クローン全員の姿は変わらず、死ぬことを恐れず、アーチャー達に襲撃する。恐れていない理由は死という思考を無くしているためである。『死ぬ』という恐怖があれば戦いを恐れ、戦場に駆り出すことはできない。
それどころか戦う前に無駄死にとなるか、彼らが自分の意思を持ってしまい反乱を起こす。
よって余計な感情を抹消させ、『ただ命令されたことは必ず実行する』という他人からの命令で動かされている。人を殺した後に悲しくなったり、気持ち悪くなるというようなものが全くない。
アーチャーは無情者の元に向かうために進み、凛はアーチャーの背後から襲ってくるクローン達の攻撃を防ぐ。
「何人出てくるのよ⁉︎」
「しかし、戦い続けて分かった。どうやら奴に近づくほどに強力なクローン達が立ち塞がるというわけだ…奴らが出てくる場所まで突っ切るまでだ‼︎」
凛はガントで撃ったりしているものの奥に進むごとにクローン達が強くなってゆく。さっきまではほぼ人間と同じような行動しかできなかった。が、リーダーの元に近ければ近いほど現れてゆくクローン達が壁を走れたりという超人的な行動も出来ていた。
辿り着いた場所は一番クローンを多く生産していた場所にクローン5人と椅子に座っている無情者がいた。
「とうとう来た、二人も」
「随分と呑気に座って待っていたのね?命を狙われているのに逃げようとせず…馬鹿なのか、それとも勝つ自信があるのか…」
まるで二人が来るのを待っていたのかとように逃げることもせずに座っている。
凛がすぐさまガントを撃つと、無情者はそばにいたクローンを強引に引っ張り。そのクローンの身体を使って、凛のガントを防いだ。
「なっ…こいつら盾代わりに」
「お前ら弱い」
「⁉︎下がれ凛‼︎」
無情者は盾にしたクローンごと持っている鉄串で刺し、刺した後続いて凛を狙うもののアーチャーの投影した莫耶で先端を切り落とす。
しかし、無情者はクローンが刺さったままの鉄串を捨てて、大きく後ろに後退してアーチャーよりも早く避けた。
後からクローンの二人は銃器を用意し、逃げてゆく凛に向かって撃っていた。
「まさか、あれ投げる気⁉︎」
他のクローン達が無情者によって盾にされ、捨てたクローンを拾い、何かをつけ今度は逃げて行く方に投げる。
凛は嫌な予感がしてすぐさま飛び降りた場所を魔術で一気に急降下した。
「
そのクローンが凛の距離に近づてぬく瞬間爆発し、凛は直接爆発には巻き込まれなかったものの爆風で吹き飛ばされていた。
それでも凛は生き残っており、怪我も負うことなくちゃんと走ることができた。
「急降下してなかったら直撃だったわ…」
「クローン達を道具に使うのも厭わない…厄介だな」
「侵入者2人、増援を要請する」
死んだクローンを気にすることなく無情者はクローン達に援軍を通信機器で呼んでいる。
しかも凛とアーチャーの二人は、分断されてしまった。無情者の持っているものは宝具でもないのに普通の武器で英霊に立ち向かってきた。
「結論として武器が偽物ならどうということない」
(この男、只者ではない⁉︎)
偽物であっても宝具と同等であるために簡単に壊れることはない。が、無情者はただ一点に集中し、アーチャーの投影した剣が砕かれる。
武器が壊れたのと同時に無情者は身を引いて、他のクローン達が機関銃で連射したきた。
アーチャーは物陰に隠れ弓を投影して、銃を構えている三人の額を狙い撃つ。
「俺はアーチャー殺すから、クローン達はついていった女1人を総員で潰せ」
「「「「「「「了解」」」」」」」
女だろうが子供だろうが容赦ない。
それは彼らが無情であり、どんな敵であろうとクローン達は身を滅ぼしながら敵を地獄の底まで追おうとする。
凛はアーチャーと分断されたが、工場内を逃げており、クローン達は銃器や火炎放射器などの武器を用いて襲いかかってくる。彼らはどんな敵でも目的の遂行の為なら手段を選ばない。
「凛、私は奴を倒す!君は」
