それでもみんな生きている・・・
変化を楽しみながら
「おい、日南田。おまえ、じーちゃんとこ行ったの?」
行成が日南田をこづきながら尋ねる。
「あ゛?いくわけねーだろ。
正しく言うと『行けるわけねーだろ』
面会禁止だ」
「そっか・・・おまえんとこもか」
遠くをみながら行成が呟く。
「ん?ゆっきー、おまえ、ばーちゃんとこ
面会行くって言ってなかった?」
日南田が何かに気づき、行成の顔を覗き込んだ。
「ん?ん・・・面会っつっても
テレビ電話な。病院まで行って、そこで
テレビ電話面会すんだよ。病室には入れねえ」
行成は静かに答えた。
「そっか・・・寂しいな」
日南田は行成の背中に静かに手を置いた。
「黄疸になってるらしくて。顔みる勇気ない・・・
てか、見るのはあれでも、見た後に笑顔で
ばーちゃんを励ましてやれる自信がねえ」
行成の目が潤んでいた。
「おい!大将がなにひ弱なこと言ってんだよ!
いつも、おれのこと罵倒してるあの勢い
どしたんだよ!!
ばーちゃんだって、お前の顔みたら
それでうれしーんだから、行ってやれ。
泣きそーになったら、圭太のまっぱだか姿思い出せ!
笑うから。」
日南田の乱暴な励ましに、行成はふっと笑った。
「おまえ、優しいな。
だから、李衣紗も心が揺れるんだろうな」
急な行成の振りに、少々動揺する日南田。
「は?何言ってんの?おまえ
今、李衣紗の話ちゃうだろ!!!
てか、りーは、圭太のことが・・・」
「おまえこそなにひ弱なこと言ってんだよ!
李衣紗のことが好きで好きでしょうがないくせに!
どんなに落ち込んでても李衣紗の顔みた瞬間に
別人になるの、どこのどいつだ、あ?」
急に元気になった行成をみて
ほっとする日南田。
「よかったーーーー。ゆっきー元気になってくれて。
その勢いで、ばーちゃん励ましてこいな。
おれは、いいの!!!」
「よくねえよ。圭太だってお前に気ぃつかってんだぞ。
俺はいいとか、言って。
おまえらみてると、ほんっとイライラする」
行成の思いやりに心を打たれる日南田。
「あのなーなるようにしかならねーから
李衣紗が圭太を好きで、圭太も李衣紗に応えるなら
俺はひくしかねーだろ
いや、おれだって李衣紗がすきだ!!!
俺を見ろ!!!って言いたいよ?
でもさ、無理してまで俺と付き合ってほしく
ないんだよ。俺のことを真正面からみて
向き合ってくれて、圭太の顔がちらつかなくなってくれたら
俺だって喜んで・・・」
「おまえら、友情と愛情とどっち大事なの?
奪っちゃえば女子だって、心動くんだから」
「ゆっきー、知ったような口きくねえ
つきあったこともねえのに」
「は?つきあったことないって思ってんの
おまえだけだよ。俺なはー」
「あんの?」
日南田の鋭い突っ込みにたじたじになりながら
踏ん張る行成
「とにかくな、李衣紗にちゃんと自分の気持ち言えよ」
「とにかくな、おまえ、ばーちゃんに会いに行けよ」
「お互いにまあ、ヘタってことで、
コンビニで肉まんでも買ってこない?」
「お、いいね。腹すきすぎて、腹いてぇ」
二人はソーシャルディスタンスなど
関係ないとばかりに、くっついて
コンビニにスナックを買いに行った。
こんな中ですが
みなさんがんばりましょう・・・
学生さんも
お仕事してる皆さんも
子育てしている皆さんも