かつて戦争があった。世界がファイル島とフォルダ大陸しかなかった時代、フォルダ大陸の狭谷に存在する工場地帯の名称でしかなかったエリアがある。
最初期こそ、アンドロモンの思考回路やボルトモンの暴走、メタルグレイモンの肉体の腐敗など問題は多かったが、研究者と呼ばれていた者たちは諦めず研究を続けた。
負荷に耐えて腐食しなくなったメタルグレイモンや思考回路の問題を解決したアンドロモンの強化個体が誕生し、マシーン型、サイボーグ型のデジモンは世界に広がり、勢力は帝国と呼ばれる域にまで達することになる。
その勢力に対して、四大竜と呼ばれているデジモン達が接触し、ドラモン一族のデータを提供したとされているが、未だに真意は不明である。
結果として、竜と機械の融合という技術革新を迎えた鋼の帝国、メタルエンパイアは、空の迎撃用デジモン、地上の迎撃デジモン、水中の迎撃デジモンを作り上げ、当時の科学の推移を集めた最高傑作ともいえるデジモンを作り出した。
技術の進歩から以前開発したデジモンを改造することで、新たな強化個体を生み出した。
彼らは北の地域を出て、南の大地を目指して侵攻を繰り返したが、勝利が続くはずもない。彼らは時代が変わったことに気付かなかった。
ドラモンキラーと呼ばれる武器の誕生、新しい種族の誕生、他の勢力の結託。古代種を始めとした他の勢力たちはこぞって対抗策を講じ、攻勢は徐々に傾いていく。戦乱の行方を決定づけたのは、メタルエンパイアに造られた機械型究極体のデジモンが当時存在しえなかった融合という新たな進化の道を開拓し、のちにロイヤルナイツと呼ばれることになる融合体として降臨、裏切ったこと。
敗戦を繰り返して領土を失い、小さな国と戻りつつあった彼らは、最後の戦いを挑んで敗北した。多大なる犠牲を払って戦争は終結し、メタルエンパイアは発足したロイヤルナイツに
監視されることで決着がついた。
先代の選ばれし子供たちがこの世界に召喚されたのは、戦火の傷跡が色濃いそんな時代である。
この時代、デジモン達は大きく分けて2つの種類に分かれていた。電子の海から誕生したデジモン達は、基本的にワイアーという骨組みを作り上げ、テクスチャという皮膚をつくり、デジコアという心臓部を守るために覆い隠している。
自然発生的に生まれたデジモン達が過半数を占めているのは今の時代と変わらないが、その発生過程を意図的に操作して誕生する人工的なデジモンが生まれたのがこのころだ。代表格はマシーン型、もしくは機械型のデジモン達である。
そして、融合という新しい進化の過程を垣間見たメタルエンパイアが、人工的にロイヤルナイツの奇跡を再現しようとして誕生したデジモン達がいる。
現代種たちの間で一般化している進化というシステムも始まりの街によるデジタマの転生
もまだ無かった時代である。
デジタルモンスターの誕生には、デジコアとワイアー、テクスチャがあればいいと分かっていた彼らは、人工的にデジモンを作り出すことで技術革新を起こそうとしたのだ。
生まれながらに成長期、成熟期、完全体とくれば図体がでかいだけの赤ちゃんに過ぎない。刷り込みのヒナのように、新しい戦力として投入することが期待できたからである。
デジモン同士のデータをコピーし、融合させ、人工的なデジモンを作り出す。2体のデジモンを合体させて、新しいデジモンを作り出す実験は、成長期から始まった。
しかし、この技術では同じ世代のデジモン同士でしか合体できず、合体したデジモンは、その世代のデジモンしかできなかった。それが彼らの限界だった。
それでも当時は、究極体の存在はごくわずか、完全体がほとんどのデジモンの限界である。