「分かってるわよ!逃げながら生き延びろってことでしょ‼︎」
*****
凛は工場内を走ってクローン達から必死に逃げ回っていた。安全な場所で迎え撃つところまでいかないと、銃器をもって上から眺めているクローンに狙い撃たれてしまう。
もしも二人以上を連れてきたら見つけられやすくなってしまうために迷惑だったかもしれない。特に殺しをしずらい人達を連れて行くことになれば足手まといになっていた。
強行突破という手段もあるが、クローンを盾にするほどのことを見せられたために爆弾を所持して自爆攻撃というのもやりかねない。
「正輝のこの選択はあながち間違ってなかったわね」
凛は隠れながら見つからないように辺りを見渡し、警戒した。クローン達は武器を構えながら逃げている凛を徹底的に探し回っている。凛は後ろから探している1人のクローンの背後から
(悪く思わないでね)
クローンが振り向いた瞬間、ガントで撃ち抜かれて、倒れている。あまり音を出すことなく、冷静に一人ずつ全員を倒す。
数分後クローン達の足音が一人聞こえたが、
(何人か…いるわね)
今度は、複数人で凛がいるかどうかを耳で確認した。彼らは凛が倒したクローンの死体を見たものの、たったの数秒だけで、その後も凛を探している。
「今は、彼らから逃げるしかないわね…」
念のために工場から地図を奪って持っているために、そのおかげで自分がどこにいるのかは大方分っていた。
アーチャーの居場所が魔力で繋がってはいるため、どこにいるかは分かるが。一番の問題はアーチャーと合流する場合障害であるクローン達を倒さないといけないこと。
当然戦闘となれば探しているクローン達が一斉に戦っている凛に攻撃してくる。
間違いなく周囲を囲まれ、蜂の巣にされるために、その方法は賢い人のすることではない。
凛はアーチャーが無情者を倒して助けてもらって欲しいと思ってはいるが、そう簡単に倒すことができれば。
このクローン達がいくら複数で襲ってきても凛一人で突っ込んでも倒すことができるから頭を痛くして悩んだりしない。
令呪を使って戦闘中のアーチャーを呼び出すという手もあるが、無情者が自由になってしまい何をしでかすかわからない。
早々に、アーチャーに『
しかし、クローン達の大量要請をしているために宝具を打ちようにも邪魔してくる。
とにかくアーチャーが無事であることを信じるしかない。最悪倒されたら、工場内を徹底的に捜索されて見つかるのも時間の問題だった。
凛は身を伏せながらも、もう一度確認してみるといつの間にかクローン達は工場から出て撤退していた。しゃがんでのを立ち上がって、どこを探しても見つからなかった。すると、窓から
(なっ…毒ガス⁉︎)
工場の地図にはクローン生産、武器庫、兵器生産、調理室などがあるが、そのほとんどは毒ガスが他の部屋に入ってもおかしくはない。
すぐに他の場所に行かなければ、工場内の至る所に毒が入ってしまう。
だが、毒を使ってくるのに対し凛はあることに気づいた。
「クローン生産場所に毒ガスかけたら生産された後に死ぬわよね…」
クローン達も人間に近い存在であるために毒がかかってしまい、すぐに死んでしまうから、クローンの生産場所は絶対に毒ガスに影響されないようにしている。
はずだが、凛は毒ガスが工場内で充満する前に外に出て、直接クローンの生産工場の一つに入っていった。
「ビンゴ‼︎灰は灰に、塵は塵に‼︎」
そこには毒ガスを出しておらず、クローン達が入ってきた凛を殺そうとしたものの凛の投げた宝石が爆発し、身体全体が焼け焦げてしまった。
「さてっ…ここなら毒ガスは」
凛が強引に魔術でクローン達を焼き尽くし、毒ガスから守るための安全な場所を捕獲できたものの。
「やばっ…!」
クローンの身体から爆弾の音がカチカチとなっており、凛は急いでガラス張りしている窓を魔術で身体を多少強くして、壊して外に出た。
