Justice前章:善と悪 正輝編   作:斬刄

80 / 102
正輝編76話因縁との戦闘

「フェイトちゃん…!」

プレシアの家から出てきてくれたフェイト達になのは嬉し顔をしている。

 

 

しかし、なのは達が近づくとフェイト達は武器をまだ構えていたことに

 

「私達、戦いに来たわけじゃ」

「そしたら…正輝を連れて行こうとするんだよね?」

 

なのは達も武器を収めるわけにはいかなかった。

時空管理局の言っている正輝が管理局の組員を殺していたとなれば、なのはは当然時空管理局に協力して正輝を拘束しようとする。

 

 

 

 

なのはとフェイトの二人はプレシアの家から距離を離れ、海上で戦うこととなった。

 

「正輝は、管理局の人達には何もしなかったよ。

なのはは…私の言葉が信じられないの?」

「そんなっ…フェイトちゃんっ…⁉︎」

 

バルディッシュを鎌状態にし、なのはと戦うつもりでいた。なのはからすれば友達になったばかりなのにお互い戦い合いたくないと思っている。

 

フェイトは正輝は絶対そんなことをしないという強い意志を持っており、なのははフェイトと戦うことに戸惑っていた。

 

(なのは!僕らは友達のフェイトの目を覚まさせないといけない…それに彼が言ったじゃないか!フェイト達をどうにかするのは僕らにしかできないことだって‼︎)

「う、うん!ありがとうユーノくん!」

 

彼というのは高町康太という偽物の高町家の人物であり、高町の家族に偽りの記憶を植え付け、その偽名をつけた。そして、康太は試練編の敵である反逆者でもある。

なのはとフェイトの二人は魔法の力によって空中を舞いながら戦っている。

 

 

(divain shoot)

「シュート!」

 

戦っている場所が海上のために建物がなく、飛んでゆく全て魔法の玉をお互い魔法でぶつけて消すか、それを避けながら

 

 

「ファイヤ!」

 

工夫しながらお互い思考を止めることなく、攻撃をしている。だが、それぞれの攻撃に二人とも当たらない。

 

 

 

なのはは最初にあった時以上に成長をしている。フェイトもまたジュエルシードを求めて強くなったが、二人の対決はとても長く、そう簡単に決着がつかない。

 

 

 

 

「君達は騙されている。彼は時空管理局の人を密かに殺しているんだ!」

「騙されてんのは…あんた達でしょうが‼︎正輝があたしらの家族を救ったんだ…そんなことするわけないだろ!」

 

なのはは正輝に騙されている友達のフェイトを助けるために。

フェイトは反逆者に騙されている友達のなのはを助けるために。

 

 

アルフとユーノのまた二人と同様にそれぞれ駆け回りながら攻防を。

アルフは狼になって襲い、ユーノは魔法陣で防御する。

 

 

「ねぇフェイトちゃん!もうやめようこんなの‼︎フェイトちゃんやフェイトちゃんの家族や守っている人達も正輝によって騙されて…」

「騙してなんか…ない!正輝は私達のために傷つきながらも必死に戦おうとしてる。その邪魔をしないで‼︎それでも譲れないのなら…私とアルフはなのは達と戦うよ」

 

なのはよりも正輝と長く一緒にいたフェイト達が彼のことをよく知っていた。

 

 

ジュエルシードをセイバーと一緒に手伝い、アリシアの蘇生の為に身体をボロボロになりながらも助け、プレシアの病気を治し、家族を取り戻してくれた。

 

 

 

「私はここで引くわけにはいかない…正輝には数え切れない恩が沢山ある!」

「話し合いで解決できないのなら…だったらぶつかり合うしかないよね‼︎」

 

 

 

プレシアに利用される間のジュエルシードを集めていた時のフェイトはなのは見てとても悲しそうな目をしていた。

しかし、今のフェイトには悲しそうな目も迷いもない。

 

なのははフェイトと友達であるために交渉する時に、オドオ土して本調子でなかったものの…気持ちを切り替え、ようやく本気で戦うつもりでいた。

 

 

「いくよフェイトちゃん!」

 

戦闘はまだ始まったばかりで、二人はまだ傷を負った様子も魔法で作られた服もボロボロになってはいない。

 

 

だが、二人はまだあることにまだ気づいてなかった。気付いていたら戦闘はやらなかっただろう。

 

 

なのはのデバイスであるレイジングハートに、反逆者が手を出して細工しているや、なのはにも手を出しているのは記憶だけではないということも。

 

そしてなのはも細工されたレイジングハートにもそのことは全く知らない。

 

(勝つんだ、勝って友達であるなのはを元に戻すんだ!)

