1話 始まりの時
(俺は死んだ、確かに病室で安らかに息をひきとった。
目を瞑ると、そこから先は真っ暗なんだ。
俺以外は何も無い、黒一色の世界
でも、声が聞こえてくるのは何故だろう)
彼はゆっくりと目を開けると、そこには白い空間と変な石像が浮いていた。
その石像に少し驚いたが、自分の姿を確認すると服は私服になっており、歳も少し若い頃のままの状態になっている。
「ここ…一体何処だ?」
「おまえさん。世界を救ってこい」
「何だこいつ…あと、言っている意味がさっぱり分からないんだが?」
石像は口はないのに喋り出し、世界を救ってこいといってきた。彼は呆気にとられ、夢の中だと思いたかったが。しかし、石像はまるで彼の心を読んだように
「夢じゃないから。あと、君は転生者だからね」
転生者という言葉を唐突に言われ、その意味がよく分からなかったために彼は小首を傾げている。
「は?転載者?それにどうして石像が浮いて、しかも喋れるんだ?」
「…すこし長話になるが、ええかの?」
神は、彼に長々と説明していた。
死亡したこと、そして転生させられることになる事も。
誰もが死んだ後に転生か地獄かのどちらかとなり、彼は転生というものに選ばれることとなった。
だが彼にとっては『摩訶不思議な喋る石像の神、転生者、世界を救ってこい』という日常生活に全く使わない言葉ばかりで彼が理解するには神様がいくら説明してもまだ少し時間が必要だった。
「まぁ転生者と言っても、そのうち慣れるわい」
「そのうちか…あんた何者なんだ?」
「一言で言えば神」
(聞くんじゃなかった…神様って想像とは違うじゃないか)
彼は質問したことで頭を抱えていた。
「まぁ君には3つの物をあげる。1つ目はこれじゃ。」
そういうと彼の目の前に3つの球が現れてきた。
赤、青、黒の球。
赤は接近戦に特化している。
青はどんなことにも対応可能。
黒は飛び道具やいろんな物を持ち込める。
それらはかつて、彼が生前で戦っていた時に使用していた武器だった。
さらに、
「お前さんには開放と言うと、更に強くなるようにした。
2thフォームまでできるようにしたし、fate/staynightの能力を得ることができるから」
「こんなあっさり…」
この神によって、魔術や宝具がこんなあっさりと手に入れることに驚く。
彼はそれを少し嬉しくも思ったが、力を手に入れた途端ふと疑問に思った。
「なんで宝具が少ないんだ?」
「なぜ力を微弱にしか与えんのは後々わかる」
英雄王や騎士王の宝具は用意されておらず、無限の剣製はまだ使えないようにされていた。
使えるとすればルールブレイカーか
神からの話を何となく聞き、その条件は彼以外にも他の転生者も同じ条件になっていることにある程度は理解した。
「だいじょうぶじゃ」
(今はまぁ、仕方ない。この神を信じるしかないか…)
「それで三つ目は?」
その時、神様の隣で、青い騎士のセイバーが現れ,彼の右手に命呪がつけられた。
「問おう、貴方が私のマスターか」
「は、はい…」
「ここに契約は完了した。これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私とともにある。」
彼は英霊(アーサー王)を使役し、新しい力である(投影魔術)を神から授けられる。
「それではお主の名を聞いてなかった。名前は?」
「…岩谷正輝だ」
名前を告げ、神はこう言った。
【ではいってこい。新しい世界へ】
そして正輝とセイバーは、黒い渦へと飲み込まれていく。
神の言葉通り、サーヴァントと共に新しくも未知の世界へと介入することとなった。