翼の方は無事なんとかなるが、ここの二人は何も手につけていなければ唯の一般人だが、秘書が持っている剣が重い。素人だと剣を振り上げて敵を殺そうとしても剣が重く、素早く行動が出来ない。
対して、秘書も同じ条件なのだろうが、軽く剣を振り上げて動きも素早い。まるで使い慣れているかのように。
弦十郎の方をちら、と見たが彼も苦戦している。弦十郎も殴り吹き飛ばしたが、広木防衛大臣もそれを受け流し、床や壁に当たる衝撃を受け身で軽減した。
「よそ見しているとは随分余裕があるのですね」
「君達は人なのか?」
「いいえ。すでにこの身体は人ではないですよ」
そして、二人は技を使っていない。さっきから斬撃と接近戦での拳。二人は本領を発揮していない。
「ならその余裕が無いようにしましょう。」
この男…双剣を完全に扱い慣れ、隙が無い。私の攻撃を受け流したり、状況に応じてどう対処すればいいかの判断力が高い。
「魔人剣・双牙‼」
⁉動きが変わった!
私は飛ばしてきた二つの剣圧をかわしたが、彼がかわしたのを予知し今度は三つの剣圧を飛ばしてきた。それらを今の私は防ぐしか出来ない。
「驚いたな…」
「よそ見しているからですよ」
剣術を覚えているというより、転生者によって埋め込まれていると言った方がいいか。だが、埋め込まれていると言っても、剣の実力が扱い慣れなければ、素早く短期間に使いこなせれないはず。たとえ能力を得たとしても扱えなければ無力も同然。
「なるほどな。それが君が隠した力か」
「ええ。ほんの一部分ですが」
秘書でしかなかった彼が急に戦闘が出来るなどあり得ない。いや、広木防衛大臣たけではなく一般人があんな素早く短期間で戦いに慣れるなど不可能だ。
洗脳はされておらず、自分の身体が利用されている。何か裏があるはず…探る必要があるな。
「我が骨子は捻れ狂う…
「フォースフィールド!」
宝具を使って当たったが、傷かついていない。奴にはあの紫の張られている限りはどんな攻撃も無傷となるのか…宝具を被害を最小限に凌げる魔法がある。
「瞬雷剣」
「
すぐさま攻撃を防ぎ、突きつけた剣から出てくる雷も受け流したが
「業火に燃え盛れ。鳳凰天駆」
「
今度は鳳凰となり自ら自身で私に突っ込んでくる。真っ正面から受けて立つ気か。
「お前の負けは確定した。魔神双破斬」
「
手に持っていた双剣を使用し、ランサーのように連続で突く。私は鶴翼三連を止める事をせず猛攻を防ぐように攻撃を続けた。
「皇王天翔翼‼」
「
剣が焔を纏っているこれ以上続けて唱えながらやるのは危険だ。奴の持っている力がこれほどとは…
「まだだ…鳳凰天翔駆!」
「I am bone of my sword!」
最初まで攻防戦だったが、二つの秘奥義を使用し、確実に仕留めていると思っている。煙で何も見えずに、もう殺したのかと背を向けたな。
まだ、私は終わってなどいない。
「
これで…チェックメイトだ」
「ぐっ⁉」
途中でアイアスの盾を使用し敵の攻撃を防ぐ。敵の攻撃が宝具ほどの力は持ってないのならアイアスの盾を破壊するほどの破壊力はない。
そして、秘書は最後の一撃を防ぎきれず倒れ、灰となって消え去った。
「あとは弦十郎さんか」
*****
「がはっ⁉」
「…すまない。私の意思ではもうどうにもならん」
彼に手をかけた転生者という存在は広木防衛大臣の実力を見てはっきり分かった。瞬間移動も自分の身体の一部分を鉄おも砕く鋼になるのは脅威的。
「
「まだ来るか!」
私もノイズという化け物を退けてはいるが、今回は別の意味で人間離れしている。
「はあっ!」
「
私の攻撃が反動で返されたら殴った手が砕かれる可能性が高い。だからと言って広木防衛大臣が攻撃をやめることは絶対に無い。逆に私が防ごうとしても彼の一部分が鋼となるなら殴っただけで、軽く骨を砕くことも可能だ。
「ふんっ‼」
「⁉ぐっ‼」
⁉どう言う事だ。硬化するのは防御も入るのではないのか?
