"ミライ"の聖杯戦争   作:ヲルト

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この話からだんだんとサーヴァントが中心になっていきます
予想もどんどんしてみてください
痕投稿遅れて申し訳ないです


3.夜

あの女───────鳳ミライは厄介な相手になるだろう。

尤もな理由として、あいつの家は未だに魔術師の家系だ。この時世の中でも。

卓越したスキルを持つのは当然として、魔術師としての戦い方、嗜みもわかるはずだ。ありとあらゆる状況で強敵となるのは間違いない。

───────しかし、それは()()()の土俵で戦えば、だ。俺の土俵で戦えば問題はない。

ならば、呼ぶべきクラスは決まった。触媒もこの時の為に用意してきた。

今日、帰宅してすぐにでも取りかかるとしよ─────「おーい、ミライ。飯食おうぜ!」

…どうしてこうこいつは、俺の考え事を邪魔しようとするんだ。

「今は取り込み中だ、また今度にしてくれ」

「つれねぇ事言うなよー!ほら、お前のために新入生の名簿コピーしてやったからさぁ!」

本当に余計な世話だけ得意なやつだ。

「わかったわかった、それはいいから今は黙れ。次の時間の予習をしてるんだ」

「次の時間って…日本史ぃ?なんでまたそんなの見てるんだよ」

自分の世界の未来の出来事を知れる本なら誰でも読むだろう。この時代の歴史学の本とは、俺にとってはそういうモノであった。

「ああ、ここの自然保護強化思想ってのがよくわからないんだよ」

「お前、そんなのも知らないのかよ…生きてて苦労しないのか?」

「うっせ、俺の勝手だろ」

部屋に入り込んだ蚊を手で潰しながらそう答える。

『自然保護強化思想』、まぁ要するに過剰なエコロジー思想だ。

これまで人類が壊した分だけ自然を助けよう、という感じの思想活動。

アンチ科学的な要素を含んでいるからか、過激派の扇動に魔術師がかかわっているとのうわさもある。

勿論そんな考えに傾倒している訳でもない。ただ単純に気になっただけだ。

「ふーん、まぁ俺は興味ないけど。それにしても、鳳ちゃんって言うんだな!あの娘!」

話をぶった切って女の話、流石と言いたいな。

しかし、アイツの情報は俺も欲しい所。ここは乗っておいてもよさそうだ。

「ああ、名前が特徴的だからな。一回聞いたら忘れそうにはないだろ」

「確かにな!けどお前はそんだけだろ?俺はもっと調べたぜ?住所とかスリーサイズとか家族構成とか!」

そこまで行くと気持ち悪い。けど有力なのは握っているだろう、たぶん。

「そうか、じゃあ借りるぜ」

俺は右手の人差し指と薬指で流川の首に触り、軽く呪文を唱えた。

”支配”の魔術…それが俺の家の魔術だ。勿論すぐさま大多数の人間を洗脳できるほど強力なモノではない。せいぜい催眠術くらいだろう。条件も厳しい。

しかし、満たせさえすれば簡単な命令くらいはできる。そして今回はこの様にコイツの鞄を拝借することにした。

流川の鞄を抱えると、俺は他の生徒よりも早く帰路についた。

――――――――――――――――――――――――――――――

 

――――――――――――――――――――――――――――――

時刻は進んで、夜。深夜1時を回る頃。

俺は家の土蔵に魔法陣を描き、触媒を置いた。

鷹のレリーフが描かれた、古臭く錆びた杖。これが俺の呼び出すサーヴァントの触媒だ。

俺の魔術は条件さえ満たせば対個人の戦いで最強となる。

さて、そろそろいい時間だ。俺は古びた本を読み、投げ捨て、目を閉じ詠唱を始める。

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

魔法陣が起動し始める。

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

繰り返すつどに五度。」

全身の魔力回路が開き、内部で暴れまわるように動き始める。

「――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

魔法陣が光を放つ。風がまきあがり始める。

「我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者…!」

「汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

光が一段と輝き、土蔵の扉が吹き飛ぶ。

これが、英霊召喚――――――――まさか、本当にできるとは。

「さて―――――――俺がわかるか、キャスター」

俺は煙の中に見えた人影に問いかける。しかし―――――――――――返答は、予想していたものとは違っていた。

「キャスター?違う違う!そんなのじゃねぇなぁ!それにしても…アンタ、外れちまったな?」

「何かを為し得た英雄でもなければ、崇め称えられた神霊でもない!コイツは化け物、()()()ってヤツだ!」

そう、低く掠れた声が返ってきた。それに呼応して、もう1つの声が届く。

「もう、そう言わないでよ…まだ()()()()()んだから」

煙が完璧に晴れる。そこには俺の想像していたモノはいなかった。

足元まであるワンピースを纏った、長い青髪の少女。そしてその横にいる、巨大な犬。

「初めましてマスター。私はアサシン、真名は――――――――――――」




ということで主人公のサーヴァント、アサシンになります。
後この世界ではなんやかんや色々あってサーヴァントは七騎召喚されます、そっちの方が楽しいからね、仕方ないね。
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