差別者の言った、自分が本物の正輝であることに三人は驚いた。
「何、言ってんの?」
正輝は作戦開始の前に差別者のことを偽者だと言った。けれども、能力だけコピーした偽者かと思って向かっていったはずなのにまさか未来の正輝と戦うとは三人とも思っていない。
「これを見れば、理解できるだろう」
差別者は正輝の過去を三人に負の具現化で映像で見せた。
最初は、闇と光による差別世界で生まれ、運悪く闇として生まれてしまったこと。
姉もまた闇として生まれており、正輝が7歳の頃に仲良くなっていった。
しかし、周りからの偏見が心に痛んだ。
外敵から人を守る存在として誰が姉か弟か選択されるか上層部から問いただし、弟は挙手した。
しかし、その挙手は家族を守りたいがための挙手であり人を守るなんて微塵も思っていない。そして姉とは隔離され、そのまま人を守る傭兵として強制的に働かされた。
自閉症であり、コミュニケーションもとれず、人間関係がうまくいかなかったのも、闇という存在で穢れていると嫌われていたために虐められていた。
一人で物語を作ったり、ゲームをしたり、絵を自由に書くことに楽しんでいる。
恋もままならず、楽しくもない。
この生活がたまらなく苦しくてならなかったから、もう自殺しようと考えてしまった。
なんのために戦っているのかよく分からなくなってしまう。けれど、反逆者がその行為を止めてくれた。
【もう壊れてもいいじゃないか?】
聞こえてはいるものの見渡しても反逆者はいなかった。
その時の四人は危険な存在であったために黒邪教本というものに封印されてしまったおり。
その本を所持したことによって黒い龍が最初に手に入れ、想像した生物を負を吸収することで具現化できる。
その黒い龍の名はD-ダグス
dark-dragon gilty sadness
夜に正輝は顔を隠して警備員を暗殺し、奪って逃げた。その次の日の朝、彼らは本を奪った犯人探しをしようとしていた。
「お前が犯人だな!」
いつも悪いことばかりは当然、正輝に押し付けらてしまい、勝手に犯人扱いされ責めたててる。けれど正輝自身全くなんとも思っておらず、心を閉ざして、感情を殺し、虐殺を行った。
黒邪教本を手にし、反逆者、憎悪者、無情者、差別者の封印を解き最初の命令を下した。
【俺に逆らう奴ら全員皆殺しにしろ】
無情者と憎悪者の二人が武器で彼らのそばにいる人の頭を砕き、彼を逮捕及び危険人物として銃殺で警察も動いたが無意味だった。
誰一人残らず全員殺す。
人生を狂わされた彼らを八つ裂きにするために。ただ、反逆者は狂った正輝を見ながら楽しんでいた。
自分の想像が具現化され、何もできずに逃げてゆく彼らを遠距離から狙い撃ち、四肢を切断し、殺し続けていたこと。
『助けてだってさぁ!おいおい良く言うぜ‼︎一番助けて欲しかったのはこんな状態にさせた正輝だってぇのによぉ‼︎』
結局、虐殺によって正輝一人だけポツンと死体の山に座り、無表情になった後に、気付いた時には死ぬほど後悔した。
召喚によって呼び出した四人は自分を騙したことに許せず、ただひたすらに彼らもがむしゃらに殺していった。
殺して殺して殺し尽くした。
その後は捕獲されて檻に入れられた。
東西南北という4つに分けられた本部があり、正輝は東本部に属している。
檻に入れられたのは殺人容疑ではなく暴走している正輝を抑えるために入れた。
殺人による裁判が行われるのだがその結果は無罪という形で正輝が起こした事件は闇に葬り去られることになった。
『必ず後悔するぞ』
差別者の言葉が耳によぎり、これ以上正輝以外の人物が関与しようとしてくるのなら東本部が異能な力を持って全力で消し炭にする。
ただし、その組織の都合の良いよに利用され、彼らの闇を暴こうとする輩を殺す役目を引き受けざるおえなかった。
