(完結)おれとぼくらのあどべんちゃー   作:アズマケイ

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第106話

ぷしゅううううう、と大輔の頭の上に張り付いている水色から知恵熱の白煙が立ち上る。くらくらし始めたのか、ふにゃふにゃになり始めて、目をぐるぐる回し始めたチコモンは、べしゃりと大輔の頭の上で伸びてしまった。ぐだあああとなっている。

 

おーい、大丈夫かあ?って大輔は思わず心配になって声をかけるのだが、チコモンはうううううと涙目である。ちらっとピラミッド迷宮最深部にある古代遺跡の予言の書のデジ文字をにらみつけるが、早くしろ、とナノモンにしれっと流されてしまい、うわああん、となる。

 

大好きなパートナーには効果てきめんの上目遣いの泣き落とし、徹底的に幼稚な仕草という究極コンボは、ナノモンには一切通じない。選ばれし子供たちのパートナーデジモンの中に機械族のデジモンがいないため、顕著にしたことはないのだが。

 

実はチコモン、昔っから無機質で融通が利かない、マシーン型デジモンとサイボーグ型デジモンが嫌いである。平和なデジタルワールドの象徴だから何とか許容しつつあるものの、やっぱり嫌いなものは嫌いである。

 

とりわけ、ナノモンは太一と同じくらい大っ嫌いになりつつあった。

 

 

「ぜんっぜん、わかんないよおおおおっ!」

 

「だからどうした、さっさと思い出せ」

 

「うわあああああん!だいしけええ!」

 

「ごめん、チコモン、オレ、デジ文字、寝ながら書いた鉛筆の跡にしかみえねえもん。オレじゃむりだよ、ごめんな」

 

「うううううっ!TAMAGOTTIのばっかあああ!」

 

 

古代デジタルワールド期生まれのチコモンは、現在のデジタルワールドのデジ文字の文章が読めない。TAMAGOTTIという遥か東方より来た、としか予言の書にも記述が残されていない謎の文明からもたらされたという文字と。

 

古代デジタルワールド期の失われた文明より使われしデジ文字が混在となっているため、なんでこんなにいっぱい増えているんだよう、とむくれながらも、大輔がなんて書いてあるんだと聞いてくれるので。

 

ただ今、現在進行形でナノモンから渡された50ものデジ文字表と26の古代デジ文字表をにらめっこ中である。どうやらこの失われし遺跡の主であった文明の住人たちは、古代デジタルワールド期とTAMAGOTTI文明が到来したとされる時期、以後に繁栄していたらしい。

 

 

「むあああああ!むりだよっ!なんでこんなにいっぱいあるのおっ!おれたちのじだいは、26じしかなかったのにいいっ!」

 

 

うわああああん、とすっかり涙目である。勉強が大っ嫌いな大輔は心の底から同情するのだが、スパルタのナノモン先生は一切妥協を許さない。記憶を失っていたころの方が優しかったのは気のせいか。

 

でも、チコモンは頑張るのだ。大好きなパートナーがチコモンのことをいっぱいいっぱい知りたい、って言ってくれたのだ。

 

チコモンという古代種の数奇な運命も、残酷な事実も悲哀ももう二度と帰らない日々も、帰りたいよう、帰りたいよう、みんなに会いたいよう。

 

なんでおれだけ助かったの、なんでおれだけなのおおって、時々、強烈なホームシックに見舞われて、

懐かしい夢の呪縛からだいしけだいしけって縋り付いてくる。

 

この世界で一人ぼっちのパートナーデジモンを、運命共同体なんだから、受け止めてあげる、って腕を広げてくれたから。決心したのだ。己の古傷ともいえる原点を見つめなおす意味でも。

 

空と光子郎は、大輔がなっちゃんから聞かされた話をそっくりそのまま教えたことで、何やら話し合いがあるらしく、ずーっと話をしていて、大輔とチコモンおいてきぼりである。パートナーデジモン達も見向きもしてくれない。

 

たぶん、ナノモンに巻き込まれたくないんだろう、薄情な人たちである。まだイグドラシルという神様がイグドラシルというお名前じゃなくて、セキュリティシステムなんていう細分化されたお役所仕事をするデジモンも居なくて、全部一人でやっていたころの時代の話だ。

