そういうことで……!
本編どうぞ!
???「ど、どうしよう……!このままだと……わ、わちき……こ、ここ、殺されちゃう!!」
ミナト「そんなことしないから……大丈夫だって」
一人の少女が震えている。それはなぜか……?
幽香「……」
風見さんが布団に横たわり、気を失っていた……。
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暑い夏場の永遠亭の前に居る人影……。
ミナト「それじゃ、行ってくるね」
輝夜「……ちゃんと送りなさいよね……
妹紅「ああん?(威圧)なんだとこの黒髪BBA!」
輝夜「BBAはあんたもでしょ!」
永遠亭の門前で繰り広げられる小さなバトル。姫様と妹紅さんがメンチをきりあっていた。
ボクは人里で
ミナト「姫様、落ち着いてよ。妹紅さんも……ボク、姫様と妹紅さんが戦う姿見たくないし、姫様に傷ついてほしくないんだけどな……」
輝夜「妹紅、ミナトをしっかり守ってあげてね♪」
妹紅「ぬぉ……お、おう……」
輝夜は妹紅とのにらみ合いをやめて、笑顔でミナトを送ることにした。ミナトにそう言われたら止めるしかないじゃないっとのことだそうだ。
ミナトは輝夜の扱い方に慣れて来たようだった。
妹紅「輝夜はミナトの言うことなんでも聞くのか?」
ミナト「そうだね、だいたい聞いてくれるよ。それに、最近は命蓮寺で過ごしていたから、姫様寂しかったんだろうね。帰ってからしばらくは離れてくれなかったよ」
姫様ったら正邪ちゃんに「何かされなかった?」「いじめられていないでしょうね?」「もしいじめられたなら私があの天邪鬼を!」など言ってなだめるの大変だった。
妹紅「輝夜はミナトに夢中なんだな」
ミナト「そう言う妹紅さんこそ、シンが妹紅さんのこと夢中になってるじゃない?」
妹紅「あ、あいつが勝手に言い寄ってくるだけだ……」
ミナト「シンのこと嫌い?」
妹紅「き……嫌い……じゃねぇよ……」
ボソボソと声が小さくなる妹紅。ミナトには聞こえなかったが、妹紅の態度を見れば誰だってわかる。
ミナト「まぁ、いいか。仲良くやってるみたいだし、心配いらないね」
妹紅「別に仲良くなんて……」
結局妹紅は曖昧な答えしか出せなかった。そうしているうちに人里へやってきていた。
ミナト「ありがとうございます。妹紅さん」
妹紅「別に……輝夜とのバトルがなくなっちまったのが残念だが、人里に案内するのも私の仕事だからな」
ミナト「姫様との喧嘩はやめろとは言いませんけど、やっぱり姫様と妹紅さんが傷つくの見るのはボクは嫌なんですよね」
実際に二人の喧嘩を見ると引いちゃうぐらいグロテスク……ボクは見たくないと思ってしまったんだ。傷も治るし、死なないけど、やっぱり痛みは感じるから喧嘩は好きじゃない。二人には仲良くなってもらいたいものだね……本当は仲良くしたいと思っているはずだけど、今は何も言わないでおこう。それに、喧嘩するほど仲がいいって言うけど、あれはやりすぎだと思った。殺し合いってやっぱり怖い……。
妹紅「輝夜が素直になるわけだな……まったく」
ミナト「?どうしました?」
妹紅「なんでもねぇよ。それより買い物済ませてこいよ。私は慧音の所にいるから、帰る時に呼んでくれ」
ミナト「はい。ありがとうございます」
妹紅さんと別れ、ボクは目的の物を探しに行った。
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???「うぅ……ひもじいよ……」
一人の少女が物陰でつぶやいていた。
紫色の大きな傘には目と舌がついており、それを持っている少女。水色の髪に、右目が水色、左目が赤のオッドアイの少女 多々良 小傘 は人里で人間を脅かそうとしていた。しかし、彼女の驚かし方には問題があった。バレバレの隠れ方に、全く怖くない登場の仕方だ。時々、小傘の容姿に驚く者もいる。(醜いため)だが、それも昔のことで、最近では驚いてくれる人はほとんどいないのだ。本人曰く、心を食べる妖怪のようで、驚かすことで、腹が満たされるタイプらしい。誰も驚いてくれないので、現在ひもじい思いをしていたのだ。
小傘「わちきはこんなところで諦めない!もう一度だけ頑張ってみよう!」
小傘は小道通りの物陰で、通行人が来るのを待った。
小傘「(!誰か来る……!)」
足音が近づいていた。小傘は最後のチャンスだと思い全力で飛び出した!
