気分転換とリハビリで書きました。
全編ノリと勢い。ほぼ全編戦闘シーン。クロスオーバーらしいキャラ同士の絡みは少なめです……。
「この本によれば、仮面ライダージオウ、常磐ソウゴ。彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなると運命が待ち構えていた。
そんな彼がある日、異世界から迷い混んだ5人の騎士と出会い……おっと、ここから先は皆さんにとって、未来のお話でしたね?」
2019年5月、日本。
十連休という長期の休日。この日は天気も良く、休日の街中には家族や友人、恋人と過ごす姿がよく見られる平和な日常。
しかし、日常というのは容易く壊れるもので。
「グオオオオオン!」
化け物の叫び声と共に炎の弾が街を破壊する。
「キャー!」
「うわぁあ!」
崩れ落ちる瓦礫。
悲鳴を上げながら逃げ惑う人々。
そして逃げる人々の流れに逆らって走る5人の男女。
《ケボーン!》
《リュウ!
竜の意匠が凝らされた剣、リュウソウケンを携えた赤、青、ピンク、緑、黒の戦士達。彼らの名は騎士竜戦隊リュウソウジャー。
戦闘民族ドルイドン族、マイナス感情から生まれる怪獣マイナソーと戦う古代人類リュウソウ族の若き騎士である。
「マイナソーを止める! 行くぞ!」
赤い戦士、リュウソウレッドが先陣を切って駆ける。
狙いは人形の竜のような姿をした異形の怪物。マイナソーだ。
「うおおお!」
リュウソウレッドがリュウソウケンを振り下ろす。
マイナソーの体から火花が散り、一瞬怯んだ隙に蹴りを入れる。
「がぅうう……」
リュウソウレッドの上を飛び越えてブルーとピンクが追撃を加える。
マイナソーがよろめいたところに両端からグリーンとブラックが息の合ったコンビネーションで滅多切りにする。しかし
「こいつ、全然効いてない!」
斬れば火花は散る。蹴れば飛ばされる。しかし、ダメージを負った様子が見られないのだ。
「あの装甲だ。あの装甲が俺達の攻撃を防いでいるんだ」
「兄さん、じゃあどうすれば」
「それなら!」
ピンクはベルトのバックルから竜の頭の形をした小さなアイテム、リュウソウジャーの力の源であるリュウソウルを取り出し、それを人形のナイトモードに変形させる。
「ムキムキソウル!」
ピンクはリュウソウケンにある竜の口を開き、ムキムキソウルをセット。そしてガブガブと噛ませる。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ! ムキムキそう!》
右腕に騎士竜ムキムキソウリュウを模した装甲が出現し、それを
ムキムキソウルの力はその名の通りムキムキに、つまり筋力を増強させる。
「うおおっりゃあぁ!!」
ムキムキソウルによって強化されたリュウソウピンクの拳が叩き込まれ、舗装された道を砕きながらぶっ飛ばされる。
「グオオオオォォ!」
「よしっ、強力な攻撃なら効くみたい!」
「ナイス、アスナ!」
「これで突破口が見えた」
リュウソウジャーの全員がバックルからリュウソウルを取り出し、リュウソウケンにセットする。
「グオオオオオン!」
起き上がったマイナソーは怒りをあらわにリュウソウジャーに突撃する。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!ミガケそう!》
ブラックがミガケソウルを竜装し、リュウソウケンを地面に突き立てるとその先が磨かれ、鏡のようになる。ツルツルの地面で足を滑らせたマイナソーは尻餅をついてそのまま滑って直進。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!マブシそう!》
グリーンがマブシソウルを竜装。リュウソウケンの刀身から強烈な光を放ち、マイナソーの視力を奪う。
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!カルそう!》
ブルーがカルソウルを竜装。滑ってくる怪物にリュウソウケンでレイピアのように突くとマイナソーから重さが消え、まるで塵のように軽くなる。
「はあぁっ!」
そして軽くなったマイナソーをピンクがアッパー気味に殴り、上空へと飛ばす。
飛ばされたその先にはプクプクソウルを竜装して、浮き上がっていたレッドが待ち構えていた。
レッドはマイナソーが打ち上げられたのを見るとリュウソウケンからプクプクソウルを取り出し、代わりに別のリュウソウルをセットする。
竜装を解除したことによってプクプクソウルの力が無くなり、落下しながらリュウソウケンを操作する。
《レッド!それ!それ!それ!それ!その調子!