意図的に完全体を量産できるのは脅威といえた。もっとも、その時メタルエンパイアの頂点に君臨していたのは、はるか未来からの侵略者。先代の子供たちの敵である。
そして、かつての戦争とは全く異なる性質の戦争は始まった。闇と光のバランスを管理するセキュリティシステムの前任者は、世界の崩壊しかねない危機を前に、融合という手段を解禁して子供たちを支援した。
融合は2体のデジモンが合体すると、更なる世代のデジモンを生み出すことができる。人工的に再現することができなかった奇跡が、子供たちのために再現された瞬間だった。
他にも、デジメンタルによる擬似進化、現代種という新しい進化の可能性の開拓、あらゆる手段を使って戦い抜いた子供たちは、暗黒勢力を封印することで戦争に終止符を打った。
そして、戦争の遺物はデジタルワールドによって封印された、はずだった。やがてジョイントプログレスという形で復活することになる戦争の遺物が封印されているエリアがある。
守護デジモンのいない立ち入り禁止区域に現れたティンカーモンと呼ばれたデジモンがいる。幼年期の子供たちしか入れない変わったエリアを守っているはずの守護デジモンだ。相棒の姿は無い。緑衣装の妖精は、今、行く手を阻むために立ちふさがっているのだ。
その理由はただひとつ。メタルエンパイアが開発した戦争の遺物を回収しに来たのだろう。この時点で彼女は全てを悟った。彼女と相棒が他ならぬ裏切り者であると。
そして、ティンカーモン達が慕うデジモンはただ一人だけである。最愛の闇が脳裏をかすめた。どうしてだい、ばかやろうが、と悲痛な叫びを胸に押し殺しながら、ババモンは皮肉めいた笑みを浮かべた。まだ、信じたくないのである。できることなら嘘であってほしかった。
「アタシの記憶が正しけりゃ、アンタはメタルエンパイアによって造られた人工デジモンだったねえ?パートナーともども親の期待は裏切れないって感じなのかい?幼年期の子供たちを連れ込んで何企んでるんだ。是非とも白状してもらいたいもんだねえ、ティンカーモン」
水晶の石像を踏みつけた妖精は、にのべもなく笑って見せた。可憐な笑顔はババモンもよく知っている無邪気な妖精そのものだ。ゲンナイに暗黒の塊を打ち込んだような、暗黒から生み出されたデジモンではなさそうだし、炎の壁を浸食する暗黒から進化を否定する概念を無意識の中に埋め込まれたわけでもなさそうだ。出来ることならどちらかであってほしかったが、ティンカーモンはどこまでも正気である。
「やっぱり長生きはするものではありませんわね、ババモンさま。わたくしが行動を起こすのはいつだってあの方のためですわ」
「そりゃ残念な知らせだね。いつからアンタらはシンパになったんだ」
「ずっとずっと前からですわ、ババモンさま。いつ現れるか分からない英雄を待ち続けられるほど、わたくし達は暇ではありませんの。あの方は変わってしまわれた。もうあとには戻れないのです。残念ですわ、どうしてまたニンゲンなんかに頼ろうとするのです」
ティンカーモンは黄緑色のリボンを揺らして、タケルと同じ色をしたポニーテールを翻す。りん、りん、と胸元のベルが鳴った。まあるくてつぶらな瞳がタケルとパタモンを映している。
「ニンゲンなんてくるべきではないのですわ。どうせみんな忘れてしまうんですもの」
「そんなことないやい!勝手なこというなよ!」
聞きづてならないと声を張り上げたパタモンに、は、と鼻で笑った妖精は冷たい視線を寄こした。