 

なのはとフェイトによるこの戦いは、反逆者によって仕組まれた罠だと…反逆者以外誰も気づいてなかった。

 

 

*****

 

 

正輝は武器の投影魔術を使い、干渉・莫耶を投影し、反逆者は歪な軽量化されているチェーンソーを投影した。

 

「前回と同じ方法でお前らをあえて攻めたけど。お前らの方が優勢になってる…てことはお前、話したんだな俺達のことを?」

「…だったらなんだ」

「いんや?お前のことだからてっきり怯えて何も話すことをせずに自分で終わらせようと考えてんのかと思ってたよ?」

 

 

正輝自身の手で反逆者を殺して終わらせようと考えた。しかし、全てを正輝一人で片付けるというわけではない。

 

後から衛宮も来るようにしており、反逆者の残りの三人を正輝の仲間に任せて戦わせている。

 

「お前は確実に俺の手で殺す。俺が齎した災厄は自分自身の力で薙ぎ払う」

「悪いなぁ?残念だがそうする前に死ぬだろうぜ?俺の手で」

 

 

投影で作り出した武器を手にして、数秒間黙ったまま二人は動かず、横に歩きながら様子を見た。

 

どこで襲おうか、距離をとって避けてから攻撃するか。

 

お互い油断をすることのない睨み合いが続いていくうちに一歩反逆者が進むのを正輝の目で見て、先に行動した。干渉・莫耶を投げつけるものの簡単に避けられてしまう。

 

 

避けた反逆者は武器の持っていない正輝に狙い襲いかかった。

 

 

正輝は武器を投げたために持っていなかったが、反逆者は必ず避けられるのを想定して、投影には間に合い防いではいる。

しかし、防いでいる武器を反逆者が投影した軽量型チェーンソーの刃物によって段々と削がれてゆく。

 

 

このままだと武器ごと身体も削がれてしまう。正輝は咄嗟に投影したばかりの武器を離すと、削がれている場所がボロボロになり、正輝の武器がすぐに破壊されていた。

 

正輝の方は反逆者による投影で斬られたが、軽傷であり黒い龍で周りの負を吸収し、回復へと還元させている。

 

 

 

正輝が最初に投げた二つの剣は簡単に避けることのできるものであるために、意味もなく投げたわけではない。正輝が投げた莫耶はまるでブーメランのように正輝の方に戻ってくる。

 

 

ちょうど反逆者が襲った時に爆発させ、反逆者を吹き飛ばそうと考えていた。

 

 

反逆者が目を離している隙を狙い、首元の頚動脈を狙って即死させるつもりだったが、反逆者は首から大量に血飛沫が出ることもなく、致命傷を負ってない。

 

後ろには爆弾を纏って飛んでくる剣、前には正輝が右手の剣で首を斬ろうとする。

 

「仕留め損ねたか…」

 

 

反逆者は吹き飛ばされたものの爆風による重傷はあまり負ってなく、平然と立っている。

 

正輝の剣には血が付いており、反逆者の首に斬り傷がついて血がたらりと流れてはいるが、首から大量の血が流れることはなかった。

 

 

 

 

「イイネイイネいいねぇぇ‼︎お前が暴走して以来その残虐性と無慈悲がまだ残っている。それを仲間に何も喋らず隠し続けてるなんて大したもんだよ!」

「俺は喋るために来たわけじゃねぇ…お前を殺しに」

「悪いことは言わねぇ。そんな奴らと一緒にいるより俺達とまた手を組むといい。人を殺すのもままならない組織にいること自体気に入らないはずだろ。

いつまでそんなぬるま湯に浸るつもりだ?お前のその闘争本能潰れちまうぞ。

なんなら俺が生ぬるいお前の仲間の連中を俺達の手で惨殺して、こっち側につかせてやろうか?」

 