武器を持つことに怯える自分と、力に頼って悠々と浸っている自分がいた。
差別者は過去の自分を殺し、世界も過去もなかったことにするつもりでいた。
「…だから正輝は…あたしらに」
反逆者達を倒した後もたとえ悪口でも、冗談でも侮辱される言葉だけで人を殺す衝動は収まらなかった。
差別者は沢山の人を殺し続けることを選んだ。正輝は殺戮の戦場に自分から出向いて血肉の戦いに疲れるから、戦うのを止めた。
その二択の存在がいる。
二人が唯一共通しているのは大事な人を選択し、それを守り、それ以外は全て斬り捨てる。これは差別者でも衛宮達のいる正輝にも共通していた。
差別者は自分の過去を誰が知っていようが無差別に殺すから関係ない。
正輝は過去を知って大事な仲間に怯えることに恐怖したために言えなかった。
「自分の意思を否定され続け、馬鹿にされる、変な風に思われる、差別される、そのせいで苦しむ人があるならその人はこう思うだろう。こんな世界は要らないとな。いいじゃないか。人は自分の知らない内に誰かが死んで行く。一日で死者なしなんて可笑しいだろ」
殺し続けることを選択した彼には完全に一日一殺のような思考だった。
正輝は仲間ではなく自分の手で直接殺すことが多かった。
反逆者達を倒した後もたとえ悪口でも、冗談でも侮辱される言葉だけで人を殺す衝動は収まらなかった。
どちらにしても両方を取ったところで正輝の過去は正気の沙汰じゃない。大人にもなっていないのに虐殺を体験したというのはとても残酷な事である。
さやかとセイバーは映像を同情せざるおえなかった。正輝は立花響を否定した理由は自己犠牲と偽善な対応、上条にもまた話はできても彼らのことは好意的印象では全くなかった。
正輝もまた大事な仲間を助けるという『自己犠牲』なのだ。
英霊エミヤは全てを救うことは考えずに何かを切り捨て。
衛宮士郎は美樹さやかと同様に全てを救いたいがために自分を犠牲にする。
正輝、アーチャー、衛宮、立花、上条…彼らに唯一共通するものは自己犠牲というものである。
しかし五人全てのやり方が全く違う。
そして、正輝の場合は
愛する者、親友、家族、自分にとって重要な存在…それらを守りたいがための自己犠牲。それ以外の者は全て切り捨てる。
「ふざ…けるな‼︎」
アーチャーと同じようなこと…自分殺しを目の前の未来の正輝が実行しようと考えているに許せなかった。
今までの人生に後悔しているという時点で。
「あの世界があったから、
あんな法があったから、
あんな人生だったから、
彼らのせいで踏み躙られたから
上の連中の操り人形にされたから
『俺』という紛い物が出来てしまった」
「ふざけんじゃねぇェェェ‼︎」
衛宮は差別者に激怒した。
確かに見せた過去はあまりにも悲しいことだらけで、三人とも正輝の過去のことは否定できない。
間違った理想だったから絶望し、自分の人生をなかったことにする。自分殺しという行為と人生に後悔すること自体が許せなかった。
「正義の味方。所詮俺達は人間なんだ。たとえ人を何人いや何百人救っても、一日進むだけで誰かが死んで行くのを何で思えない。被害者が復讐して何が悪い。罪は罰だ。いくら人が傷つくことを否定する綺麗事を並べても人を殺して己が生きるという現実は変わらない。
どの道あいつの計画によってこの世界は正輝か、反逆者のどちらかしか居なくなる。結局、お前の夢もまたただの自己満足に過ぎないだけだ‼」
「確かにお前の言うとおり正義の味方は自己満足にすぎないだけかもしれない。
けどな、助けるという目的はずっとこれからも変わってなかった!味方を殺さないそんな正輝がセイバーや俺、フェイトとアルフ、いろんな人を救った‼あいつは簡単に殺したり人を傷つくようなことはしない‼
それでもあいつは懸命に生きて、目の前の障害に戦っている!