「くだらない。パートナーだったデジモンは、決まってそう思い込むのですわ。なぜあの人たちは来て下さらないの?また逢いましょうって約束したのに来て下さらないの?どうしてあなた達が来たのです?わたくし達がどんな思いでお待ちしていたと?きっと忘れてしまったのですわ。この世界を救ってくれた子供たちは、いつだって大人になるころには来なくなってしまうんですもの。あなただってきっとそう。そんなあなた達に、これをお渡しするわけにはいきませんわ」
タケル、伏せて!と間髪でパタモンがタケルとティンカーモンの間に割って入ると、必殺技をさく裂させる。吹っ飛ばされた妖精はは、ずささささと硬いダイヤモンドの経路に転がった。
そして、小脇の袋にしまってあった水晶のような宝石類が燃えている炎を受ける。こまかに波だって宝石のきらめきが光を受けると、あかあかときらめいている。タケルを守るようにパタモンは前に立ちふさがった。
足元に転がったアクセサリーに目を走らせていたタケルは、その溢れるほど眩い輝きの中に、見覚えのあるタグを見つけた。綺麗でしょう?と忌々しげにティンカーモンはそのタグに収められている紋章を拾い上げたと思うと、乱雑に握り締めてしまう。割れやしないかハラハラしているタケルの横で、ババモンは凍り付いていた。
透き通ったピンク色の紋章だった。小さな〇を囲うように、上下左右に細長い三角形が4つ伸びていて、その間を細長くて小さなダイヤが4つ並んでいる。まるで集中線のように伸びていた。見たこともない紋章にタケルとパタモンは目を丸くする。
「なんでアンタがそれをもってんのさ」
「決まってるではありませんか、動力源として使わせていただきますの。ホーリーリングだけでは足りないもので」
「なっ……!?ま、さか、アンタたち……!」
「え、え、どうしたの、ババモン」
「あの紋章は光の紋章っていうのさ。精神的な特質を持ってるタケルたちの紋章とは、根本的に性質が違う紋章でね、進化そのものを司ってる紋章なんだよ」
「大輔君の紋章と一緒なの?」
「そうさ。デジヴァイスによる進化があの紋章の力を元に造られてるとしたら、パタモンがエンジェモンになっても自我を保ってられるのは奇跡の紋章が元だね。なんだって行方不明の紋章をアンタが持ってんだって話だけど、その様子だとどうやらアタシはとんだヤツラを仲間に引き入れちまったらしいね」
「今頃気付きましたの?ババモンさま。進化を促すことができるニンゲンの力は、生命そのものの力ですもの。きっとこの先の機械だって動かすことができるはずですわ」
「正気なのかい!?あの機械がなんなのか、アンタが一番よく知ってるはずじゃないのさ!」
「ええ、存じ上げておりますわ。やはりあの方の判断は正しかったようですわね。本来なら、ご先祖が人工デジモンであるテイルモンのお仕事なんですけども、オリジナルであるわたくしの方が勝手知ったるなんとやらですもの。ふふ、悪く思わないでくださいまし」
「そりゃこっちの台詞だよ、ティンカーモン。タケル達の紋章を奪ったのもアンタだね?返してもらおうか」
「お断りいたしますわ。せっかくツノモン達、お仲間が持ってきてくださった紋章ですもの、ありがたく使わせていただきますわ」
え、と声を上げたのはタケルだった。うそだ、絶対嘘だ、ツノモンたちがそんなことすうるわけないじゃないか。パタモンが反論するが、ババモンがそれを制した。
幼年期を従えてる理由はこれもあるんだとババモンは苦い顔をする。ティンカーモンの背後に禍々しい影が見えたのだ。ババモンは箒を召喚した。
「なるほど、どうやらアンタらはもう暗黒の勢力にどっぷりつかってるってわけだ。覚悟は出来てんだろうね?」
ババモンの声から感情が消える。
「話はわかったね、タケル。どっかにツノモン達が捕まってるそうだ。いきな」