 

正輝は周囲に大量の剣を投影し、反逆者にむかって射出した。反逆者は自分の身を守るために王の財宝を出現させ宝剣を取り出して、空から降り注がれる幾多の無名の剣を容易く一瞬にして破壊した。

 

 

「テメェに話すことは何もない」

「それは…却下ってことでいいんだな?」

 

 

反逆者は王の財宝を展開し、それぞれの武器が相互に降り注がれ、ぶつかり合う武器が落ち、バラバラになってゆく。

 

「なら、死ぬしかないなぁ!正輝‼︎」

 

 

バラバラになった幾多の剣の刃が、豪雨のように降り注がれ二人の頭上に落ちてゆく。

 

「「解放‼︎」」

 

 

正輝と反逆者は2ndフォームとなり反逆者の方は正輝とは同じ格好ではあるものの対色になっていた。

 

正輝は勝利すべき黄金の剣を二本投影し、反逆者は王の財宝から宝剣を二つ取り出した。

 

 

「死ぬのは…お前だ‼︎」

 

正輝には王の財宝はあるが、英雄王のものは全く入っておらず持っているとしてもほむらと一緒に集めていた銃などの普通の武器倉庫として使われている。しかし反逆者の方は英雄王のものが入っており、苦戦を強いられる。

 

*****

 

衛宮が正輝に合流し、さやかとセイバー二人が差別者を倒すという計画のつもりだったはずが、敵の罠にはまり。ドームの中に入れられ、出られなくなってしまった。

 

閉じ込められた三人は正輝の元に向かうために、差別者と戦っている。

 

正輝の言う通り同じ武器や技を使ってくる。三人とも暴走した正輝を止めていた為に差別者の使う技が正輝が同じなら対処は可能だった。

 

 

けれど、トドメを刺すことができない。良いところまで、攻め続けて攻撃の手を緩めていないのに差別者はまるで自分に攻撃してもいいように誘導されている気がして、不安でならなった。

 

 

三人とも差別者の戦い方に違和感を感じた。彼の姿はまだREDとBLUEの1stフォームの状態で本気を出していない。

 

 

「えっ」

「さやか戻れ!」

 

 

差別者は前までのパターンを大きく変えて調子を狂わせ、それを狙って殺す。差別者は彼らが戦いやすいようにあえてわざと三人が動けやすいようにさせた。

 

「やばっ⁉︎」

「シャドー」

 

 

さやかが魔法で水分身をした時に差別者もまた正輝と同様に影の分身を作り出している。

 

 

「させるかぁ!」

 

さやかが差別者に斬り殺されているところを衛宮とセイバーの二人が止めようとする。

 

シャドー達が二人に襲うもののセイバーが彼らを優先して倒し、彼女の後ろで衛宮が投影魔術で作り出した剣を投げてさやかを助けた。

 

三人とも無事ではあるものの差別者が攻撃のパターンを変えたことに驚いていた。

 

 

 

 

戦闘中はどうやって敵を確実に殺せれるかつ、倒しやすくできるか対策を考える。

無策に突っ込むような男ではない。

敵を調べ上げ、弱点を狙い潰す。

その行為自体が正輝のあり方でもある。

 

差別者のやり方を見て正輝と一緒であるということ。

 

「やっぱり。あんた、能力だけ似てるって言ってたけど戦い方まで…どういうことよ⁉︎」

 

 

差別者はさやかの話を無視してシャドーに命令を下す。出現されたシャドー達は命令された後に、手から黒い武器を出現させ、さやかの作り出した水分身たちに襲いかかった。

 

「ツッ…聞く耳持たないってわけ!」

「死んでいくお前らに知る必要はない」

 

