のび太の幻想旅行記   作:fate信者

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終わりました。
では、どうぞ!


のび太の記憶(後)

空き地に二人の人影があった。

片方はのび太だ。

もう一人は姿が変わってるけど、のび太の鞄を取り返した男の子だ。

何故、二人が居るのだろうか?

のび太がぼろぼろなのだろうか?

 

「…はあ、はあ、ど、どうだ!

…のび太、まだ、やるって、のか?」

 

男の子は息も絶え絶えみたいだった。

のび太の方もぼこぼこにされていて立つのも辛そうだった。

 

「ま、まだ…だ!

僕は君に勝たないといけない!」

 

のび太は立った。

足はがくがくと震えているし、眼鏡にもひびがはいっていた。

 

「しつこいぞ!

お前じゃ俺には勝てない」

 

のび太は男の子の方に歩いていく、ゆっくりゆっくりと一歩ずつ歩いていく。

のび太は男の子にパンチをする。

それは撫でるようなパンチ、痛くも痒くも無いだろう。

 

「僕は勝たないと…僕だけの力で、君に勝たないと……。

ドラえもんが安心して……帰れないんだ!」

 

「わ、わかった! 敗けだ! 俺の敗けだ!!」

 

彼の敗北宣言にのび太は力が抜けたのだろう。

地面に倒れる。

男の子の方は急ぎ足でどっかに行ってしまった。

すると、のび太に向かって走ってくる影があったー

 

「の、のび太君!」

 

ドラえもんだった。

ドラえもんはのび太を肩に担いで立ち上がった。

そして、二人は歩きだした。

 

「ど、ドラえもん」

 

「なんだい?」

 

ドラえもんは優しい声音で言った。

 

「勝った…勝ったよ、ぼく。

みたろドラえもん。

勝ったんだよ。

ぼくひとりで。

もう安心して帰えれるだろ、ドラえもん」

 

「うん…うん!」

 

ドラえもんは涙を流しながらのび太の話を聞いていた。

のび太は疲れたのだろう。

眠りについてしまったようだ。

 

「君はしょうがないヤツだ。

僕に安心して帰って貰う為にジャイアンと戦おうなんていつもの君じゃ考えられなかった。

でも、僕は嬉しいよ。

これで、安心して帰れる。

出来る事なら…最後まで君の成長を見ていたかった」

 

ドラえもんは自分の想いを言っていく。

 

「…ついてしまった」

 

ドラえもんが見ている先には一つの赤色の屋根の一軒家があった。

ドラえもんはポケットからタケコプターを取り出し、2階の窓から部屋に入っていった。

ドラえもんは布団を引いて、のび太を寝かせる。

 

「これは酷いな」

 

ドラえもんはのび太の眼鏡を見ながらいった。

 

「タイムふろしき!」

 

眼鏡の上に布を乗せた。

すると、一瞬で眼鏡が治った。

 

「さて…まだ時間はある。

君とは色々あったな…君は僕の道具をすぐに悪用したり、最後に痛い目にあってもまた直ぐに僕の道具を頼ってきた。

ジャイアンにはいつも泣かされていたし、スネ夫の自慢話には羨ましそうだったな、しずかちゃんの風呂には間違って何回も行ってしまったな。

でも…僕には何もかもが新しくて楽しかった。

僕は君という友達を持てて誇りに思うよ」

 

ドラえもんは涙を流しながら話した。

そこからはドラえもんは話す事なく、黙ってのび太の顔を見ていた。

 

「さて…もう時間か、のび太君。

君と過ごした日々を僕は忘れないよ。

君の幸せを僕は未来で願ってる」

 

ドラえもんはそう言うと、机の引き出しを開いて入っていった。

 

ーーーーー

 

朝日がのび太の顔を照らしていた。

その陽射しでのび太は目を覚ました。

のび太は目覚まし時計を確認した。

 

「やばい! 遅刻だ遅刻!!」

 

のび太は急いで服を着て、下に降りていく。

そこにあった朝ごはんを急いで食べた。

 

「ドラえもん! このままじゃ遅刻しちゃうよ!!

早く道具をだして!!!」

 

のび太は押し入れの中を開く…中には何も無かった。

 

「あ…そっか、ドラえもんは帰ったんだね。

でも、もしかしたら」

 

のび太は机の方に歩いていき、机の引き出しを開いてみた。

中には消ゴムやコンパスと言った勉強道具が入っていた。

 

「のびちゃ~ん、今日は土曜日で学校は無いわよ」

 

扉の外からのび太のお母さんの声が聞こえる。

 

「ドラえもん。

勝手に帰ったらさよならの言葉も言えないじゃないか…。」

 

のび太は机の前に体育座りをした。

その顔は若干寂しそうだった。

 

「ドラえもん、帰ったら部屋ががらんとしちゃったよ。

でも……直ぐに慣れると思う。だから……、心配するなよ、ドラえもん」

 

………。

また、光景が変わった。

 

「ドラえもん…この道具でやり返しても僕は悲しいままだ。

こんな事をしてもドラえもんは帰ってこない(・・・・・・)

ドラえもんがいる筈無いんだ」

 

のび太は悲しい顔で階段をあがっていく。

のび太は自分の部屋の前でため息を一つ溢した。

 

「ドラえもんはもうここには戻ってこない」

 

のび太が部屋に入る。

窓から入ってくる太陽の光で一瞬目をつぶった。

目を開けると、そこにはーー

 

「のび太君」

 