だからお前のことも認めない‼あいつとお前は別人だ‼間違った理想は今この場にいない正輝の代わりに俺自身の手で叩き潰す‼」
「これを見てもまだ立ち向かうつもりか…なら邪魔をする三人を殺して、正輝を殺して終わりにする」
黒い龍だけではない阿修羅、金剛力士、化け物が差別者の背後に次から次へと作り出す。
彼は転生者のように特典で戦わないが、正輝のような黒い龍だけはなく黒い負の具現化で多くの生物を形取ることができる。
衛宮は魔術投影で自分の周りに武器出現させた。
「全投影連続掃射‼︎」
「奴らを八つ裂きにして…食らい殺せ‼︎」
衛宮は半端者ではあるが、勝てない道理はない。負によって具現化された生物は少しずつ消されてはいるものの多くの剣に刺されても襲うのをやめない。
バラバラになった負が再度集まり具現化されたものを構築されてゆく。
衛宮だけではあまりにも多すぎて複数の投影物では対処しきれない。
普通の剣を大量に射出するだけでは彼らは倒れない。それでも
「正輝も仲間も誰も死なせないよ!」
「士郎一人だけではありません!」
さやかとセイバーが衛宮の前に入って近づいてきた生物達をなぎ払った。映像を見て二人とも動揺することなく、強い意志で戦っていた。
正輝の過去は酷く見ていられないものもあった。
それでも、三人は見て彼の過去を知っても、拒絶したり拒むつもりは微塵もなかった。
セイバーは自分の過去に後悔し、衛宮と出会って変わっていった。
その過去にまだ後悔している差別者はまるでアーチャーのようでならなかった。
さやかには正輝に助けられ、もう一度人生をやり直してくれる機会を与えてくれた。
「「正輝(あいつ)(彼)の人生が無意味だなんて絶対に言わせない」」」
「これ以上は話をしても無意味か。俺は、英雄殺しだ。俺に仇す敵は…化け物でも英雄でも、普通の人でも全て皆殺しにする」
*****
反逆者もまた差別者と同様に正輝の過去の話を終えていた。聞いていたなのは達とフェイト達は唖然として倒れている正輝の方を向いていた。
なのはの方は正輝の話を聞いてはいるものの自分の行った行為に悔いることで精一杯だった。
フェイトは正輝の悲しい過去を話を聞いていくうちに涙が流れていた。
「そんなの…そんなのって…!」
「と、いうわけでぇ!正輝は人を殺すことに慣れてしまいましたとさ。
皮肉だよなぁ?
理不尽だと思わないか?
同情、悲嘆、悲哀、自虐、発狂
自分で自分を疑い、嫌ってしまう。それを地獄を経験していたからこそ見てしまったんだからなぁ?
そして正輝の虐殺行動。
守っていた同じ歳の奴ら、差別した大人達、誰であろうと無差別に。
敵も味方も容赦なく、自分さえ良ければそれでいい。
目には目を、歯には歯をって。
それを教えたら奴らの鬱陶しい舌を針でえぐって、殺すぞって言ってくるやつには直接本気で殺して、自制心もなくなったから手が止まらないんだなってな?
あいつは俺の人形ってわけ。
それ以降俺達を倒したとしても。
人に打ち解けたり、更には恋することもできず、青春もなく。
暗い道ばっかり進まざるおえなかった。
ま、そういう人生だったから仕方ない仕方ない!だいたい俺が止めなかったらリストカットだの切腹だの自殺で死んでいるわけだし。
元は俺という命綱のおかげで生き残れたんだぜ?
