G&Kの猟犬   作:試作型機龍

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アウターミッション31

廃都市

百式と万能者は静かに構えるが動かなかった

 

(…遅いですね)

 

百式はここにまだ来ていないゴーストに呆れる

百式の想定ではもう来ているはずなのだがゴーストはまだ来ていない

 

(ちゃんと時間通り来て欲しいものですね、とりあえず時間稼ぎしますか)

 

百式の中では色々と計画が出来てはいるがゴーストが来なければ意味が無い

なので百式は時間稼ぎをする為に黒桜を地面に突き刺す

万能者が疑問を持つが百式はそのまま歩き出す

3m程歩きそこで止まる

 

「…少し遊びましょうか」

 

そう言うと百式は拳を構える

 

「……どういう意味だ?」

 

「戦いの基本は格闘です、武器や装備に頼っていては強くはなれないです、まぁデバフ掛けさせて貰いますが」

 

万能者は少し考える

 

(明らかな挑発だが相手は片手片目無し、このタイミングでわざわざ格闘する意味は無い、てかデバフって何やるつもりだよ……とりあえず少し乗って見るか)

 

万能者はチェーンソーを止め武器を外しバックパックに入れる

歩き出そうとした時目の前の地面が爆ぜた

万能者はすぐに後ろへと飛び爆ぜた場所を見る

 

そこには右腕が落ちていた

すぐに自身の手を確認するが右腕が無かった

振り返るが何もいない

それもそのはず

レールガンを撃ったクリサリスは遥か彼方に居るのだから

 

「……こういう事か」

 

「私は左腕と左目、貴方は右腕です、利き腕かは知りませんがちょうど良いですよ」

 

百式が動く

万能者も百式へと走り出し間合いに近付いて百式は殴ろうとする

だが想定内だった百式はその左手を掴み万能者を投げ飛ばす

 

「ウォ?!」

 

投げられた万能者だが体制を整え着地する

顔を上げるがそこには百式はいなかった

それどころか自身落とされた腕も無かった

 

「………は?」

 

見上げるがBLACKWATCHの戦闘機もガンシップもいない

そんな中後ろから僅かなエンジン音が聴こえ振り返ると百式ともう1人が乗ったジープが走り去っていくのが見えた

 

「………」

 

あれ程啖呵切っていた百式が逃げた事に思考が停止した万能者だがジープが見えなくなりすぐに追いかけ始めた

 

待ちやがれぇ!

 

危険な鬼ごっこが始まった

 

 


 

 

その頃

作戦本部は蛮族戦士がいなくなった事で静けさに包まれていたが建物の瓦礫からタイラントが出てきた事でそれは終わった

タイラントは自身の確認を行いとりあえずは問題ない事を確認し先程まで戦っていた場所に戻る

その途中上空にBLACKWATCHのヘリが複数現れ滑走路に着陸する

ヘリはチヌーク3機

ブラックホーク4機

そして着陸していないがハインド2機とアパッチ5機が上空から周囲を警戒している

チヌークとブラックホークから出て来た隊員達は30名程で半分が銃を持ち施設に入っていき残りはチヌークから荷物を取り出しそれを組み立てて行く

本部テントの様だ

 

「ん?ジョーカーが来ていると聞いたが?」

 

「どうでもいい、生きているのはいるかのか?」

 

そんな中2人がタイラントへ話しかける

1人は黒の軍服を来たアヅチ

もう1人は黒のマントにペストマスクを付けた軍医ノーツ

2人ともBLACKWATCHの幹部だ

 

タイラントは近くの血溜まりを指差す

それを見てアヅチは笑いノーツは興味無さげにどこかへ行く

 

「はっはっはっ!!勝手に出て結果がコレかとか!是非もなし!」

 

アヅチは足で肉片を集める

 

「……ん?もしかして死んだ?」

 

肉片が何も起きないことに疑問を持つアヅチ

そこでアヅチは近くに落ちていた鉄パイプで肉片を叩く

少し叩いていると肉片が動き出した

肉片どんどん集まり人の形を作りそれはジョーカーになった

裸だが何故か仮面は元通りなのに誰も疑問を持たない

 

「んっー……っと!やっと戻れた」

 

「ほれ、本気(笑)で戦って負けるとは情けないのぅ〜」

 

アヅチはジョーカーへ浴衣を渡して言う

 

「だっていきなり覚醒っぽい事しちゃったんだもん!」

 

「油断したお主が悪い、ビーストの奴が呆れておったぞ?…しかしタイラントを切るとは…侮れんやっちゃな」

 

「私の心配は?」

 

「他にして貰え」

 

「ぶぅー、そう言えば覚醒してからの攻撃で再生が遅かったんだけどしらない?」

 

『随分と余裕だな、ジョーカー?

 

「…………」(汗

 

勝手に出た挙句に遊んで負けるとか?

 

「いやいや!蛮族戦士が勝手に覚醒的なのするから!?」

 

『とりあえず戻ったらゲンコツな』

 

「身長縮んぢゃう!?」

 

「それで済めば良かろう」

 

『すまさないがな』

 

だれかたすけてぇー!!

 

ジョーカーの悲痛な叫びが作戦本部に響き渡った




百式逃走!
もう1人はゴーストです

BLACKWATCHが作戦本部に来た理由は救出活動です
無視しても良かったのですが依頼が入ったのと後に面倒な事を言われるのがだるかったので救出活動に来たという感じです
依頼者は後に書きます

尚、ジョーカーは無断での出撃です

最後のジョーカーの叫びは、誰か助けてぇー!!です

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