水の分身と影の分身が複数争っている中で聞く耳を持たなくとも衛宮は差別者に問いかけていた。

 

「正輝は技だけって言っているけどここまで正輝を再現しているって言うのなら…本当に何者だお前」

「これから死ぬお前らに口無しだ」

 

衛宮は彼が襲ったフェイト達のことについて確認してみた。

もしクローンだと言うのならアルフの嗅いだ匂いは偽者であるといつのを判別できた。けれど確かに正輝の匂いだった為に疑うことなく、フェイトの方も本物の正輝の魔力だった為に二人とも最初は見分けがつかなかった。

 

匂いも魔力も同じであり、クローンという説はあり得ない。

ならば

 

 

「だとするのなら…まさか、お前。アーチャーと同じ」

「まさかこいつも本物の正輝だって言うの⁉︎」

 

 

岩谷正輝がリアス・朱乃・麻紀を撃破

 

 

メールには確かにそう記されていたならば、彼は英霊エミヤのアーチャーと同じような境遇である。

差別者、その正体が未来の正輝か過去の正輝に違いない。

 

「その通りだ衛宮。俺の目的はただ、正輝を殺せはそれでいい。そして俺や過去にあった世界を帳消しにする」

「貴方は…未来の正輝だと言うのですか⁉︎」

 

差別者は過去に後悔していた。正輝を殺せばいいという台詞はアーチャーと同じような自分殺しと同じものだった。

 

 

*****

 

一対一の対決

その勝敗はあっという間についた。

正輝は投影や自分の生前に持っていた武器を駆使して倒そうとするものの、反逆者による抵抗はただ王の財宝は全く乖離剣を使うことはなく、射出と宝具の取り出して攻撃だった。

 

(なんで使わない…?)

 

突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)偽・螺旋剣(カラドボルグ)、を使ってはいるが、英雄王が集めた宝具にはアイアスの盾だけではないものもある。

反逆者もまたで突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)で殺そうとはするものの正輝も投影によるアイアスの盾で防いでいる。

 

 

 

王の財宝の射出は最後の劔で空間に亀裂を作り、宝具をそこに吸い込まらせる。反逆者の方は王の財宝だけで正輝をどうにかするような行動をとっている。

 

正輝は反逆者の王の財宝による攻防は長い戦いの中で慣らし、黒い龍と固有結界である無限の剣製を使って勝利した。

 

ようやく投影魔術で斬り倒し、反逆者の身体から多量の血を出している。

 

 

 

反逆者のこの敗北の仕方に疑問でならず、こんなあっさりな終わり方なのだろうかと。幾ら何でも早すぎる。

まるでわざと負けているかのようだと思い正輝は不安でならなかった。

「チッ、またこのパターンかよ。お前。俺を倒すときもこんな感じだったよなぁ?」

「終わりだな、反逆者。お前を倒せばなのは達や管理局達の洗脳は解けて、俺達を襲う理由も無くなる」

 

時空管理局は正輝達を襲うことなく、なのは達の方も誤解を解き謝ってくれる。

 

反逆者を殺し終えた後の残りの3人を探して潰せばいい。

 

しかし、負けていても反逆者は笑い続けて勝ち誇っていたようだった。

何かあると思って油断せずに念には念としてシャドーを使って葬ろうとしたが

 

「やっぱお前って甘いよなぁ?

 

人殺しはできても

周りに影響せずに自分の道を歩いて行くことができても

どんなに手段を選んでも選ばなくとも

 

 

 

いつまでたっても肝心なところと最悪の想定をしようとしない。そして、いつもその想定を相変わらず避けられない」

「どうでもいい…今すぐに死ね!」

 

反逆者の余裕は斬られてもなお平然としていた。

 

何を考えているのか分からない。でも、笑っているのなら何か仕掛けてくるはず。

 

そう思いながら睨み、シャドーに命令を下し反逆者を殺そうとしたが、

 

「なのはの持っているレイジングハート…果たして非殺傷設定なのかなぁ?」

 

 