命だけあっても寂しい世界で暮らしってのはとってもつまらなくて哀しいもんだねぇ?だって友達も恋愛も過去で負い目を負ったために強く生きることも出来ない
あいつの人生は俺の救命以降、生きたところで冴えなく終わってしまいましたとさ!めでたしめでたし‼︎」
「黙って…」
正輝の過去をふざけて語っている反逆者に聞いていた四人は彼を魔法で攻撃したくてならなかった。が、三人は攻撃しても反逆者の身体には絶対に届かない。
アルフの自分の拳に入った力が自分自身に返ってきているために殴っても無意味なのは分かっていた。
「にしても、転生して正輝の奴に会ってまさか仲間はいるとは思わなかったが、あいつら面倒な連中だったな。
全員気楽に殺人が可能な奴らだったら気が楽だったろうに。
同情してくれる奴が欲しかったのか?正輝の仲間のほとんどが暗い過去ばっか持っていてそれで傷の舐め合い同士の集まりか?
ま、仲間として受け入れてもお前らを含めて…英霊、魔法少女?
人間を辞めてるやつもいるんだろう?
いるといってもそこにいるクローンなんて法律的に違反してんのによぉ?
そう言えば光の連中は人間だったなぁ?
だとしたらよっぽど人が嫌いだってなら…てことはあいつの選ぶ仲間もあいつ自身も人外で化け物が好きってか?だとしたらあいつの好みってゲテモノ揃いってわけか‼︎‼︎」
正輝と彼の仲間も侮辱し、フェイトの家族や正輝と彼の仲間を化け物扱いしたことに、とうとうフェイトの頭にきてしまった。
「黙れぇぇぇぇぇぇ‼︎」
「フェイトちゃんダメ‼︎」
クローンであることに正輝や母親に偏見な目で見られて、拒絶されるのが怖くてならない。
けれど、二人は人間じゃないクローンである自分を許して、受け入れてくれた。
それが嬉しくてならなかった。
「アホか?正輝に聞いてなかったのか?そんなことしても無駄だって。
俺に攻撃なんざ届かねーよ。
そういえば正輝の話もあったけどこれも聞かせなきゃな」
反逆者は能力である逆転でフェイトは自分の攻撃を受けてしまう。
反逆者は録音機を取り出し、流れていたものはまだなのはとユーノが康太という人物を信じていた時、フェイトと戦う前の話だった。
*****
「正輝が、時空管理局を襲っていたんだ…」
「なんで⁉︎なんでそんなことを‼︎」
それはまだなのはとユーノの二人が康太(反逆者)を信じていた時の話である。二人は正輝のやったことを聞いて信じられない様子だった。
「彼がそんなことをするような男じゃ…」
「なのは、これは俺たちにしか出来ないことなんだ!」
「⁉︎」
反逆者はユーノの話から横に入って二人を焦らせた。
フェイトと友達ならその友達を危険な人と一緒にいたら、彼女の命の危険が起きる。正輝の仲間もまた彼に利用されているんじゃないのかと。
「正輝を更生させてあげなきゃいけない!フェイト達が危険ならそれを助けるのが君の役目だ!正輝は俺がなんとかする‼︎」
なのはは友達であるフェイトと戦わなければならないことに戸惑っていた。
「フェイトちゃん…」
「行こうなのは、ユーノ。彼を見つけに!そして彼の犯した罪を償ってもらなきゃいけない。
なのはは正輝に利用されているフェイト達と戦わなければならない…正輝の手からフェイトを救えるのは な…なのは…友達である君だけしかいないんだよ‼︎」
「…正輝さんが。そんな」
ユーノは釈然とはあまりできなかったものの受け入れざるおえなかった。なのはの方は
「フェイトちゃんを助けるために…分かったの!行くよレイジングハート‼︎」
(yes!mymaster‼︎)
決意を固め、フェイト達を助けたいがために二人は急いでフェイトの家に向かった。
そこで1人部屋に残っていた反逆者は不気味に笑っていた。
その笑いは止まることなく段々声が大きくなっていった。
話す時点で疑うこともない状態でどんな結末になるかも知らずに純粋な心が乱れ狂うのか反逆者は楽しんでいた。
なのは達との話が終わり、笑い終えた後に
「二人とも…
ばっかじゃねぇぇぇぇのぉ‼︎マジになって騙されてやぁぁんの‼︎お前ら2人は俺からして見れば最高の道化だったぜ‼︎」
その言葉の直後、録音機に流れた音声は途切れた。
*****
「なぁーんて。あの時の心配そうな表情はマジで大笑いしそうだったなぁ?話を聞いて疑うことなく二人とも見事な騙されっぷり。
信じすぎ、チョロすぎ、都合良すぎ、そして上手く行き過ぎ…一瞬俺が上手くいくように誘導されてんのかと思ってしまったぞ?
