸「あ、あれ?果南さん?」
ルビィ「校門はもう少し先じゃ…」
果南「2人が心配になって、迎えに来たんだよ!」
現れたのはルビィ達が入学する高校の3年生、松浦果南であった。果南は2人とは昔からの付き合いで、面倒みがいいため、2人のお姉さん的存在である
花丸「待たせてるんじゃ…って思ってたから安心したずら」
果南「大丈夫だよ。さっ、行こ!私達の学校」
果南「浦の星女学院に!」
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私立 浦の星女学院。少子高齢化が心配される中、入学者数が衰えないことで有名な静岡の高校である。そんな浦の星に、この春からルビィと花丸は通い始めることになったわけであるが…
ルビィ「でも、なんで浦の星女学院は生徒数が減らないんだろう…」
果南「まぁ、全国でも数少ない…理解ある高校だからね」
理解ある高校、の意味は後に説明するとして、ついにルビィと花丸は浦の星女学院へと到着した
花丸「今日からここで毎日を過ごすんだね」
ルビィ「うん。でもルビィ、ちょっと心配だな…」
ルビィは人見知りで、初めての人と話すのはかなりの苦手意識があった。今日から高校生として、新しいメンバーと過ごしていくのは避けられないわけであるが…
花丸「大丈夫だよ。ルビィちゃん、マルがついてるから」
ルビィ「は、花丸ちゃん!」ウルウル
果南「まぁ、無事に同じクラスになったらね」
浦の星女学院は一学年2クラス。確率は2分の1だが、別々のクラスということもありえる
果南「じゃあ、クラス分けを見に行こっか」
果南のあとに続き、校門を通った時であった
ルビィ「?」
花丸「ルビィちゃん、どうしたの?」
ルビィ「あれは…」
ルビィが気になったのは、ひしめき合う部活勧誘……ではなく、その端っこで何かを叫んでいる蜜柑色の髪の少女であった
花丸「あの人、誰ずら?」
ルビィ「わかんない…でも、あのハチマキ…」
蜜柑色少女が巻いているハチマキに書かれていた言葉はーーー
『スクールアイドル部』
花丸「スクールアイドル???」
ルビィ「この学校にスクールアイドルが?」
果南「いやいやいやいやいや」
果南は手を激しく横に振りながら否定する。そして少女のもとへとズカズカと歩いていく
果南「千歌!!!!」
千歌「うわぁ!?果南ちゃん!?」
果南「いつこの学校にスクールアイドルが出来たの!?」
千歌「い、いや〜これから作ろうと…はい」
ルビィ、花丸「……」
どうやら、非公認の活動だったらしく、果南が追求し始めた。ルビィと花丸は果南の後ろでひっそりと様子を伺っていた
果南「部活勧誘するなら、まず作る!そのために申請!基本でしょ?」
千歌「でも、まだ2人しか集まってなくて…」
「ははは……」
千歌の横にはもう一人、セミショートヘアの少女がいた。この二人しか今現在、スクールアイドル部希望者は集まっていないことになる
果南「曜も、千歌を止めなかったの?」
曜「千歌ちゃんの熱意に負けて…」
花丸「…(あの二人…)」
果南「とにかく、まずは部活申請してね?いい?」
果南「わたしが生徒会長の間は、見逃さないよ」
千歌「ぐぬぬぬぬ……」
曜「…千歌ちゃん、出直そ?」
唸る千歌を曜がなだめる。これ以上は生徒会長として黙ってない。という目で見る果南に対し、ルビィは
ルビィ「…スクールアイドルか」ボソッ
千歌「!!!」
千歌はルビィの小さな声を聞き逃さなかった
千歌「興味あるの!?」
ルビィ「ぴぎぃぃ!!!?」
突然、近づいてきた千歌に驚くルビィ。だいたい千歌が言いたいことは察せるが…
千歌「あなたもスクールアイドルやらない!?」
ルビィ「る、ルビィは…」
曜「ちょっ、千歌ちゃん、いきなりは…」
果南「そうだよ」グイッ
果南が千歌の服をつかみ、ルビィから引き離す。千歌は少し抵抗しようとしたが、果南には適わない
花丸「ルビィちゃん、大丈夫?」
ルビィ「う、うん…」
再び、千歌を注意する果南。完全に落ち込んでいる千歌。果南を落ち着かせようとする曜。まるで姉妹の会話である。その光景を見たルビィは
ルビィ「いいなぁ…」
花丸「…ルビィちゃん……」
たまに悲しい顔をするルビィ。花丸は、心配でならなかった
――――――――――――――――――
果南「ごめんね?ルビィちゃん、千歌達は決して悪い子じゃないんだけどね」
ルビィ「大丈夫、です」
その後、千歌達と別れたルビィと花丸は生徒会室へ。すぐに教室へ行くことになるが、少しだけ果南と話をしていた
花丸「…果南さん」
果南「?どうしたの?花丸ちゃん」
花丸「あの二人って…」
花丸が果南に質問する。質問の内容を察した果南は、すぐに答える
果南「…あぁ、そうだよ。よく分かったね」
花丸「伊達に修行はしていないずら」
ルビィ「?」
完全に話についていけていないルビィは、ただただ2人の会話を聞いているだけであった
ー ??? ー
「…浦の星女学院、ですか」
「そうです。明日からそこに通ってもらいます」
「…監視役?それとも、派遣?」
「どちらもです。失敗は許されませんよ」
「分かってます。命にかえても…ですよね?」
「はい。頼みましたよ」
「梨子」
このお話のルビィちゃんは原作よりかは、人見知りではないですね。
果南ちゃんが生徒会長って…かなり凄いことになってますね