小傘「う~ら~め~し~や~!お~ば~け~だ~ぞ!!」
ミナト「わーびっくりした!びっくりしたよね?風見さん」
小傘「(え……?風見って……あの極悪非道で、いじめること好きで、何人も影に葬ってきたって有名なあの……風見幽香……!?)」
小傘の首がギギギッと音をたて、男の横にいる女性を見る……まぎれもない笑顔の風見幽香だった。
小傘「(わちき……死んだ……)」
小傘にとって、男を驚かすことにはなんの抵抗もなかった。みんな小傘だからと言って黙認してくれていた。しかし、目の前の風見幽香は悪い噂で有名だ。小傘の耳にも届いている。自分の畑に入った妖怪を喰らったとか、自宅には拷問器具が置いてあるとか本人が聞いたら泣いてしまいそうな噂だらけだった。幽香の本質を知らない小傘は今、自分の人生に幕を下ろす時が来たと覚ってしまった。
幽香「……」
ミナト「……?風見さんどうしたの?」
幽香は黙ったままで動かない……日傘をさして笑顔でいる表情も変わっていない。小傘もどうしたのかと思っていると……。
パタン!
ミナト:小傘「「……え?」」
幽香は倒れた……。
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<少し前の出来事>
幽香「(人里……だ、大丈夫よ!私は妖怪よ!これくらいで怯えててどうするのよ!私ったらしっかりしろ!)」
花達にあげるはずだった肥料がいつの間にか切れていたことを知り、人里まで買いに来たのだが、幽香にはいい噂がない……出会った者達は腰を抜かし、悲鳴を上げて逃げ出す者もいる。でも、肥料を買わないと花達がかわいそう……勇気を出して人里までやってきていた。
幽香「(私は風見幽香よ!堂々としていればいいのよ!何もしなければ相手は何もしてこない、むしろ私は何もしないのに……頑張るのよ!幽香はいける!幽香はいい子!幽香はできる子なのよ!)」
一歩を踏み出し、人里へ入って行った。
・
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ざわざわ!
歩けば道が開かれる。人々が幽香から遠ざかる。周りは静まり返る……もう何なのよ!やっぱり駄目!私には耐えられない!どうして私が来るだけで、みんな離れちゃうの!?買い物できないし、お話もできないじゃない!やっぱり私はここに来ちゃ行けなかったのね……。
幽香は肥料を諦めて帰ろうかと思った時……!
ミナト「あ、風見さん!」
幽香「え?」
振り返るとそこには……!
幽香「ミナト……!」
幽香は周りのことなど忘れて、ミナトに近づいた。
幽香「ぐ、偶然ね。ミナトはどうしてここに?」
まさか彼と出会えるだなんて思っていなかった。自分でも知らないうちに笑みがこぼれていたみたいで、彼も笑顔でいてくれた。い、今の私はどうかしら!?変なところないかしら?ゴミとかついてない?ミナトを不快にさせちゃったらどうしよう!