でも騙している俺は悪くないぜ。
こういう時誰が悪いのかは決まっているんだよ。
気付いた時には既に遅し。悪いのは信じ込んで騙された『お前ら』ってな?」
二人は悔しく思っていた。
偽りの記憶を植え付けられ、気付いた時には彼の操り人形にされて、都合よく振り回されていた。
「そこを動かないで…!」
「撃てるのか?この俺を」
なのはがレイジングハートを構えて魔法で倒そうとしている。魔法を使って倒せば洗脳が解かれて反逆者は終わる。それでも彼は余裕の表情を見せていた。
「ハハハッ‼︎‼︎この状況をまだ何も分かってないなぁなのはぁ‼︎
こうなることも俺にとっちゃあ想定済みなんだよ!さぁ、その殺傷設定で俺を殺せばいい!
確かに、フェイトやユーノ、フェイトちゃんや正輝は危険な状態。
しかも俺は三人の命を狙い、止められるのはお前しかいない。
だが、そのレイジングハートは殺傷設定を固定設定されてあるから俺を殺して止めないといけない。
さて、そのデバイスにある引き金を引いて俺を撃って殺してみろよ‼︎ま、結果として残るのは友達の目の前でお前が人を殺したことっていう事実になるけどなぁ?
9歳の子が魔法っていう凶器を使って殺す…俺が死んでもお前にトラウマが残せれるのなら悪くないねぇ!しかも、武器を向けるのなら殺せれるってことだよなぁ?」
それを聞いたなのはは魔法を使いたくてもデバイスが殺傷設定なために
震えて使えず、殺すことに手が震えていた。
なのはは人を殺すことの恐怖にいくら反逆者が待っても攻撃しようとせずに撃つことができなかった。
「隙がありすぎ。そのせいで笑うところが多すぎて何も言えねぇ」
反逆者は動けないなのはを強く掴んで壁に投げ飛ばし、ぶつけた。
正輝の意識が薄らいでいるなか、目の前で反逆者がトドメを刺そうと王の財宝を展開して殺されそうな状態だった。
ユーノがいくら正輝を回復しても身体が動かない。アルフもフェイトもなのはもユーノも反逆者のせいで全員殺されてしまう。
ヤメロ、と呟いた瞬間。正輝の意識が、目の前が、真っ暗になった。
岩谷正輝はそこらじゅうにある負を大量に吸い取り回復に還元させた。
目的は二つ、なのはとフェイト達を助けるため、そして
「■■■■■■‼︎‼︎‼︎」
「ま、さき?」
「おいおい、何かの冗談だろ?」
目の前で四人を殺そうとしている反逆者の血肉を一欠片も残らず駆逐すること。
*****
人数的にはプレシア達の方が上回っているが、敵である三人はかなり殺し慣れている。
レイナーレ達にすぐに戻って欲しいと言っているものの
(こっちも手が離せないの!)
(アーチャー達まだ終わってないから、ここを離れるのは無理っす!)