「ディノ……スラァーシュッ!」
すれ違い様にリュウソウレッド必殺の斬撃が炸裂。
レッドが着地すると同時に上空で爆発が起こった。
「やったか……」
爆発を見ながらブラックが言う。
「いや、まだだ!あれを!」
しかし、ブルーが何かを見たのか爆発した場所を指差す。その指先はゆっくりと下へと動き
「が、ぐぅぅぅう……」
装甲が剥がれ落ち、全身から煙をたたせながらもかろうじて生きているといった様子の怪物を指した。
リュウソウジャー達は油断なく構え、追撃を加えようとグリーンが駆ける。
カチッ
時計の針のような音が鳴り、その場にいたリュウソウジャー達の時間が止まる。
動いているのは瀕死のマイナソーと一人の人間のみ。
「ふん、見知らぬ怪物に見知らぬ戦士……どうやら仮面ライダーでは無いようだが、こいつらがいては迷惑だな」
紫の服を身に纏った男が悠々と歩き、マイナソーの前に立つ。
「だが、コイツは使えそうだ。俺のために働いてもらう。意見は……求めん」
《ジオウ……》
男が懐から取り出した時計型のアイテム、アナザーライドウォッチを起動。それをマイナソーの体内に押し込む。
「グゥ……グオオオオオン!」
《ジオウ……!》
マイナソーは紫のオーラを纏い、黒をベースにピンクのラインが入った装甲を纏い、怪獣から怪人へと【変身】した。その胸の装甲には横一文字の傷で消されたZI-O:2019の文字が彫られている。
男はその場から姿を消し、時間が動き出す。
「グォオオオオン!」
何処からか二本の剣を取り出し、交差させるように振るうとピンク色の光の刃が放たれ、リュウソウジャー達を襲う。
爆発に飲まれるリュウソウジャー。彼らは容易く吹き飛ばされ、地面に転がる。
「何だ……今の」
「ドルイドンの仲間か……?」
「アイツに何かされてから、マイナソーが強くなった!」
「さっき……とは、桁違いのパワーだ」
「くっ、不覚を取ったか……」
「でも! 負けられない、負けちゃいけない!うおおおおおおお!」
レッドが立ち上がり、吼える。
「ツヨソウル!」
《リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!ツヨそう!》
ツヨソウルを竜装し、駆ける。
《それ!それ!それ!それ!その調子!
「だぁあああ!!」
跳躍して距離を詰め、リュウソウケンを両手に持って振り下ろし。それは二本の剣に阻まれるがパワーで押しきる。
「おおぉああっ!」
今度は距離を詰める為ではなく全体重を斬撃に乗せるための着地。着地の事を考えていないその一撃は相手を怯ませるには十分。装甲から赤い火が飛ぶ。
両手をついて着地、そしてすぐに足を上げて顔面を蹴る。
レッドの怒濤の攻撃に手も足も出ない。
しかし、さっきまでとは違ってダメージが入っている様子は全く無い。
「グガァアアア!!」
「うわぁああ!?」
怪人が二本の剣を合わせ、さっきのお返しとばかりに一撃でレッドを上空へと吹き飛ばす。
「「 コウ!」」
ピンクとブルーが彼の名を呼ぶ。
怪人は落ちてくるレッドを見つめながら剣にエネルギーを溜め……
《ヘイ!龍騎! デュアルタイムブレイク!》
何処からか飛んで来た炎の斬撃が怪人に当たり、溜め込んだエネルギーと共に爆発する。
《ターイム マジーン!》
またしても何処からか飛んで来た「ろぼ」と文字が書かれた赤いロボットが空中のレッドをキャッチ。そして地上のリュウソウジャー達の前に下ろす。
「あ、ありがと。えーっと……ろぼ?」
プシュウとロボットの胴が開き、中からかめんの戦士が現れた。
「カメン……」
「らいだー?」
「何だお前達、俺の事を知ってるのか?」
ブルーとピンクは当然ながらレッドを助けたこの人物の事など知らない。知らないが、顔に書いてあるのだ。「カメンらいだー」と。
「ゲイツ、ナイスキャッチ!」
そう言いながら現れたのは炎の斬撃を飛ばした張本人。
「今度はディケイドって書いてある!?」
「何なんだお前達は……」
ブラックが二人を警戒しながら聞く。
「俺は仮面ライダージオウ」
「仮面ライダーゲイツだ」
「それよりもリュウソウジャーの皆、詳しい話は後で! まずはマイナソーを、って……」