 

本当に途方もない昔の生まれなのである。古代種であるチコモンは。古代デジタルワールド期の初期に一大勢力を形成し、一時は全世界を掌握したこともある覇権の持ち主、その古代種において、頂点に君臨していた優秀な戦闘種族の末裔にして純粋な古代種の記憶は、生きた化石も同じである。

 

だから、一見に如かず、なのだ。まさしく。チコモンは唯一にして無二の当時の生き証人である。というわけで、現在、チコモンはマシーン型の起源を知りたいというナノモンの犠牲者となっているのであった。

 

 

「ふむ、つまり、貴様はもともとフォルダ大陸生まれなのか」

 

「そうだよう」

 

「なるほど、では、ネイチャースピリッツ勢力の起源か」

 

「ねいちゃーすぴりっつ?」

 

「平和なデジタルワールドにおいて、多彩な勢力が今はあるが、起源をたどればすべて、たった6つの勢力に到達するのだ。

 

平原や河川、森林の勢力を起源とするネイチャースピリッツ。ネットの海に生息するディープセイバーズ。悪魔や吸血鬼といった、貴様らの世界とかかわりが深いナイトメアソルジャーズ。

 

鳥や植物のデジモン勢力の起源であるウインドガーディアンズ。そして我々マシーン型、サイボーグ型デジモンの起源であるメタルエンパイア。文字通り鋼の帝国だ。

 

最後に、聖獣や天使など貴様らの世界とかかわりが深いデジモン達、悪や闇に対抗するデジモンの多くが所属し、天使系のデジモンが配置されているウィルスバスターズ。ただし、この勢力は中立と背反勢力と鏡写しな極端なやつらが混在しているのだ。

 

ロイヤルナイツと天使勢力は同じ勢力下だが、明らかにスタンスが違うのは貴様らがよく知っているだろう?」

 

「うん。ひっどいめにあったよね」

 

「もう許してやろうぜ、チコモン」

 

「だあめ、ずーっとからかうのにつかってやるんだーい。だってだいしけ、おぼえてないじゃんか。あのとき、へたしたら、おれとだいしけきえてたんだよ?おこったってばちあたらないよ」

 

「そうかあ?」

 

「そうそう、そうやってからかってやんないと、まあたこのことしったタケルとトコモン、どっかーんってばくはつしちゃうよ?

 

せいじゅくきであんなんなのに、かんぜんたいで、どっかーん、ってなっちゃったら、こんどこそ、おれたちしんじゃうってば。 なっちゃんも、バクモンもいってただろ?タケルたち、あぶなかったって」

 

「あーそっか。いがいとかんがえてるな、おまえ」

 

「だいしけのぱーとなーでじもんだもん、あたりまえのこといわないでよ」

 

 

頭から降ろされて、抱っこされて、もみくちゃにされて、うれしそうな笑顔のチコモンは、うにゃあああと甘えている。

 

 

「で、思い出したか?」

 

「はい」

 

 

プラグボムやめて、プラグボムやめて、やります、ちゃんとやります、とチコモンは向き直った。

 

 

「なんというデジモンかわかるか?」

 

「わかるにきまってるでしょ、ばかにしないでよ」

 

 

むくれるチコモンである。

 

 

《はるか昔、デジタルワールドには鋼の帝国が存在していたらしい。》

 

 

四苦八苦して読んだ記述にあっさりチコモンは肯定した。

 

 

「ほんとにあったよ。だっておれたち、こいつらとまけちゃったから、みんなしんじゃったんだもん」

 

 

「鋼の帝国か、メタルエンパイアというわけだな」

 

「うん。ましーんがたのでじもんと、さいぼーぐがたのでじもんの、

おっきいくにとおれたちがたたかって、おれたちがまけたんだよ」

 

 

機械をベースにして感情や意志を持たないデジモンと、生き物の肉体をベースに作られた対になるデジモンが生み出された。しかし、後者は感情のオーバードライブを起こして、セトモンのように暴走してしまったため、封印されたとのこと。

 

 

「あんどろもんとぼるともんのことかな?」

 