幽香は内心ミナトに会えて興奮していた。もしも尻尾があったなら、ブンブンという音を立てて振り回されていただろう。
ミナト「ボクは花を見に来たんです」
幽香「花を?」
ミナト「はい。姫様に心配かけちゃったから、そのお詫びにと思って……」
幽香「そ、そう……」
幽香は少し嫉妬していた。自分では気づいていないが、ミナトにこんなに思われているあの姫が羨ましくて仕方なかったのだ。
幽香「(私もまた贈り物されたいな……)」
ミナトから貰った人形を思い出した。帰ったらギュッと抱きしめよう……。
ミナト「もし、よろしければ一緒に見てもらっていいですか?」
幽香「え?……私が?」
ミナト「風見さんはフラワーマスターだから花に詳しいだろうし、花屋に入るのは男だからちょっと恥ずかしいので……ダメ……ですか?」
幽香「いいえ、そんなわけないわよ。私も肥料を買いに来たから丁度よかったわ。一緒に行きましょ(やったわ!!ミナトと一緒に買い物できるなんて夢のよう♪)」
ミナト「ありがとうございます」
周りの風見幽香と普通に話していたことに、唖然とする観客を尻目に二人は花屋へと向かった。
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ミナト「風見さん、本当に助かりました」
幽香「いいのよ。店員がサービスしてくれたし(ミナトにお礼言われちゃった♪)」
実際には店員が幽香にビビッて、サービスで何本か花と肥料を追加した。ミナトはそのことに全く気付いていなかったが……。
ミナト「風見さんはもう帰るのですか?」
幽香「そうね……そうしようかしら(もっとミナトといたい~!でも、しつこい女って思われたくない~!)」
ミナト「そうですか。里の前まで送って行きますよ」
幽香「そう?悪いわね(送ってくれるの!やったわ♪やっぱりミナトって優しい❤)」
気分ルンルンで幽香とミナトは小道に入って行った。
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人通りの少ない小道で風見さんと一緒にいる。風見さんはとても楽しそうだった。よかった、いい肥料が見つかったんだろうね。
そう思いつつ、二人は歩いていると物陰から紫色をした傘が見えた。
ミナト「(あれって……)」
ミナトは見たことがあった。東方をやっていたら、あの柄の傘を持つ少女は一人しかいない。
ミナト「(小傘ちゃん……もしかして驚かそうとしているのかな?だったら、驚いてあげないとね)」
小傘がいる物陰に近づくと飛び出してきた。やっぱり飛び出して来たのは……!
小傘「う~ら~め~し~や~!お~ば~け~だ~ぞ!!」
やっぱり小傘ちゃんだった。それにしても、驚かし方がかわいすぎる!ある意味驚いたよ……それじゃ、驚いてあげよう!(使命感)
ミナト「わーびっくりした!びっくりしたよね?風見さん」
風見さんも驚いてくれたかな?そう思って風見さんに声をかけたけど、返事はなかった。
幽香「……」
ミナト「……?風見さんどうしたの?」
幽香は黙ったままで動かない……日傘をさして笑顔でいる表情も変わっていない。小傘もどうしたのかと思っていると……。
パタン!
ミナト:小傘「「……え?」」
幽香は倒れた……。
ミナト「えぇ!?どうしたんですか!?」
幽香の顔は真っ青になっていて気を失っていた。
ミナト「風見さん!どうしよう……そうだ!慧音さんの所なら妹紅さんもいる。とりあえずそこへ行こう!小傘ちゃん!運ぶの手伝ってくれない?」
小傘「え、わちきを知ってるの?」
ミナト「うん。知ってるよ。そのことは後で話すから、お願い!」
小傘「う、うん。わかった」
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肥料と花を担ぎながら、慧音さんの自宅へたどり着いて、風見さんを布団に寝かしておいた。
小傘「ど、どうしよう……!このままだと……わ、わちき……こ、ここ、殺されちゃう!!」
ミナト「そんなことしないから……大丈夫だって」
小傘ちゃんは風見さんに仕返しされるのが怖いみたい。
小傘「で、でも……!」
ミナト「風見さんは優しいんだ。小傘ちゃんに悪いことしないって、ボクが保証するよ」
慧音「ミナト殿は幽香殿のこと信頼しているのだな」
ミナト「はい。風見さんには良くしてもらってますから」
妹紅「しかし、あの風見幽香が小傘に驚いて失神してしまうだなんてな……」
ここにいるみんな幽香の意外な一面を見たのであった。普段ならミナト以外は幽香を恐れているが、今の幽香を見ていると恐れることもない人物に思えていた。(実際はそうなのだが……)
ミナト「風見さんだって一人の妖怪ですから、完璧じゃないってことですよ。でも、そんなところが結構素敵だと思いますよ?」
慧音「ミナト殿は幽香殿と仲が良かったんだな。そう言えば、宴会の時も幽香殿がお茶を勧めているのを見たしな」
ミナト「ええ、とても親切にしてくれましたし、花が好きで優しい方ですよ」
小傘「そうなの?噂じゃ極悪非道って聞いていたけど……?」
極悪非道?風見さんってそんなこと思われてたの?きっと間違いだね。風見さんそんな悪い人じゃないし、ドSでもドS(親切)の方だもん。これはみんなに風見さんと会った時のこと話しておかないとね。
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幽香「うぅん……ここは……?」
小傘「えっと……大丈夫……ですか……?」
この子はさっきの……確か名前は、多々良小傘……あれ?私はなんで布団なんかに?