それを聞いた途端シャドーの止まってしまった。

なのはのデバイスが非殺傷設定ではないというのなら、戦っているフェイトはただじゃ済まない。

「なんだと…」

するとなのはの魔力が一気に増大し、放とうとしている。

それに気づいて青ざめて正輝は杖を投影し、転移魔法を使ってフェイトとなのはがた戦っている方に向かった。

 

*****

 

 

反逆者によって洗脳されているなのはの視界には、疲弊しているようにしか見えない。

実際は血を流しており、ずっと殺傷設定で攻撃を受け続けていることで身体が悲鳴を上げている。

 

「つっ、逃げちゃ…駄目だ!」

 

たとえ、なのはに殺されそうになっても、全力を出してなのはを助けようとする。

誰かに騙されて殺しを強制させているのなら、陥れた元凶を絶対に許せなかった。

なのはを救い出すためにとフェイトは強く思い、躊躇しなかった。

 

そこまで疲弊していないなのはの方が有利な状況ではあったが、フェイトは切り札を出した。

 

魔法で周囲にある雷の玉で集中砲火し、最後に貯めた雷の槍でトドメ。

「おわった…⁉︎」

 

長い対決は終わりを迎える。とこの時は思ったが、なのははまだ立ち上がっている。

本来デバイスには非殺傷設定というものが備えてある、なのはならば殺傷設定ではなくレイジングハートを非殺傷設定に絶対にする。

フェイトの手にはバインドが付けられ、拘束される。

 

「これが私の、全力全開‼︎」

 

ディバインバスターは血を出すことなく防ぐことができたもの…なのはがとっておいた切り札、スターライト・ブレイカー。

それはバラバラになった魔力をもう一度かけ集める収束魔法。

しかし、殺傷設定を本人やレイジングハートがそれに気づかずに放てばフェイトはただじゃ済まない。

重傷は確定、死ぬ可能性もありゆる。反逆者を正輝が葬ろうとしている間、なのはが騙されていると気付かず、殺傷設定にされたデバイスと収束魔法による攻撃で一気に放たれた。

反逆者の罠だと気付かずに

「母さん、アリシア、アルフ…ごめんなさい」

 

なのははフェイトとの決着をつけるためにバラバラになった魔力をもう一度集める、収束魔法を使おうとしてきた。

 

 

「ま、さき…ごめん」

 

もうダメかと思い、フェイトはなのはの攻撃を防ぐこともなく、バインドで拘束されて泣きながら謝り続けていた。

 

 

*****

 

反逆者の狙い。

正輝が反逆者を殺した後に、洗脳を解いたなのはの収束魔法によってフェイトを目の前で殺す。

反逆者を倒したとしてもなのはは止まることはない。

そのままフェイトは防御しきれず、収束魔法によって消し炭となるだろう。

 

 

「あぁぁぁっ…‼︎‼︎クソったれがぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」

 

 

悪逆非道な策に、正輝は顔を青ざめる。

反逆者を殺すよりもフェイト達の方に駆けつけてフェイトをどうにか守らなくてはならなかった。

 

持っている宝具でなのはの大技を防げるかどうかわからない。しかし、やらなければフェイトはなのはの手で消されてしまう。

 

「ま、さき…⁉︎」

 

 

アイアスの盾でなのはの収束魔法を防ぎきった。

が、正輝の身体のいたるところに血が流れておりボロボロの状態になった。

 

 

「あ、れっ…なんで正輝さんが庇って」

「おい、なの、はっ…いい加減目を覚ませ‼︎

お前は騙されて…⁉︎」

 

 

 

なのはの攻撃は防ぐことによってフェイトを助けることはできたが、それだけで済む訳がない。反逆者はなのはを囮にし、三人まとめて殺す準備、いわば王の財宝から取り出した宝具を構えていた。

しかもその宝具は

 

 

「まさか、ここにいるなのは達ごと…俺を⁉︎」

「だから、いつまでたっても騙されてばかりいる。

周りに仲間がいない状態でなのは達は遠くで戦っているから安全だ…と。いるのは俺とお前だけだといつ錯覚した?