時空管理局を追い出すだけで誰も死ぬことなく終わるはずだったが、生か死かの戦いまでやらなければならなった。
シンフォギア勢力は殺しをすることはできず、防御しなければならない。
加勢してくれる上条の方は幻想殺し以外はただの人間だ。
その為に加勢したくても普通の高校生がどうにかできるわけがない。
そもそも、普通の人間が刃物で一回で深く切られるだけでも只では済まないのだから。
「にしても、正輝にしちゃあ甘っちょろい奴らばっかいるな?てっきり殺人OKの連中共だと思ってたんだが…殺せないとか?つまらねぇ〜連中だなぁ‼︎」
「くっ…!」
無情者が作り出した二人のクローン達を翼と奏、立花と上条の四人で抑えている。
シンフォギア勢力達が時空管理局と戦っていたために結構疲労が出ていた。
(まどかが危険な状態ならすぐに戻る、これは絶対よ。その代わり憎悪者が私が殺すわ)
(仕方ないわね…いいわ。けど、はやくこっちに来るように急いでね…)
殺す側の人達がプレシアの家に侵入されたら入っている人達は倒されてしまう。
ほむらの方はまどかの無事が絶対であるためにクローン達を足止めしていた杏子と堕天使二人に任せてまどかの元へ向かっていた。
マミの方もクローン達がこれ以上出てこないために三人の元に加勢しに向かうことになっている。
異常事態はそれだけではなく、突然アルフが念話してクリスに呼びかけた。
(クリス!正輝が…正輝がぁぁ。様子がおかしくなって、変身して‼︎)
「ちょっと待てそれどういうことだよ⁉︎」
突然、アルフが泣きながらクリスに念話をしていた。
正輝の方はフェイト達と合流しているものの反逆者の方は倒されていない。それどころか苦戦していた。
反逆者がなのは達やフェイト達を殺そうとして、正輝が突然変身して暴走した。
なのはは利用され、反逆者によって吹き飛ばされてもう動ける相手は誰もいない状態の時に、ユーノが回復している途中に
黒い鎧に変身した正輝が起き上がって反逆者を徹底的に嬲り殺しにしていた。
どうやって変身したのか分からないけれどとにかく正輝が不味い状態になっていた。今の正輝は反逆者を殺すのに無我夢中になっていた。
(反逆者っていう奴は逃げてしまったし…正輝の変身が解けた後もまだ殺すってだけ呟きながらいくら私達が返事をしても届かないし、止めようとしても一向に動いているんだよぉ…)
殺されないために反逆者が逃げ去り、正輝はどうにか変身を解いたものの元の姿に戻っても落ち着きが全くない。
「おい…そこにはなのは達とフェイト達がいるんだぞ⁉︎そんな場所で正輝がまたあの状態になったら「そりゃあいつのことだから当然仲間殺しっていう鬱展開になっちまうなぁ‼︎」テメェ…」
英雄殺し化した正輝は仲間でも攻撃すし、殺すことを厭わない。それで正輝が四人を傷つけたらそれこそ正輝は二度と顔合わせできなくなってしまう。
雪音クリスは心配になって正輝のいる方に向かうことにした、このままだとフェイト達となのは達を正輝が暴走した状態で殺す事だってありえる。
「あいつを止めに行けるのはあいつの過去を一番よく知っている私が…あいつの痛みを受け止めれる」
誰が止めに行っても正輝は絶対に止まらない。
マスター・オブ・ザ・リンクで正輝の痛ましい過去を全て見て、それを受け入れたクリスだけが彼の唯一の救いであり理解者でもある。
「正輝のことは私に任せてくれ‼︎だからそいつらのこと…頼んだぞ!」
正輝の暴走はクリスによってどうにかなるだろう。
だが、プレシアの家を守る前衛が上条、翼、奏、立花と四人になってしまった。
上条は普通の高校生な為に力になれないため、結果としてシンフォギア勢力がクローン達2人と憎悪者を倒さなければならない。
前衛が四人と言っても後衛からプレシアの攻撃魔法と誠治と蒼海の二人の妨害魔法を使えばクローン達はどうにかなるものの憎悪者は分からない。