「なに?アンドロモンはすべての機械型デジモンの祖先なのか」

 

「だから、あのこうじょうまもってるんじゃない?」

 

「なるほどな、そういうことなのか。いや待て、その工場とやらはファイル島にあるのだろう?なぜフォルダ大陸の貴様らと戦争ができるのだ」

 

「しらないよ。おれたちのすんでたとこって、すっごく、すっごく、せまかったんだよ?ふぁいるとうくらい」

 

「・・・・・・・・世界は広がったのか。もともと一つの大陸が分かれたのか、それとも」

 

「ちがうよ、あいつら、そらもうみもたいりくもおれたちからうばいとってったんだ」

 

「何っ!?」

 

 

《鋼の帝国はサイボーグ型デジモンの起源となるデジモンを作り上げた。やがてマシーン型、サイボーグ型デジモン達が彼らの手を離れて帝国を作り上げるまでにデジタルワールドで一大勢力を作り上げた時、鋼の帝国は上記の4大竜と接触。》

 

 

《そして、目覚ましい技術革新が起こり、竜と機械が融合したデジモンが誕生する。》

 

 

チコモンはうるうるである。

 

 

「ちこもん?」

 

「ほら、いっただろ?おれたちとせんそうするために、そらもたいりくもうみもぶんどられたんだよ。だからおれたちみんなしんじゃったんだ。おれたちにとっては、でじめんたるがすべてだったから。

 

それをあいつらはほしがったんだ。もっと、もっとって。さいしょはよかったよ。でももっとがとまらなくなって、おれたちのちからのみなもとをとられてしまったから、おれたちはなにもできないまましんじゃった。

 

でじめんたるをつかわないしんかなんかかんがえたことないよ。いらなかったんだもん」

 

「なんで?」

 

「おれたちはじゅみょうがみじかいから、でじめんたるのちからをかりてしんかしてたんだもの。だから、おれたちはいのちよりだいじなでじめんたるをまもるためにいなきゃいけない。

 

たたかうためにつかうってことは、もうすべてがおわったってしょうこなんだよ。だから、おれたち、みんなをうしなって、でじめんたるまもらなきゃっていう。

 

いのちよりもだいじなものをまもろうってして、みんなのことかんがえなきゃいけないのに、いかりやにくしみみたいなひとつのことにぬりつぶされたら、しんじゃうんだ。

 

おれたちこだいしゅはね、しぜんのちからをつかうから、すみかをはがねのていこくにぶっこわされて、ちからのみなもとのしぜんをぶっこわされたら、でじめんたるがないとしんかできないし。

 

ちからもつかえないんだよ、だいしけ。でも、にげないとしんじゃう。でも、でじめんたるからはなれたら、はなれただけ、おれたちはじゅみょうがちぢんじゃうから。

 

こわいこわいこわい、しにたくないしにたくないたすけてたすけてってひとつのことにぬしつぶされちゃうんだ。わけわかんなくなっちゃうんだ。みんなはがねのていこくにころされてく。

 

でもにげたらにげただけどんどんからだがきえてくんだ。つうじょうしんかなくってもおれたちつよかったから。もうみんなゆきみたいにきえちゃった。はがねのていこくとのせんそうは、もともとでじめんたるをもっていこうとするはがねのていこくが。

 

おれたちのところにしんりゃくしてきて、まもろうってして、できなかったんだ」

 

 

 

古代デジタルワールド期、デジメンタルは巨大なエネルギー体である。

古代種はその力で進化していたので、純正古代種であるブイモン、ホークモン、アルマジモン、遺伝子の色濃くのこっているパタモン、テイルモン(ホーリーリングなし)の進化経路は自由自在であったことは明白なのだが。

 

基本的に集団行動が大前提の集団であったと思われる。通常のアーマー体は成熟期と完全体の中間程度の力しか発揮できないとされ、完全体ほどの進化体として力を発揮できるのは、メタル系のデジメンタル経由のみ。まして、究極体の力を発揮できるのは、マグナモンだけである。

 

人工的に究極体を作り出すことができた鋼の帝国との争いは、どうあがいても絶望だった。

 

 