ーードラえもんが居た。

 

「え? ドラえもん?」

 

のび太は驚いた顔でドラえもんに指を差した

 

「うん! そうだよ!」

 

「ドラえもん…ドラえもん!」

 

のび太はドラえもんに向かった走っていった。

 

「でも、どうして?」

 

「それは僕もわからないんだ。

何故か急にここに戻っても言いと言われたんだ。

……ははーん、ウソ800を使って僕がいないとか言ったんだな。だから、僕がここに戻ってくる事が出来たんだよ」

 

のび太は涙を流しながらドラえもんに告げるべき言葉いった。

 

「うれしくない。

これからまた、ずうっとずうっと

ドラえもんと一緒に暮らさない」

 

「のび太君」

 

……。

のび太が言った事は反対になった事。

つまり、本来の意味に戻すと…。

『うれしい。

これからまた、ずうっとずうっと

ドラえもんと一緒に暮らす』

という意味なのだろう。

これから二人の物語は続くのだろう。

また、光景がかわる。

 

今度は年のとった男の人と、若い女の人が話していた

 

「パパ!

私お嫁にいくのやめる!!」

 

女性が話している。

どうやら結婚の話をしているらしい。

 

「私がいっちゃったらパパ寂しくなるでしょ?」

 

「そりゃもちろんだ」

 

「これまで甘えたり、我が儘いったり…。

それなのに私の方は、パパやママに何にもしてあげられなかったわ」

 

「とんでもない。

君は僕らに素晴らしい贈り物を残していってくれるんだよ」

 

男の人は肩に手を置いて優しくいった。

 

「贈り物? 私が?」

 

「そう。

数えきれないほどのね。

最初の贈り物は君が生まれてきてくれた事だ。

午前3時頃だったよ。

君の産声が天使のラッパみたいに聞こえた。

あんなに楽しい音楽は聞いたことがない」

 

男の人は暗くなって星が見え始めた空を見る。

 

「病院を出たとき、かすかに東の空が白んではいたが、頭の上はまだ一面の青空だった。

この広い宇宙のかたすみに、僕の身を受け継いだ生命が、いま、うまれたんだ。

そう思うとむやみに感動しちゃって、涙がとまらなかったよ」

 

「…パパ」

 

「それからの毎日、楽しかった日、満ち足りた日々の思い出こそ、君からの最高の贈り物だったんだよ。

少しぐらい寂しくても、思い出が暖めてくれるさ、そんなこと気にかけなくていいんだよ」

 

「わたし……、不安なの。

上手くやっていけるかしら」

 

男の人は女の人の頭を撫でながらに言う。

 

「やれるとも、のび太くんを信じなさい」

 

ーーのび太の話だったのね。

 

「のび太君を選んだ君の判断は正しかったと思うよ。

あの青年は『人の幸せを願い、人の不幸を悲しむ事の出来る人だ』

それがいちばん人間にとって大事なことだ。

かれなら、間違いなく君を幸せにしてくれると、僕は信じているよ」

 

ーー人の幸せを願い、人の不幸を悲しむ事の出来る人…。

私が会ってきた人間にそんなヤツはいなかった。

人間は心のどこかに黒い感情を隠している。

だけど、のび太みたいなヤツともう少し早く会っていたのなら私たち姉妹は変わっていたんだろうか?

また、景色が変わる。

それからは色んなモノをみた。

 

「僕が味方したって大した戦力にはならないと思うけど、1たす1はいちよりも小さくなるなんて、僕思わない。

だって1人じゃないんだもん」

 

それは自分と似ている者と救う物語。

 

「ちがう!! ドラえもんは道具でじゃない!! 友達だ!!」

 

それは機械の王国で君を助ける物語。

 

「僕たち、大人になってもこんな冒険ができるかなぁ」

 

それは謎を追い求めた物語。

 

「ドラえもんはいつだって僕を助けてくれた。

だから今度は僕がドラえもんを助けるんだ」

 

それは何万年たったとしても君を救いたい少年の物語。

 

「僕たちが大事にしたいと思っていることは、そんなに間違っているの?」

 

それは子供の君たちへの物語。

他にも色々な人たち、世界をみた。

これが野比のび太と言う人間なんだろう。

 

ーーーーー

 

「お嬢さま! 大丈夫ですか?」

 

私が目を開くと目の前に私の事を心配そうに見ている咲夜がいた。

 

「ええ…大丈夫よ」

 

「それなら良かった。

急に机に突っ伏してしまってびっくりしまいました」

 

「所でのび太は?」

 

「のび太と言うのが誰なのか判りませんが…あの少年ならあそこで寝ておりますわ」

 

咲夜が指差した先にはのび太が寝ていた。

私はのび太が寝ているベッドまで歩いて、のび太の頬に指を這わせた。

 

「お、お嬢さま!」

 

「わたし多分、初めてだと思うわ、こんなに人間に興味を持ったのは」

 

「…お嬢さま。

一体なにを見たのですか?」

 

「私じゃこの子の人生は言い切れないわ

だけど、すくなくとも私にとっては大切な事を教えてもらったわ」




語彙力がクソすぎて文章が破綻していると思いますが、それでも自分の書きたい所は書けたので満足です。
しずかちゃんのパパの「思い出が暖めてくれるさ」って名言過ぎると思います。
それ以外も名言ですが…このセリフは僕も子供が出来たら言ってみたいセリフです
無駄話でしたすいません
最後に気に入ってくれたら、高評価、感想、お気に入りお願いします

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