そこで、翼一人で憎悪者を倒すことを言った。
奏と立花は感情的に戦うために彼に流されて倒されてしまうため、翼の方が三人よりも戦いにおいて冷静さを一番持っている。
何より翼の持っている『影ぬい』というもので動きをとらせないようにするだけだもいいのだ。
だが、立花は
「時間を稼げばいいんですね!私に任せてください‼︎」
「⁉︎幾ら何でも無茶だ‼︎」
「翼さんや奏さんの二人は私よりも戦い疲れています!だから…」
自分から彼をどうにかすると言っていた。立花は殺すことに恐れていたために翼以外の二人はクローン達をどうにかするだけで良かった。
けれど、立花よりも翼や奏の方が時空管理局の戦闘員に狙われることが多かったために体力の消費が激しく、憎悪者との戦闘の途中で支障をきたしかねなかった。
翼がはたして憎悪者相手に疲労した身体で少なくとも時間を稼ぐというのも一歩間違えれば死ぬこととなる。
ほむらが来るまでの間に誰かが憎悪者と戦って時間を稼ぐというのは雪音クリスであれば可能だったかもしれない。
が、アルフの念話で誰も正輝を止めに行かなかったら四人は反逆者に殺されてはいないものの正輝が暴走して殺そうとしてくるためにただじゃ済まない。
雪音クリスが離脱したために翼が適任だと思い立ち向かおうとする。
それなのに立花が行くことになった。
「それに、正輝の約束を破れば‼︎」
「正輝さんの約束は…必ず守ります!私に任せてください‼︎」
約束としては相手を殺さず、自分も死なないというその条件をクリアするにはかなり厳しいものである。
正輝と同様に憎悪者と真っ向で戦えば確実に負ける。
「おいそこの甘々。一応、一つ言っておく。それで殺す側が殺せない側を実力で殺すことも倒すこともできないっていうのは相当の恥なんだぜ…俺のこと舐めてんのかテメェ?
だから俺を殺さないように努力しようがそんなもん俺には関係ねぇ。お前が俺を殺さないのなら俺は殺すつもりでじっくりとお前の肉を削ぎらせてもらうかぁ?」
(私が正輝さんに勝ったとしてもあれは衛宮とセイバーさん…上条くんのおかげでどうにかなった。
私一人で。
いやダメ…正々堂々正面でたち向かったら捕まえられて斬られて終わりだ。殺すことのできない私には彼に勝ち目はないのかもしれない…なら、今私のできることは彼と戦って時間を稼いで自分が絶対に死なないこと‼︎)
立花の だけが体力的にも有り余っており、殺さず自分も死なないのなら時間を稼ぐとしても逃げるだけで十分だろう。
しかし、そう簡単にうまくいく相手ではない。その時、上条は立花の隣に近づいて
「俺も行く。お前一人にさせるわけにはいかない」
「上条さん⁉︎」
彼が武器を使うのは持っているために見れば分かる。
しかし、その武器が投影魔術などの異能な力を持っているというのなら武器に触れて消すこともできる。
勝ち目がないこともない。
「おいおい格好つけているつもりかよ?餓鬼が…そんなぬるいことしてるとてめぇら絶対に後悔するぜぇぇぇ‼︎」
正輝を止める際にも上条と立花は二人で協力し、正輝の魔術投影を上条が防ぎながら立花は正輝に攻撃するという方法で立ち向かっていた。
(立花だけでは心細いが、俺がいるだけでも…!)
クローン達を翼と奏に任してもらい、二人とも右手を握りしめ、彼と戦う準備はできていた。
「そんなもの…やってみないと分からないぜ!いくぞ立花‼︎」
「はい!上条さん!」
二人の目的はほむらが戻ってくるまで時間を稼ぐこと。殺すことのできない二人にとってはかなり厳しいハンデになる。それでも、戦っているのは二人だけではない。
二人の転生者が駆けつけてきた。
(僕らが足止めするんだ!)
(微力でも…なんとかしてあげれるのなら‼︎)
転生者、蒼海と誠治の二人も立花達を魔法で援護しようと考えている。
彼らはかなり脆弱ではあるが、無力ではない。