「まさか…攻撃だけが」
「あぁ。攻撃だけが硬化されるだけだ。しかし、人間離れした速さには勝てない」
まだ、身体に適応されていないのか?それなら勝機だ。もし、俺の攻撃が効くのなら彼は防御力を持ち得ていないが、素早い速さに攻撃が当たれば確実に死ぬ。本来目で追い集中して狙いを定めるが…あの速さは目ではなく。
「さらばだ…」
自分の視覚で追いつけないのなら
目を閉じて彼の動きの音を聞く。黒沢君はまだ戦闘中であり、手は出せない。
拳を穿つ決心で目を開く。
己自身の心で敵が襲ってくる位置を把握し、その位置に拳を打ち込む。
「広木防衛大臣。
私の勝ちです。」
「…負け。か」
広木防衛大臣は俺達の行動を大目に見てくれて、助けられたことが幾度かあった。彼は命をかけて私達の組織を守ってくれた。なぜなら…ノイズに対抗しうるのは聖遺物の適合者なのだから。
「今まで、ご苦労様でした」
「ああ、私と秘書はもう君達を守ることか出来ないが、君達の頑張りを天国から見守るよ。」
*****
街中、ほむらとレイナーレ達が俺達を守り、俺とクリスで逃げ回っている。俺達が逃げていた場所はデパートがあり、俺とクリスが前にデートに行っていた場所だった。気になっているのは転生者結界がまだ終わっていない。いつまで戦いが続いてるんだ?
「リリカルなのは、ハイスクールD×Dにまどかマギカだけじゃなくこの世界にまで手を出して…まだ暴れたり無いのかい?」
「…」
建物の壁から3Dで作られた巨大な人が現れた。転生者襲撃から結構時間がかかっており、驚く事はしない。巫山戯たことに時間をかけたのだろうと思って俺は無視し続けた。
「No.3の正輝くん。本来君は人を救うことなんてそんな柄じゃないだろ?」
「なっ⁉てめぇなんでそれ…」
なぜ俺の名前を知っているのか?
救うことが柄じゃないのも決めつけと言うわけではないが、それも半分は事実だ。
「こんな世界に来ても、疲れるばかりじゃないのか?」
面倒な奴だ。コソコソ隠れている人物に話すことなんざ一ミリもないね。
(挑発にのるな。話すだけ時間の無駄だ。急いで大将を探して潰すぞ)
(あぁ…わかったよ)
こいつの話は俺のことについてちょくちょく話しているのが、聞こえてくる。どんな方法で俺の記憶を知ったかは知らないが。俺は殺者の楽園を全員潰すために聞いてもなんの意味もない。
冷静になることが先決だ。
「無視は困るな。過去の君は善人だったのがなぜ残虐非道になっているのか?そしてなぜ殺者の楽園ではなく正義側にいるのか?そして、君の正義はなんなんだい?
…まぁいいや。多量の質問は後からにしようか?それと、君達から僕からのほんの贈り物を送るよ」
鍵で何かを開いたような音がした後、ホテルから何か靴の足音がする。ホテルから出るドアが開かれ
「クリス…クリスなの⁉」
「パパ…ママ⁉」
本来ではあり得ない…二人は紛争によって死ぬことになったが行方不明となっている。俺たちの目の前には雪音クリスの両親…
父親であるヴァイオリン奏者の雪音雅律と母親である音楽家のソネット・M・ユキネ
その二人がクリスと俺の前にまだ生きていた。