《対空迎撃用デジモン、対地迎撃用デジモン、水中迎撃用デジモンが開発され、改造、改修、強化、改造、を繰り返し、急激に発展を遂げた。》

 

 

「おれ、このせかいに、ほんとに、ひとりぼっちなんだね、だいしけ」

 

「ちこもん」

 

「だってさぁ……おれたちのことぉ……ほんのちょっとしかぁっ……かいてないんだよぉっ!おれたち、いっぱい、いっぱい、いたんだよ?いまよりも、そらはちかくて、せかいはせまくて、とってもじかんのながれははやかったんだけどね、それでもさぁっ、おれたち、いきてたのにぃっ……!」

 

 

あいたいよう、あいたいよう、みんなにあいたいようぅ、とチコモンは強烈なホームシックにかかったらしく、泣き始めてしまうのだ。過ぎ去った時間は戻らない。大輔はぎゅーって抱きしめてあげるのだ。そして思うのである。

 

こいつにはオレしかいないんだなあって。きっと、死ぬまで一緒なんだろうなあって。それもいいかもしれない。少なくても、こいつとなら、どこだって行ける。えぐえぐしながら、チコモンは言うのだ。

 

 

「おれがねてたりゆう、やっと、わかったよ、だいしけぇ」

 

「え?」

 

「だいしけ、おれ、いったよね?むかしはみんな、いっぱい、いっぱい、いたんだけど、みんなしんじゃったんだって。だいじなものをまもろうってして、それだけであたまのなかがぬりつぶされちゃうとせともんになっちゃって、みんなきえちゃうって」

 

「うん」

 

「おれたちのせかいには、ぐれいもんも、がるるもんも、いたって」

 

「うん」

 

「でもね、あるひ、ぐれいもんも、がるるもんも、なんかすっごくおっきなきかいにつめこまれて、どっかにはこばれちゃうんだ。おれたちもたすけようとしたんだけど、ぜんぜん、かなわなかったんだよ、だいしけ。

 

おれたち、だれにもまけたことなんかなかったのにさぁ。みんな、みんな、しぜんのちからをつかってたんだけど、きいたの、かみなりと、ほのおだけだったんだ。

 

でじたるわーるどからもらったちから、しぜんのちから、せかいのこどうが、ぜんぜんきこえない、きかいばっかりのやつだったから、ほかのちからつかえないやつ、みんなきえちゃった。しんじゃった。ころされちゃったんだ」

 

「そんな」

 

「がるるもんとぐれいもんかえってきたんだけど、なんかきかいですっごくすっごくくるしそうなんだよ、だいしけ。まっさおで、まっくろで、いろんなもんでごっちゃごちゃになっちゃってるんだ。

 

おれたち、いつもいっしょだったのに、おれたちにこうげきしてきたんだよ。おれたちもがんばってたたかったよ。だって、がるるもんたちをつかまえたおっきなきかいがおれたちにまできたから」

 

「もしかして」

 

「うん。はがねのていこくだとおもう。おれたちのなかまたちもいっぱいつかまっちゃって、にどとかえってこなかったよ、だいしけ、なんでかわかるよね?」

 

「デジメンタルと離れたから?」

 

「うん。でじめんたるはおれたちにとって、いのちよりもだいじなものなんだ。でじめんたるなくなったら、おれたち、しんじゃうんだ。

 

だっておれたち、ないたり、わらったり、おこったり、して、ちからをばーんってするからだれよりもつよいんだけど、すっごくつかれちゃう。それをつつんでくれるんだ。いやしてくれるんだ。

 

そばにいるだけであんしんできるんだよ、だいしけ。だいしけみたいにね」

 

 

ちこもんはすり寄る。

 

 

「すっごく、すっごく、おっきなちからのいしなんだ。おれたちだけのひみつのいしだったんだよ、だいしけ。これがなくなっちゃったらおれたちしんじゃうから。

 

でもね、あるひ、ものすごい、おっきなおとがして、おれたちがいるもりもかわものはらもぜんぶぜんぶぶっこわして、あいつらはきたんだ。

おれたちがでじたるわーるどからもらったしぜんのちからのみなもとは、すっごくおおきなえねるぎーをつかうから。

 