 

 

 

 

そういうところは相変わらずなんだなぁ?だから俺に足元すくわれる。

 

過去も今も、お前は結局相変わらずってのが敗因だったなぁ?

 

天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)‼︎」

 

 

反逆者も転移し、なのはと正輝に向かって乖離剣の宝具を放つ。

 

正輝はアイアスの盾を展開したが、凌ぎきれない。

幾ら盾の宝具であってもゲイボルグの槍で貫通されかけている。

 

複数アイアスの盾を作り出さなくてはならない。

 

 

「うそ、なんで…どうして」

 

 

そして、複数作り出したアイアスの盾の投影魔術によって正輝の身体が悲鳴をあげていた。

 

 

正輝が海に落ちていくのをフェイトが必死に助け、陸に寝かせている。

それを見ていたなのはは、動揺してならなかった。

 

まず、正輝が管理局の人達を殺しフェイト達を騙しているはずなのになんで身体を張ってフェイトやなのはを助けたのか。

もう一つは康太の力でなのはまで殺そうとしてきたこと。

気がついた時にはフェイトの方も擦り傷の状態で、血塗れの正輝を見て、なのははやっと自覚した。

 

 

本当は自分達が騙されたことと、取り返しのつかないことをしてしまった事に。

 

「あ、あぁぁぁ…私、わたしは」

「正輝、正輝っ!嘘だよね…ねぇ返事してよ!」

 

フェイトもまた怪我はしているが、泣きついて正輝を叫んでいた。正輝の方は心臓の鼓動はあるものの一歩も動くことはできない。

 

 

投影魔術の使い過ぎで身体を立つ力を入れることもままならず、寝転んだままになっていた。

 

(申し訳ありませんマスター…私も気づきませんでした)

 

レイジングハートが反逆者の手によって殺傷設定にされてしまったことに。レイジングハートの方も反逆者による設定されたことには気づかなかった。

 

なのはと同様に視覚や記憶、殺傷設定まで操られてしまったのだから。

 

「嫌…嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁアアアアア‼︎」

(なのは…なのは!一体何が‼︎今からそっちに行く‼︎)

 

なのはの叫びは虚しかった。

正輝に騙されているフェイトを助けたかったはずが、その正輝もなんとか更生させようと頑張っていたはずが、結果的に二人を殺害することになったのだから。

 

命懸けで守ってくれた正輝のおかげでフェイトとなのはが死ぬことはなかったが、自分が無自覚でも人を殺そうとしたことに、酷く後悔している。

 

駆けつけてユーノとアルフは、二人を見て驚いた顔をしていた。

 

 

「なにが、どうなってるの…正輝‼︎‼︎フェイト‼︎‼︎」

 

怪我を負ったフェイトは正輝にしがみ付いて泣いており、青白い顔をしていたなのははフェイトと正輝の返り血が付着しているレイジングハートを握りしめつつ、泣きながら怯え震えている。

 

「なのは…これは、どうしてこうなったのか教え」

「レイジングハートが勝手に殺傷設定に変わって、私もそれに気づいてなかったの。

私の収束魔法を正輝が防いで、今度は康太さんが私を含む三人を殺そうとして…それも、正輝さんが守ってくれたの。

…でも、こんな、こんなことするつもりは…」

 

正輝の大怪我を見て、なのはの懺悔と手の震えが止まらない。

アルフは呆然としているユーノの襟を掴んで怒り飛ばした。

 

「どういうことなんだい‼︎アンタ達‼︎‼︎」

「…そんな、でも今まで彼は僕らの為に‼︎

それに正輝は時空管理局の人達を…聞いてない、こんなの知らないんだ⁉︎」

 

ユーノはなのはと同じように本当にフェイト達を助けたいがために立ち向かった。

それが、こんな結果になることは考えてなかった。

 

 

「傑作だなぁ〜。やっぱり正輝は大事な人を助けるために身を投げ出したか。あの時に俺を殺せば…なのはかフェイトのどちらかを犠牲にするだけでまだ勝機があったってのによ?

