フルトン回収の実演を終えたビーストは特戦隊の非難を無視して自身の執務室で作戦の準備の為サイバーブレインと調整していた
別にビーストが出る訳では無いが念の為だ
『リホーマーがカーターと接触しました』
「ホント自殺志願者か?」
『話の内容までは分かりませんが万能者捕獲作戦の時に正規軍にコンピュータウィルスをまいて混乱させるつもりです』
「あくまでも万能者につくか、まあいい、万能者の組織サンプルが手に入れば何しようが構わん」
『万能者の組織サンプルだけでいいのですか?』
「まっさかぁ、どうせ混乱に乗じて正規軍にちょっかい出すんだろ、ならこっちもリホーマーの奢りでこっちも喰わして貰うぞ」
『了解です、データは私がやります、基地へは誰が?』
「既に呼んであるがいつ来るんだか……っと来たか」
ビーストが来客用のテーブルを見ると誰も居なかったはずのテーブルの上に1人の少女が座っていた
灰色のパーカーに灰色のミニスカート、灰色の半ズボンジャージにソックスの少女
全身灰色だが眼は紅く髪は金の少女の名はゴースト、幹部の1人だ
神出鬼没で誰もその行動が読めない上に何処にいるかも分からない
誰も見つけられず誰にも気付かれない
誰もが知っているのに誰も知らない
存在があやふや
故にゴースト
「………」
ゴーストは何も言わずテーブルにある菓子を食べる
ビーストは特に気にしないがサイバーブレインは驚いていた
サイバーブレインの目は監視カメラ
BLACKWATCHの敷地内には至る所に監視カメラがあるがゴーストは1度も映ったことがない
勿論死角はあるが何年も映らないのはありえない
『…ゴーストは今まで何処に?』
「BLACKWATCHが出来てからは任務を除いてずっと基地内にいたぞ」
『私の眼に映ったのは今が初めてなのですが…』
「だからゴーストなんだよ、まともに認識出来てんのは10人も居ねぇし」
『……』
「理解しようがしまいがどうでもいいさ、ゴースト仕事だ、サボってた分ちゃんと働け」
言い終わるとビーストは端末をゴーストに投げ渡す
ゴーストはそれをキャッチすると元から居なかったかのように消えた
サイバーブレインは驚くがビーストは気にしない
「アイツの仕事は正規軍で動くだろうリホーマーの監視、リホーマーの事だからあの鎧が出て来るだろうがそれはどうでもいい事だ」
『大丈夫なのですか?』
「ゴーストも初期幹部だ、まともな訳ねぇだろ、あの鎧じゃ認識すら出来ん」
『はぁ…』
「お前こそ大丈夫なんだろうな?リホーマーのウィルスにやられたなんて洒落になんねぇからな」
『万全の体制を整えています、複数のダミーを付けたのでもしウィルスにやられたとしてもそれはダミーですので大丈夫です』
「ならいいが、MDRの方はどうだ」
『まだです』
「リホーマーん所ブラックなのか?その辺はいいか」
『接触したらどうしますか?』
「タナカの監視強化だけでいい、他は保留だ」
『了解』
「それとジュピターはどうなってる」
『ピューパへの取り付けはまだ出来てませんが若しかしたら作戦に間に合うかもしれません』
「なら急がせろ、最悪の想定には最悪をぶつけるしかねぇからな」
『心得ています』
サイバーブレインが通信を切る
そしてビーストは呟く
黒い雨はまだ降らせない、と