小傘「ごめんなさい。わちきが脅かして……幽香さん、それで気絶しちゃって……」
幽香「気絶……!?」
私ってもしかして見られた!?私が怖いもの苦手ってこと隠してたのに、ミナトに見られちゃった!?恥ずかしい///それにこの子にも見られちゃったの!?も~だってホラーとかあんなのなれる方がおかしいのよ!あんなの見たら一人で夜中トイレ行けないもん!!
手で顔を隠して恥じらう幽香。そんな彼女を見ていた小傘はホッとため息をついて安心した。
小傘「ミナトさんから聞きました。幽香さんって噂とは違うんですね」
幽香「うぅ///ミナトはなんて?」
小傘「初めて会った時からのことを聞きました。幽香さんは本当は優しい方なんだって知りました。わちき、幽香さんを勘違いしてました」
幽香「そう……わかってくれたならいいわよ。私って本当はこんなやつよ」
本当の私を知ってくれて接してくれるのは嬉しい。アリスも接してくれて今では友達だ。この子とももしかしたら友達になれるかな……?
小傘「幽香さん、驚かせてごめんなさい……。」
幽香「いいのよ。それに、あなたは驚かすことが役目なんだから胸を張っていなさい」
小傘「幽香さん……よし!わちき決めました!」
幽香「え?なにを?」
小傘「幽香さん!」
小傘はいきなり幽香の手を握りしめた。幽香は小傘の気迫に押されあたふたしていた。
幽香「ど、どうしたのいきなり?」
小傘「幽香さん……いや、師匠!わちきを弟子にしてください!」
幽香「え……ええ!?」
友達になろうかと思っていたら、小傘から弟子にしてくれと言われた。一体どうなっているのよ!?私この子に何かしたかしら!?
小傘「師匠は嘘偽りの情報を流して、人を怖がらせていたんですね!わちきとはやり方が大違いです!そんな師匠にわちきは憧れたんです!お願いです!弟子にしてください!!」
幽香「ちょ、ちょっと!嘘偽りなんか流してないったら!あれは周りが勝手に……」
小傘「周りにそうさせるように仕組んだのですね!流石師匠です!わちき、師匠を越える立派な驚かし妖怪になるので、師匠の弟子になっていっぱい学んでみせます!!」
幽香「ちょっと待ちなさいってば!!」
幽香の肩を掴んで、輝く瞳で見つめる。
幽香「う!?」
純粋で期待に満ちた瞳攻撃は幽香には抜群だった。
幽香「わ、わかったわよ……でも、私はそんなことしてないからね」
小傘「謙虚ですね師匠!そこにまた憧れます♪」
幽香「はぁ……」
いきなり疲れた……まさか、弟子を取ることになるだなんて……。
妹紅「これはいいものが見れたな♪」
慧音「よかったな小傘、幽香殿、あまり小傘をいじめてくれるなよ?」
幽香「あなた達!?ここって……寺子屋!?」
ミナト「うん。気絶した風見さんをここまで運んだんだ」
幽香「もしかして……見てた?」
ミナト「ごめん。でも、これで風見さんが優しい方だってわかってもらえてよかったよ」
小傘「うん!師匠の恐怖植え付け作戦にはわちき驚きました!師匠の凄さ思い知りました!」
小傘のテンションがハイになっていた。恐怖植え付け作戦って何よ……私そのせいで友達できるの苦労したんだから……!
慧音「幽香殿のこと誤解してました。申し訳ない……」
妹紅「困ったことがあったら言ってくれ。今までのお返しってことで」
ミナト「慧音さんも妹紅さんも風見さんと仲良くしたいと思ってるんだよ」
幽香「あなた達……私と……友達になってくれるの?」
慧音と妹紅は顔を見合わせうなずいた。
慧音「ああ、幽香殿と友達になりたい。すぐにとは無理だが、里のみんなにも話して、幽香殿が噂とは違う人物だって教えておくよ」
妹紅「まぁ、私も避けてたからな……事実を確認しないで噂に乗ってしまったところもあるし……な」
小傘「わちき!わちきも!師匠の友達になりたい!!」
ミナト「風見さんも勇気振り絞ってください。勇気は夢を叶える魔法なんですから!」
幽香「ミナト……みんな……ありがとう!」
私は人里に来てよかったと思った。
小傘に驚かされてみたいですね。こんな子に驚かされるチャンスがある幻想郷ってやっぱり楽園ですわ……♪(ほっこり)