 

 

 

さて、これで5人とも俺の手で死ぬわけだ‼︎」

「康太さん、なんで」

「お前らさぁ?高町康太って人物いるって最後まで信じすぎだろ。

 

まぁ騙されるところはたくさんあったから笑い堪えるのに苦労したもんだ」

 

混乱している三人に、反逆者は横から割って入る。

彼らの無様な姿に高笑いしていた。

ユーノとアルフは魔法でフェイトとなのは、正輝を殺そうとする反逆者をチェーンバインドで足止めした。

 

(フェイトと正輝を殺させない‼︎)

(僕らの気持ちを弄んで…絶対に許せない!)

「そんな雑魚い魔法で勝てるわけねぇだろ‼︎」

しかし、拘束魔法は簡単に投影した武器で粉々に粉砕されてしまい、全くの無意味となった。

(ユーノ、正輝とフェイトを回復させて…)

(分かった…)

 

ユーノは正輝を魔法で回復させ、アルフは走りながら突っ込み、バリアブレイクで反逆者の防御を崩そうとした。

 

 

「よくも、正輝を…フェイトを‼︎」

「アルフ!ダメ‼︎」

「ほう?じゃあ面白半分に、てめぇがどれだけ頑張れるか試してやるか」

 

反逆者は逆転を使うことなく魔法防御で防ぎ、アルフは両手で防御をこじ開けようとしていた。非常に硬く簡単にこじ開けられず弾き返された。

 

 

「なのはのデバイスを殺傷設定に変更させたのが俺であるというのも、なのはごと吹き飛ばそうとしたのも

 

全部俺がやったことだ」

「許さない…絶対に許さないの‼︎」

 

なのはは泣いて震えながらも反逆者を睨みながら、レイジングハートを構えていた。

こんな形にするつもりは二人はさらさらなかった。こんな形で騙され、なのはは騙された自分自身に、ユーノまで巻き込んで騙した康太ではなく反逆者を敵視した。

 

「まぁ、正輝が虐殺の大罪人であるのは偽りじゃない全くの事実だがな」

「正輝が…虐殺の大罪人?まだふざけたことを。もう、全員騙されないよ‼︎」

 

反逆者がわざとみんなに聞こえるように呟いた。それでも四人は正輝が酷い存在であるとは全く思っておらず、標的は反逆者だけになった。

 

「ユーノがいくら魔法で回復したところで丸4日で全回復は無理だろうぜ?

どうせお前ら死ぬんだ。

冥土の土産に教えてやるよ。

 

 

あいつが散々苦しんで悩み続けた過去。正輝の幾つもの罪を…な?」

 

 

*****

 

フェイトの家では…なのは達が出てきて管理局の勢いが出ていたものの、シンフォギア勢力も負けてはいられなかった。

 

 

プレシアの方はアリシアとまどかの二人がアイテムを使って魔力を回復させているので魔力が尽きることなく、魔法防御も弱くなることはない。

 

長引いていくうちに上条の幻想殺しで局員達のデバイスを壊され、戦力を段々減らされていっている。デバイスを使うことができなくなっているといってもリンカーコアさえあれば戦うことは可能だ。

 

 

 

時空管理局の局員達は体力に限界がきてしまい正輝の仲間達に対処しきれなくなっていった。リンカーコアだけでは対処しきれず、戦力は格段に下がっていった。

 

 

(一旦引きましょう…このままではまた犠牲者が増えてしまいます)

「しかし艦長!」

 

 

リンディの恐れていたことは死人が出てくること。

 

プレシアの家を襲撃して捕えようとはしたが、突然の介入者達によって死亡者を出してしまったこと。

彼らが何者なのかはわからないが正輝の仲間も襲っているために彼の配下ではないと言うのはわかる。

 

また襲撃する時には油断してはいけないと局員達には言っているものの、第三者の手によって襲撃され戦死者を出したのは事実。

 

 

出来るだけ彼らが出てくる前に正輝の仲間を拘束し、正輝を捕らえることで終わらせるつもりだった。

 

デバイスを壊して抵抗できないようにする方法で迎え撃つとは全く思わなかった。

 