「え?」
「いいから、いきな。走りな。行く所は分かるね?」
「え、でも…」
「いいからいきな!絶対に振り返るんじゃないよ!」
ババモンの怒声に気圧される形で、弾かれるように顔を上げたタケルとパタモンは、ティンカーモンから逃れるように結晶で出来上がっている神殿の階段を駆け上がる。臆病風に吹かれたと勘違いされたくないとパタモンはタケルの腕の中で暴れるが、大人しくしててよ、とタケルは一喝して黙らせる。
尋常ではないほどの気迫だ。成長期相手の忠告とは思えない。一直線に逃げろと宣告されたのだ。もう緊張感と恐怖が湧き上がってくる。
古代デジタルワールド期から成長期のままだというティンカーモンがどれだけ強いのか、タケルにもパタモンにも分からない。進化しないデジモンなんてデジモンなのだろうか。
そんなことを思いながら、階段を駆け上がるタケルたちは階段のはるか下の方で、凄まじい轟音を聞いた。驚いて振り返ると、ババモンの目の前にドラゴンの姿をした機械が現れたのである。
何十段も上がって来たにも関わらず、そのデジモンが全身を機械で覆われたデジモンであると
分かってしまうくらい、そのデジモンは大きかった。背筋を悪寒が走る。逃げなきゃ、とタケルは懸命に足を走らせた。
「どこにいきますの?紋章はここにありますのに」
「やっすい挑発なんかに乗るんじゃないよ、パタモン!逃げるんだ!」
光の紋章を揺らすティンカーモンである。ババモンはぴしゃりとねめつけた。光の粉を振りまきながら、ティンカーモンが駆け上がって来るではないか。
「ふふ、お相手して差し上げますわ。おばかさん。あなた方にここから先に行かれてはこまりますの」
もう少しで追いつかれてしまう!タケルを守らなければ、と戦闘体勢に入ったパタモンのエアショットがさく裂する。ティンカーモンは足のあたりに仕舞っていた獲物を取り出すと、ネイルアートが施された野獣のような鋭い爪を出し、殺気をみなぎらせた無邪気な笑顔を讃えてパタモン目掛けて襲い掛かった。
消えてしまった炎のせいでよく姿が確認できなかったのだが、ようやく自在に浮遊する姿がタケルとパタモンの前に姿を現した。
「パタモン、あぶないっ!!」
「タケル、きちゃだめだよっ!」
パタモン目掛けて襲い掛かった鋭利な矛先から大好きなパートナーをかばおうとして、タケルがガラス球を投げつける。がしゃん、と粉々にガラス球が砕け散る音がした。
一瞬ひるんだすきを見計らってタケルがパタモンにデジヴァイスの光をかざして、進化への活路を見い出そうとしたその刹那、にやりと妖精型のデジモンは笑ったのである。
「フェアリーパウダーっ!!」
「パタモンっ!!」
タケルの目の前で、パタモンの悲鳴が上がる。
デジヴァイスの聖なる力によってエンジェモンに進化したはずのパートナーが、彼女の繰り出した謎の鱗粉を浴びた途端、元の姿に、いや、トコモンにまで退化してしまったのである。
幼年期で死んだデジモンは生き返らない、という言葉を思い出したタケルは、無我夢中でトコモンの下に走る。走る。駆け寄る。そして、トコモンを拾い上げると、懸命に走り出した。彼女の高笑いが聞こえる。
どうやらあの鱗粉を浴びてしまうと幼年期にまで退化してしまうようだ。これがもしかしてデジタマモンをバーガモンにまで退化させたデジモンなのか。てっきりエテモンのような完全体を想像していたタケルは、冷や汗を浮かべた。
彼女が空を飛びながら迫りくる。せめて降り注ぐオーロラの粉を凌げるところまで逃げないと打つ手がない。タケル、から、だが、とトコモンの弱々しい声が聞こえる。しまった、ガラス球が!
