地球という惑星で、悟空、ベジータと知り合ってから月日は流れ、ブロリーはチライ、レモと共に惑星バンパで穏やかな日々を過ごしていた。
悟空がカプセルにして持ってきてくれた、「農園キット」というものを使って、バンパに小さな農場をつくった。
その自分達の小さな農園で、野菜や果物を育てるのが最近の三人の楽しみだ。
荒れた気候のバンパでも農作物が育てられるように考慮して、悟空は農園キットと一緒に物凄く頑丈なつくりのビニールハウスもカプセルにして持ってきてくれた。
育った野菜を三人で手分けして収穫していく。
チライは色鮮やかなパプリカを籠にたくさん入れて、ジャガイモを掘っているブロリーのそばに来た。
「ブロリー、そっちのできはどう?」
「たくさんとれたぞ。チライ」
ブロリーは汗を拭いながら、笑ってチライを見た。
ブロリーの傍らには、山積みになったジャガイモがあった。
「すごいね!」
チライもブロリーにつられて、思わず笑ってしまう。
荒れた気候と土地のバンパでも、こんな時間をもてるのは、なんとなく幸せだ。
ブロリーは、農作物の収穫をするのが好きだ。
土の匂いや、その感触、その中で育つ、命の形に触れるのが、心地良いからだ。
ブロリーとチライの元に、ホウレン草の収穫を終えたレモもやってきた。
三人は収穫した、たくさんの野菜を抱えて住居に戻った。
その日の夕食は、日中にたくさん採れた野菜をつかってシチューをつくった。
ブロリーはかなりの大食いなので、チライとレモとは別の専用鍋でブロリー用のも煮込んだ。
夕食を食べながら、レモが話を切り出した。
「ブロリー、チライ、すまんが明日から1週間程、留守にする」
「えっ、なんで!?」
「故郷の星の古い友人から、連絡があってな。長いこと、故郷には帰ってないし、しばし、里帰りだな」
レモはそう言うと、ポリポリ顔を掻いた。
「へぇ。故郷ってどんな星なの?」
チライは好奇心に瞳を輝かせて、レモに質問した。
「…どんな。って言われてもなぁ…普通の惑星だな。うん。惑星フリーザのように、物凄く発達した文明があるわけでもなく…この、バンパ程、未開発というわけでもない…」
「ふーん」
「まあ、そういうわけだから、お二人さん、留守を頼んだよ」
レモがブロリーとチライに視線をおくると、ブロリーは少し落ち込んだ様子で俯いた。
「すぐ、帰ってくるっていうんだから、そんな顔するんじゃないよ。ブロリー、あたしはここに残るんだし」
チライは、励ますようにブロリーの肩を叩いた。
「そうそう。すぐに帰ってくる。土産になんか、美味いもんでも買ってこよう」
「本当ー!?楽しみ!」
レモの言葉に、チライは明るく笑った。
もし、ブロリーが乱暴で横暴な性格なら年頃のチライと二人で留守番させるなど、決してできないが、ブロリーの性格ならチライと二人にしても、大丈夫だろう。
レモはそう判断して、しばし、里帰りをすると決めたのだった。
辺境の惑星、バンパで二人で過ごすことになった、ブロリーとチライ。
どこかアンバランスな、二人に果たしてロマンチックは訪れるのか、訪れないのか…
それは、今はわからない。
レモが翌朝に、故郷の惑星へ飛び立つと、ブロリーは母犬とはぐれた仔犬のように落胆していた。
空の遥か遠くへ消えていった、宇宙船。
とても寂しそうに空を見上げるブロリーに、チライは声をかけた。
「そんな顔、しないの!すぐ帰ってくるってんだし、元気出しな。ブロリーがそんなだと、こっちも調子狂うし…」
「ご、ごめん」
プンプン怒るチライを見て、ブロリーはますます、しょんぼりと肩をおとした。
「だからさー、そんな落ち込まないでよ。さっ、今日も野菜の収穫あるし、元気出して、頑張ろ!」
ずんずんとビニールハウスに向かって、歩き始めたチライの後ろにブロリーは背中を小さく丸めて、とぼとぼ続いた。
その日の夕食では、ブロリーは何度もため息をついていて、チライを困らせた。
(はあー。もう、勘弁して〜)
いつも三人で生活しているせいか、レモが一人、抜けただけで空気や雰囲気が変わってどっと疲れてしまう。
落ち込んでいるブロリーのことは、気がかりなのだが
それ以上に疲れてしまい、チライは夕食と入浴後、早々に自室へ行き、眠り始めた。
後編へ続く