「正輝が殺した大罪人だって言うのなら…ならこっちからも聞く!俺たちが正輝に利用されているっていうのならなんで死人が出てないんだよ‼︎」

「つっ⁉︎」

 

正輝の仲間達は管理局の局員達を殺すことではなく気絶させたりしているだけ。彼らとの戦闘で死ぬことは全くない。

死者がゼロであるということだ。

リンディの息子であるクロノも標的にされるかもしれない。

 

「こんなこと続けたら、前回と同じように第三者の介入者達って奴らが横槍してきてまた死人が出てしまうぞ!それでもいいのかよ‼︎」

「艦長!耳を貸しては」

 

 

時空管理局の話によると正輝は局員を殺しだということではある。

映像で正輝が管理局の人達を倒したのを見ている以上、彼が管理局に手を出したのを目にしている。

 

しかし、そうだとすれば少なくとも殺そうとしない正輝の仲間達にも強制的に人を殺す暗示をかけ、彼らは容赦なしに管理局に死人を出してもおかしくはない。

それなのに生かされている。

 

 

正輝の仲間達を見たリンディは苦い顔をしていた。死人が出てきたのは第三者の介入によって死亡者が出てきてしまった。

 

 

 

「撤退します…これは艦長命令よ」

 

 

クロノ達もやむなしにリンディ艦長の言う通りに撤退せざるおえなかった。

 

 

これ以上死者を出すのを恐れというのもあるが、リンディは何かが引っかかると段々半信半疑になりつつある。このままの状態で戦闘を継続させるのは危険でもあったために撤退という形になってしまった。

 

 

「ようやく、立ち去ってくれたな」

「良かった〜!今回はみんな死なずに済んで」

 

 

 

 

時空管理局はこうして撤退している。クローン達も襲って来ってきていないということはレイナーレ達やアーチャーと凛の6人がどうにかしてくれている。

 

 

(みんな、お疲れ様。やっと一息つけるわね?)

 

プレシアの方も魔法を使える余裕はあるものの防御に集中して体力的に疲れていた。

先方で守っていた正輝の仲間達も時空管理局相手に人を殺すことなくデバイスを破壊するという方法で彼らを退けた。

 

正輝の試練編が終わるまでの間に全員がアーチャー達と堕天使達の方に助けに向かっても人を殺せないっていう時点で邪魔になる。マミだけでも行ってもいいが、一人で行かせるのは危険なのでここに残ることになった。

彼らを待つまでの間、時空管理局との戦闘で疲れていた立花達とプレシア達は休息を取ろうとする…そのはずだった。

 

 

 

 

「ざけんなゴラァ‼︎‼︎何がみんな死なずに済んだだよ…俺の出番を台無しにしてんじゃねえよ‼︎‼︎」

 

 

一人の男が盛大に自分の位置を分からせるように大声で叫んでいた。

銀色の髪をした緑色の瞳をしたチャラい格好をしている男が立花達の方に歩いてきている。彼の背後には前回の時に襲っていたのと同じような姿をした2人のクローン達を連れていた。

 

 

「つっまんねぇなぁおい‼︎見ててイライラしかねぇよ‼︎着いたと思ったら暗殺しろって命令されているはずのクローン達はいない、時空管理局は逃げやがったし、しかも誰も死んでないのが一番許せねぇ!死人が出てなんぼだろうが‼︎人殺しのない糞生ぬるい戦闘ばっかしやがって…

 

 

 

だったら俺が勝手にてめぇら殺してもいいよな?…あ、言っておくがお前らの答えは聞くつもりはないぜ‼︎」

 

 

正輝の方は敵がどんな行動をするのかは過去で何かあったのかというのを一番よく知っている。

 

しかし、正輝は憎悪者だけがどこに向かうのかは分からなかった。

気分で動くというの言ったもののプレシアの家の方に辿り着いてしまった。

 

 

「嘘だろ…⁉︎」

 

出来ることとしたら気絶ぐらいにしかできないため、三人が相手でも多人数で攻めればどうということはない。

が、人を殺せる者は誰もいないというのは彼らにとってはかなり酷だろう。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。