今までタケルたちを守ってくれていた守護のお守りは粉砕されてしまっている。すこしずつ、すこしずつ、タケルの身体の表面に結晶化の鱗が付き始めてしまったのである。
まずい、まずい、まずい!!空を見上げれば彼女が武器を投げおろしてくるのが見えた。矛先には毒々しいどす黒い色が塗られている。どうやら毒が仕込まれているようだ。どういう効果があるのかは分からないが、命の危険にさらされていることには変わりない。
だがこのままでは体の一部が結晶化してしまったタケルは確実に移動能力がガタ落ちしてしまう。そしてそこを攻撃されてしまったが最後、確実に壊死して、そこから毒を食らって終わりだ。
タケル、タケル、とトコモンが必死でタケルの背中や肩の関節部分に肥大化していこうとする結晶化の粒を壊していく。もしかしたら彼女はタケルの体力切れを狙っているのかもしれない。
タケルに出来ることは逃げることだけだ。祈るような気持ちでデジヴァイスをしっかりと握りしめたが、デジヴァイスが反応する気配はない。なんでっと今にも泣きそうな声がこぼれた。
「これで終わりですわね。あなたのパートナーもいただきますわ」
ティンカーモンの鉾がタケルたち目掛けて襲い掛かった。
「そうはさせないよ」
「きゃあっ!?」
ばしっと弾かれた鉾が宙を舞う。反射的に鞭打たれた個所を押さえこんでしまったティンカーモンは、その緑色の鞭にびっしりと生えているトゲが食い込んで悶絶した。からん、からん、と音を立てて真っ赤な棒切れが階段を転がっていく。
涙目で恨めし気にババモンがいた場所を見下ろしたティンカーモンは、大きくしなる鞭の主が奇襲を窺っていたダークドラモンを縛り上げているのを見た。
タケル達は思わず足を止めてしまう。そこにいたのはババモンではなかったからだ。大きく反応したのはパタモンだった。おぼろげだけれども、パタモンは覚えている。
デジタマから生まれたばかりの幼年期の時に、訪ねてきてくれたデジモンがいた。はじまりのまちを治めていたことがあったと聞いたから、
あったことがあるだけだろうかと思っていたのだが、とんでもない。デジヴァイスを手渡しながら、タケルというパートナーがいることを教えてくれたデジモンだった。
真昼のオーロラが空に広がった時に、さかさまの世界がうつり込む日がやって来る。それは明日かもしれないし、10年後かもしれない。もしかしたら1000年後かも。それでもいつかやってくる。その日からパタモンはパートナーと共に生きていける。
その日が来たら、タケルに来てもらうためにディヴァイスを空に向かって放り投げて、デジヴァイスを届けてあげなさいって教えてくれたのは全部あのデジモンだったのだから。
「ロゼモンっ…!」
「パタモン知ってるの?」
「うん、知ってる!知ってるよ、タケル!ロゼモンは、デジヴァイスをくれたんだ。それでね、タケルがいるんだって、僕はタケルのためにいるんだって、タケルと会うために待ってるんだよって教えてくれたのがロゼモンなんだよっ!」
「ええっ!?そうなのっ!?」
タケルの遥か後方では、白い翼と見まごうほどの光を放つ4つの翼をもった、黄色のラインが入った青い武装に覆われたデジモンがいる。右手には禍々しいデザインの盾と仕込まれている武器がロゼモンを狙っている。
黄色いラインが入った光沢のある尻尾をみる限り、どうやら重装備と体が完全に一体化しているようだ。真っ赤な髪がわずかに揺らめいていた。そのデジモンが大暴れするたびに結晶世界はひびが入って割れていく。
余波を食らって倒れていく生きた石像。タケルは目を逸らすことしか出来なかった。空高く跳躍する赤いバラが水晶に乱反射して踊っている。自在に操る鞭で動きを拘束させ、ロゼモンの周りから植物が乱舞する。爆発したように吹き荒れた華の舞がそのデジモンを覆い尽くし、身体に繋がれているパイプや鉄鋼をずたずたに切り裂いていく。
「なにしてんだい!早く逃げるんだよ、タケル!アタシのことは心配いらないから早く逃げな!」
ロゼモンの叱責が飛んだ。ティンカーモンは鉾を取りに行っていて、あたりはがらんどうの宮殿が待ち構えている。しばしの迷いののち、うん、と頷いたタケルは、大急ぎでトコモンと共に、階段を一気に駆け上がった。
