マスクを着けた男が私を見ている。
彼はどこを見ているのか分からないが、 私が来る前に彼は私を待っていたという根拠の無い自信がある。
私の村は謎の病気に蝕まれて、たくさんの人が死んだ。
私はまだ大丈夫だっが、船に載せられ、どこかよく分からない島に来ていた。
「寒気がする、頭が痛い。」
私はマスクをつけた、黒い服の医師から、黒死病と告げられた。
私と同じ病気を持つ人もいるみたいで、他にもたくさんの人がベッドに寝ていた。
部屋は異臭が充満しており、鼻をつくような臭いがした。
私はまだ体を動かせた、部屋から出ることも可能だったが、施設から出ることは禁止されていた。
時々死神のような格好をした医師が部屋に来る。
私は医師に聞いてみた。
「黒死病は治るの?」
医師に聞いてみたが、医師は何も答えなかった。
答えないということは、治らないということか。
部屋には異臭と呻き声が充満してた。
隣のベッドにいる人は、ずっと寝ている。
苦しみに苦しんだ人は、もう苦しむことも無く、あんなふうに楽になるんだなと。
「私もいつかあんなふうになるのか、苦しんで、楽になって、死ぬ。」
「私もあんなふうに苦しんで死ぬのか。」
ほかのベットで苦しんでる人を見てたら、あんなふうに苦しむなら、苦しむ前に死のうと思った。
私は食堂から取ってきたナイフを手に取った。
頭の中では何度も死のうと思った、だけど手が動かなかった。
死ぬのが怖かった。
私はナイフを落とした。
医師が死のうとしてた私を見つけた、私は死神のような医師を見ると。
マスクを付けてて顔は見えないけど、最初に話しかけてきた医師と私は分かった。
マスクをつけた男が私に言った。
彼は私に生きることを諦めるな、まだ治療すれば治ると、根拠の無いことを言っていた。
私は目の前でたくさんの人が死んでいくのを見てきた、治療すれば治ると言っているが、治療していても周りの人達は病気に蝕まれていた。
私は医師とともに部屋に戻った。
私はベットに横になった、強力な感染力を持つ謎の病気、黒死病。
村の人達はたくさん死んだ、お母さんも死んだ。
お父さんは医師だ、村でおきた病気を治療したりしている。
今は別の村にお仕事をしに行ってて、村にはいなかった。
私は色々なことを考えながら、気づけば眠っていた。
朝起きたら、隣の人はいなかった。
「あぁ、行ってしまったのか。」
治療すれば治ると言っていたが、多分無理だろうな。
私は異臭が漂う部屋の中で、誰にも見守られずに1人死ぬ。
私の余命はもう1週間もない。