「逃げられたか」
そこには既に怪人の姿は無かった。
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時計屋クジゴジ堂
「いやぁ~、まさかソウゴくんがお友達を連れて来てくれるなんてね、それも5人!」
クジゴジ堂の店主、常磐順一郎が変身解除したリュウソウジャーの面々にコーヒーを出していく。
「あ、砂糖とミルク、ここに置いとくから。好きなだけどうぞ。じゃ、ごゆっくり~」
角砂糖とミルクが入った小さな壺を机の上に置くと店の奥へと戻っていった。
「じゃあまずは自己紹介からしよっか。俺は常磐ソウゴ、仮面ライダージオウだ。それからこっちは」
「明光院ゲイツ、仮面ライダーゲイツだ」
「私の名はウォズ。仮面ライダーウォズだ」
「俺はリュウソウレッド、コウ」
「同じくリュウソウブルー、メルトだ」
「私はアスナ。リュウソウピンクよ」
「俺はトワ、リュウソウグリーンだ」
「バンバ。リュウソウブラックだ……教えてもらおうか、お前達が何故あの場にいたのか、何故マイナソー、そしてリュウソウジャーの事を知っているのか」
バンバの鋭い視線がソウゴを射抜く。しかしソウゴはそれを全く気にした様子もない。
「まずあの場にいたのか、だけど。もし俺達が間に合わなかったらリュウソウジャーの皆は死んでた。
アナザーライダーは同じライダーの力でないと倒せない。スウォルツにアナザージオウのライドウォッチを埋め込まれたマイナソーはリュウソウジャーの力だけじゃ倒せない……最後は、完全体になったマイナソーにキシリュウオーごと」
「そんなの、やってみなくちゃ分からないだろ!」
「分かりきった事だよ。今話したのは俺が見た未来だ。あのままだったら皆死んでた」
コウにきっぱりと断言するソウゴ。
「……未来予知。それで俺達の事を知ったのか」
「そういうこと」
頭の回るメルトがソウゴの言葉から推理し、結論付ける。実際、その推理は当たっており、リュウソウジャーが全滅する未来を見たソウゴがゲイツを連れてタイムマジーンでリュウソウジャーの元に飛んでいったのである。
「しかし我が魔王、一つ気になることがあるんだが」
「何?ウォズ」
「私はリュウソウジャーなんて戦士も、マイナソーなんて怪物も知らない、そもそも本来の歴史に彼らは存在しない。しかし実際にこの場にいる。我が魔王なら何か知っているのでは?」
「それは私から説明しよう」
「うおっ! びっくりした!」
「何? 誰このおじさん。初めて見るんだけど……」
突然、何処からかともかく現れた眼鏡をかけた壮年の男性。
「初めまして仮面ライダージオウ、そして騎士竜戦隊リュウソウジャーの諸君。君達が出会ってしまった理由。それは全てディケイドのせいなのだ」
「ディケイドって……ソウゴのこと?」
「ディケイドって……門矢士のこと?」
コウとソウゴの声がハモる。男はソウゴを指差して正解! と大声を出す。
「仮面ライダーディケイド、門矢士のせいで仮面ライダージオウと騎士竜戦隊リュウソウジャーの世界が不完全ではあるが融合し、そしてアナザージオウマイナソーという化け物を生み出してしまった……!
世界を元に戻すにはアナザージオウマイナソーからアナザーライドウォッチを取り出し、マイナソーを倒すしかない!
これも全て仮面ライダーディケイドというやつの仕業なのだ……おのれディケイドォオオ!!」
ピーポー。と気の抜けた時計が時を知らせるような音がし、男は跡形もなく消えていた。
バンッ! と勢いよくクジゴジ堂の扉が開かれ、そこから白い服を着た黒髪の少女、ツクヨミが大股で入ってくる。
「ソウゴ! ゲイツ! アナザーライダーが現れた!」
一瞬で戦士の顔になる8人。彼らはそれぞれ顔を見合わせて頷き合い、クジゴジ堂の外へと駆けていった。
「いやぁ~、ごめんごめん。お菓子出すのすっかり忘れてたね。チョコレートケーキあるから一瞬に食べない?
……って、あれ? 誰もいない。あっ、ツクヨミちゃん、おかえり~。チョコレートケーキあるけど、食べる?」
「……いただきます」
Qリュウソウジャーはどうやってジオウの世界に来たの?
Aディケイドのせいにしておけば良いと思います。