その数分後、ロイヤルナイツの聖槍に匹敵する仕込みやりで貼り付けにされたロゼモンめがけて、Dブリガードの最終兵器が暴走した原因であるダークマターが発射された。
この小説におけるデジタルワールドの年表
ネットワークセキュリティはエニアックのみ。ファイル島だけの時代。エニアックという名前は古代デジタルワールド期に飛ばされた記憶喪失のリョウを保護し、千年魔物として未来で世界を支配しているミレニアモンからの侵攻を食い止めて欲しいとリョウに依頼してきたホメオスタシスの様なものとして登場した際に名乗っている。結晶体みたいな精神体みたいなよくわからないやつ。
古代デジタルワールド期(古代種とネイチャースピリッツ他勢力VSメタルエンパイア)。ロイヤルナイツの始祖組(少なくても初代オメガソードの持ち主とインぺPMはいたはず)の活躍から今のロイヤルナイツにバトンタッチ。このSSではマグナモンもいたことになってる。
十闘士VSルーチェモンとか天使勢力VS7大魔王勢力とかで世紀末。のちに拮抗。
TAMAGOTTI文明到来(男の子版たまごっちであるデジモン、ペンデュラム発売)
※パラレルワールドでの出来事
セキュリティシステムの中心はまだエニアック。世界の実質的な主導権はまだデジモンにある。このころの出来事は予言の書、もしくはダイノ古代境の急域にある碑文として残されていた。まだホメオスタシスは生まれていないので、彼らが持っているのはあくまでも、セキュリティシステムとして記憶している媒体を通して、パラレル太一たちを知っている。
この時に漫画版太一が呼ばれる(フォルダ大陸)。
5年にもおよぶ旅路。記述はあいまいだが、ゼロマルはその後本格的に立ち上がったロイヤルナイツに加盟。漫画版クロウォみたいにみんなに慕われてるといいな。
(ファイル島)
ジジモンとババモンはエンシャント型のデジモンなので、古代から生きていると思われる。デジモンたちの記憶が無くなり、知性を喪失し、モンスターとして野生化する事件が発生。ジジモンが召喚した子供がアナログマンという100年間この世界でさまよい、支配しようとしていた子供を倒す。のちに彼のアバターは記録され、カードバトルという文化が花開いたころに、ババモンによって召喚された子供も同じ姿をしていたため、同一人物と思われているが、実際はカードバトル時代とデジモンワールド時代の主人公は別人である。
この時代も、まだネットワークセキュリティの細分化が完成する前のため記述があいまい。当時のことを伝聞して書き記すしかないため、あることないこと大げさに書かれている。日本書紀や古事記のような感じ。このSSで伝説扱いなのも、ある意味その影響が表れている。ただし、彼らはデジヴァイスを使ったわけではないので選ばれし子供には換算しない。
・カードバトルの時代の名残として、現在のアニメの世界では、デジタルゲートを開く力の宿ったカードとして残っている。この小説においてははじまりの街を守っていたのはババモンだったが…。
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ネットワークセキュリティ(イグドラシルやホメオスタシスに世代交代)完成
長きにわたる平和な時代なので、歴史の教科書として、予言の書が作成される
ポケットデジモンワールドシリーズ(デジワー1の後日談)の時代
先代選ばれし子供たちにより、デジモン黙示録が作成される(小説版より)も、ダークマスターズの者たちに逆に利用され、暗黒の世界を作るための
情報としてダイノ古代境にあった本物は持ち去られてしまう。小説によれば碑文を元にダークマスターズは世界を侵略してるので、入手経路は捏造。のちにその残骸データを回収したヴァンデモンがデジモンミュージアム(ポケデジより)にいるワイズモンの力を借りて、デジモン黙示録の内容、予言の書の内容を把握し、ダークマスターズ同様自らの世界征服の糧としようとただ今暗躍中。
先代の子供たちの四聖獣たち、東西南北のグリッドのくさびを打ち込むことでデジタルワールドを平定、暗黒の力が来ないように封印の柱としての役目を担う。ホメオスタシスの部下として、ゲンナイたちが誕生する。
ちなみにファイル島に出てくるデジモンで基本的にデジモンワールド出身は守護デジモンの位置づけ。