きかいをうごかすのにつかうんだって、よこせって、おしよせてきたんだよ」

 

 

チコモンは泣きながら笑っていた。

 

 

「おれたち、こわくなってにげたんだ。だって、あいつら、おれたちのしぜんのちからのこと、ぜんぶぜんぶしってるみたいでね、さきにおれたちのすみかぶっこわして、しぜんのちから、つかえなくしたんだ。

 

おれたちはせかいのこどうをやどしてたたかうから、きかいのでじもんとは、あいしょうがすんごくわるいんだ。ふつうのしんかなんてほとんどしたことなかったから、はやくはやくにげようとして、みんな、でじこあをこなゆきになるまですりへらして、しんじゃった。

 

みんなきえてくんだ。こわいようって。しにたくないようって。でーたちっぷまきちらしながら、しんでくんだよ、だいしけ。なんにものこらない、ゆきみたいな、なかを、ひたすら、ひたすら、おれ、はしってたんだ。

 

なきながらはしってたんだ。もうわけわかんないくらい、はしりつづけてたら、そしたら、とんでた。えくすぶいもんになってとんでたんだよ、だいしけ。でもね、えくすぶいもんになるのだって、すんごく、おれたちにとってはたいへんなんだ。

 

でじめんたる、ぜんぶ、ぜんぶもっていかれちゃったから、もうおれはでじこあがつきるまでとんでるしかなかったんだよ、だいしけ。そのうちまっしろなはねがきえはじめて、がくんてなって、おっこちて。

 

ああ、おれ、みんなといっしょにやっときえるんだなあって、つかれたあっておもったら、きえてなかったんだ」

 

「え?」

 

「だから、いま、おれはここにいるんだよ、だいしけ」

 

「だれか助けてくれたのか?」

 

「うん。おれのいのちのおんじんがいるんだ、だいしけ。おれはいっしょうわすれないよ、わすれてたけど、わすれないよ、もう。ぜったいに、ぜったいに。だって、おくれてごめんねって、これだけしかとりかえせなかったよって。

 

でじめんたる、おれにかえしてくれたんだ。ひとりぼっちでさびしくてないてるおれに、もうひとりじゃないよっていってくれたでじもんがいるんだ。もう、だいじょうぶだよって。ゆっくりおやすみって。

 

だからおれ、だいしけがきてくれるまで、そのときってやつがわかんないのにずーっとまってられたんだよ、だいしけ」

 

「なんつーでじもん?」

 

「おめがもんっていってた。がるるもんとぐれいもんがおれをたすけにきてくれたんだっておもったら、

うれしくてうれしくてないちゃった。おれをおこしてくれたおにいさんのほうのげんないさんとぴっころもんとおなじにおいがしたから」

 

 

いうまでもなく、チコモンが出会ったそのデジモンは、ロイヤルナイツの始祖にオメガソードを託したロイヤルナイツが一角、最後の名を持つデジモンである。

 

 

《明らかなる争いの火種である。

よって、デジタルワールドを守護する最高位であるロイヤルナイツという謎の聖騎士集団が、4大竜と鋼の帝国の監視を行っていたという。》

 

 

「本来、古代種を淘汰していた機械型のデジモンが融合しただと?まさかそれがロイヤルナイツの原型か?」

 

「わかんない。おれ、そのままねちゃったから。でもね、ひとつだけ、こころのこりがあるんだ」

 

「逃げちゃったことか?仕方ないだろ、死にたくないんだし」

 

「だって、おれたちににげろっていってくれた、でじもんがいたんだ。

 すっごくつよいやつらに、ゆいいつたいこうできるくらい、つよかったでじもんだから、みんなにりーだーってしたわれてるでじもんだったよ。もう、なまえ、おもいだせないけど」

 

「そうなのか?」

 

「さいごまで、さいごにのこったでじめんたるまもってるのみたんだ。

おれたちのことまもってくれて、ずっとかべになってくれたでじもんが、どうなったのか、すっごくすっごくしんぱいなんだよ、だいしけ。

おれはこのせかいにひとりぼっちになっちゃったけど、ほんとうにひとりぼっちじゃないかぁっ……!」

 

 

もう今となっては確かめようのない現実である。

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