マクロスプラス reverberation of Sharon   作:gad

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第4話 旅立ちの時

 マクロスシティ宇宙港、それは宇宙に散らばった人類の誇りの象徴の建築物の一つである。全宇宙から帰還する人類を出迎える母港でもあり、遠い宇宙へ旅立つ人たちの別れの場でもあり、人類の複合建築としては地球上で最も高く、複雑な建築物となっている

 

 その旅立ちの建物の中にユーリたち3人もいた。あの任官式から3日と短い時間しかたっていないのだが、決められた任地に時間通りにいかなければならないのは軍人の宿命である。ということで、いくらフォールドがあるとはいえ、人類の最果ての地、銀河系の周縁部にある惑星アクアに行くには非常に時間がかかるユーリ、まどかを見送りに、後から出発するヨハン他同期士官たちがきたのだった。

 

「まどかさんと二人旅か、お前本当にうらやましいぞ」

 

「二人旅っていうとなんか変じゃないか」

 

「じゃあ新婚旅行」

 

「もっと違う」

 

 任務とはいえ、男女2人で超長距離の旅に出る2人。まあからかわれるのは当り前であろう。とくにまどかがとっても好きなヨハンからするとからかわずにはいられないのだろう。宇宙港に来る前の日からずっとユーリに似たようなメールを送り続けてうんざりとさせていた。

 

「まあ本当にまどかさんをお前はきっちり守れよ、俺がいれば安心なんだが」

 

「ユーリに守ってもらうところもあるけど、私もただ守られるだけの女じゃないわよ。だからそんなことあなたに言われなくても大丈夫、というかあなたこそ大丈夫なの?フロンティアといえば銀河中心部に行く船、なにがあるのかわからないわ」

 

「心配御無用。俺の故郷ですし、何があってもあなたのもとに帰ってきます」

 

 まだまだ心配するヨハン、そこへ珍しく自分から声を入れるまどか。彼女も別れということで長い付き合いのあるヨハンのことが気にかかるのだろうか。しかしその心配する行為は、周りの男性陣のあほさに火をつけた。

 

「俺もまどかさんが心配です」「ユーリ、お前は爆発しろ」「俺もまどかさんのために生きて頑張ります」

 

と同期までもが調子に乗っちゃったわけである。

 まあそんなことをしていると、当たり前だがほかの同期女性陣がら冷たい視線を浴びている。自業自得であるが、滑稽である。

 

ということで女性陣からも見送りは結構いる。まあ人気者のまどか、そして一応人気者のヨハンの友人で、そこそこ顔は広かったユーリ。見送り人は結構来るのだ

 

「まどかさん、あなたと同じ期で本当に楽しかった。私は結構あなたをライバルだと思ってたの」「ユーリ君、ちゃんとまどかさんを見ているのよ、変な奴には引っかからないように」「まどかお姉さま、いかないでくださいまし」

 

 このように結構心配したり、応援してくれてたりする。とこんな風に別れを名残惜しみあっている間にあっという間に時は過ぎ去っていった。

 

「13時50分発、こと座方面、惑星アクア行きの宇宙船の乗船時刻となりました。お乗りになるお客様は出発タラップのほうへお移りください」

 

「もうそんな時間か、ではこれで本当にお別れだ。僕たちを見送りに来てくれてありがとう」

 

「私からも本当にありがとう、いつか会えるならまた会いましょう」

 

 このように2人が別れを告げ、乗船タラップへと向かっていく。そこへ、同期連中は敬礼をしつつ見送っている。よくある士官を見送る光景だ。小さな子供もそれを見て敬礼のまねをしていたりするのもよくある光景だ。

 

「ユーリ、今度里帰りしたらいろいろと土産話をよこせよ!!!!」

 

 最後にヨハンが大きな声をかける。一番の友人であるユーリをさっきまで一言も心配していなかったヨハンだが、なんだかんだ彼はユーリとの別れがさびしいのだろう。それにユーリは帽子を振りながら答え、出発タラップのほうに向かっていった。

 

 

「ユーリもさびしいの、あのヨハンやみんなと別れること」

 

 タラップから連絡船に乗り込みながら、まどかはユーリに心配するように声をかけた。やっぱり相棒の様子がいつもと違う時にかかるのか結構優しげな声である。

 

「まあね、だが今は惑星アクアに行くことに気持ちを切り替えている最中だよ」

 

 こんな風に応えているが、やっぱりいろいろと感じているのだろう。かなりさびしげな表情をユーリは見せている。

 

「なら元気になるお話を船でいっぱいしてあげようかしら。私の故郷の星だしいろいろ話せるわよ」

 

ということで相棒を元気づけようとするまどか、まあ自分の星のお国自慢をしたいという心もあるのだが、やっぱり相棒が気になるようだ。いろいろと楽しげにアクアの紹介を輸送船の中でするつもりらしい。

 

 さて、彼らの乗り込んだ連絡船は、大型輸送船コバヤシマル所属の連絡船である。コバヤシマルは民間船だが今回のユーリたちの任務のついでで彼らのバルキリー「VF-171」を積むこともでき、また星間貿易の商品も大量に積み込める超大型輸送船である。そのため、地球には着陸せず、軌道上で乗り込み作業を行う宇宙船となっている。移民船団の一隻に匹敵する大きさなので当然だろう。

 

 そのコバヤシマルに向けて、連絡船は乗客を乗せてすぐに発進し、あっという間に軌道上へ到着した。異星の技術などで連絡船内部でかかるGは相当減少されており、エレベーターに乗るかのようにコバヤシマルについたわけである。

 

 コバヤシマルに着いて以降も、出航準備は非常にスムーズであった。エンジンチェックはすでに済ませてあり、フォールド機関も良好、あとは出航前に不審者を入れないようにチャックする入船検査があるだけであった。その最後の並びの途中に彼らは地球を眺めていた。

 

「さて、そろそろ地球とお別れよ、ユーリも次いつみるかわからない光景なんだから落ち込んでないでちゃんと見ときなさい」

 

「もう、そんなに落ち込んでないよ。しかし地球は本当に青いね」

 

「なかなか古い言葉をいうわね、ってああ、あなたの名前ってそういや彼と同じじゃない」

 

 

 彼の名前、村雨有理、これは自らの理を持って生きてほしいという願いと宇宙に初めて出た人間、ユーリ・ガガーリンのように宇宙で活躍してほしいという願いが込められた名前である。

もちろん彼もそのことを知っており、好きな言葉「地球は青かった」をここで使ってみたわけである。

 

「このように青い星なのかな、アクアは」

 

「まだそんなに青い星じゃないわ、ただみんながそれを目指している星よ」

 

こんな風に、アクアについて思いをはせながら、彼らはコバヤシマルに乗船していった。

そして、乗船チェックが終わったコバヤシマルは、すぐにエンジンに火を入れ、フォールドワープ。地球圏から旅立っていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれは、行ったか」

 

「はい、ちゃんと鈴をつけて。ばれないようにダミーも包ませてあります」

 

「あれは、大事なものだからな。」

 

「そうですね、しかし首脳部は頭が固すぎる、アレにトラウマを持ちすぎじゃないですか」

 

「天上の音楽は、彼らには手を出せないのだよ、だが私なら、あれをうまく扱える。それもあなたたちのおかげだ。ゴドゥヌワ大佐」

 

「いえ、その代り私たちに技術データを供与してください。銀河の中心部など何が起こるか心配ですので」

 

「まあそれは、テストの結果次第だな」

 

「楽しみにしています、ではこれで失礼を」

 

 

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