クローンの生産場所の一つを無情者は命令を下し、生産工場ごと凛を潰すつもりだった。
そこを捨ててクローンは爆発し、凛はまた爆風で吹き飛ばされ、それでも凛は高い場所から降りた時と同じ魔術を使い、まだ無事ではある。
しかし、外に待ち構えていたのはクローン達だった。
「あいつら、ロケットランチャーまで…何人いんのよ」
凛の周囲をクローン達が囲み、窮地に追いやられており、右も左も前も敵だらけでもう逃げ場が無かった。
(アーチャーは無情者と戦闘している。令呪を使えばこんな奴らは一掃できると思うけど…でも)
凛はもうダメかと思ってしまったが、彼女とクローン達は『何かに』包まれ、工場にいる全員が姿を消してしまった。
*****
無情者はクローン達よりも桁外れに英霊と渡り合えるほどに強く、武器がなくとも素手で戦闘を続行していた。
決して一人で戦うつもりはなく、戦うごとにクローン達が二人の戦いに横やりし、アーチャーの背後から狙っていた。
マスターを消されたらたとえ正輝の魔力であっても無情者と普通に戦うのは厳しい。凛とクローン達を巻き込んで固有結界で工場にいる全員を巻き込む。
「ようやく合流か、君が不味い状態だった為に固有結界を使わせてもらったぞ」
「アーチャー…使っても構わなかったわよ。おかげで助かった。さぁさっさとそいつらぶちのめしなさい‼︎」
クローン達と無情者の前には大量の剣が浮いている。
「ご覧の通り貴様が挑むのは無限の剣…剣戟の極致、恐れずしてかかってこい‼︎」
大型の機関銃を持ち出すことなくクローン達は銃を連射しているものの次から次へと剣に刺されてゆき、自爆攻撃をしようにもアーチャー達の元に行く前に途中で爆発してしまう。
クローン全員がアーチャーによって始末され、とうとう無情者だけが立っていた。簡単に単純に考えて飛んでくる無名の剣をただ防げばいい。
「嘘でしょ…」
「貴様、無限の剣製でさえも…生き延びたのか」
固有結界の時間切れになるまで無情者はクローン達を盾代わりにし、持っている武器で無名の剣をひたすらにはたき落としてゆく。
しかし、無情者の持っている武器のほとんどがズタズタになっており、身体には防ぎきれなかった剣が突き刺さっている。
これで終わりというわけではない。
クローンには『死んだフリ』をさせているのが一体いる。理由は、凛を殺すために最後のクローンを残しておいた。
アーチャーの生きる確率は高い。だからと言ってアーチャーが凛を助けることも予想している。
死にかけの凛に動揺して、仲間がピンチな時に自分を投げ捨ててでも助けに行く。
無情者にとって計画通りだった。
クローンが起き上がり凛を殺そうとしているのを、アーチャーが見て動揺し、その隙を狙って殺す。
アーチャーが凛を庇うのか、それとも凛が殺されて動揺し、無情者に斬られるのか。
「あ」
「我々が、気づいていないと思っていたのか?」
アーチャーの下した選択はそのどちらでもなかった。アーチャーが選んだのは無情者の考えた両方ではなく、凛を信じた。
無情者が次に何をするのかと言うのを考え、
無情者の考えは完全に予想外な結果として裏切られた。
アーチャーが凛を信頼するか否か。
凛なら必ず気づくという絶対的な信頼がなければこんなことはできない。たった一つのミスといえば、誰もが計算や命令で忠実に動かされているとは限らかったこと。
アーチャーは凛が絶対に抜け出せれると信じていたからだ。言っているわけではなく、念話で伝えたわけでもない。
凛が必ず分かってくれると信じ、そのままアーチャーは気にすることなく無情者を斬るという形となった。
アーチャーは英霊の為に死んではいるが心はちゃんと持って、何も感じない無情者には考えつかなかい。彼の行動は心が無く機械的なもの、命令に忠実であり、感情的というものが全くない。
無情者はアーチャーに斬られたもののまだ立っている。
苦しみ悶えたり、
泣いて叫んだり、
そのようなことをせずに全く一歩も動かない。
致命傷になっても感情的や息切れ、喜怒哀楽を見せるような事は全くなく、常に何を見ても無表情、無関心というだけのもの。
凛は二人から一旦距離を置いて、ガントを構えていた。無情者が何を仕掛けてくるか、手を出せば手を撃ち落とす。
無情者が持っていた鉄串を放し、それが地面に落ちた瞬間に二人が武器を抜いた。無情者がアーチャーよりもいち早く行動をし、隠し持っていた鉈でトドメを刺そうとしたものの
「さらばだ」
アーチャーは無情者の攻撃を避け、莫耶で斬りつけられた。
その後は、怯えることも、苦しむこともなく、無感情に表情も変えず、無口のまま…何も言い残すこともなく灰となって消え去られた。
「全く。冷や汗をかいたぞ…」
無情者は最初はアーチャーの投影した武器を狙って破壊しようと攻撃している。
投影魔術というものがあるために武器を破壊してもまた再度投影されるためにその攻撃は無謀である。
無情者に集中している間にクローン達が隙を狙って襲ってくることや機関銃でアーチャーを追い詰めていた。
アーチャーに投影をさせる隙を与えない方法で向かってきたが、半人前である衛宮士郎なら無情者は間違いなく勝っていた。
しかしアーチャーに武器を投影させないとならばそれは無情者の誤算だ。
アーチャーは投影に手慣れているためにいくら魔術を妨害したところで、その前にクローン達は始末され殺される。
よって、無限の剣製を使われ工場内のクローン全員を巻き込み無情者以外の全てを一掃した。
死んでいるフリをしているクローンが凛を襲うというのも失敗に終わり。今度は、命が尽きかけておりアーチャーだけでも仕留めに、武器ではなくトドメとして心臓を狙い、無情者による最後の攻撃であることが分かった。
「クローン達キリがないほどに増えるわ、銃をバンバン撃たれそうになるわ、毒ガス撒き散らすわ…ホント散々だったわよ‼︎」
「でも、重傷というわけではないのだろう?しかし、よく気づいたな。どこで一人まだクローンが生きていたのが分かったんだ?」
「アーチャーが仕留めている間に見ていたのよ…無情者を。あいつが盾にしたことやアーチャーが投影した剣で殺されているのかどうか。そしたら剣に突き刺さることなく一人だけ倒れていただけで。
こいつ死んだのと思っていたのだけど…死んで倒れていたクローンがなぜか近く距離にまで迫ってきいるっておかしくないのかしら?」
無情者が消えたと同時に立っていたクローン達全員が倒れており、凛が彼らの1人の脈を手にし、生きているのかどうかを確認してみたが。
「無情者を倒した後に、急に倒れて息を引き取ったわね…こいつら。で、他のところに助けに向かいに行く?」
彼がアーチャーによって倒された後、工場に沢山いたクローン達は一瞬にして消え去られた。
「正輝や衛宮達が一体どうなっているのかまだよく分からない。ともかく我々は一旦プレシアの方に戻るとしよう。魔力もほとんど使っている」
「そうね、分かったわ」
アーチャーと凛が工場を去ろう帰ると、工場にあったクローン達の死体や、生産するための機器が煙のようになり、クローンを製造した工場はまるで無かったかのように灰のように消え去られた。
「普通の工場に戻ってる…爆発した後も、クローン達の死体も綺麗さっぱり無くなったわね。私達の持っていた地図まで」
「クローンが生産された工場は元々無情者の手によって作られたものだから、作った地図もクローンも無情者が作ったために、彼を倒した為に元の工場へと戻ったのだろうな」
無情者が支配していた工場は、アーチャーによって倒され、彼を含むクローン達が消え去られた後、彼らの痕跡が無くなったかのように。無情者のいたクローン生産工場はただの廃墟にされていた工場となっていた。
無情者…死亡
それにより作られたクローン製造の工場及びクローン達抹消。彼らは無情者が倒されたと同時に炭となって消え去られる
残り…二人